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【発明の名称】 靴下の編成方法
【発明者】 【氏名】木嶋 茂
【住所又は居所】神奈川県厚木市金田406 株式会社松元屋内

【要約】 【課題】指袋部を横編み機によって平編みしてから、この指袋部を丸編み機に移載し、指袋部の開口端縁に対して筒状の靴下本体部を丸編みによって連続編成するようにした靴下の編成方法を提供する。

【解決手段】複数の指袋部を一体編成してなる第1の編成体2を横編み機によって編成する工程と、環状保持手段20を用いて、第1の編成体の開口端縁5に沿った一列の全ての編み目内に各保持針を一対一にて挿着する工程と、丸編み機40の針床41に環状配列された各係止針42に、各保持針が保持する第1の編成体の全ての編み目を一括移行せしめる工程と、丸編み機の針床に移行した第1の編成体の開口端縁から、丸編み機の丸編み機構によって筒状の第2の編成体を連続して形成する工程と、から成る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも親指とその他の指とを分離して収納する為の複数の指袋部を有する指袋付き靴下を編成する方法において、複数の指袋部を一体編成してなる第1の編成体を横編み機によって編成する工程と、前記第1の編成体の開口端縁に沿った全ての編み目内に一目ずつ差し込まれる保持針を環状に配置した環状保持手段を用いて、第1の編成体の開口端縁に沿った一列の全ての編み目内に各保持針を一対一にて挿着することによって、環状保持手段によって第1の編成体を保持する工程と、丸編み機の針床に環状配列された各係止針に、第1の編成体を保持した環状保持手段の各保持針が一対一にて対応するように環状保持手段を該針床に被せた後で、該針床から環状保持手段を離脱させる過程で、各保持針が保持する第1の編成体の全ての編み目を各係止針に一括移行せしめる工程と、前記丸編み機の針床に移行した第1の編成体の開口端縁から、丸編み機の丸編み機構によって筒状の第2の編成体を連続して形成する工程と、から成ることを特徴とする靴下の編成方法。
【請求項2】 前記環状保持手段の保持針は、該環状保持手段を前記針床に着脱させる過程で、該各保持針が保持した第1の編成体の各編み目を、丸編み機の各係止針のフック状の先端部に対して確実に移行させ易い形状を備えていることを特徴とする請求項1に記載の靴下の編成方法に用いる環状保持手段。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも親指とその他の指とを分離して収容するための複数の指袋部を備えた指袋付き靴下を製造するための方法に関し、特に従来の指袋付き靴下に欠けていたフィット感を十分に高めた靴下を生産性良く製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、5本の足指それぞれを個別に包むための指袋を備えたいわゆる5本指靴下が知られている。この5本指靴下は、肉体労働に携わる人や、足指に水虫等の皮膚病を有する人にとって好まれる傾向にある。肉体労働に携わる人々は、各種作業時に個々の足指が個別に動くことによって靴底を介して地面に対する踏ん張りが効くという理由などから、これを愛用する傾向にある。また、各足指同士が靴下内で接触する通常の靴下では、足指から発汗したときに隣接し合う指同士が汗を介して接触することによってべとつき感等の不快感を催すが、5本指靴下にあっては足指感に指袋が介在することによって各足指間に溜まろうとする汗を各指袋が早期に吸収してくれるため、水虫の発生や悪化を防止することができるという利点を有する。ところで、従来の5本指靴下は、軍手用の横編み機を改良した5本指靴下専用の横編み機を用いて、軍手を編成する場合と同様に、靴下全体を一括して平編みにて厚手に編成したものである。従来の5本指靴下用横編み機は、指袋から、掌、甲等にかけて編糸を周回編成して平編みにて手袋形状に形成するための機構を有する。これは、指袋部分を編成するのに平編みが最も適していることと、他の部分を異なった編み方によって形成する手間が煩雑であるため、手袋全体を同じ平編みにて編成するのが効率的だからである。そして、上記横編み機を用いて5本指靴下を編成する場合には、指袋と他の部分を同じ編成方法(平編み)にて連続形成していた。このため、靴下の耐久性を考慮すると、比較的太い編糸を用いて指袋を含む靴下全体を均一の肉厚を有した厚手構造に仕上げざるを得なかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の横編み機を用いて製造される、全体が平編みされた厚手の靴下は、着用者にとってフィット感が最も重要視される足の部分、すなわち土踏まずを中心とした足裏、甲、足首、ふくらはぎ等のフィット感が悪化し、履き心地が悪い、靴下がずれるなどといった違和感が多々発生する。これは、靴下によって覆われる足指を除いた部分(足裏、甲、足首、ふくらはぎ等)が、平編みされた伸縮性の悪い厚手の編地と接するために発生する不快感である。また、全体が平編みされた靴下の厚手の指袋はそれ自体がかさばるばかりか、各足指を指袋内に差し込んだ際に各指間に指袋の一部が挟まれた状態となるため、靴下を履いたつま先部分が膨らんで、通常の靴下を履いた場合に比べてつま先部分の体積が膨張し、靴を履いた際に靴先内壁によって圧迫される等の違和感が発生しやすくなる。最悪の場合には、常用している靴が履けなくなったり、無理に履いた場合には足指を痛めるおそれもある。特に冬期用の厚手の靴下にあっては、つま先部分が過大に太くなって靴が履けなくなるという理由から、5本指タイプのものはあまり製造・販売されていない。さらに、足指は足の他の部分に比べて発汗量が非常に多い部位であるにもかかわらず指袋を他の部分と同様に厚手にすると、汗が蒸発しにくくなるという不具合がある。このことは、足指に水虫等の皮膚病をもつ人にとっては特に不都合であり、足指の蒸れを低減する効果を期待して5本指靴下を履いているにもかかわらず、発生した汗が指先から蒸発しにくいことから、従来の5本指靴下がその着用目的を十分に果たすものとは言いがたい。なお、横編み機を用いて指袋を含む靴下全体の編み地を薄手に構成すれば、足指からの発汗を効果的に蒸発させることが可能となるが、つま先を除いた他の部位が薄手となってその耐久性が低下し、肉体労働用の靴下としては適さなくなる。要するに、横編み機を用いて5本指靴下全体を一括して同じ編成方法により製造するという従来の製造方法では、つま先部を除いた足の各部位と接する部分のフィット感、履き心地を高めるという要請や、指袋を薄くして汗の蒸発を促進するという要請を満足した5本指靴下を製造することは不可能であった。
【0004】本出願人は、このような従来の不具合を一挙に解消することができる靴下、即ち、複数の指袋を備えた靴下でありながら履いた際のフィット感が良好な靴下を、特願2000−399517において提案した。しかし、上記特許出願中においては、横編みされた第1の編成体としての指袋部に対して、丸編みによって編成される第2の編成体としての筒状の靴下本体を如何にしてシームレスの状態で連設一体化させるか、という手法については充分に開示されていない。本発明は上記に鑑みてなされたものであり、指袋部を横編み機によって平編みしてから、この指袋部を丸編み機に移載し、指袋部の開口端縁に対して筒状の靴下本体部を丸編みによって連続編成するようにした靴下の編成方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、少なくとも親指とその他の指とを分離して収納する為の複数の指袋部を有する指袋付き靴下を編成する方法において、複数の指袋部を一体編成してなる第1の編成体を横編み機によって編成する工程と、前記第1の編成体の開口端縁に沿った全ての編み目内に一目ずつ差し込まれる保持針を環状に配置した環状保持手段を用いて、第1の編成体の開口端縁に沿った一列の全ての編み目内に各保持針を一対一にて挿着することによって、環状保持手段によって第1の編成体を保持する工程と、丸編み機の針床に環状配列された各係止針に、第1の編成体を保持した環状保持手段の各保持針が一対一にて対応するように環状保持手段を該針床に被せた後で、該針床から環状保持手段を離脱させる過程で、各保持針が保持する第1の編成体の全ての編み目を各係止針に一括移行せしめる工程と、前記丸編み機の針床に移行した第1の編成体の開口端縁から、丸編み機の丸編み機構によって筒状の第2の編成体を連続して形成する工程と、から成ることを特徴とする。請求項2の発明は、前記環状保持手段の保持針は、該環状保持手段を前記針床に着脱させる過程で、該各保持針が保持した第1の編成体の各編み目を、丸編み機の各係止針のフック状の先端部に対して確実に移行させ易い形状を備えていることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる製造方法によって製造せんとする靴下の構成を示す説明図であり、(a)は分解図、(b)は完成品の構成図である。この図において、靴下1は、足指を個別に収容しつつ足のつま先部分を収容する指袋部としての第1の編成体2と、つま先以外の足の部位にフィットするように略筒状に編成された第2の編成体(靴下本体)10とからなり、これらを連結した構成を有する。すなわち、前記第1の編成体と前記第2の編成体の開口端縁部同士を編糸によって縫合することによって完成される。第1の編成体2は、親指の指袋部3a、第2の指の指袋部3b、第3の指の指袋部3c、第4の指の指袋部3dおよび小指の指袋部3eからなる各足指に合わせた5本の指袋部3と、全ての指袋部3を連接する連接部4とからなり、指袋部3と連接部4とが一体編成されたものである。第1の編成体2の後端、すなわち連接部4における指袋部3と対向する位置には開口5を有し、この開口5の環状の端縁部から連続して丸編み機によって第2の編成体10が編成開始される。即ち、この第1の編成体は横編み機を使用して平編みにて編成され、その後第1の編成体2の開口5の端縁から丸編み機によって編み目の連続した丸編みによって第2の編成体10が新たに編成開始される。第2の編成体(靴下本体)10は、つま先部を除いた足の部位(足裏、足の甲、かかと、足首、くるぶし、脛、脹脛等)に接する部分であり、筒状の編成体の一端は足挿入口11となって口ゴム等が施されるとともに、他端には第1の編成体と連結される開口12を有する。またかかとが接する部分にはずれ落ちを防止してフィット性を高めるためにかかとを包み込むような編成部分を形成する。この第2の編成体10は、接する足の各部位との間でフィット性を十分確保して、履いたときの違和感、ずれ落ちを防止することが何よりも求められるため、丸編み機を用いて筒状に編成される。すなわち、人間の足にフィットし易い形状に仕上げることが可能とされる周知の丸編み機を用いて、つま先部分を除いた足の部位について一般の靴下と同様に編成するものである。
【0007】同出願人による前記特許出願中においては、予め完成した第1と第2の編成体の開口部同士を連結することを前提としていたため、リンキング方式、オーバーロック方式、ロッソ方式等、種々の方法が提示されていた。例えば、リンキング方式では、リンキングミシンを用いて、第1の編成体の開口5および第2の編成体の開口12それぞれの周縁を構成する個々のループを一対一の対応関係でかがって縫合することにより、つなぎ目にごろつき感がなく履き心地のいい靴下に仕上げることができる。しかし、2つの編成体の開口部を夫々針床から延びる個々の針に一目ずつ対応させて差し込むという極めて煩雑且つ効率の悪い作業が必要となるため、生産性が悪かった。また、オーバーロック方式では、編み目の目は無視して編み目間よりもこまかく縫っていき、編み目がほつれないようにするためかがり部が厚く硬くなり、つま先部のごろつき感があるものの、編み目をひろわなくてもすむためリンキング方式に比べて容易に連結できるという利点を有している。また、ロッソ方式は基本的にはオーバーロック式と同様であるが、縫い合わせ部が細くなっているためオーバーロック式よりごろつき感はない。このように前記特許出願中において提案した方法、即ち予め別々に完成した2つの編成体同志を接続するという従来方法によって靴下を製作した場合には、生産性の低下、繋ぎ目に形成される肉厚によって履き心地が悪くなる等という不具合を解消することが出来なかった。
【0008】そこで、本発明では、このような不具合を一挙に解決するために、予め第1の編成体2だけを横編み機にて製造しておき、この第1の編成体の開口部の環状の端縁から丸編み機により筒状の靴下本体(第2の編成体10)を編成開始するようにしている。製造手順としては、まず、予め編成された第1の編成体2の開口5の端縁に沿った全ての編み目内に一目ずつ差し込まれる保持針21を環状の基部22上に環状に突出配置した環状保持手段20を用いて、第1の編成体の開口端縁に沿った全ての編み目内に各保持針21を一対一にて差し込む(挿着する)ことによって、環状保持手段20によって第1の編成体2を保持する作業が実施される。
【0009】環状保持手段20は、図2(a)に示すように、金属、樹脂等の充分な剛性を備えた材料から成る環状の基部22の一端縁に沿って所定のピッチにて保持針21を上向きに突設した構成を備えている。個々の保持針21は、図2(b)に示した如く、対向する2つの側片23と、両側片23間を連結する連結片24と、を備える。各側片23は、基部22に固定される側の幅広の基端部23aと、基端部23aから上方へ延びる狭幅の編み糸保持部23bと、を有する。両側片23と連結片24との間には溝25が形成される。各保持針21を、図2(c)のように第1の編成体2の開口端縁に沿った一列内の各編み目に対して一目づつ差し込むことにより、編み糸保持部23bが編み目を構成する編み糸30を保持した状態となる。溝25は、後述する丸編み機の係止針を受入れ可能な深さと位置関係を有する。環状保持手段20を構成する基部22の径、及び保持針21のピッチや本数は、対応する丸編み機側の針床側の径、及び係止針のピッチや本数と対応するように予め設定されている。勿論、保持針21の本数は、第1の編成体2の開口部5に沿った全編み目数と一致するように予め設定されている。環状保持手段20の基部22の内壁から中心に向けて延びる複数の径部材27は基部22の中心位置において中心部26と一体化しており、中心部26には中心孔26aが形成されている。中心孔26a内には、上向きに延びる固定用の棒28の先端を差し込み、保持針21側を上向きにして水平に支持する。このような構成を備えた環状保持手段20に対して、図3(a)に示すように、手作業によって第1の編成体2の開口部5に沿った一列の編み目内に、個々の保持針21を差し込んで行くことにより、図3(b)に示すように環状保持手段20によって第1の編成体2を保持完了した状態とする。実際の作業において、厳密に第1の編成体2の開口部端縁に沿った一列目の編み目に保持針を差し込んで行く作業が煩雑な場合には、一列目よりも数列後退した位置にある編み目列に沿って保持針を差し込んで行き、差し込み完了後に当該編み目列よりも開口側に位置する編み糸をほぐして除去するようにしてもよい。つまり、保持針を当初差し込む列は、一列目でなくても第何列目であっても良いが、最終的な結果として、一列目になっていればよい。
【0010】次に、図4は丸編み機40の一例を示す斜視図であり、この丸編み機40は、図示しないモータによって正逆回転駆動される環状の針床41と、針床41の環状の周縁に沿って環状に配列(立設)された係止針42等を備え、針床41に対して開閉自在に構成された編み機本体43を針床41に被せた状態で各係止針42に対して順次編み糸を供給することにより、丸編みが行われる。各係止針42は、図2(c)にも示したように先端部42aが外向きにフックした形状であり、第1の編成体2の開口部5に沿った編み目列の目数と同数の本数だけ設けられている。このような構成を備えた丸編み機の針床41に対して、図3(b)に示した如く第1の編成体2を装着完了した環状保持手段20を、図5(a)に示したように保持針側を下向きにしてセットする。即ち、針床41側から上向きに突出する各係止針42に対して、環状保持手段20側の各保持針21が一対一の関係で対応するように正しい姿勢にて装着させる。すると、図5(b)に示したように各保持針21の溝25内に各係止針が先端から入り込み、最後にはフック状の先端部42aが編み糸30を乗り越えた状態となる。この状態で環状保持手段20を上方に退避させて針床41から離脱させることにより、全ての編み糸30が全ての係止針42側へ移行し、係止針42によって第1の編成体2が保持された状態となることは明らかである(図6の状態)。図6の状態では、第1の編成体2の開口部端縁に沿った一列目の編み目列が各保持針21によって保持された状態にある。このように第1の編成体2を針床41にセット完了した状態で、編み機本体43を図7に示すように針床41上に被せることにより、丸編み機40は稼働できる状態となり、針床41を正転方向、逆転方向へ、交互に回転させる過程で、編み機本体43側から各保持針21に対して編み糸を供給することによって、第1の編成体2の最端縁に位置する編み目に対して順次連続して、丸編みによる第2の編成体10が編成される。編成が進行するに連れて、得られた編成体は、針床41の中心部の開口から下方へ吊り下がり、靴下の足挿入口11が編成完了した時点で一つの靴下が完成する。
【0011】なお、丸編み機とは、周知のように、円形の針床で、所要の針(例えばべら針、ひげ針等)を用いて編糸をらせん状に編んでいき、筒状の横編み地を形成する編み機の総称であり、横編み機と同様の編成動作を行う。すなわち、丸編み機は、横編み機の前針床をシリンダ(針筒、下釜)とよばれる円筒状の針床、または水平放射状の針床にしたものであり、シリンダ針の上下運動による垂直移動か、さらに後針床をダイヤルと呼ばれる円板状の針床、または円筒状の針床に配列されたダイヤル針の前後運動により、編成を行うものである。本発明を適用できる丸編み機の構造、機種は、図示したタイプに限るものではないが、丸編み機は通常円環状の針床を備えているため、環状保持手段として、保持針の形状、寸法、ピッチ等を、丸編み機側の針床に合致させたものを採用すれば、あらゆるタイプの丸編み機を用いて図1(b)に示した如き構成を備えた靴下を効率よく製造することができる。
【0012】このように本発明の製造方法によって製造された5本指靴下1は、指袋を備えた構成でありながら、一般の靴下と同様にフィット感、履き心地が極めてよい。すなわち、つま先部分を除いた足の部位に接する第2の編成体を、第1の編成体とともに平編みにて編成するのではなく、人間の足にフィットし易い形状に仕上げることが可能な丸編み機を用いて一般の靴下と同様に編成するものであるから、靴下を履いた際のフィット感が良好であり、履いたときの違和感、ずれ落ち等を防止することができる。また、本発明では、つま先部を覆う第1の編成体2を製造してから、この第1の編成体の開口端縁に対して第2の編成体10を新たに編成開始するため、各編成体を夫々異なった素材や材質の編糸を用いて任意の編み方にて編成することができる。したがって、第1の編成体2と第2の編成体10とに求められる特性がそれぞれ異なる場合に、それぞれの特性を発揮するのに最も適した材質の編糸および編成方法を選定することができる。
【0013】また、第2の編成体を編成開始するに先立ち、予め寸法、針数等を第1の編成体の開口端縁の編み目と整合させた環状保持手段に対して、第1の編成体を組み付ける作業を行い、その後丸編み機の針床に対してこの第1の編成体を移し替える作業を行うだけで、第2の編成体の編成を開始できるので、作業性が極めて良い。また、第2の編成体10を編成する編み糸として、第1の編成体2と同じ編み糸を使用することにより、両編成体の接合部を目視や手触りで判別することが困難な一体編成品と同等に仕上げることが可能となり、製品の価値を高めることができる。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、指袋部を横編み機によって平編みしてから、この指袋部を丸編み機に移載し、指袋部の開口端縁に対して筒状の靴下本体部を丸編みによって連続編成するようにした靴下の編成方法を提供することができる。即ち、本発明によれば、少なくとも親指とその他の指とを分離して収納する為の複数の指袋部を有する指袋付き靴下を製造する編成方法において、複数の指袋部を一体編成してなる第1の編成体を横編み機によって編成する工程と、前記第1の編成体の開口端縁に沿った全ての編み目内に一目ずつ差し込まれる保持針を環状に配置した環状保持手段を用いて、第1の編成体の開口端縁に沿った一列の全ての編み目内に各保持針を一対一にて差し込むことによって、環状保持手段によって第1の編成体を保持する工程と、丸編み機の針床に環状配列された各係止針に、第1の編成体を保持した環状保持手段の各保持針が一対一にて対応するように、環状保持手段を該針床に被せて各保持針が保持する第1の編成体の編み目を各係止針に移行せしめてから環状保持手段を針床から離脱させる工程と、前記丸編み機の針床に移行した第1の編成体の開口端縁から丸編み機の丸編み機構によって筒状の第2の編成体を連続形成する工程と、から成るので、両編成体の開口端縁同志を無理に縫合して接合部が嵩張った状態になったり、或いは両編成体の開口端縁に対して一目ずつ編み機の針を差し込み係止した上で接合する等の煩雑な作業が不要となる。その結果、複数の指袋を備えた靴下でありながら履いた際のフィット感が良好であり、履いたときの違和感、ずれ落ち等を防止することができる靴下を生産性よく製造することができる。また、両編成体の編み糸として同一のものを使用することにより、接合部が目視でも触感としても判別不能な一体構造の靴下を提供できる。また、編み糸として異なった太さ、材質、色を使用することにより、つま先部と本体部との間で異なったフィット感、履き易さを確保できる。
【出願人】 【識別番号】500302378
【氏名又は名称】株式会社松元屋
【住所又は居所】神奈川県厚木市金田406
【出願日】 平成13年7月18日(2001.7.18)
【代理人】 【識別番号】100085660
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 均
【公開番号】 特開2003−27357(P2003−27357A)
【公開日】 平成15年1月29日(2003.1.29)
【出願番号】 特願2001−218582(P2001−218582)