トップ :: D 繊維 紙 :: D04 組みひも;レ−ス編み;メリヤス編成;縁とり;不織布

【発明の名称】 強撚糸からなるバイアスストライプ生地およびその生地を用いた衣料品
【発明者】 【氏名】大川 博之
【住所又は居所】大阪府枚方市船橋本町1丁目706番地 株式会社オオカワニット内

【要約】 【課題】

【解決手段】普通の糸よりも強く撚った糸(強撚糸)を用いて天竺編、かのこ編その他のシングル丸編みにより一定間隔のストライプa,aを有する筒状の編地Aを編成する。そして、筒状のこの編地Aを長手方向のカットラインc1に沿って裁断し、それを切り開く。すると、強撚糸は斜行する性質を有しているため、その性質によって前記ストライプaがバイアス状に大きく斜行したバイアスストライプ模様を有する生地となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】強撚糸を用いて天竺編、かのこ編その他のシングル丸編みにより一定間隔のストライプa,aを有する筒状の編地Aを編成した後、筒状のこの編地Aを長手方向のカットラインc1に沿って裁断し、それを切り開いた時強撚糸が斜行する性質を利用して前記ストライプaをバイアス状に大きく斜行せしめたことを特徴とする強撚糸からなるバイアスストライプ生地。
【請求項2】強撚糸を用いて天竺編、かのこ編その他のシングル丸編みにより一定間隔のストライプa,aを有する筒状の編地Aを編成した後、筒状のこの編地Aを長手方向のカットラインc1に沿って裁断し、それを切り開いた時強撚糸が斜行する性質を利用して前記ストライプaをバイアス状に大きく斜行せしめ、このバイアスストライプ生地Bを所定形状に裁断し、それを縫製したことを特徴とするシャツその他の衣料品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強撚糸を用いて編成された生地であって一定間隔のストライプを有するバイアスストライプ生地およびその生地を用いて縫製されたシャツその他の衣料品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】綿を軽く撚っただけの普通の糸を用いて天竺編、かのこ編その他のシングル丸編みにより筒状の編地を編成することは、従来から普通に行われている。この場合において、一定間隔のストライプa',a'を有するものとするためには、図2の左側に示すように、ストライプa'となる部分の糸の色を他の部分と異ならしめながら順次連続する筒状の編地A'に編成して行く。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、普通の糸を用いて編成された筒状の編地A'を、図2の左側に示すように、長手方向のカットラインc1' に沿って裁断し、それを同図右側に示すように切り開いて一枚の平らな生地B'にした場合には、一定間隔のストライプa',a'はわずかに傾斜するに過ぎない。したがって、この生地を用いてシャツその他の衣料品を縫製した場合には、有り触れた斜め縞模様のものが出来上がるに過ぎない。また、横縞模様(横ボーダーと称せられる)の衣料品D'もごく普通のものである。
【0004】一方、普通の糸よりも強く撚った糸(強撚糸)を用いた場合には、普通の糸を用いた場合に比べて独特なしゃり感やぬめり感などを有する生地になることが様々な研究を通して立証されるに至った。このような風合いと外観は衣料品の生地として最も重要な要素であり、無視することができないものである。そして、上記強撚糸を用いた生地も盛んに販売されるようになった。
【0005】このような状況下において、上記強撚糸を用いた生地の大半は無地であり、ストライプ模様を有するものはほとんど見当たらない。逆に、横縞模様(横ボーダーと称せられる)の衣料品には強撚糸が用いられておらず、独特なしゃり感やぬめり感など衣料品の生地として最も重要な要素を有していない。そこで、衣料品の生地として最も重要な上記各要素を有し、かつ、バイアス状に大きく斜行するストライプ模様を有する生地の開発が望まれている。合わせて、そのような衣料品の出現も待ち望まれている。本発明は、これらの要望を満たす生地ならびに衣料品を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、強撚糸を用いて天竺編、かのこ編その他のシングル丸編みにより一定間隔のストライプa,aを有する筒状の編地Aを編成した後、筒状のこの編地Aを図1に示すように長手方向のカットラインc1に沿って裁断し、それを同図右側に示すように切り開いた時強撚糸が斜行する性質を利用して前記ストライプaをバイアス状に大きく斜行せしめることによって達成することができる。
【0007】すなわち、本発明は、筒状のこの編地Aを裁断して切り開いた時強撚糸が斜行して図1の右側に示すように生地全体が大きく歪み、それに伴って一定間隔のストライプa,aがバイアス状に大きく斜行してバイヤスストライプ模様になることを巧みに利用したものである。このように、強撚糸を用いることによってバイアス状に大きく斜行するバイヤスストライプ模様を有するきわめて特異な生地となるのみならず、独特なしゃり感やぬめり感など衣料品の生地として最も重要な要素を有するものとなる。
【0008】一方、本発明では、強撚糸を用いて天竺編、かのこ編その他のシングル丸編みにより一定間隔のストライプa,aを有する筒状の編地Aを編成した後、筒状のこの編地Aを図1に示すように長手方向のカットラインc1に沿って裁断し、それを同図右側に示すように切り開いた時強撚糸が斜行する性質を利用して前記ストライプaをバイアス状に大きく斜行せしめてバイアスストライプ生地Bとする。そして、このバイアスストライプ生地Bを図3(a) の鎖線で示すように所定形状に裁断し、それを縫製して図3(b) に示すようにシャツその他の衣料品Dとする。
【0009】このような衣料品Dは、バイアス状に大きく斜行するバイアスストライプ模様を有しており、従来の有り触れた斜め縞模様のものや横縞模様(横ボーダーと称せられる)のものに比べてきわめてしゃれたものである。上記バイアスストライプ生地BからTシャツを縫製した場合には、特にしゃれたものになる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態を、図面に基いて詳細に説明する。本発明においては、普通の糸より撚り回数を増やした(追撚りと称せられる)糸(強撚糸)を用いて天竺編、かのこ編その他のシングル丸編みにより一定間隔のストライプa,aを有する筒状の編地Aを編成する。この場合には、普通の糸を用いた場合に比べて独特なしゃり感やぬめり感などを有する生地になる。
【0011】ここに、強撚糸とは普通の糸より撚り回数を増やした糸のことをいう。例えば、綿糸の場合を例に挙げると、普通の糸の撚り回数は1インチ当り通常次に示す通りである(太さにより、通常の撚り回数は異なる)のに対し、ここでいう強撚糸はこのような糸より撚り回数を1インチ当り通常次に示す程度増やした(追撚りした)ものである。
綿番手 普通の糸の撚り回数 強撚糸の追撚り回数(合計撚り回数)
10/1 14回/1インチ 10回/1インチ(24回/1インチ)
20/1 17回/1インチ 12回/1インチ(29回/1インチ)
30/1 20回/1インチ 15回/1インチ(35回/1インチ)
40/1 22回/1インチ 20回/1インチ(42回/1インチ)
追撚り回数を何回にするかは自由である。同じ番手の糸であれば、追撚り回数を増やすと、それだけ前記バイアスストライプの斜行は大きくなる傾向にある。なお、シングル丸編みとは針が植え付けられている釜(シリンダ)を1つ用いた丸編機で編成される編み方をいい、天竺編、かのこ編のほかに、浮き編、パイル編などを挙げることができる。
【0012】そして、一定間隔のストライプa,aを有する筒状の編地Aを図1の左側に示すように長手方向のカットラインc1に沿って裁断し、それを同図右側に示すように切り開く。すると、強撚糸は斜行する性質を有しているため、その性質によって前記ストライプaは同図右側に示すようにバイアス状に大きく斜行せしめられることになる。すなわち、本発明では、筒状の編地Aを切り開いた時強撚糸が斜行する性質を利用して前記ストライプaをバイアス状に大きく斜行せしめたものである。
【0013】前記ストライプaをバイアス状に大きく斜行せしめたバイアスストライプ生地Bを図3(a) の鎖線で示すように所定形状に裁断し、それを縫製して図3(b) に示すようにシャツその他の衣料品Dとする。このような衣料品Dは、バイアス状に大きく斜行するバイアスストライプ模様を有しており、従来の有り触れた斜め縞模様のものに比べて、また、例えば、図4に示すような有り触れた横縞模様の衣料品D'に比べてきわめてしゃれたものである。このバイアスストライプ生地BでTシャツを縫製した場合には、特にしゃれたものになる。
【0014】普通の糸を用いて編成された筒状の編地A'を、図2の左側に示すように、長手方向のカットラインc1' に沿って裁断し、それを同図右側に示すように切り開いて一枚の平らな生地B'にした場合には、一定間隔のストライプa',a'はわずかに傾斜するに過ぎない。したがって、この生地を用いてシャツその他の衣料品を縫製した場合には、有り触れた斜め縞模様のものが出来上がるに過ぎない。これに対して、本発明の場合には、バイアス状に大きく斜行するバイアスストライプ模様を有しており、従来の有り触れた斜め縞模様のものや有り触れた横縞模様(横ボーダーと称せられる)のものに比べてきわめてしゃれている。
【0015】なお、図1、図2に示す筒状の編地A、A'における一定間隔のストライプa、a'部分については、他の部分と糸の色を異ならしめてあり、色違いの糸を交互に用いることによって一定間隔のストライプ模様を形成することができる。そして、図1、図2のストライプa、a'部分については、それらを細かい間隔で縦方向に同じ長さで走る多数の直線で表してある。これに対して、両図の右側に示すように切り開いて一枚の平らな生地B,B'にした場合におけるストライプa、a'部分については、黒く塗りつぶした形で表してある。また、図3(a) におけるストライプa部分については、便宜上、塗りつぶさない形で表してある。
【0016】筒状の編地Aを編成するに当っては、切り開かれた場合の生地Bの横幅が180cm程度になるように編成するのが好ましいが、横幅をどの程度にするかは自由であり、また、前記数値よりも狭くなるように、あるいは、前記数値よりも広くなるように筒状の編地Aを編成することもできる。また、切り開かれた場合の生地Bの長さは編成される筒状の編地Aの長さによって異なるが、その長さをどの程度にするかも自由であり、通常2m〜40mとすることができる。なお、図1の右側に示すように、バイアス状に大きく斜行するバイアスストライプ生地Bを長さ方向の2箇所c2,c2でカットすると、方形状の正規の生地製品とすることができる。
【0017】
【発明の効果】請求項1記載のバイアスストライプ生地は、一定間隔のストライプがバイアス状に大きく斜行するバイヤスストライプ模様を有するきわめて特異なものであり、しかも、独特なしゃり感やぬめり感など衣料品の生地として最も重要な要素を有するものである。
【0018】請求項2記載の衣料品は、バイアス状に大きく斜行するバイアスストライプ模様を有しており、従来の有り触れた斜め縞模様のものや有り触れた横縞模様(横ボーダーと称せられる)ものに比べてきわめてしゃれたものである。このバイアスストライプ模様を有する生地でTシャツを縫製した場合には、特にしゃれたものになるという利点を有する。
【出願人】 【識別番号】596115388
【氏名又は名称】株式会社オオカワニット
【住所又は居所】大阪府枚方市船橋本町1丁目706番地
【出願日】 平成13年7月13日(2001.7.13)
【代理人】 【識別番号】100103654
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 邦彦 (外2名)
【公開番号】 特開2003−27355(P2003−27355A)
【公開日】 平成15年1月29日(2003.1.29)
【出願番号】 特願2001−213450(P2001−213450)