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パワー強化伸縮性たて編地とそれを用いた繊維製品 - 特開2003−13347 | j-tokkyo
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【発明の名称】 パワー強化伸縮性たて編地とそれを用いた繊維製品
【発明者】 【氏名】川島 保惠

【要約】 【課題】着用感や外観を損なうことなく、締付パワーと通気性とを同時に付与し、快適に着用できる衣料のための伸縮性たて編地。

【解決手段】非弾性糸、または非弾性糸と弾性糸とでなる地編に弾性糸を挿入し、締付パワーの大きな少なくとも3本の帯状締付パワー強化編地部分2が、隣接する帯状締付パワー強化編地部分2よりも締付パワーおよび目付けの小さな帯状中間編地部分3を挟んで、縞状に一体編成されたパワー強化伸縮性たて編地。締付パワー強化編地4を帯状中間編地部分3を間に挟んで帯状に分離する結果、熱を放散しやすく衣料内部の換気を向上させて蒸れ感を防止することができる。インナーウエアやスポーツウエア用に好適。
【特許請求の範囲】
【請求項1】非弾性糸でなる地編に弾性糸を挿入した締付パワーの大きな少なくとも3本の帯状締付パワー強化編地部分(2)と、隣接する前記帯状締付パワー強化編地部分よりも締付パワーおよび目付けの小さな帯状中間編地部分(3)とが、交互、縞状に一体編成されていることを特徴とする、パワー強化伸縮性たて編地。
【請求項2】前記帯状締付パワー強化編地部分の幅をよこ方向に順次、増大し又は減少することにより、編地全体として締付パワーおよび目付けの大きさをよこ方向に順次、増大させ又は減少させていることを特徴とする、請求項1記載のパワー強化伸縮性たて編地。
【請求項3】前記帯状中間編地部分の幅が一定であることを特徴とする、請求項1または2記載のパワー強化伸縮性たて編地。
【請求項4】前記帯状中間編地部分の幅をよこ方向に順次、減少し又は増大することにより、編地全体として締付パワーおよび目付けの大きさを順次、増大させ又は減少させていることを特徴とする、請求項1または2記載のパワー強化伸縮性たて編地。
【請求項5】前記帯状締付パワー強化編地部分の締付パワーの大きさをよこ方向に順次、増大し又は減少することにより、編地全体として締付パワーおよび目付けの大きさを順次、増大させ又は減少させていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のパワー強化伸縮性たて編地。
【請求項6】前記パワー強化伸縮性たて編地に挿入する弾性糸を所定の間隔で糸抜きすることにより、締付パワーおよび目付けの小さな帯状中間編地が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のパワー強化伸縮性たて編地。
【請求項7】非弾性糸でなる地編みに弾性糸が挿入され、前記帯状締付パワー強化編地部分の締付パワーよりも小さな締付パワーを有する伸縮性たて編地からなる主編地部分(1)を接続して一体に編成されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のパワー強化伸縮性たて編地。
【請求項8】地編みが、非弾性糸と弾性糸とでなる編地であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のパワー強化伸縮性たて編地。
【請求項9】外縁(7)をヘムに編成したことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のパワー強化伸縮性たて編地。
【請求項10】請求項1〜9に記載のパワー強化伸縮性たて編地の中から選ばれる1または複数の編地が、所要の組合せに配列されて一体に編成されていることを特徴とする、パワー強化伸縮性たて編地。
【請求項11】請求項1〜10のいずれかに記載のパワー強化伸縮性たて編地を用いて縫製されていることを特徴とする繊維製品。
【請求項12】ヘムを開口部として縫製されていることを特徴とする、請求項11記載の繊維製品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、よこ方向において締付パワーおよび目付けの大きさを段階的に調整して締付パワーと通気性とを付与したパワー強化伸縮性たて編地、およびその編地を用いて加工した繊維製品に関する。本発明パワー強化伸縮性たて編地は、インナーウエアやスポーツ衣料用素材として好ましく利用することができる。
【0002】
【従来の技術】ガードル等のインナーウエアやスポーツ用衣料などは、衣料を身体に密着させ、着脱を容易にするため、弾性糸を用いた伸縮性の大きな編地を素材に使用することが多い。通常、胴回りや脚開口部などの大きな締付パワーを必要とする部位に弾性糸を挿入した締付パワーの強いテープ状編地を編成して主編地に縫いつけ、あるいは重ねて縫製している。しかし、このようにして縫製した衣料は、着用者に縫製部分の違和感を与えたり、身体に密着した縫製ラインが外部に表れてファッション性を損なったり、縫製コストを増やすので、かねてから編地や縫製方法を改良する提案がなされていた。
【0003】例えば、実開平6−25308号公報に記載の考案は、面状に緊締される弾性糸を含む交編素材などで裾充当部片を形成し、裾回り部分を平滑で段差を少なくしたガードルを提供している。また、実開平5−19309号公報には、水着などにおいて締付パワー差のある編地を段階的に切り替え、パッカリングなどを防止した水着などが開示されている。さらに、特開平11−001853号公報には、主編地とパワー強化編地との間に中間的なパワーを有する編地を一体にしてパッカリングやボーイングなしに主編地とパワー強化編地とを編成し、縫製ラインを短くして着用感および外観を改善する伸縮性たて編地が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、インナーウエアやスポーツ衣料などには前記以外にも問題がある。締付パワーを強化した衣料では、胴周りなど締付け部分の通風が阻害されて蒸れがたまり、衣料内全体が汗ばんでくる。これまでにも、吸汗性や透湿性を向上するために多くの素材が提案されてきた。しかし、締付パワーと通風という相反する問題を十分に解決するには至らず、前記の蒸れの問題は解消されていない。本発明は、着用感や外観を損なうことなく締付パワーと通気性とを同時に付与し、快適に着用できる繊維製品およびその素材になる編地の提供を目的にする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明を図面を参照して説明する。前記の課題を解決するために本発明は、非弾性糸でなる地編に弾性糸を挿入した締付パワーの大きな少なくとも3本の帯状締付パワー強化編地部分2と、隣接する前記帯状締付パワー強化編地部分よりも締付パワーおよび目付けの小さな帯状中間編地部分3とが、交互、縞状に一体編成されていることを特徴とする、パワー強化伸縮性たて編地を提供する。
【0006】用途的にみると本発明パワー強化伸縮性たて編地は、編地全体として締付パワーおよび目付けの大きさをよこ方向に順次、増大させ又は減少させることが好ましい場合が多い。このような編地は、帯状締付パワー強化編地部分2の幅をよこ方向に順次、増大し又は減少して編成すればよい。外観上は、帯状中間編地部分3の幅を一定に編成することが多い。また、使用目的によっては、前記帯状中間編地部分3の幅をよこ方向に順次、減少し又は増大することにより、編地全体として締付パワーおよび目付けの大きさを順次、増大させ又は減少させることもできる。さらに、前記帯状締付パワー強化編地部分2の締付パワーの大きさをよこ方向に順次、増大し又は減少することにより、編地全体として締付パワーおよび目付けの大きさを順次、増大させ又は減少させてもよい。前記の締付パワーおよび目付けの小さい帯状中間編地3は、たとえば、前記パワー強化伸縮性たて編地に挿入する弾性糸を所定の間隔で糸抜きして形成することもできる。
【0007】さらに本発明は、パワー強化伸縮性たて編地に、非弾性糸でなる地編みに弾性糸を挿入して編成され、前記帯状締付パワー強化編地部分2の締付パワーよりも小さな締付パワーを有する伸縮性たて編地からなる主編地部分1を接続し、一体に編成したことを特徴とする、パワー強化伸縮性たて編地を提供する。
【0008】使用目的によっては、前記した各パワー強化伸縮性たて編地の地編を非弾性糸と弾性糸とで編成したものが有用である。また、パワー強化伸縮性たて編地の中から選ばれる1または複数の編地を所要の組合せに配列し一体に編成した編地も利用価値が大きい。
【0009】前記したパワー強化伸縮性たて編地は、各種の繊維製品素材として好適であり、中でも外縁をヘムとして編成した編地を用いれば、ヘムを繊維製品の開口部として好適に縫製することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】さらに、本発明について実施形態例をあげながら必要により図面を参照して具体的に説明する。図1,図2,図3はそれぞれ本発明パワー強化伸縮性たて編地の実施形態を例示する模式図である。
【0011】まず、本発明のもとになるのは、非弾性糸、または非弾性糸と弾性糸とでなる地編に弾性糸を挿入し、締付パワーの大きな少なくとも3本の帯状締付パワー強化編地部分2が、隣接する帯状締付パワー強化編地部分2よりも締付パワーおよび目付けの小さな帯状中間編地部分3を挟んで、縞状に一体編成されたパワー強化伸縮性たて編地である。締付パワー強化編地4を、パワーが低く目付けの小さな帯状中間編地部分3を間に挟んで帯状に分離する結果、熱を放散しやすく衣料内部の換気を向上させて蒸れ感を防止することができる。そして、上記のパワー強化伸縮性たて編地4は、一般的に用いられる比較的締付パワーの小さい伸縮性の主編地1に接合、一体に編成して縫製の合理化を進めることができる。
【0012】本発明編地に使用する非弾性糸は、合成繊維であると天然繊維であるとを問わず、ナイロンなどの合成繊維マルチフィラメント糸や綿糸などを適宜に選択すればよい。弾性糸は被覆弾性糸であっても差し支えなく、一般にポリウレタン糸を使用する。合成繊維マルチフィラメントに総繊度20〜100デニール、単繊維繊度0.5〜4デニールの範囲、綿糸は60〜120番手の範囲、弾性糸は総繊度40〜840デニール、単繊維繊度2〜112デニールのものを使用すれば、そのままインナーウエアに利用できる利点がある。合成繊維マルチフィラメントとしては、ポリエステルやナイロンなどが挙げられ、なかでも吸水性に富むナイロンはインナーウエア用編地として好ましく用いられる。合成繊維マルチフィラメントと綿糸との混合割合は、前記と同様目的とする機能に適合するように決めることができる。
【0013】本発明の締付パワー強化たて編地4は、締付パワーおよび目付をよこ方向に段階的に強化または低減することによって、用いる衣料の蒸れ感と締付感とを同時に和らげることが可能になる。図1に模式的に示される例のように、帯状中間編地部分3の幅を一定として帯状締付パワー強化編地部分2の幅を締付パワー強化方向、主編地1側から外縁7に向かってよこ方向に順次、広げて強化することができる。これに対して図2にあげた例では帯状締付パワー強化編地部分2bの幅を一定に、帯状中間編地部分3bの幅をよこ方向に順次、小さくすることにより締付パワーを段階的に強化している。また、帯状締付パワー強化編地部分の幅と帯状中間編地部分の幅とを一定に、あるいはその比を一定にして、締付パワー強化帯状編地部分の締付パワーを順次強化し通気性を保持しつつ編地全体としてよこ方向に締付パワーを強化させ、または低減させることもできる。前記の方法を適宜に組み合わせて締付パワーを強化させ、必要な通気性をもたせてもよい。
【0014】帯状中間編地部分3、帯状締付パワー強化編地部分2あるいは主編地1の締付パワーおよび目付けは、挿入糸の繊度やランナーを変えて所要の値に編成すればよい。たとえば、帯状中間編地部分3は挿入弾性糸の糸抜き、挿入糸の繊度、ランナーの調整などの手段を用い、締付パワーおよび目付けを小さく通気性を重視して編成することができる。締付パワー強化たて編地4において挿入した弾性糸を所定の間隔で糸抜きして帯状中間編地部分3とし、パワー強化編地部分を帯状に分割する方法は予想外に効果的である。とくに通気性については条件にもよるが、通常、1本の帯状中間編地部分3当たり1〜3ウエールの糸抜きで足り、1ウエールであっても非常に効果的である。パワー強化編地部分4に対する帯状中間編地部分3のウエール数は、一般に、適宜の間隔で合計0.5〜5%でよい。締付パワー強化編地4での締付パワーを段階的に強化し、または低減することによって過度の圧迫感が生じるのを緩和し、適宜の間隔で目付けの小さな帯状中間編地部分3を編成してバランスよく通気性を向上させる。
【0015】前記パワー強化伸縮性たて編地4は、必要によりその複数を帯状締付パワー強化編地部分2、帯状中間編地部分3や主編地1を介して所要の形態に接合、一体に編成し、各種の縫製品に利用することができる。あるいは、接合線に抜き糸6を挿入して複数の本発明パワー多段強化たて編地を効率よく編成することもできる。具体的には、接合線において、抜き糸6と抜き糸の両側に耳環糸とを編み込み、各耳環糸にそれぞれの耳環糸の属する側から弾性糸を挿入し、挿入した弾性糸の一部を抜き糸に絡めておく。抜き糸6を引き抜くと弾性糸が収縮して外縁をまとめ、ほつれ等を生じさせなで縁部がをまとめられる。
【0016】締付パワー強化たて編地4の締付パワーの大きさは用途にもよるが、たとえば、ガードルなどのインナーウエアの締付け用には、帯状締付パワー強化編地部分2でのパワーが150〜500gf、たて方向の伸長率が130〜200%、よこ方向の伸長率が100〜200%の範囲のものが好適である。締付パワーの強弱や伸長性は、挿入する弾性糸の本数や繊度により、パワー強化編地4と主編地1とでそれぞれ適宜に調節することができる。また、帯状中間編地部分3の幅もまた、用途によって適宜に決められるが、一般的には2〜10mm程度である。
【0017】本発明の伸縮性たて編地の編組織は、目的とする用途やデザインなどにより適宜設計変更でき、インナーウエア用編地としては、通常、サテントリコット、チュール、パワーネット、トリコネット、トリコット、ハーフネットなどが好ましく用いられる。本発明に好ましい編み組織の一例を図4に、縞状部分の拡大写真を図5に示す。また、光沢に富むサテントリコットは高級感と肌触りの良さを備え、インナーウエア用編地に好適である。前記本発明パワー強化伸縮性たて編地は、所要の編み組織等に従ってラッシェル編機、トリコット編機等のたて編機を選択して編成することができる。また、たとえば、ヘム部に適宜柄糸を挿入しファッション性をもたせることができる。
【0018】さて、開口部、たとえば胴周りや脚周りにおいて締付パワーを強化したインナーウエアやスポーツ衣料類は少なくないが、本発明パワー強化伸縮性たて編地を利用するときわめて好都合に縫製することができる。締付パワー強化編地のパワー強化側を外縁としてヘムを形成し、これを胴回りヘムや脚周りヘムにして縫製するとよい。勿論のこと、開口部以外の締付部分にも、その要請に応じた締付パワー分布と通気性とをもった編地を編成し利用することができる。インナー股上部分の蒸れを防止するため、本発明パワー強化伸縮性たて編地を組み合わせた使用例を、参考までに図6に模式的に示した。
【0019】
【実施例】本発明の効果を確認するために、目付および編組織が主編地と同じ87g/mの帯状中間編地部分を間に、8本の帯状締付パワー強化編地部分を縞状に並べた目付130g/m(全体の平均)のパワー強化伸縮性トリコット編地を編成した。主編地および帯状中間編地部分は、地編に33dtexのナイロン糸と44dtexのポリウレタン糸とを交編、44dtexのポリウレタン糸を挿入して編成し、帯状締付パワー強化編地部分には、さらに235dtexのポリウレタン糸を挿入して締付パワーを増強した。このパワー強化伸縮性たて編地は527ウエールで編成したが、その際、主編地側から17,35,43,52,70,78,87ウエールの間隔でパワー強化のための挿入糸を抜き、帯状中間編地部分にして本発明パワー強化伸縮性たて編地を得た。
【0020】上記の編地の通気性をJIS L1096−A記載の方法にもとづき、通気量測定装置(テクステスト社製:Fx−3300)を用い吸引面積38cm、吸引圧力125パスカルの条件でフラジール測定を行った。平均吸引量は、主編地部分(中間編地部分に同じ編成)において340cm/cm・sec、縞状編地部分で170cm/cm・sec、別途編成した帯状締付パワー強化編地部と同じ編地では90cm/cm・secであった。
【0021】
【発明の効果】本発明パワー強化伸縮性たて編地は、着用感や外観を損なうことなく、締付パワーと通気性とを同時に付与し、快適に着用できる繊維製品の素材として好適であり、容易にすぐれたインナーウエアやスポーツウエアを縫製することができる。
【出願人】 【識別番号】593004094
【氏名又は名称】マツモト・テキスタイル株式会社
【出願日】 平成13年7月2日(2001.7.2)
【代理人】 【識別番号】100090505
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 充
【公開番号】 特開2003−13347(P2003−13347A)
【公開日】 平成15年1月15日(2003.1.15)
【出願番号】 特願2001−200278(P2001−200278)