トップ :: D 繊維 紙 :: D04 組みひも;レ−ス編み;メリヤス編成;縁とり;不織布

【発明の名称】 横編機における給糸装置、縞柄を有する筒状編地及びその編成方法
【発明者】 【氏名】節川 浩

【要約】 【課題】渡り糸Wをなくせて生産性が向上でき、生産コストを低減できるとともに、意匠感に優れた縞柄を有する筒状編地と、その編成方法並びにこれを編成するための横編機における給糸装置を提供できるようにすることを目的とする。

【解決手段】編針を進退可能に収納したニードルベッドを少なくとも前後一対に設けた横編機に付設される給糸装置であって、キャリッジに連動してニードルベッド上を往復動するベースと、該ベースに回転可能に枢支されたヤーンフィーダとを備え、ヤーンフィーダには少なくとも二つ以上の給糸口を有するとともに、回動制御手段によりヤーンフィーダを回転制御可能に構成したものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】編針を進退可能に収納したニードルベッドを少なくとも前後一対に設けた横編機に付設される給糸装置であって、キャリッジに連動してニードルベッド上を往復動するベースと、該ベースに回転可能に枢支されたヤーンフィーダとを備え、ヤーンフィーダには少なくとも二つ以上の給糸口を有するとともに、回動制御手段によりヤーンフィーダを回転制御可能に構成したことを特徴とする横編機における給糸装置。
【請求項2】ヤーンフィーダの一部に形成された回転歯と、該回転歯に調時連動手段で係脱操作される回転駆動歯と、キャリッジに連動してニードルベッド上を往復動するときに、回転操作されたヤーンフィーダの姿勢を保持する姿勢保持手段とで回動制御手段を構成したことを特徴とする請求項1に記載の横編機における給糸装置。
【請求項3】編針を進退可能に収納したニードルベッドを少なくとも前後一対に設けた横編機のニードルベッドに給糸装置から編糸を周回状に給糸して編成される筒状編地の編成方法であって、キャリッジの往復摺動に連動してニードルベッド上を往復動する少なくとも1本のヤーンフィーダから複数の編糸の前後位置を異ならせた状態で給糸して、前後のニードルベッドで編成される編地部分の表面に現れる編糸を異ならせるとともに、ニードルベッドの両端側でヤーンフィーダの走行方向が切換わる少なくとも一方側で、ヤーンフィーダから給糸される複数の編糸の前後位置を変更させて、当該編糸の位置変更部分で編糸が切換えられた縞柄を形成するようにしたことを特徴とする縞柄を有する筒状編地の編成方法。
【請求項4】編針を進退可能に収納したニードルベッドを少なくとも前後一対に設けた横編機のニードルベッドに給糸装置から編糸を周回状に給糸して編成される筒状編地であって、キャリッジの往復摺動に連動してニードルベッド上を往復動する少なくとも1本のヤーンフィーダから複数の編糸の前後位置を異ならせた状態で給糸し、前後のニードルベッドで編成される編地部分の表面に現れる編糸を異ならせた状態で所定コース編成して所定幅の縞を形成し、ニードルベッドの両端側のヤーンフィーダの走行方向が切換わる少なくとも一方側で、ヤーンフィーダから給糸される複数の編糸の前後位置を変更させて所定コース編成し所定幅の縞を形成することにより、当該編糸の位置変更部分で編糸が切換えられた縞柄が形成されている縞柄を有する筒状編地。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、靴下や手袋、セータや腹巻等の等の筒状編地を横編機で編成するにあたり、当該筒状編地に縞柄を形成するための給糸装置、この給糸装置を使用して形成された縞柄を有する筒状編地並びに縞柄を有する筒状編地の編成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】横編機を使用して例えば靴下や手袋、セータや腹巻等の等の筒状編地に縞柄を形成する場合、前後のニードルベッドに編糸を周回状に給糸して所定コース編成して1本の縞を形成した後、例えば色の異なる編糸を選択して切換えて所定コース編成することにより、新たな縞を形成した後、再び元の編糸に切換えて縞柄を形成する。これを繰り返すことにより、図9に示すような所定幅で環状に形成された縞柄41が形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにして形成された縞柄41では、その縞柄41が筒状編地の周面に環状に形成されていることから、これを見る位置が変わっても変化がなく、面白味にかけるものとなっていた。また、上記従来の縞柄41では図9に示すように、縞を形成する同色間にわたって浮き上がった渡り糸Wができる。従って、この渡り糸Wの始末をする必要があり、この始末に多大の手間を要することから、生産性が低下するだけでなく、製造コストが高くなってしまうという問題があった。そこで、本発明は上記問題点に鑑み提案されたもので、渡り糸Wをなくせて生産性が向上でき、生産コストを低減できるとともに、意匠感に優れた縞柄を有する筒状編地と、その編成方法並びにこれを編成するための横編機における給糸装置を提供できるようにすることを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明にかかる縞柄を有する筒状編地を編成するための横編機における給糸装置は、編針を進退可能に収納したニードルベッドを少なくとも前後一対に設けた横編機に付設される給糸装置であって、キャリッジに連動してニードルベッド上を往復動するベースと、該ベースに回転可能に枢支されたヤーンフィーダとを備え、ヤーンフィーダには少なくとも二つ以上の給糸口を有するとともに、回動制御手段によりヤーンフィーダを回転制御可能に構成したことを特徴とするものである。
【0005】次に、本発明にかかる縞柄を有する筒状編地の編成するための横編機における給糸装置では、ヤーンフィーダの一部に形成された回転歯と、該回転歯に調時連動手段で係脱操作される回転駆動歯と、キャリッジに連動してニードルベッド上を往復動するときに、回転操作されたヤーンフィーダの姿勢を保持する姿勢保持手段とで回動制御手段を構成したことも特徴とするものである。
【0006】また、本発明にかかる縞柄を有する筒状編地の編成方法は、編針を進退可能に収納したニードルベッドを少なくとも前後一対に設けた横編機のニードルベッドに給糸装置から編糸を周回状に給糸して編成される筒状編地の編成方法であって、キャリッジの往復摺動に連動してニードルベッド上を往復動する少なくとも1本のヤーンフィーダから複数の編糸を前後に位置を異ならせた状態で給糸して、前後のニードルベッドで編成される編地部分の表面に現れる編糸を異ならせるとともに、ニードルベッドの両端側でヤーンフィーダの走行方向が切換わる少なくとも一方側で、ヤーンフィーダから給糸される複数の編糸の前後位置を変更させることにより、当該編糸の位置変更部分で編糸が切換えられた縞柄を形成するようにしたことを特徴とするものである。
【0007】そして、縞柄を有する筒状編地は、編針を進退可能に収納したニードルベッドを少なくとも前後一対に設けた横編機のニードルベッドに給糸装置から編糸を周回状に給糸して編成される筒状編地であって、キャリッジの往復摺動に連動してニードルベッド上を往復動する少なくとも1本のヤーンフィーダから複数の編糸の前後位置を異ならせた状態で給糸し、前後のニードルベッドで編成される編地部分の表面に現れる編糸を異ならせた状態で所定コース編成して所定幅の縞を形成し、ニードルベッドの両端側のヤーンフィーダの走行方向が切換わる少なくとも一方側で、ヤーンフィーダから給糸される複数の編糸の前後に位置を変更させて所定コース編成し所定幅の縞を形成することにより、当該編糸の位置変更部分で編糸が切換えられた縞柄を有することを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図1は本発明を実施する靴下及び手袋編成用の横編機の正面図であって、図中符号1は横編機を全体的に示す。この横編機1はその詳細は省略したが、カバー2の内方には編針を進退可能に収納したニードルベッドを少なくとも前後一対に設け、複数のカム群を収納したキャリッジが給糸装置を連行して上記ニードルベッド上を摺動するときに、給糸装置からの給糸により靴下や手袋等の筒状編地を編成できるようになっている。
【0009】上記給糸装置は図2に示す様に構成されている。即ち、図2は給糸機構の概略図であって、一般に「ウス」と言われるヤーンフィーダ3と、これに適正張力を付与する張力調整機構4と、この張力調整機構4で張力調整される複数の編糸(本例では色の異なる2本の編糸)5・6とを備えてなる。上記張力調整機構4は横編機のフレーム(図示せず)から支持台7を立設しこの支持台7から延出されたピアノ線8の先端に挟持式のテンショナ9を設けて形成されている。
【0010】張力調整機構4から編糸5・6が供給される上記ヤーンフィーダ3は図2および図3に示すように、ヤーンフィーダ3は両端部が横編機のフレームに支持されたガイド軸10にベース11を摺動可能に配設し、ベース11の板状先端部分に回動可能に枢支されており、上端に後述する回転制御手段14の回転歯15と、その下方に姿勢保持手段17の小判形の被挟持部19が順に形成され、上端部から下端部にかけて二つの給糸口12・13が貫通する状態で穿設してある。上記下端部の二つの給糸口12・13が形成される部分は、正面視において又は形の下細りテーパー状の給糸口形成用ブロック20が形成され、この給糸口形成用ブロック20の左右両端寄り部分に給糸口12・13を貫通状に穿設したものである【0011】従って、この給糸口12・13の下端開口部12a・13aは、給糸口形成用ブロックの又は形の傾斜面部分20aに開口されており、両下端開口部12a・13a間の給糸口形成用ブロックの下端部(先行側編糸押し下げ部)20bは下端開口部12a・13aより下方に位置することになる。また、上記二つの給糸口12・13の進行方向に対する位置は、回動制御手段14で変更可能に構成されている。この回動制御手段14は、ヤーンフィーダ3の上端部に形成された回転歯15と、この回転歯15に後述する調時連動手段で係脱操作される回転駆動歯16(図4参照)と、ヤーンフィーダ3がキャリッジに連動してニードルベッド上を往復摺動するときに、回転操作されたヤーンフィーダ3の姿勢を保持する姿勢保持手段17とで構成されている。
【0012】上記調時連動手段は、その詳細の図示は省略したが、キャリッジの位置を把握して横編機の駆動を制御すると同時に、ヤーンフィーダ3の位置を正確に検出するコンピュータ制御装置と、このコンピュータ制御装置からの信号で図4に示すように回転駆動歯16をヤーンフィーダ3の上端部に形成された回転歯15に噛合う実線図の位置と噛合いがとかれる想像線図の位置とに切換えるソレノイド18とで形成されている。尚、回転駆動歯16は、ソレノイド18で揺動操作されるロッド21の先端部分に設けられ、その歯数は回転歯15を凡そ180度回転させる充分な歯数にしてある。また、上記姿勢保持手段17は、ヤーンフィーダ6の回転歯15の下方に断面を小判形にした被挟持部19と、この被挟持部19の外方から挟持する弾性材料からなる挟持固定具22とからなる(図3参照)。
【0013】上記のように構成されたヤーンフィーダ3の作用を次に説明する先ず、例えばブルーグレーと白のように色(糸質)が異なる編糸5・6を左右の給糸口12・13にそれぞれ挿通してニードルベッドに給糸可能にする。此処で図5及び図6上、ブルーグレーの編糸5が挿通される給糸口12を黒丸で示し、白の編糸6が挿通される給糸口13を白丸で示している。今、キャリッジの左から右へ往行摺動連動して、ヤーンフィーダ3が左から右(図5の矢印X方向)へ連行され、前方のニードルベッドで編地が編成されると、先行側となるブルーグレーの編糸5は給糸口形成用ブロック20の下端部20bで下方に押え込まれ、後行側の白の編糸6は上方に位置した状態で給糸される従って、前方のニードルベッドで編成される編地(靴下)30の表面にはブルーグレー5が現れる(図8中A部分)。
【0014】次に、キャリッジが反転して右から左へ復行摺動し、これにヤーンフィーダ3が右から左(図5の矢印Y方向)へ連行されて、後方のニードルベッドで編地30が編成されると、先行側となる白の編糸6は給糸口形成用ブロック20の下端部20bで下方に押え込まれ、ブルーグレーの編糸5は後行側で上方に位置した状態で給糸されるこれにより、後方のニードルベッドで編成される編地30の表面には白の編糸6が現れる(図8中B部分)。
【0015】そして、前後のニードルベッドで編成される編地の表面に現れる編糸の色が交換される図8のC部分になると、キャリッジに連行されるヤーンフィーダ3がニードルベッドの編地の編成領域外に出たのをコンピュータ制御装置が検出し、この検出に基づいてコンピュータ制御装置からの出力でソレノイド18がロッド21を揺動駆動させる。このロッド21の揺動駆動により回転駆動歯16がヤーンフィーダ3の上端部に形成された回転歯15に噛合うように図4の実線図の位置になる。回転駆動歯16と回転歯15とが噛合った状態でヤーンフィーダ3が更に右方に動すると図6に示すように時計周り方向に180度回転し、給糸口12・13の位置が切換わる。
【0016】給糸口12・13の位置が切換わった図7の状態になると、コンピュータ制御装置からの出力が絶たれ、回転歯15と回転駆動歯16との噛合いが解除されて図4の想像線図の状態となるが、この給糸口12・13の切換わった位置は、噛合姿勢保持手段17の挟持固定具20がヤーンフィーダ3の断面小判形の被挟持部19を挟持するので姿勢が保持される。然る後、キャリッジに連行されてヤーンフィーダ3がニードルベッド上を左から右(図3の矢印X1方向)へ摺動すると、前方のニードルベッドで編成される編地は、白の編糸6が先行側となり、給糸口形成用ブロック20の下端部20bで下方に押え込まれ、後行側のブルーグレーの編糸5は上方に位置した状態で給糸されるために、上記とは逆に、前方のニードルベッドで編成される編地の表面には白の編糸6が現れる(図8中D部分)。
【0017】続いて、キャリッジが右から左へ復行摺動し、これにヤーンフィーダ3が右から左へ(図5の矢印Y方向)連行されて、後方のニードルベッド2で編地が編成されると、先行側となるブルーグレーの編糸5は給糸口形成用ブロック20の下端部20bで下方に押え込まれ、白の編糸6は後行側で上方に位置した状態で給糸されるこれにより、後方のニードルベッド2で編成される編地の表面にはブルーグレーの編糸5が現れる(図8中E部分)。
【0018】更に、前後のニードルベッドで編成される編地の表面に現れる編糸の色を交換する図8のFの位置では、キャリッジに連行されるヤーンフィーダ3がニードルベッドの編地の編成領域外で、回転駆動歯16より外方(ニードルベッドの端側)の図7の位置にあるのをコンピュータ制御装置が検出し、コンピュータ制御装置からの出力により、ソレノイド18が駆動され、ロッド21を揺動させて回転駆動歯16を回転歯15に噛合う位置にする。回転駆動歯16と回転歯15とが噛合った状態でヤーンフィーダ3が更に左に移動すると図上反時計周り方向に180度回転し、給糸口12・13の位置が切換わる。給糸口12・13の位置が切換わると、コンピュータ制御装置からの出力が絶たれ、回転歯15と回転駆動歯16との噛合いが解除されるが、上述したのと同様にしてこの給糸口12・13の切換わった位置は、噛合姿勢保持手段17の挟持固定具20がヤーンフィーダ3の断面小判形の被挟持部19を挟持してその姿勢が保持される。
【0019】尚、上記のようにヤーンフィーダ3を180度づつ時計回り方向と反時計回り方向とを交互に回転させるようにしてあるのは、いずれか一方の方向に回転させると編糸が捩れるのを防止するためである。また、上記実施の形態では給糸口9を給糸口形成用ブロック11の左右に形成するようにしてあるが、二つ以上にすることができるのは勿論である。更に、上記実施の形態では、回動制御手段14をヤーンフィーダ3の上端部に形成された回転歯15と、この回転歯15に後述する調時連動手段で係脱操作される回転駆動歯16とで形成した機械式にしてあるが、こうしたものに限られず、ヤーンフィーダ3をロータリソレノイドで180度づつ時計回り方向と反時計回り方向とを交互に回転させるようにすることもできる。この場合にはそのロータリソレノイドを横編機の制御装置で直接回転できるので、構造の簡素化も図れる。
【0020】
【発明の効果】本発明は以上に説明したように、キャリッジの往復摺動に連動してニードルベッド上を往復動する少なくとも1本のヤーンフィーダから複数の編糸を前後に位置を異ならせた状態で給糸し、前後のニードルベッドで編成される編地部分の表面に現れる編糸を異ならせ、ニードルベッドの両端側でヤーンフィーダの走行方向が切換わる少なくとも一方側で、ヤーンフィーダから給糸される複数の編糸の前後位置を変更させ、この編糸の位置変更部分で編糸が切換えられた縞柄を形成するようにしてある。これにより、筒状の周面に現れる縞柄はこれが編成されるときにそのヤーンフィーダの走行方向が、切換わる毎に縞柄が切換わるので、その縞柄が従来の筒状編地の周面に環状に形成されているものと異なり、見る位置よって変化があり、意匠感に富んだ商品価値の高いものにすることができると言う利点がある。
【0021】また、縞柄の切換えがヤーンフィーダから給糸される複数の編糸の前後位置を変更させるだけで行われるので、従来の縞柄のように、浮き上がった渡り糸がない。これにより、多大の手間を要する渡り糸の始末をする必要がなく、生産性を向上できるだけでなく、製造コストも低減できるという利点がある。
【出願人】 【識別番号】500429697
【氏名又は名称】節川 浩
【識別番号】500429701
【氏名又は名称】節川 好治
【出願日】 平成13年7月2日(2001.7.2)
【代理人】 【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳 (外1名)
【公開番号】 特開2003−13343(P2003−13343A)
【公開日】 平成15年1月15日(2003.1.15)
【出願番号】 特願2001−200829(P2001−200829)