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【発明の名称】 弾性編み生地およびこれを用いた弾性下着
【発明者】 【氏名】福永 浩典
【住所又は居所】徳島県徳島市応神町吉成字西吉成43番地 東光株式会社内

【要約】 【課題】優れたマッサージ効果を人体に付与できる弾性編み生地およびこれを用いた弾性下着の提供。

【解決手段】伸縮性のある平編み部13をベース編み地12とし、このベース編み地12には、縦横両方向に一定間隔がおかれた個々のループ14をウェール16の方向に比較的多数の編み目分だけ目飛ばして形成される大フロート編み部23と、一定間隔をおいた各コース15の方向に各別に弾性糸34を編み込んで形成される横インレイ部33とを混在させて弾性編み生地11を形成した。この場合、ベース編み地12には、ループ14を縦横両方向に比較的少数の編み目分だけ雁行状に目飛ばしてウェール16の方向に形成される小フロート部44に弾性糸34をループ状に編み込むことにより合成される縦インレイ部43を混在させることもできる。また、上記弾性編み生地11からなる筒状体やパンティーガードル部を少なくとも備える弾性下着を形成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】伸縮性のある平編み部をベース編み地とし、このベース編み地には、縦横両方向に一定間隔がおかれた個々のループをウェールの方向に比較的多数の編み目分だけ目飛ばして形成される大フロート編み部と、一定間隔をおいた各コースの方向に各別に弾性糸を編み込んで形成される横インレイ部とを混在させたことを特徴とする弾性編み生地。
【請求項2】前記ベース編み地には、ループを縦横両方向に比較的少数の編み目分だけ雁行状に目飛ばしてウェールの方向に形成される小フロート部に前記弾性糸をループ状に編み込むことにより合成される縦インレイ部を混在させて縦幅方向での弾力性を付与した請求項1に記載の弾性編み生地。
【請求項3】請求項1または2に記載の弾性編み生地により、腕や脚等の各人体部位の長さ方向に前記大フロート編み部を沿わせて前記人体部位への装着を自在に形成された筒状体を少なくとも具備させたことを特徴とする弾性下着。
【請求項4】請求項1または2に記載の弾性編み生地により、前記横インレイ部が人体周囲から中心方向に向かって着圧が作用する配置関係のもとで形成されたパンティーガードル部を少なくとも具備させたことを特徴とする弾性下着。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、好ましい着圧を付与して動きに応じた優れたマッサージ効果を得ることができる弾性編み生地およびこれを用いた弾性下着に関する技術である。
【0002】
【従来の技術】着圧が付与されたガードルやタイツについては、着用時にマッサージ効果が得られることから従来より種々の編成構造のものが提供されてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、着圧が付与された従来タイプのガードルやタイツは、人体の周方向に対する弾力性が必ずしも十分ではなく、比較的乏しいマッサージ効果しか得られない不都合があった。
【0004】また、上記した従来タイプのガードルやタイツは、人体の縦方向(身長方向や脚の長さ方向)に対する弾力性に欠け、この縦方向でのマッサージ効果を得にくいという不具合もあった。
【0005】本発明は、従来技術にみられた上記課題に鑑み、人体の周方向(例えば腕回りや胴回り)に対するマッサージ効果はもとより、人体の縦方向(例えば身長方向や脚の長さ方向)に対するマッサージ効果をも得ることができる弾性編み生地およびこれを用いた弾性下着を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成すべくなされたものであり、そのうちの第1の発明(弾性編み生地)は、伸縮性のある平編み部をベース編み地とし、このベース編み地には、縦横両方向に一定間隔がおかれた個々のループをウェールの方向に比較的多数の編み目分だけ目飛ばして形成される大フロート編み部と、一定間隔をおいた各コースの方向に各別に弾性糸を編み込んで形成される横インレイ部とを混在させたことに構成上の特徴がある。
【0007】上記第1の発明において、前記ベース編み地には、ループを縦横両方向に比較的少数の編み目分だけ雁行状に目飛ばしてウェールの方向に形成される小フロート部に前記弾性糸をループ状に編み込むことにより合成される縦インレイ部を混在させて縦幅方向での弾力性を付与することもできる。
【0008】また、上記弾性編み生地を用いてなる第2の発明(弾性下着)は、腕や脚等の各人体部位の長さ方向に前記大フロート編み部を沿わせての前記人体部位への装着を自在に形成された筒状体を少なくとも具備させたことに構成上の特徴がある。
【0009】さらに、上記弾性編み生地を用いてなる第3の発明(弾性下着)は、前記横インレイ部が人体周囲から中心方向に向かって着圧が作用する配置関係のもとで形成されたパンティーガードル部を少なくとも具備させたことに構成上の特徴がある。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明における第1の発明(弾性編み生地)の要部構造の一例を示す平面図であり、図2は、図1にAとして示す一点鎖線囲枠部分の拡大図を、図3は、図1にBとして示す一点鎖線囲枠部分の拡大図を、図4は、図1にCとして示す一点鎖線囲枠部分の拡大図をそれぞれ示す。
【0011】これらの図によれば、第1の発明に係る弾性編み生地11は、伸縮性のある例えば40〜600デニール程度の太さの糸(シングルカバリングヤーン,ダブルカバリングヤーン,カバリングのないヤーンを含む)により編成された平編み部13をベース編み地12としてその全体が形成されている。この場合、平編み部13は、周知のように横のループ14の列であるコース15と、縦の行であるウェール16とで編成されている。
【0012】しかも、このように編成された平編み部13からなるベース編み地12は、大フロート編み部23と横インレイ部33と縦インレイ部43とを混在させることによりその全体が形成されている。なお、本明細書中で用いられる「インレイ部」の語は、編み目の間に弾性糸を挿入し、弾力性を高めた編み組織を意味するものとする。
【0013】このうち、大フロート編み部23は、平編み部13にあって縦横両方向に一定間隔がおかれた個々のループ14をウェール16の方向での比較的多数の編み目分だけ目飛ばして、図示例によればコース15の方向での4個目のループ14をウェール16の方向へと13個分の編み目を飛ばしたフロート編みにより形成されている。
【0014】また、横インレイ部33は、ウェール16の方向に一定間隔をおいた各コース15の方向、図示例によればウェール16の方向でひとつおき位置するループ14の各コース15の方向に各別にゴム等からなる弾性糸34を編み込むことにより形成されている。
【0015】この場合、弾性糸34は、図2に示すように大フロート編み部23におけるフロート部分と交差する位置では横方向に直進し、図3に示すように通常の平編み部13と交差する位置では横方向に正弦波のような波形状を呈する状態のもとでそれぞれが編み込まれている。
【0016】さらに、縦インレイ部43は、ループ14を縦横両方向に比較的少数の編み目分だけ雁行状に目飛ばししてウェール16の方向に形成される小フロート部44に弾性糸34を波形状に編み込むより合成されている。
【0017】これを図4を参照しながらより詳しく説明すれば、縦インレイ部43が形成される部位は、コース15の方向に形成される3個のループ14のうち、1個目のループ14と3個目のループ14とは同じ横列にあり、これらの間に位置する2個目のループ14はコース15の方向に一列分ずれた配置関係にある。
【0018】また、コース15の方向でのこれら1個目から3個目までの各ループ14は、それぞれがウェール16の方向へと1個分の編み目を飛ばしたフロート編みにより小フロート部44を形成している。
【0019】しかも、このようにして形成される小フロート部44に対しては、既に述べた弾性糸34がループ状の波形のもとで編み込まれている。この場合、弾性糸34は、小フロート部44における各横列の1個目のループ14と3個目のループ14とに対してはそれぞれの頂部14aに沿うように、一列分ずれた2個目のループ14に対してはその頂部14aと交差する位置関係をとりながら小フロート部44に編み込まれて縦インレイ部43を形成している。
【0020】なお、本発明に係る弾性編み生地11は、縦インレイ部43を設けることなく、平編み部13からなるベース編み地12に大フロート編み部23と横インレイ部33とを混在させて編成するものであってもよい。
【0021】図5は、図1に示すように平編み部13からなるベース編み地12に大フロート編み部23と横インレイ部33と縦インレイ部43とを混在させてなる弾性編み生地11を用いて形成された弾性下着51の一例を示す正面図であり、図6は、図5における一点鎖線での囲繞部位を拡大して示す説明図である。
【0022】これらの図によれば、弾性下着51は、腕部や脚部等の適宜の人体部位の長さ方向に大フロート編み部23を沿わせての人体部位への装着を自在に形成された筒状体52として形成されている。
【0023】図4に示す筒状体52は、腕部や脚部を抱持した状態で部分的に装着できるように形成されたものであり、その長さ方向での一端部53と下端部54とにバンド55が形成されている。
【0024】また、筒状体52は、これら一端部53と下端部54との間に位置する一定間隔をおいた横方向に形成された横インレイ部33と、縦方向に形成された縦インレイ部43とを備えており、相互に交差配置される横インレイ部33と縦インレイ部43とで目視可能な模様を描いて顕在化している。
【0025】図5に示す筒状体52を備える弾性下着51は、その上方や下方に通常の平編み部13により用途と機能とに応じた適宜形状を付与することにより、例えばハイソックスなどのソックスやストッキングとして形成することができる。
【0026】また、図5に示す筒状体52を備える弾性下着51は、上半身を覆う部分とスリーブとの各部位に筒状体52を適用したシャツとして形成することもできる。
【0027】一方、図7は、平編み部13からなるベース編み地12に図1に示す縦インレイ部43を混在させることなく、大フロート編み部23と横インレイ部33とを混在させてなる弾性編み生地11を用いて形成された弾性下着71の一例を示す正面図であり、図8は、図7における一点鎖線での囲繞部位を拡大して示す説明図である。
【0028】これらの図によれば、弾性下着61は、横インレイ部33が人体周囲から中心方向に向かって着圧が作用する配置関係のもとで形成された単体としてのパンティーガードル部62として形成されている。
【0029】図7に示すパンティーガードル部62は、人体の胴回りから大腿部までを部分的に覆って装着できるように形成されたものであり、その上側部にはウエストバンド部63が、裾側にはそれぞれが大腿バンド部64をその下端部に備える一対の大腿挿通部65,65が形成されている。
【0030】また、パンティーガードル部62は、ウエストバンド部63と大腿バンド部64との間に位置する一定間隔をおいた横方向に形成された横インレイ部33を備えており、これらの横インレイ部33は目視可能な模様を描いて顕在化している。
【0031】図7に示すパンティーガードル部62を備える弾性下着61は、その上方や下方に通常の平編み部13により適宜形状を付与することにより、例えばパンティーストッキングのほか、ボディースーツやボディーストッキングとしても形成することができる。
【0032】次に、本発明の作用・効果を図5に示す筒状体52からなる弾性下着51を例に説明すれば、筒状体52は、その全体に弾性が付与されて形成されているので、その一端部53または他端部54の側から腕を通して例えば人体の上腕部に容易に装着することができる。
【0033】しかも、上腕部に装着した後の筒状体52は、上腕部の長さ方向に沿わせた大フロート編み部23により縦筋を形成しているので、例えばリンパ液の流れを促進するように作用させるなど、上腕部に対し優れたマッサージ効果を付与することができる。
【0034】また、筒状体52は、横インレイ部33と縦インレイ部43とを備えているので、上腕部が周方向と長さ方向とに沿って圧迫される結果、上腕部の動きに応じてその圧迫力を変化させながら例えばリンパ液の流れを促進するなど、上腕部に対し優れたマッサージ効果を付与することができる。
【0035】一方、弾性下着61が図7に示すパンティーガードル部62である場合には、その全体に弾性が付与されて形成されているので、ウエストバンド部63側から脚を入れて対応する大腿挿通部65を挿通させることにより、容易に着用することができる。
【0036】着用後のパンティーガードル部62は、人体の身長方向に沿わせた大フロート編み部23により縦筋を形成しているので、例えばリンパ液の流れを促進するように作用させるなど、人体胴部に対し優れたマッサージ効果を付与することができる。
【0037】また、パンティーガードル部62は、横インレイ部33を備えているので、その着用時に人体胴部と大腿部とが周方向に沿って圧迫されて人体周囲から中心方向に向かって着圧が作用する結果、これらの人体の動きに応じてその圧迫力を変化させながら例えばリンパ液の流れを促進するなど、人体胴部と大腿部とに対し優れたマッサージ効果を付与することができる。
【0038】さらに、横インレイ部33は、図7に示されているように人体そけい部近傍に位置する部位を特に内側方向へと前傾させて圧迫力を高めておくことにより、人体そけい部に対するより優れたマッサージ効果とヒップアップ効果とを付与することができる。
【0039】以上は、本発明を図示例に基づいて説明したものであり、その具体的な内容はこれに限定されるものではない。例えば、第1の発明に係る弾性編み生地11が備える大フロート部23は、その目飛ばし数を必要に応じ適宜変更することができる。また、横インレイ部33は、弾性糸34の編み込み形状を変更したり、ウェール16の方向での間隔をさらにあけるものであってもよい。さらに、縦インレイ部43は、ループ14を縦横両方向に比較的少数の編み目分だけ雁行状に目飛ばししてウェール16の方向に形成される小フロート部44に弾性糸34を波形状に編み込むものであれば、ループ14の目飛ばし数をさらに増加させることもできる。
【0040】また、第2の発明に係る弾性下着51や第3の発明に係る弾性下着61についても、その装着部位や着用部位に応じたそれぞれの人体接触面に対し好ましい着圧を付与しながら優れたマッサージ効果を得ることができる。
【0041】
【発明の効果】以上に述べたように本発明のうち、第1の発明によれば、少なくとも大フロート編み部と横インレイ部とを混在させることにより編み生地に対し優れた弾性を付与することができる。特に、縦インレイ部をも混在させてある場合には、さらに好ましい弾性を付与することができる。
【0042】また、第2の発明によれば、装着部位の長さ方向に沿わせた大フロート編み部により優れたマッサージ効果を付与することができる。しかも、横インレイ部と縦インレイ部とが装着部位をその周方向と長さ方向とに沿って圧迫する結果、装着部位の動きに応じてその圧迫力も変化させながら優れたマッサージ効果を付与することができる。
【0043】さらに、第3の発明によれば、人体の身長方向に沿わせた大フロート編み部によりその着用者に対し優れたマッサージ効果を付与することができる。しかも、横インレイ部33がその着用時に着用者を周方向に沿って圧迫する結果、着用者の動きに応じてその圧迫力を変化させながら着用部位に対し優れたマッサージ効果を付与することができる。
【出願人】 【識別番号】391010356
【氏名又は名称】東光株式会社
【住所又は居所】徳島県徳島市応神町吉成字西吉成43番地
【出願日】 平成13年6月29日(2001.6.29)
【代理人】 【識別番号】100086449
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 浩明
【公開番号】 特開2003−13341(P2003−13341A)
【公開日】 平成15年1月15日(2003.1.15)
【出願番号】 特願2001−198002(P2001−198002)