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座席シート用立体構造編物 - 特開2003−3354 | j-tokkyo
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【発明の名称】 座席シート用立体構造編物
【発明者】 【氏名】池永 秀雄
【住所又は居所】大阪府高槻市八丁畷町11番7号 旭化成株式会社内

【要約】 【課題】自動車、鉄道車両、航空機、家具、事務用等の座席シート用立体構造編物に関し、特にハンモック式の座席シート材に用いた場合に、立体構造編物の表面にほぼ直角方向に働く荷重により立体構造編物が撓んでも、荷重開放後の回復性が極めて良好で、かつ、繰返し荷重が掛かっても反発感の変化が少ない座席シート用立体構造編物を提供する。

【解決手段】表裏二層の編地と二層の編地を連結するモノフィラメントの連結糸から構成された立体構造編物において、表裏の少なくとも一方の編地のタテ方向及び/又はヨコ方向に挿入糸が直線状に挿入されていることを特徴とする座席シート用立体構造編物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 表裏二層の編地と該二層の編地を連結するモノフィラメントの連結糸から構成された立体構造編物であって、表裏の少なくとも一方の編地のタテ方向及び/又はヨコ方向に挿入糸が直線状に挿入されていることを特徴とする座席シート用立体構造編物。
【請求項2】 挿入糸がポリトリメチレンテレフタレート繊維であることを特徴とする請求項1に記載の座席シート用立体構造編物。
【請求項3】 立体構造編物のタテ方向及び/又はヨコ方向の伸長率が5.0%未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の座席シート用立体構造編物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、鉄道車両、航空機、家具、事務用等の座席シート用立体構造編物に関する。更に詳しくは、特にハンモック式の座席シート材に用いた場合に、立体構造編物の表面にほぼ直角方向に働く荷重により立体構造編物が撓んでも、荷重開放後の回復性が極めて良好で、かつ、繰返し荷重が掛かっても反発感の変化が少ない座席シート用立体構造編物に関する。
【0002】
【従来の技術】表裏二層の編地と該二層の編地を連結する連結糸から構成された立体構造編物は、優れたクッション性を有し、ウレタンに比べリサイクル性が良好で燃焼時の有毒ガス発生等の問題を低減できたり、振動吸収性や姿勢保持性に優れることから、座席シート材等のクッション材として応用されつつある。特開2001−87077号公報には、表裏の編地がメッシュの立体構造編物をシートクッションフレームとシートバックフレームに張設したシートが開示されている。しかしながら、前述の公報に記載されている例えば表裏の編地がメッシュ等の通常一般の立体構造編物の張設では、人が座った場合に立体構造編物の表裏の編地が伸長して撓むため良好なクッション性は示すものの、立体構造編物が伸長する際に生じる表裏の編目の変形や、メッシュ形態の変形からくる繊維間のずれが瞬時には元に戻り難く、座った後に立体構造編物のたわみが回復しなかったり、繰返し座る際に張設した立体構造編物の反発感が徐々に低下するという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記問題点を解決し、張設した立体構造編物の表面にほぼ直角方向に働く荷重により立体構造編物が撓んでも、荷重開放後の回復性が極めて良好で、繰返し荷重が掛かっても反発感の変化が少ない座席シート用立体構造編物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、立体構造編物の表裏の編地を構成する原糸、編組織について鋭意検討した結果、表裏の少なくとも一方の編地に挿入糸を直線状に挿入することにより本発明の目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、表裏二層の編地と該二層の編地を連結するモノフィラメントの連結糸から構成された立体構造編物であって、表裏の少なくとも一方の編地のタテ方向及び/又はヨコ方向に挿入糸が直線状に挿入されていることを特徴とする座席シート用立体構造編物である。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の立体構造編物は、表裏二層の編地と該二層の編地を連結するモノフィラメントの連結糸から構成されるが、表裏の少なくとも一方の編地のタテ方向及び/又はヨコ方向に挿入糸が直線状に挿入されている点に大きな特徴がある。挿入糸をタテ方向及び/又はヨコ方向に直線状に、即ち、ほぼ直線に近い形態で挿入することにより、立体構造編物のタテ方向及び/又はヨコ方向の伸度は、表裏の編地の編目の変形やメッシュ形態の変形には大きく影響されず、挿入糸自身の伸度によって決定づけられるものとなる。従って、人が座ることにより張設した立体構造編物表面にほぼ直角方向の外力が働いて、立体構造編物の表裏の編地が伸ばされようとする際に、編目形態やメッシュ形態の大きな変形を生じることなく挿入糸の伸びによって立体構造編物が伸長するため、編目部分の繊維間のずれが生じ難く、瞬間回復性が良好なものとなる。
【0006】ここで、表裏の少なくとも一方の編地に挿入糸が直線状に挿入されている状態とは、タテ方向の場合は、鎖編やデンビ編等の組織で編まれる地糸のニードルループとシンカーループの間に1コース当り2針振り以下の振り幅で挿入された状態、又は、立体構造編物の長さ方向に連なる地糸のシンカーループの間を上下しながら挿入された状態で、立体構造編物の全長に渡り挿入糸が直線に近い形態で挿入されていることをいう。又、ヨコ方向の場合は、鎖編やデンビ編等の組織で編まれる地糸のニードルループとシンカーループの間に、立体構造編物の全幅に渡る様に、挿入糸が直線に近い形態で挿入されていることをいう。
【0007】挿入糸の挿入方法は、タテ方向の挿入であれば編組織によって挿入することができ、ヨコ方向の挿入であれば、緯糸挿入装置を装備したダブルラッセル編機を用いて緯糸挿入することができる。挿入糸は立体構造編物の表裏の少なくとも一方の編地に挿入されていれば良いが、表裏の両方の編地に挿入されていると、モノフィラメントの圧縮、反発によるクッション性がより発現するため好ましい。又、挿入糸はタテ方向及び/又はヨコ方向に挿入されていれば良いが、タテ方向及びヨコ方向に挿入されると、瞬間回復性がより良好で反発感の変化が少なくなり好ましい。挿入糸がタテ方向またはヨコ方向のみに挿入される場合は、座席シートに張設した際に、立体構造編物に最も張力の掛かる方向が、挿入糸の方向となる様に張設することが、瞬間回復性を維持し、反発感の変化を抑える上で好ましい。
【0008】本発明において、挿入糸に用いる繊維には、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリプロピレン系繊維等の合成繊維、綿、麻、ウール等の天然繊維、キュプラレーヨン、ビスコースレーヨン、リヨセル等の再生繊維等を挙げることができる。繊維の形態も、未加工糸、紡績糸、撚糸、仮撚加工糸、流体噴射加工糸等いずれのものを採用してもよいが、立体構造編物の形態安定性をより良好にするには、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリエステル系エラストマー繊維がより好ましい。
【0009】本発明において、挿入糸に好ましく用られるポリトリメチレンテレフタレート繊維は、トリメチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とするポリエステル繊維であって、トリメチレンテレフタレート単位を50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、最も好ましくは90モル%以上含むものである。したがって、第三成分として他の酸成分及び/又はグリコール成分の合計量が50モル%以下、好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下、最も好ましくは10モル%以下含有されたポリトリメチレンテレフタレートを包含する。
【0010】ポリトリメチレンテレフタレートは、テレフタル酸又はその機能的誘導体と、トリメチレングリコール又はその機能的誘導体とを、触媒の存在下で、適当な反応条件下に重縮合せしめることにより製造される。この製造過程において、適当な一種又は二種以上の第三成分を添加して共重合ポリエステルとしてもよいし、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリトリメチレンテレフタレート以外のポリエステル、ナイロンとポリトリメチレンテレフタレートを別個に合成した後、ブレンドしたり、複合紡糸(鞘芯、サイドバイサイド等)してもよい。
【0011】添加する第三成分としては、脂肪族ジカルボン酸(シュウ酸、アジピン酸等)、脂環族ジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸、ソジウムスルホイソフタル酸等)、脂肪族グリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、テトラメチレングリコール等)、脂環族グリコール(シクロヘキサンジメタノール等)、芳香族を含む脂肪族グリコール(1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等)、ポリエーテルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、脂肪族オキシカルボン酸(ω−オキシカプロン酸等)、芳香族オキシカルボン酸(P−オキシ安息香酸等)等が挙げられる。また、1個又は3個以上のエステル形成性官能基を有する化合物(安息香酸等又はグリセリン等)も重合体が実質的に線状である範囲内で使用できる。さらに二酸化チタン等の艶消剤、リン酸等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、タルク等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤等が含有されていてもよい。
【0012】ポリトリメチレンテレフタレート繊維は、例えば、特願2000−522304号公報に記載された方法により製造することができる。すなわち、紡口より押出した溶融マルチフィラメントを急冷して固体マルチフィラメントに変え、30〜80℃に加熱した周速度300〜3500m/minの第1ロールに巻き付け、第2ロールで1.3〜4倍に延伸した後、リラックス比0.8〜0.95にて第2ロールよりも低速で巻き取る方法等で製造できる。或いは1500m/分程度の巻取り速度で未延伸糸を得た後、2〜3.5倍程度で延撚する方法、紡糸−延撚工程を直結した直延法(スピンドロー法)、巻取り速度5000m/分以上の高速紡糸法(スピンテイクアップ法)の何れを採用しても良い。
【0013】繊維の断面形状は、丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、偏平、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。又、繊維の形態は、未加工糸、紡績糸、撚糸、仮撚加工糸、流体噴射加工糸等何れの形態のものを採用しても良いが、立体構造編物表面の意匠性を向上させる点においては、ループ毛羽を有する流体噴射加工糸や紡績糸、意匠撚糸等の意匠性を有する繊維を用いるのが好ましい。挿入糸が先染め糸や原料着色糸であるとさらに好ましい。
【0014】本発明の立体構造編物においては、挿入糸が挿入されている方向の伸長率は0%以上5.0%未満が好ましく、より好ましくは0%以上3.0%未満である。5.0%以上の伸長率を示す場合は、立体構造編物の表裏の編地の地糸である鎖編やデンビ編等の編目や編組織が過度に変形するため、瞬間回復性低下の原因となる。
【0015】本発明の立体構造編物の、挿入糸以外の表裏の編地の地糸や連結糸を形成する繊維としては、任意の繊維を用いることができる。このような繊維として、例えば、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリプロピレン系繊維等の合成繊維、綿、麻、ウール等の天然繊維、キュプラレーヨン、ビスコースレーヨン、リヨセル等の再生繊維等を挙げることができるが、ポリトリメチレンテレフタレート繊維を用いることが立体構造編物の瞬間回復性、クッション性向上の点で好ましい。繊維の形態は、表裏の編地に用いる繊維は未加工糸、紡績糸、撚糸、仮撚加工糸、流体噴射加工糸等いずれのものを採用してもよいが、連結糸に用いる繊維はモノフィラメントであることが必要である。
【0016】本発明の立体構造編物は、相対する2列の針床を有する編機で編成することができる。このような編機として、ダブルラッセル編機、ダブル丸編機、Vベッドを有する横編機等がある。寸法安定性のよい立体構造編物を得る上で、ダブルラッセル機を用いるのが好ましく、さらに、タテ方向及びヨコ方向に挿入糸を挿入するためには緯糸挿入装置を装備したダブルラッセル機を用いるのが好ましい。編機のゲージは、9〜28ゲージが好ましく用いられる。立体構造編物の表裏の編地は、表面を平坦な組織にして肌触りを良好なものにしても良く、4角、6角等のメッシュ編地やマーキゼット編地等複数の開口部を有する編地に編成して、意匠性を付与しても良い。表裏の編地を異なる編組織としても良い。
【0017】立体構造編物における連結糸の密度は、立体構造編物2.54cm平方の面積中にある連結糸の本数をN(本/2.54cm平方)、連結糸のデシテックスをD(g/1×106 cm)、連結糸の比重をρ(g/cm3 )とした時、立体構造編物2.54cm平方の面積中にある連結糸の総断面積(N・D/1×106・ρ)を、好ましくは0.05〜0.5cm2 、より好ましくは0.1〜0.3cm2 にすると、立体構造編物は、適度な剛性による、より一層良好なクッション性を有するようになる。0.05cm2 未満では反発性が低下し、0.5cm2 を超えると硬く、軽量性も低下する傾向がある。連結糸は、表裏の編地中にループ状の編み目を形成してもよく、表裏編地に挿入組織で引っかけた構造でもよいが、少なくとも2本の連結糸が表裏の編地を互いに逆方向に斜めに傾斜して、クロス状(X状)やトラス状に連結することが、立体構造編物の形態安定性を向上させる上で好ましい。
【0018】本発明の立体構造編物に用いる繊維の繊度は、表裏の編地を構成する繊維には、通常、56〜2000デシテックスのものが用いられる。フィラメント数は任意に設定でききる。連結糸のモノフィラメントの繊度は、通常、56〜1500デシテックスのものが用いられる。反発感のあるクッション性を保持するためには、200〜1000デシテックスが好ましい。立体構造編物の厚み及び目付は、立体構造編物の使用目的に応じて任意に設定できるが、厚みは3〜30mmが好ましい。3mm未満になるとクッション性が低下し、30mmを越えると立体構造編物の仕上げ加工における難易度が増す傾向がある。目付は100〜3000g/m2 、好ましくは200〜2000g/m2 である。
【0019】立体構造編物の仕上げ加工方法は、生機を精練、染色、ヒートセット等の工程を通して仕上げることができるが、立体構造編物の表裏及び/又は連結糸に原液着色糸を用いると染色工程を簡略化することできる。仕上げ加工後の立体編物は、座席フレームに張設する際に、あらかじめ融着等の手段で端部を処理したり、熱成形により所望の形状にして用いても良い。本発明の立体編物は座席フレームに張設されて主にハンモック状で好適に使用されるが、ハンモック状の立体構造編物の下を両端をコイルスプリングで支持した金属ワイヤー群や高弾性で伸長回復性の良好な布帛等で補強し、クッション性を向上させても良い。又、ハンモック状で使用せずに、座席に表皮材として張り合わせても良好なクッション特性を示すものとなる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明を実施例などにより具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。本発明の立体構造編物の特性は、以下の方法により測定する。
(1)伸長率仕上げ加工した立体構造編物を30cm×5cm(幅)にサンプリングして、サンプルの20cm間隔部分に印を付ける。サンプルの一端をチャックに固定し、サンプルのもう一端をチャックで挟んで14.7Nの荷重をかけて吊るし、5分後に印間の長さL1を測定する。次の式に従い伸長率を算出する。伸長率(%)=〔(L1−20)/20〕×100【0021】(2)瞬間回復率4隅に高さ15cmの足を取付けた内径が1辺30cm、外径が1辺41cmの四角形の板状の金属枠(上面に40番のサンドペーパーを貼りつけて滑り止め性を付与)と内径が1辺30cm、外径が1辺41cmの四角形の板状の金属枠(下面に40番のサンドペーパーを貼りつけて滑り止め性を付与)の間に立体構造編物を弛まない様に挟み、周囲を万力で固定する。島津オートグラフAG−B型(島津製作所製)を用い、直径100mmの円形平面状の圧縮端子により、張設した立体構造編物の中央部を100mm/分の速度で圧縮し、980Nの荷重になったら同速で元に戻す。この際に得られる荷重−変位曲線から、980N荷重時の変位をE(mm)、回復曲線の荷重が0となる変位をE1 (mm)とした時に、次式で瞬間回復率を求める。瞬間回復率(%)=〔(E−E1 )/E〕×100【0022】(3)反発感の変化上記(2)と同様に張設した立体構造編物を、立体構造編物の位置が床から70cmの高さとなる様に台の上に置き、立体構造編物の中央部を片手で5回、体重を掛けて押さえる。このとき1回目と5回目の反発感の差を官能評価により、○:反発感に殆ど変化がない、△:反発感にやや変化がある、×:反発感にかなり変化がある、の3段階で評価する。
【0023】
【参考例】ポリトリメチレンテレフタレート繊維の製法実施例及び比較例において連結糸に使用したポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメントは、以下の方法により製造した。ηsp/c=0.92(o−クロロフェノールを溶媒として、35℃で測定)のポリトリメチレンテレフタレートを紡糸温度265℃で紡口から吐出し、40℃の冷却浴中に導いて冷却しつつ16.0分の速度の第1ロール群によって引張って細化した未延伸モノフィラメント糸とした後、温度55℃の延伸浴中で4.9倍に延伸しながら78.4.0m/分の第2ロール群によって引張り、その後、120℃のスチーム浴中で弛緩熱処理を施しながら、71.6m/分の第3ロール群を経た後、第3ロール群と同速の巻取り機で巻取り、880デシテックスの延伸モノフィラメントを得た。
【0024】
【実施例1】9ゲージ、釜間15mmで緯糸挿入装置を装備した10枚筬仕様のダブルラッセル編機においてL2、L3、L4、L5、L6、L7、L8の7枚の筬を用い、表の編地を形成する3枚の筬(L2、L3、L4)及び裏の編地を形成する2枚の筬(L7、L8)から334デシテックス96フィラメントのポリトリメチレンテレフタレート繊維(旭化成社製ポリトリメチレンテレフタレート繊維:167デシテックス48フィラメントの2本引き揃え)をガイドにオールインの配列で供給し、連結糸を形成する2枚の筬(L5、L6)から参考例で製造した880デシテックスのポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメントを、L5ガイドに1イン1アウトの配列で、L6ガイドに1アウト1インの配列で供給した。
【0025】以下に示す編組織で表の編地にタテ方向に挿入糸(L3)を挿入し、表裏の編地の毎コースに668デシテックス192フィラメントのポリトリメチレンテレフタレート繊維(旭化成社製ポリトリメチレンテレフタレート繊維:167デシテックス48フィラメントの4本引き揃え)を緯糸挿入して、打ち込み12コース/2.54cmの密度で立体構造編物を編成した。得られた立体構造編物は、表裏の編地のヨコ方向および表の編地のタテ方向に挿入糸が挿入され、連結糸が部分的にクロス構造(×構造)を形成する立体構造編物であった。この立体構造編物を170℃×45秒でプレセットし、70℃×20分で精練、乾燥後、170℃×45秒でファイナルセットし、厚さ13.1mmの立体構造編物を得た。
(編組織)
L2:1011/2322/L3:1100/0011/L4:0111/1000/L5:1012/2321/L6:2321/1012/L7:1112/1110/L8:2210/1123/得られた立体構造編物は非常に瞬間回復性が良好で、繰返し荷重後の反発感に殆ど変化がないものであった。得られた立体構造編物の諸物性を表1に示す。
【0026】
【実施例2】9ゲージ、釜間15mmで緯糸挿入装置を装備した10枚筬仕様のダブルラッセル編機においてL3、L4、L5、L6、L7、L8の6枚の筬を用い、表の編地を形成する2枚の筬(L3、L4)及び裏の編地を形成する2枚の筬(L7、L8)から334デシテックス96フィラメントのポリトリメチレンテレフタレート繊維(旭化成社製ポリトリメチレンテレフタレート繊維:167デシテックス48フィラメントの2本引き揃え)をガイドにオールインの配列で供給し、連結糸を形成する2枚の筬(L5、L6)から参考例で製造した880デシテックスのポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメントを、L5ガイドに1イン1アウトの配列で、L6ガイドに1アウト1インの配列で供給した。
【0027】以下に示す編組織で、表裏の編地の毎コースに668デシテックス192フィラメントのポリトリメチレンテレフタレート繊維(旭化成社製ポリトリメチレンテレフタレート繊維:167デシテックス48フィラメントの4本引き揃え)を緯糸挿入して、打ち込み12コース/2.54cmの密度で立体構造編物を編成した。得られた立体構造編物は、表裏の編地のヨコ方向に挿入糸が挿入され、連結糸が部分的にクロス構造(×構造)を形成する立体構造編物であった。この立体構造編物を実施例1と同様に仕上げ処理し、厚さ12.9mmの立体構造編物を得た。
(編組織)
L3:1011/2322/L4:1211/1011/L5:1012/2321/L6:2321/1012/L7:1112/1110/L8:2210/1123/得られた立体構造編物は非常に瞬間回復性が良好で、繰返し荷重後の反発感に殆ど変化がないものであった。得られた立体構造編物の諸物性を表1に示す。
【0028】
【実施例3】9ゲージ、釜間15mmで緯糸挿入装置を装備した10枚筬仕様のダブルラッセル編機においてL2、L3、L4、L5、L6、L7、L8の7枚の筬を用い、表の編地を形成する3枚の筬(L2、L3、L4)及び裏の編地を形成する2枚の筬(L7、L8)から334デシテックス96フィラメントのポリトリメチレンテレフタレート繊維(旭化成社製ポリトリメチレンテレフタレート繊維:167デシテックス48フィラメントの2本引き揃え)をガイドにオールインの配列で供給し、連結糸を形成する2枚の筬(L5、L6)から参考例で製造した880デシテックスのポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメントを、L5ガイドに1イン1アウトの配列で、L6ガイドに1アウト1インの配列で供給した。以下に示す編組織で表の編地にタテ方向に挿入糸(L3)を挿入して、打ち込み12コース/2.54cmの密度で立体構造編物を編成した。得られた立体構造編物は、表の編地のタテ方向に挿入糸が挿入され、連結糸が部分的にクロス構造(×構造)を形成する立体構造編物であった。この立体構造編物を実施例1と同様に仕上げ処理し、厚さ12.5mmの立体構造編物を得た。
(編組織)
L2:1011/2322/L3:1100/0011/L4:0111/1000/L5:1012/2321/L6:2321/1012/L7:1112/1110/L8:2210/1123/得られた立体構造編物は瞬間回復性が良好で、繰返し荷重後の反発感に殆ど変化がないものであった。得られた立体構造編物の諸物性を表1に示す。
【0029】
【実施例4】9ゲージ、釜間15mmで緯糸挿入装置を装備した10枚筬仕様のダブルラッセル編機においてL3、L4、L5、L6、L7、L8の6枚の筬を用い、表の編地を形成する2枚の筬(L3、L4)から668デシテックス192フィラメントのポリトリメチレンテレフタレート繊維(旭化成社製ポリトリメチレンテレフタレート繊維:167デシテックス48フィラメントの4本引き揃え)を、L3ガイドに1イン1アウトの配列で、L4ガイドに1アウト1インの配列で供給し、裏の編地を形成する2枚の筬(L7、L8)から334デシテックス96フィラメントのポリトリメチレンテレフタレート繊維(旭化成社製ポリトリメチレンテレフタレート繊維:167デシテックス48フィラメントの2本引き揃え)をガイドにオールインの配列で供給し、連結糸を形成する2枚の筬(L5、L6)から参考例で製造した880デシテックスのポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメントを、L5ガイドに1イン1アウトの配列で、L6ガイドに1アウト1インの配列で供給した。
【0030】以下に示す編組織で、表の編地の毎コースに167デシテックス48フィラメントのポリトリメチレンテレフタレート繊維の流体噴射加工糸の先染め糸(黒)を4本引き揃えたものを緯糸挿入して、打ち込み12コース/2.54cmの密度で立体構造編物を編成した。得られた立体構造編物は、表の編地のヨコ方向に挿入糸が挿入され、連結糸が部分的にクロス構造(×構造)を形成する立体構造編物であった。この立体構造編物を実施例1と同様に仕上げ処理し、厚さ12.9mmの立体構造編物を得た。
(編組織)
L3:1011/1222/2122/2322/2111/1211/L4:2322/2111/1211/1011/1222/2122/L5:1012/2321/L6:2321/1012/L7:1112/1110/L8:2210/1123/得られた立体構造編物は瞬間回復性が良好で、繰返し荷重後の反発感に殆ど変化がないものであった。さらに表面外観の意匠性も高いものであった。得られた立体構造編物の諸物性を表1に示す。
【0031】
【実施例5】緯糸挿入糸を668デシテックス192フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維(旭化成社製ポリエチレンテレフタレート繊維:167デシテックス48フィラメントの4本引き揃え)とした以外は実施例2と同様にして、厚さ12.7mmの立体構造編物を得た。得られた立体構造編物は瞬間回復性が良好で、繰返し荷重後の反発感に殆ど変化がないものであった。得られた立体構造編物の諸物性を表1に示す。
【0032】
【比較例1】表裏の編地のヨコ方向に挿入糸を挿入しない以外は実施例2と同様にして、厚さ12.1mmの立体構造編物を得た。得られた立体構造編物は瞬間回復性が劣り、繰返し荷重後の反発感にやや変化があるものであった。得られた立体構造編物の諸物性を表1に示す。
【比較例2】表の編地のヨコ方向に挿入糸を挿入しない以外は実施例4と同様にして、厚さ12.3mmの立体構造編物を得た。得られた立体構造編物は瞬間回復性が劣り、繰返し荷重後の反発感にやや変化があるものであった。得られた立体構造編物の諸物性を表1に示す。
【0033】
【表1】

【0034】
【発明の効果】本発明の立体構造編物は、特にハンモック式の座席シート材に用いた場合に、立体構造編物の表面にほぼ直角方向に働く荷重により立体構造編物が撓んでも、荷重開放後の回復性が極めて良好で、かつ、繰返し荷重が掛かっても反発感の変化が少ない座席シート用立体構造編物である。
【出願人】 【識別番号】000000033
【氏名又は名称】旭化成株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市北区堂島浜1丁目2番6号
【出願日】 平成13年6月22日(2001.6.22)
【代理人】 【識別番号】100103436
【弁理士】
【氏名又は名称】武井 英夫 (外3名)
【公開番号】 特開2003−3354(P2003−3354A)
【公開日】 平成15年1月8日(2003.1.8)
【出願番号】 特願2001−189385(P2001−189385)