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【発明の名称】 液体作用装置の異常検出装置
【発明者】 【氏名】本郷 真一
【住所又は居所】石川県金沢市野町5丁目18番18号 津田駒工業株式会社内

【氏名】北山 三朗
【住所又は居所】石川県金沢市野町5丁目18番18号 津田駒工業株式会社内

【氏名】中田 康大
【住所又は居所】石川県金沢市野町5丁目18番18号 津田駒工業株式会社内

【氏名】名木 啓一
【住所又は居所】石川県金沢市野町5丁目18番18号 津田駒工業株式会社内

【要約】 【課題】緯糸に作用させた液流の排出異常を確実に検出可能にすることにある。

【解決手段】異常検出装置は、液体作用装置により排出される液流を受けて変位可能に液体の流入口よりも下流側の排出系路に配置された変位部材と、変位部材の変位可能範囲内に検出領域を有し、変位部材を検出して信号を出力するセンサとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 糸の進入経路を介して対向して形成された液体噴出口及び液体入口を備え、前記噴出口から噴出される液流を糸に作用させた後、その糸を前記液流と共に前記流入口を介して回収する流体作用装置の異常検出装置であって、排出される液流を受けて変位可能に前記流入口よりも下流側の排出系路に配置された変位部材と、前記変位部材の変位可能範囲内に検出領域を有し、前記変位部材を検出して信号を出力するセンサとを含む、液体作用装置の異常検出装置。
【請求項2】 前記変位部材は、これに作用する力を調節することにより、前記排出される液体に対する変位の度合いを調節可能である、請求項1に記載の異常検出装置。
【請求項3】 前記センサは、前記検出領域を前記変位部材の変位可能範囲内において変更可能である、請求項1又は2に記載の異常検出装置。
【請求項4】 さらに、前記センサの出力信号を基に前記変位部材の変位が正常であるか否かを判定し、異常のときに異常信号を出力する異常判定部を含む、請求項1,2又は3に記載の異常検出装置。
【請求項5】 前記異常判定部は、前記センサが所定期間オフ状態及びオン状態のいずれか一方を所定期間持続したとき、異常と判定する回路を備える、請求項4に記載の異常検出装置。
【請求項6】 前記異常判定部は、前記液流を前記噴射口に供給していることを表す信号にしたがって前記判定動作を開始する回路を備える、請求項4又は5に記載の異常検出装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水噴射式織機のような無杼織機における流体作用装置の異常を検出する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】緯入れされた緯糸を筬打ちに先立って緊張させて張力を付与する張力付与機能及び流体によって緯糸端部の捕捉・排出を行う糸端処理機能を兼ね備えた緯糸端処理装置の1つとして、流体の噴出管と吸引管とを筬と一体的に移動する部材に組み付け、その部材を噴出管と吸引管とが反給糸側の経糸の移動方向に対向するように無杼織機のフレームに配置したものがある(特公昭47−42075号公報)。
【0003】この緯糸端処理装置においては、水のような流体を噴出管から吸引管に向けて噴出させることにより噴出管と吸引管との間にジェット流を形成して、緯入れされた緯糸を吸引管に捕捉・保持させて所望の張力を与え、筬打ち後に切断された緯糸端を吸引管を介して取り除く。
【0004】しかし、この緯糸端処理装置では、吸引管に糸つまりが発生すると、緯糸端は、吸引管により排出されないまま、反緯入れ側の織端周辺部に滞留することになる。このように織端周辺に滞留する緯糸端は、筬打ち時に傷害となって周辺の部品を破損させることがある。
【0005】本発明者らは、流体の噴出管と吸引管とを織機のフレームに組み付け、噴出管と吸引管との間にジェット流を形成して、筬打ち運動により運ばれる緯糸端を吸引管に捕捉させ、切断後の緯糸端を吸引管により排出する新たな技術を発明した(特願平2001−127410号)。
【0006】この新たな技術においては、吸引管で糸つまり(すなわち、排水不良)が発生すると、吸引管から溢れた水が緯糸フィーラの光軸部に入り込むようになっており、緯糸フィーラは緯糸検知期間を除いて定められた所定の期間のフィーラ信号を用いて、溢れ水の有無を検知し、溢れ水が存在するときに、異常信号を出力する異常検出機能を備えている。
【0007】
【解決しようとする課題】しかし、上記新たな技術では、糸つまりの状況によっては、溢れ水が緯糸フィーラの光軸に進入しないことがあるから、異常検知の確実性の面で問題がある。
【0008】本発明の目的は、緯糸に作用させた液流の排出異常を確実に検出可能にすることにある。
【0009】
【解決手段、作用、効果】本発明に係る異常検出装置は、糸の進入経路を介して対向して形成された液体噴出口及び液体入口を備え、前記噴出口から噴出される液流を糸に作用させた後、その糸を前記液流と共に前記流入口を介して回収する流体作用装置に用いられる。
【0010】そのような異常検出装置は、排出される液流を受けて変位可能に前記流入口よりも下流側の排出系路に配置された変位部材と、前記変位部材の変位可能範囲内に検出領域を有し、前記変位部材を検出して信号を出力するセンサとを含む。
【0011】変位部材は、緯糸に作用した液流が排出系路を正常に流れていると、その液流により所定の状態に変位されるが、正常に流れていないと、所定の状態に変位されない。変位部材のそのような変位は、センサにより感知される。このため、本発明によれば、緯糸に作用した液流の排出異常を確実に検出可能にすることができる。
【0012】前記変位部材は、これに作用する力を調節することにより、前記排出される液流に対する変位の度合いを調節可能とすることができる。そのようにすれば、緯糸に作用させる液流が製織条件の変更により変化したときは、変位部材の変位の度合いを調整することにより、排出異常を確実に検出することができる。
【0013】前記センサは、前記検出領域を前記変位部材の変位可能範囲内において変更可能とすることができる。そのようにしても、液流が製織条件の変更により変化したときは、変位部材の変位の度合いを調整することにより、排出異常を確実に検出することができる。
【0014】異常検出装置は、さらに、前記センサの出力信号を基に前記変位部材の変位が正常であるか否かを判定し、異常のときに異常信号を出力する異常判定部を含むことができる。
【0015】前記異常判定部は、前記センサが所定期間オフ状態及びオン状態のいずれか一方を所定期間持続したとき、異常と判定する回路を備えていてもよく、また前記水流を前記噴射口に供給していることを表す信号にしたがって前記判定動作を開始する回路を備えていてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】図1及び図2を参照するに、異常検出装置10は、水噴射式織機における緯糸端処理装置12の異常を検出する装置に適用されている。水噴射式織機において、緯糸14は圧力水により経糸16の開口に緯入れされ、緯入れされた緯糸14は筬18により織前に筬打ちされて、織布20に組み込まれる。
【0017】筬打ち時、緯入れされた緯糸14は、その先端(反緯入れ側の糸端)を緯糸端処理装置12に捕捉される。その後、緯糸14の先端は、反緯入れ側のカッタ22により切断されて、織布20から切り離される。切断された糸端52は、緯糸端処理装置12により排出される。
【0018】筬18は、筬打ち時に、緯糸端処理装置12、カッタ22、防水板24及び緯糸フィーラ26を受け入れる1以上の開口28を備えている。防水板24は、緯入れ用の圧力水が緯糸フィーラ26の緯糸検知用スリットに達することを防止するように、緯糸フィーラ26に組み付けられている。
【0019】緯糸フィーラ26は、緯糸を感知するための送光器及び受光器を備えるセンサ(図示せず)を備えており、送光器及び受光器が緯入れされた緯糸14を介して対向するように、すなわち光軸が緯入れされた緯糸14を横切るように、ブラケット30に組み付けられている。ブラケット30は、織機のフレーム32に組み付けられている。
【0020】緯糸端処理装置12は、本体ブロック34を含む。本体ブロック34は、カッタ22、防水板24及びフィーラ26に関して、反緯入れ側の織端側と反対側(緯糸の飛走方向下流側)に配置されており、またブラケット30に支持されている。
【0021】本体ブロック34は、筬打ちにともなって緯糸端部を受け入れる横U字状のスリット40と、流体としての圧力水を下端部から噴出する流体供給路42と、噴射された流体を受け入れるようにスリット34を介して流体供給路42の下端部と対向する上端部を有する流体排出路44とを備えている。
【0022】スリット40は、本体ブロック34の厚さ方向(緯入れ方向)両側に開放していると共に、経糸の走行方向上流側(経糸送出側)に開放している。スリット40の上流側開放端は、筬打ちにともなって緯糸端部を受け入れるように、緯糸14の高さレベルに合わされている。スリット40の閉塞側端(奥側端)は、流体供給路42の下端部と流体排出路44の上端部との間に達して、流体供給路42及び流体排出路44に連通している。
【0023】圧力水は、互いに嵌合されたパイプ46,48により流体供給路42に連続的に供給され、流体供給路42の下端部からスリット40及び流体排出路44に向けて連続的に噴出される。このため、図示の例では、流体供給路42の下端部は流体噴出口として作用する。パイプ48は、その一端部を流体供給路42に差し込まれ、1以上のねじ部材(図示せず)により本体ブロック34に組み付けられている。
【0024】噴出された圧力水は、流体排出路44に受け入れられて、流体排出路44からパイプ50を経て排出される。このため、図示の例では、流体排出路44の上端部は流体受入口として作用し、流体排出路44及びパイプ50は液体及び糸端52の排出系路を形成している。
【0025】パイプ50は、液体が自重で糸端52と共に流下するように、上端部を流体排出路44に下方側から差し込まれて、ねじ部材(図示せず)により本体ブロック34に組み付けられている。
【0026】緯糸端処理装置12において、緯入れされた緯糸14の先端部は、その緯糸14が筬18により織前に筬打ちされたときに、スリット40内をその奥に移動され、流体供給路42から噴出される流体により流体排出路44及びパイプ50内に受け入れられて、捕捉される。
【0027】緯糸14は、上記のように先端部を捕捉された状態においてカッタ22により切断される。これにより、糸端52が形成される。糸端52は、流体排出路44及びパイプ50内を流れる液体と共にホッパ54に排出される。
【0028】ホッパ54は、フィルタ56を内部に有しており、このフィルタ56により糸端52を液体と分離する。ホッパ54に排出される液体は、タンク58に回収されて、緯糸に作用させる流体として再利用すべく電動ポンプ60によりタンク58からパイプ46に連続的に供給される。タンク58内の液面が低下すると、同種の液体がパイプ62にから補充される。
【0029】上記のような緯糸端処理装置12の異常を検出する異常検出装置10は、パイプ50の下流端に配置された変位部材64と、変位部材64がパイプ50の流体出口を開放していることを検出して信号を出力するセンサ66とにより、排出系路を流れる液体の排出異常を感知する異常感知機構を構成している。
【0030】変位部材64は、パイプ50から流出する液体により変位される変位プレート68と、変位プレート68から適宜な角度をなして伸びるアーム70とにより形成されている。変位部材64は、センサ66により検出される被感知部材72をアーム70の先端に有している。
【0031】変位部材64は、排出系路を経る液体を変位プレート68に受けて、液体の進行方向に変位するように、特に受けた変位力に応じてパイプ50の流体出口を開閉するように、変位プレート68とアーム70との境界部において、水平方向へ伸びる軸線の周りに揺動可能にフレーム32又はパイプ50に支持されている。
【0032】変位部材64は、排出系路が糸端52により糸つまりになったとき、電動ポンプ60による液体の供給量が不足のとき等、パイプ50内を流れる液体が少なく、それにより変位プレート68に作用する変位力すなわち作用力が小さいと、変位プレート68側の重量がアーム70側の重量より重いことに起因して、図2において実線で示すようにパイプ50の流体出口を閉鎖している。
【0033】しかし、パイプ50内を流れる液体が多く、それにより変位プレート68に作用する変位力が大きいと、変位部材64は、そのような変位力により、図2において二点差線で示すように角度的に回転されて、パイプ50の流体出口を開放する。
【0034】センサ66は、変位部材64がその変位プレート68によりパイプ50の流体出口を開放しているときに、被感知部材72を感知するように、パイプ50に配置されている。そのようなセンサ66として、磁気センサのような近接スイッチを用いることができる。
【0035】センサ66の出力信号S1は、異常判定部74において主制御装置76から供給されるポンプ作動信号Pと共に、緯糸端処理装置12が異常であるか否かの判定に用いられる。信号S1はセンサ66が被感知部材72を検出しているとき(所定量の液体が排出系路内を正常に流れているとき)にオンになり、信号Pは電動ポンプ60を駆動させているときにオンになる。
【0036】異常判定部74は、信号Pがオンであるにもかかわらず、信号S1がオフのときに“緯糸端処理装置12が異常である”、すなわち“所定量の液体が排出系路を流れていない”と判定して、その旨を表す異常信号S4を出力する。この異常信号S4は、織機を停止させる信号として用いることができる。
【0037】上記のように異常検出装置10においては、緯糸に作用した所定量の液流が流体排出路44とパイプ50とにより形成される排出系路を正常に流れていると、変位部材64が排出系路を流れる液体により所定の状態に変位される。
【0038】しかし、所定量の液流が排出系路を正常に流れていないと、変位部材64が所定の状態に変位されない。このため、センサ66は変位部材64の異常を検出して、異常信号S4を出力する。これにより、所定量の液流が排出系路を正常に流れていないこと、すなわち緯糸14に作用した液流の排出異常が確実に検出される。
【0039】緯糸端処理装置12においては、電動ポンプ60にポンプ作動信号Pが供給されていても、電動ポンプ60の性能や、液体の流路抵抗等に起因して、パイプ50から流出する液体量に脈動が生じて、変位部材64がパイプ50の液体流体出口を開閉し、その結果センサ66の出力信号がオンとオフとに1回以上変化することがある。
【0040】また、電動ポンプ60又はそれに接続された電磁弁を間欠的に作用させて、圧力水を緯糸に間欠的に作用させる装置の場合も、上記と同様の理由から、センサ66の出力信号はオンとオフとを繰り返す。
【0041】いずれの場合も、緯糸端処理装置12が異常ではないにもかかわらず、異常判定部74は、センサ66の出力信号S1がオフになるたびに異常信号を出力してしまう。異常判定部74は、そのような弊害を除去することができる回路構成とすることが好ましい。
【0042】そのような異常判定回路74の一実施例を図3に示し、その異常判定部74における各種信号の波形の一実施例を図4に示す。
【0043】図3及び図4を参照するに、異常判定部74は、ポンプ作動信号Pをオンディレータイマ78に受け、センサ66の出力信号S1をオフディレータイマ80に受ける。
【0044】オンディレータイマ78は、ポンプ作動信号Pがオンに変化したとき(立ち上がり時)から設定器82に設定された時間T1だけ遅れてオンになり、その後ポンプ作動信号Pがオンの間オンを持続する検知期間信号S2を発生する。検知期間信号S2は、異常を検知する期間を指定する信号である。
【0045】オフディレータイマ80は、センサ66の出力信号S1がオフに変化した状態、すなわち信号の立ち下がり状態が、設定器84に設定された時間T2異常続いたときに、オンになる信号S2を発生する。
【0046】両信号S2,S3は、アンド回路86に供給される。アンド回路86の出力信号は、フリップフロップ88のセット端子Sに供給される。このため、ポンプ作動信号Pがオン状態を時間T1以上持続しているにもかかわらず、センサ66の出力信号S1がオフ状態を時間T2以上持続すると、オフディレータイマ80の出力信号S3が時間T2経過後にオンになり、アンド回路86の出力信号が論理値“1”になって、フリップフロップ88が異常信号を記憶する。
【0047】フリップフロップ88に記憶された異常信号S4は、フリップフロップ88のQ出力から、警報灯90を点灯させるべく点灯駆動回路に供給されると共に、また織機を停止させるべく図示しない主制御装置に供給される。フリップフロップ88は、リセットボタン92が作業者により操作されたことにより、リセットされる。
【0048】図4は、時刻t1に糸つまりによる排出異常が発生し、その後作業者が異常の修復を行い、リセットスイッチ92が操作されてフリップフロップ88がリセットされた場合を示す。
【0049】異常判定部74のように、センサ66の出力信号をオフディレータイマ80に通すならば、適切な時間T2を設定することにより、圧力水の間欠的な供給、排出系路を流れる液体の過不足(すなわち、変位部材に作用する変位力の過不足)等に起因する誤検出を防止することができる。
【0050】また、検出期間信号S1をオンディレータイマ78により発生するならば、ポンプ作動信号Pの立ち上がりから時間T1の間、排出異常が検出されないから、電動ポンプ60、換言すれば水流が安定するまでの誤検出が防止される。
【0051】本発明は、以下のように種々変更することができる。
【0052】第1に、センサ66として、変位部材64が接近したことを検出して信号を出力する近接スイッチのような非接触型のセンサを用いる代わりに、変位部材64が衝突したことを検出して信号を出力するリミットスイッチのような接触型のセンサを用いてもよい。
【0053】第2に、変位部材が所定の位置に変位されているとき信号を発生するセンサを用いる代わりに、変位部材の移動量を検出するポテンショメータのようなセンサを用いてもよい。この場合、異常検出部は、検出した移動量を基準信号と比較することにより、異常であるか否かを判定することができる。
【0054】第3に、変位部材が排出系路を開放していることを検出して、異常の有無を判定する代わりに、変位部材が排出系路を閉鎖していることを検出して、異常の有無を判定するようにしてもよい。
【0055】第4に、変位部材を排出用のパイプ50からの液体の流体出口に配置する代わりに、変位部材は排出系路への流体の流入口から排出口までの間の適宜な箇所に配置してもよい。
【0056】水噴射式織機においては、一般に、電動ポンプ60のような流体源から吐出される水流の量や圧力等は設計上固定されているのに対し、流体作用装置は織幅に合わせて取り付け位置を変更される。これにより、排出系路を流れる水流の抵抗や脈動状態が変化する。そのような水流の抵抗や脈動状態は、緯糸の種類(例えば、太さ)、織機の回転数等の製織条件によっても変化する。
【0057】そのため、水流に対する変位部材の変位の度合いが調整不能であると、そのような水流の抵抗や脈動状態の変化に起因する変位部材の位置変化がそのままセンサから信号として出力され、その結果排出が異常又は正常と判定されて、織機の空止まりや異常の見逃しに至ることになる。
【0058】それゆえに、異常検出装置においては、排出異常の誤検出や見逃しを防止することが好ましい。そのような異常検出装置の実施例を以下に説明する。
【0059】図5から図7を参照するに、異常感知機構100は、ホース102を図2におけるパイプ50の下流端に又はパイプ50の代わりに液体排出路44に連結し、補助パイプ104をホース102に嵌合させ、変位部材106及びセンサ108をブラケット110に支持させている。
【0060】補助パイプ104は、その下流端がブラケット110から突出する状態に、ブラケット110に組み付けられており、また液体の排出系路をホース102と共に形成している。液体は、糸端と共に、ホース102から補助パイプ104に流れ、補助パイプ104の下流端の流体出口から流出する。
【0061】ブラケット110は、ボルト112により織機のフレームに組み付けられており、またセンサ108を組み付けるビス114のための複数のねじ穴116を液体の進行方向に間隔をおいて有している。
【0062】変位部材106は、矩形をした変位プレート120と一対のアーム122とを、アーム122が変位プレート120から水平方向に間隔をおいて伸びるように、コ字状に一体的に組み合わせており、両アーム122に被感知部材124を支持させている。
【0063】変位部材106は、排出系路を経る液体を変位プレート120に受けて、変位プレート120が液体の進行方向に変位するように、特に受けた変位力に応じて補助パイプ104の流体出口を開閉するように、変位プレート120とアーム122との境界部分において複数のねじピン126によりブラケット110の側面に、水平方向へ伸びる軸線の周りに揺動可能に組み付けられている。
【0064】変位部材106は、排出系路が糸端により糸つまりになったとき、電動ポンプによる液体の供給量が不足のとき等、補助パイプ104内を流れる液体が少なく、それにより変位プレート120に作用する変位力が小さいと、変位プレート120側の重量がアーム122側の重量より重いことに起因して、図2において二点差線で示すように角度的に回転されて、補助パイプ104の流体出口を閉鎖する。
【0065】しかし、補助パイプ104内を流れる液体が多く、それにより変位プレート120に作用する変位力が大きいと、変位部材106は、そのような変位力により、図2において実線で示すように角度的に回転されて、補助パイプ1004の流体出口を開放する。
【0066】センサ108は、変位部材106がその変位プレート120により補助パイプ104の流体出口を閉鎖しているときに、被感知部材124を感知するように、ブラケット110に組み付けられている。排出される流体による変位部材106の変位方向におけるブラケット110へのセンサ108の組み付け位置は、ビス114をねじ込むねじ穴116を変更することにより、変更可能である。
【0067】上記のようなセンサとして、磁気センサのような近接スイッチを用いることができる。磁気センサをセンサ108として用いるときは、被感知部材124として磁石が用いられる。しかし、既に述べたように、他のセンサを用いてもよい。
【0068】センサ108に出力信号は、電線128により異常判定部に供給される。この場合、異常判定部は、検知期間信号がオンであると共に、センサ108の出力信号がオンのとき、異常信号を出力する。
【0069】異常感知機構100においては、ボルト112による織機のフレームへのブラケット110の取り付け角度を調節して、補助パイプ104内を流れる液体の方向を変更すると、変位プレート120に作用する変位力が変化するから、その結果変位部材106の変位の度合いを変更することができる。
【0070】例えば、フレームへのブラケット110の取り付け角度が、図5に示す例の場合と、図8に示す例の場合とにおいて、流体から受ける力、すなわち変位プレート120に作用する変位力は、図5に示す例よりも、図8に示す例の方が大きくなる。このため、変位プレート120への水流の作用角度を調整することにより、変位部材106の変位の度合いを調整して、排出異常を容易にかつ確実に検出することができる。
【0071】また、異常感知機構100においては、織機のフレームへのブラケット110の取り付け角度が同じであっても、ビス114によるブラケット110へのセンサ108に取り付け位置を変位プレート120の可能な範囲内で変更して、センサ108による被感知部材124の検出可能範囲を変位プレート120の変位方向に変更すると、変位プレート120の変位可能範囲を変更することができる。これにより、センサ108により被感知部材124を感知するときの変位部材106の変位角度を変化させることができる。
【0072】上記の結果、異常感知機構100においては、また、センサ108により被感知部材124を感知するときの変位部材106の変位角度を調整することにより、変位部材106の変位の度合いを調整して、排出異常を容易にかつ確実に検出することができる。
【0073】上記のような変位部材106の変位の度合いは、変位部材106への水流の作用角度、ひいては水流により変位部材106に作用する変位力のみならず、変位プレート120側の重量とアーム122側の重量との関係を変更して、変位部材106の回転トルクを調整する等、他の手法又は手段によっても調整することができる。
【0074】例えば、変位部材106の変位の度合いは、図9に示すように、荷重プレート130を変位プレート120(又は、アーム122)に取り付ける、荷重プレート130を重量が異なる他の荷重プレートに変更する、変位部材106の回動軸線から荷重プレート130の取り付け位置までの距離を変更する等により、変位プレート120側の重量とアーム122側の重量との関係を変更して、変位部材106の回転トルクを調整することによっても調整することができる。
【0075】また、変位部材106の変位の度合いは、図10に示すように、ばね、ダンパ、回転アクチュエータ等のトルク発生手段132により変位部材106の回転トルクを調整することによっても、調整することができる。
【0076】さらに、変位部材に作用する水流の絞り量を変更しても、変位部材106の変位の度合いを変更することができる。
【0077】本発明は、緯糸端部の保持及び糸端の排出の両機能を備えた緯糸端処理装置のみならず、緯糸端部の保持機能及び糸端の排出機能のいずれか一方のみを備えた緯糸端処理装置のような他の液体作用装置にも適用することができる。
【0078】本発明は、上記実施例に限定されない。例えば、液体流により揺動される変位部材の代わりに、液体流により回転される水車のような変位部材等他の変位部材を用いてもよい。それゆえに、本発明は、その趣旨を逸脱しない限り、種々変更することができる。
【出願人】 【識別番号】000215109
【氏名又は名称】津田駒工業株式会社
【住所又は居所】石川県金沢市野町5丁目18番18号
【出願日】 平成13年9月19日(2001.9.19)
【代理人】 【識別番号】100070024
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 宣行
【公開番号】 特開2003−89952(P2003−89952A)
【公開日】 平成15年3月28日(2003.3.28)
【出願番号】 特願2001−284413(P2001−284413)