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【発明の名称】 給綿装置
【発明者】 【氏名】平井 春美

【氏名】加藤 伸司

【要約】 【課題】綿材料を混合して1台のカードに供給する給綿装置の提供。

【解決手段】複数の開俵装置30において、ベールPから綿掻き取りユニット32で綿材料を掻き取り,空気搬送により1つの綿材料混合装置10に送り込む。綿材料混合装置10で混合した綿材料をさらに空気搬送で1台のカード1のシュートフィーダ2に送給する。これにより、複数の綿材料を混合できてユーザーの多様な要求のカード原料を生成でき、しかも、段取り替え単位は、1台のカード単位で行い得て,多品種少量生産に好適である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 1台のカードと1台の綿材料混合装置とを、綿材料混合装置で混合された綿材料をカードに向けて送り出す送出ファンを介して綿搬送ダクトで連結し,その綿材料混合装置に対して,綿材料を送り込む綿材料供給装置を複数備え,これらの綿材料供給装置と前記綿材料混合装置とを夫々送綿ファンを備えた送綿ダクトで連結し,複数の綿材料供給装置から送り込まれた複数の綿材料を前記綿材料混合装置で混綿した後,1台のカードに送り込むようにした給綿装置。
【請求項2】 綿材料混合装置は、上下方向に長い円筒状本体の長手中間部に排気エリアを持ち,排気エリアの上部側に,前記複数の綿材料供給装置からの送綿ダクトの出口を夫々円筒内面の接線方向に気流が噴出すように接続し,排気エリアの下方に,混合後の綿材料をカードに向けて送り出す送出フアンの吸引口を設けたことを特徴とする請求項1記載の給綿装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、1台のカードに複数の開俵装置からの綿材料を混合して供給する給綿装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図6に示すように,1台のカード(梳綿機)1のシュートフィーダ2に1台の開俵装置30を接続して、開俵装置30の綿掻き取りユニット32によりベール(原綿塊)Pを開俵し、その開俵した綿材料は、送出フアン72の吸引作用によって綿搬送経路50,51,69を経て送出ファン72に吸い込まれ、引き続き,送出ファン72から綿搬送ダクト18を介して前記シュートフィーダ2に空気搬送されるものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図6に示すものでは,1台のカードと1台の開俵装置とが連結され、1台のカード単位で紡出するカードスライバ品種を変更できるため、段取り替えが容易で多品種少量生産に向いているといえる。ところで、この装置では1種類のベールPのみしか開俵できないため、異なる種類のベールを開俵して、これらを混合することができない。この発明は,複数種類のベールを開俵し、それらを混合することができ、しかも、多品種少量生産に好適な給綿装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題解決のため、本願給綿装置では、1台のカードと1台の綿材料混合装置とを、綿材料混合装置で混合された綿材料をカードに向けて送り出す送出ファンを介して綿搬送ダクトで連結し,その綿材料混合装置に対して,綿材料を送り込む綿材料供給装置を複数備え,これらの綿材料供給装置と前記綿材料混合装置とを夫々送綿ファンを備えた送綿ダクトで連結し,複数の綿材料供給装置から送り込まれた複数の綿材料を前記綿材料混合装置で混綿した後,1台のカードに送り込むようにした。これによれば,1台のカードに対して,綿材料混合装置が1台対応しており,その綿材料混合装置に複数の綿材料供給装置からの綿材料が供給されるので、複数種類の綿材料を混合して1台のカードに供給できて、多様なユーザーニーズに対応できる上,1台のカード単位で綿材料の混合状態を変更できるから、多品種少量生産に好適である。
【0005】綿材料混合装置は、上下方向に長い円筒状本体の長手中間部に排気エリアを持ち,排気エリアの上部側に,前記複数の綿材料供給装置からの送綿ダクトの出口を夫々円筒内面の接線方向に気流が噴出すように接続し,排気エリアの下方に,混合後の綿材料をカードに向けて送り出す送出フアンの吸引口を設けた。綿材料供給装置は、開俵原綿を掻き取る綿掻き取りユニットを備えた開俵装置であって、その開俵装置は、水平ダクトの下面に綿掻取りユニットを水平ダクトの長手に移動するように備え,その水平ダクトを垂直ダクトに昇降するように備えて水平ダクト内側の綿搬送経路と垂直ダクト内側の綿搬送経路とを連通させ、垂直ダクトを綿掻取りユニットの移動方向と直交する水平方向に往復移動するように設け,垂直ダクトの上端部を垂直ダクトの移動方向と平行に設けた固定ダクトに移動可能に案内させて垂直ダクト内側の綿搬送経路と固定ダクト内側の綿搬送経路とを連通して構成するとよい。
【0006】
【発明の実施の形態】図1において、1は周知のカード(梳綿機)であり、機台後方に配置されたシュートフィーダ2からテーカインローラ3を介して送り込まれる綿材料を、シリンダ4と回転フラット5との間で梳り,ドッフア6を経てカードスライバSとして紡出するものである。シュートフィーダ2の後方には、前記カード1の1台について1台の綿材料混合装置10が配置されている。綿材料混合装置10は、上下方向に伸びた円筒状本体11を備えており,その上下方向中間部は、メッシュ材で構成された排気エリア12に形成され,この排気エリア12から内部の空気が外側に排出されるようになっている。排気エリア12の下方部分は、円筒内面が下方に行くに従って先窄まりの漏斗状に形成され,漏斗状部位13の先端14は綿材料混合装置10の下端に設けた送出ファン15の吸引口16に連通している。送出ファン15の送出口17は、綿搬送ダクト18の一端に接続され,該綿搬送ダクト18の他端は前記シュートフィーダ2の綿材料投入口19に連通されている。
【0007】前記排気エリア12の上側には、図2に示すように,円筒状本体11の円筒状内面20に対して接線方向から、180度対称な位置において2つの送綿ダクト21,22が水平に接続され、それらの排出口23,24から噴出す気流と共に後述の綿材料が円筒状本体11の内面に沿って接線方向から投入されるようになっている。
【0008】これら2つの送綿ダクト21,22は、前記1つの綿材料混合装置10に対して設けた2つの開俵装置(綿材料供給装置として例示)30に接続されているが、各開俵装置30の構成は同じであるので,一方についてのみ説明する。開俵装置30において、下面に所定幅で長手方向に伸びた開口31aを設けた水平ダクト31に、綿掻取りユニット32を水平ダクト31の長手に移動可能に案内している。綿掻取りユニット32は、上下が開放したケーシング33に前後一対の掻き取りローラ34が水平回転するように対向して備えてある。掻き取りローラ34はベールPをから綿材料P1を掻き上げるものである。その水平ダクト31を内側に備えた水平ダクト保持部材の基部35は、垂直ダクト36を内側に備え、前面(水平ダクト31に向く側)を開放した垂直ケーシング36Aに昇降するように案内されている。垂直ケーシング36Aは、綿掻取りユニット32の移動方向と直交する水平方向に往復移動するように、床面F上に設けたレールR上を走行可能に設けてある。垂直ダクト36の前面(水平ダクト31側面)に所定幅で上下方向に伸びた開口36aを備えている。
【0009】図5に示すように,水平ダクト保持部材の基部35に設けた2つのモータM1、M2により、水平ダクト31の上下のチェーン37,38を周回させると、上側チェーン37の下側移行部37aと下側チェーン38の上側移行部38aの両方に噛み合った、綿掻取りユニット32に設けたスプロケット39が回転し,そのスプロケット39が駆動チェーン40、中間スプロケット43、スプロケット41,42を介して前記一対の掻き取りローラ34を互いに反対方向に回転させるようになっている。この構造では、上下のチェーン37,38の移動速度が異なると,一対の掻き取りローラ34が回転し、しかも、スプロケット39を介して綿掻取りユニット32が前後いずれかの方向に走行移動することになる。この構造では,2つのモータM1、M2の回転を制御することにより、掻き取りローラ34の回転を変化させ、しかも、綿掻き取りヘッド32の移動速度,移動方向も制御でき、ベールPに対する開俵動作を簡単に変更できる。
【0010】垂直ダクト36の前面の所定幅の開口36aと,水平ダクト31の下面の所定幅の開口31aを塞いで,夫々のダクト31,36内側に綿搬送経路50,51を構成するため、これらの開口31a,36aより幅広で前記綿掻き取りユニット32の前端に一端を接続したシールバンド52が、水平ダクト31の開口31aの外側で前記開口31aを塞ぎつつ案内ローラ53,54を巡って基部35上側の案内ローラ55を経て、垂直ダクト36の外側で開口36aを塞ぐように上方に伸び,案内ローラ56〜59を経て,基部35下側の開口36a外側を塞ぐように開口36a外側に沿って上昇した後,案内ローラ60を経て水平ダクト31の開口31a外側を塞ぎつつ前記綿掻き取りユニット32の後端に接続されている。この構成により、綿掻き取りユニット32の前後の開口部分および、垂直ダクト36前面で水平ダクト31の基部35の上下の開口部分は,この1本の連続したシールバンド52で塞がれ,水平、垂直ダクト31、36内側に綿搬送経路50,51が形成されて、これらの綿搬送経路50,51は連通している。
【0011】垂直ダクト36の移動方向と平行な固定ダクト65が、前記垂直ダクト36の上部に対応して設けてある。固定ダクト65は垂直ケーシング36Aを水平に貫通している。固定ダクト65はその下面に所定幅で、長手(垂直ダクト36の移動方向)に伸びる開口65aを備え,垂直ダクト36上端部が前記開口65aに開口65aの長手に沿って移動可能に案内されている。その開口65aを塞ぐために、開口65aの幅より大きな幅のシールバンド66の一端が垂直ダクト36の移動方向一方の壁36bに連結された後,プーリ67,68を巡って他端が他方の壁36cに接続され,垂直ダクト36が移動したときに、開口65aの垂直ダクト36の移動方向前後の開口部分を外側から塞ぎ、固定ダクト65内側の綿搬送経路69を垂直ダクト36の綿搬送経路51と連通している。開俵装置30はこのように構成され、前記固定ダクト65の長手一端には連通孔70が形成され、その連通孔70に接続ダクト71を介して送綿ファン72の吸引口73が接続され、送綿フアン72の排出口74は,前記送綿ダクト21の一端に接続されている。
【0012】この構成では、2つの開俵装置30に、混合したい異なる種類のベールP、Paをセットし,その状態で,綿掻き取りヘッド32の掻き取りローラ34を回転させて,ベールPから綿材料P1をベールPaから綿材料Pa1を剥ぎ取る。剥ぎ取られた綿材料P1、Pa1は,送綿ファン72の吸引気流により、各ヘッド32,32から夫々水平ダクト31、垂直ダクト36、固定ダクト65、接続ダクト71を通って送綿ファン72に至り、各送綿ファン72から空気により送り出された綿材料P1、Pa1は、綿材料混合装置10の円筒状本体11上部で、円筒状本体11の内面20に対して接線方向から投入される。投入された綿材料P1、Pa1は、円筒状本体11内を渦を巻きながら下降し、2つの綿材料P1,Pa1は混合される。下降の途中で送綿ファン72による搬送空気を排気エリア12で逃がすので、このような排気エリア12が存在せず、空気が排気されない場合では大量の送り込み空気の逃げ場がなくなって綿材料P1、Pa1が円滑に送出ファン15に吸い込まれなくなる、という不都合がない。
【0013】こうして、混合された綿材料PPは、送出ファン15の吸引作用で漏斗部分13内を下降して送出ファン15を経て綿搬送ダクト18に空気搬送され、シュートフィーダ2の供給口19からシュートフィーダ2内に送り込まれる。いま、A,Bという種類の異なるベールから異なる綿材料を混合してA+Bというカードスライバを1台のカードから紡出していた状態から、C、Dという別の種類の綿材料に段取り替えするとき、その1台のカードに接続されている開俵装置のベールをC、Dに変更することで、1台のカード単位で混合内容の異なるカードスライバを直ちに得ることができ、混合綿の品種変更が容易であり,少量生産に好適である。また、A,Bのベール種類であっても、その混合比を変更するには,各開俵装置30の掻き取りユニット32の掻き取り動作条件(掻き取りローラの回転数や,ユニット32の移動速度など)を、モータM1,M2を制御することで簡単に変更できる。なお、綿材料供給装置としては、上記のように開俵装置に限らず,紡績工程で発生する落綿などを回収した再用綿を供給する装置であってもよい。
【0014】
【発明の効果】以上のように本発明の給綿装置では,複数の綿材料供給装置から、綿材料を空気搬送により1つの綿材料混合装置に送り込み,その綿材料混合装置で混合した綿材料をさらに空気搬送で1つのカードに送給するようにしたので,複数の綿材料を混合できてユーザーの多様な要求のカード原料を生成でき、しかも、段取り替え単位は、1台のカード単位で行い得て,多品種少量生産に好適である。
【出願人】 【識別番号】000241588
【氏名又は名称】豊和工業株式会社
【出願日】 平成14年2月8日(2002.2.8)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−239144(P2003−239144A)
【公開日】 平成15年8月27日(2003.8.27)
【出願番号】 特願2002−31828(P2002−31828)