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【発明の名称】 カードに設けたラップまたはスライバを均一化するための装置
【発明者】 【氏名】ベルンハルト リューベナッハ

【要約】 【課題】構造的に簡単に保持点とくしけずり点との間隔の調節を実現し、かつ繊維材料の改善された加工を可能にすることを目的とする。

【解決手段】カードに設けたラップまたはスライバを均一化するための装置。タフトシュート9を備えたタフトフィーダが存在しており、フィードローラ10とフィードプレート14′からなる供給装置が直接開繊ローラ(ブレストローラ)16と協働しており、タフトシュート9の下端部がフィードローラ10の領域で終了していて、フィードローラ10がタフトシュート9から繊維材料を引き取るようになっている。保持点とくしけずり点との間の間隔を調節するために開繊ローラ16が直接隣接しているローラ10の中心の回りを回転でき、少なくとも供給装置が作業方向(A)に変位可能であるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 カードに設けたラップまたはスライバを均一化するための装置であって、タフトシュートを備えたタフトフィーダが存在しており、フィードローラとフィードプレートからなる供給装置が直接開繊ローラ(ブレストローラ、テーカイン)と協働しており、タフトシュートの下端部がフィードローラの領域で終了していて、フィードローラがタフトシュートから繊維材料を引き取るようになっているものにおいて、保持点とくしけずり点との間の間隔(l:e1、e2)を調節するために第1の開繊ローラ(16;161)が直接隣接しているローラ(10、162、17、18、19)の中心(M1;M3)の回りを回転でき(D、E;G、H)、少なくとも供給装置(10、14)が作業方向(A)に変位できることを特徴とする、梳毛カードまたは梳綿カードに設けたラップまたはスライバを均一化するための装置。
【請求項2】 開繊ローラ(16;161)が前段に配置されたフィードローラ(10)の中心(M1)の回りを回転できることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】 開繊ローラ(16;161)がすぐ後段に配置されたローラ(162)の中心(M3)の回りを回転できることを特徴とする請求項1または2記載の装置。
【請求項4】 後段に配置されたローラが、別の開繊ローラ(ブレストローラ(162)、テーカイン)であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の装置。
【請求項5】 後段に配置されたローラがシリンダ(19)であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の装置。
【請求項6】 開繊ローラ(16;161)がフィードローラ(10)の中心(M1)の回りを回転でき(D、E)、供給装置(10;14)および開繊ローラ(16;161)が場所的に変位可能である(F、F1)ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の装置。
【請求項7】 開繊ローラ(16;161)がすぐ後段に配置されたローラ(162)の中心(M3)の回りを回転でき、供給装置(10;14)が場所的に変位可能である(I)ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の装置。
【請求項8】 少なくとも供給装置(10;14)が水平方向に変位可能である(F;1)ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の装置。
【請求項9】 供給装置(10;14)と開繊ローラ(16;161)が水平方向に移動可能である(F;1)ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の装置。
【請求項10】 カードフィーダ(31)が水平方向に変位可能である(B、C)ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項記載の装置。
【請求項11】 カードフィーダ(31)が車輪(28a、28b)で走行可能であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項記載の装置。
【請求項12】 供給装置(10、14)がカードフィーダ(31)のハウジング(27)内に配置されていることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項記載の装置。
【請求項13】 供給装置(10、14)と開繊ローラ(16;161)がカードフィーダのハウジング(27)内に配置されていることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項記載の装置。
【請求項14】 フィードプレート(14)がフィードローラ(10)の下方に配置されていることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項記載の装置。
【請求項15】 フィードプレート(14′)がフィードローラ(10)の上方に配置されていることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項記載の装置。
【請求項16】 フィードプレート(14′)が上方に位置する供給装置(10、14)の後段に唯一の開繊ローラ(16)が配置されていることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項記載の装置。
【請求項17】 開繊ローラ(16;161)が直接隣接するローラ(10;161〜19)の軸受ブシュに固定されていることを特徴とする請求項1から16のいずれか1項記載の装置。
【請求項18】 開繊ローラ(16;161)が、軸受ブシュを少なくとも部分的に取り囲んでいるそれぞれ1つのアタッチメントによって固定されていることを特徴とする請求項1から17のいずれか1項記載の装置。
【請求項19】 開繊ローラ(16;161)が、一方の端部において定位置で回転可能(D;E;G、H)なそれぞれ1つの連結部材(29;30)によって固定されていることを特徴とする請求項1から18のいずれか1項記載の装置。
【請求項20】 開繊ローラ(16;161)が、連結部材(29;30)の他方の端部と回転可能に結合していることを特徴とする請求項1から19のいずれか1項記載の装置。
【請求項21】 保持点とくしけずり点との間の間隔(1:e1、e2)の調節が繊維の性質に応じて行われることを特徴とする請求項1から20までのいずれか1項記載の装置。
【請求項22】 間隔(1:e1、e2)の調節が繊維長に応じて行われることを特徴とする請求項1から21までのいずれか1項記載の装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ローラーカードまたはフラットカードに設けたラップまたはスライバを均一化するための装置であって、タフトシュートを備えたカードフィーダが存在しており、フィードローラとフィードプレートからなる供給装置が直接開繊ローラ(ブレストローラ、テーカイン)と協働しており、タフトシュートの下端部がフィードローラの範囲で終了していて、フィードローラがタフトシュートから繊維材料を引き取るようになっているものに関する。
【0002】
【従来の技術】公知の装置(EP0468985)では、カードは前段に配置されたカードフィーダと剛性的に結合されている。カードフィーダのハウジングの内部にはフィードシュート(フィリングボックス)が存在していて、送出しローラなしにシュートフィーダに移行しており、このシュートフィーダを通して繊維材料(タフトやフリース)がカードに供給される。フィードローラは定置されたテーカインと協働する。フィードプレートを有するフィードローラの保持点とくしけずり点(テーカインによって繊維材料を引き取る位置)との間隔の調節は設けられていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記の短所を回避し、構造的に簡単に保持点とくしけずり点との間隔の調節を実現し、かつ繊維材料の改善された加工を可能にするようにした、冒頭に記載した種類の装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この課題は請求項1の特徴部に記載の特徴によって解決される。
【0005】作業方向で見て、第1の、または唯一のテーカインが直接隣接しているローラの中心の回りを回転できることにより、くしけずり点が動かされ、それによって保持点とくしけずり点との間隔が変更される。このように構成すると、繊維材料を均整かつ繊維に手厚く供給することによって重要な意味を持つ間隔を適合させることに成功する。特に加工された繊維材料の性質、特に繊維長に合わせて間隔を有利に調節することが可能になる。
【0006】開繊ローラが前段に配置されたフィードローラの中心の回りを回転できることが合理的である。開繊ローラがすぐ後段に配置されたローラの中心の回りを回転できることが好都合である。後段に配置されたローラが、別の開繊ローラ(ブレストローラ、テーカイン)であることが有利である。後段に配置されたローラがシリンダであることが得策である。開繊ローラがフィードローラの中心の回りを回転でき、供給装置および開繊ローラが場所的に変位可能であることが合理的である。開繊ローラがすぐ後段に配置されたローラの中心の回りを回転でき、供給装置が場所的に変位可能であることが好都合である。少なくとも供給装置が水平方向に変位可能であることが有利である。少なくともカードフィーダが水平方向に変位可能であることが合理的である。カードフィーダが車輪によって走行可能であることが好都合である。フィードテーブルがカードフィーダ内に配置されていることが有利である。供給装置と開繊ローラがカードフィーダ内に配置されていることが得策である。フィードプレートがフィードローラの下方に配置されていることが合理的である。フィードプレートを上方に配置した供給装置の後段に、唯一の開繊ローラが配置されていることが有利である。開繊ローラが直接隣接するローラの軸受ブシュに固定されていることが得策である。開繊ローラが、軸受ブシュを少なくとも部分的に取り囲んでいるそれぞれ1つのアタッチメントによって固定されていることが合理的である。開繊ローラが、一方の端部において定位置で回転可能なそれぞれ1つの連結部材によって固定されていることが好都合である。開繊ローラが、それぞれ連結部材の他方の端部と回転可能に結合していることが有利である。間隔の調節が繊維の性質に応じて行われることが得策である。間隔の調節が繊維長に応じて行われることが合理的である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0008】図1に示すローラーカード1の前に、垂直のリザーブシュート2が設けられていて、上方から開繊された繊維材料Iが供給される。この供給は、たとえばコンデンサを介し供給・分配管3を通して行うことができる。リザーブシュート2の上部領域には空気進出口4が存在しており、搬送空気IIが繊維塊IIIから分離した後で空気進出口4を通って吸引装置5内に進入する。リザーブシュート2の下端部は、フィードプレート7と協働するフィードローラ6(引込みローラ)によって閉じられている。この低速回転するフィードローラ6によりリザーブシュート2から繊維材料IIIが、その下に位置している、針またはガーネットワイヤを付けて高速回転する開繊ローラ8に供給される。開繊ローラ8はその外周の一部が下方のフィードシュート9と接続している。
【0009】矢印8aの方向に回転する開繊ローラ8は、これによって把捉された繊維材料IIIをフィードシュート9に運ぶ。フィードシュート9はその下端部に、記入した矢印に従って低速回転するデリベリローラ(フィードローラ)10を有しており、これがローラーカード1に繊維材料を供給する。このカードフィーダ31は、たとえばツリュツラー社(メンヒェングラートバッハ)のカードフィーダSCANFEEDであってよい。フィードローラ6は時計方向(矢印6a)に低速で回転し、開繊ローラ8は時計と反対方向(矢印8a)に回転するので、互いに相反する回転方向が実現されている。
【0010】フィードシュート9の壁は、下端部から一定の高さまで空気進出口11′、11″を備えている。フィードシュート9は上方では箱状室12と接続しており、その一方の端部にファンの出口が接続されている。回転するフィードローラ6と回転する開繊ローラ8とによって、単位時間に所定量の繊維材料IIIがフィードシュート9内に連続的に運ばれ、同量の繊維材料が、複数のラップ供給板14a〜14nからなるフィードプレート14と協働するデリベリローラ10によってフィードシュート9から運び出されて、ローラーカード1に供給される。この量を均一に圧縮して一定に保つために、ファンにより箱状室12を通してフィードシュート9内の繊維材料に貫流空気を送り込む。空気はファンで吸引されて、フィードシュート9内にある繊維材料中を押し通され、次いで空気Vはフィードシュート9の下端部に設けた空気進出口11′、11″から出る。
【0011】開繊ローラ8もフィードローラ6も壁面を有するハウジングに包囲されており、その壁領域はローラ6もしくは8の外周に適合してこれらのローラを取り囲んでいる。開繊ローラ8の回転方向8aで見て、ハウジングは繊維材料IIIのための分離開口部により中断されている。分離開口部には壁領域が接続していてフィードローラ6まで達している。フィードローラ6と向き合う壁領域の下端部にはフィードプレート7が配置されている。フィードプレート7の縁部は、開繊ローラ8の回転方向8aを向いている。フィードローラ6と開繊ローラ8の回転軸を通る平面は、開繊ローラ8の回転軸を通る垂直面に対して開繊ローラ8の回転方向に所定の角度で傾いている。
【0012】カードフィーダ31は、たとえば薄板からなるハウジング27を有している。ハウジング27の下端部にはローラー28a、28bが配置されていて、これらのローラー28a、28bによりハウジング27もしくはカードフィーダは紡績工場の床上を矢印B、Cの方向に移動できる。13は、フィードプレート14のためのピボット軸受15をハウジング27に固定している保持部材を示している。
【0013】フィードローラ10とフィードプレート14とからなるローラーカード1の供給装置は、フィードシュート9の下端部に設けた送出し装置10、14と同一である。フィードローラ10とフィードプレート14の後には、ローラーカード1の作業方向Aで第1のブレストローラ161、第2のブレストローラ162、ブレストシリンダ17(テーカイン)、トランスファローラ18、メインシリンダ19、ドッファ20およびテークオフローラとしてストリッピングローラ21が続く。ブレストシリンダ17(テーカイン)とメインシリンダ19には、それぞれウォーカ25とストリッパ26からなる2対ないし6対のローラが付属している。ストリッピングローラ21の後段には、これと直接接して協働するように2つのカレンダローラ22、23が配置されている。これらのローラの回転方向は湾曲した矢印で示されている。ローラ161ないし23は高い周速で回転する。
【0014】図2ではフィードプレート14′はフィードローラ10の上方に配置されている。矢印10a(時計方向)に従うフィードローラ10の回転方向と、矢印16a(時計と反対方向)に従う開繊ローラ16の回転方向とは互いに反対である。このような供給装置10、14′の配置構成により、繊維材料の同期供給が実現されている。この配置構成は、直接供給の際に第2の開繊ローラ(たとえば図1に示す開繊ローラ162)を不要にできるという別の長所を有している。ブレストローラ16は、矢印16aに従い繊維材料をブレストシリンダ17に移送するのに適した回転方向を有している。これは第2のブレストローラ162を有する構成と比較して経済的に有利である。フィードローラ10とブレストローラ16の軸心は、少なくとも片側でロッキングレバー状の連結部材29によって互いに結合されており、連結部材29の一方の端部はフィードローラ10の中心M1に付属し、他方の端部はブレストローラ16の中心M2に付属している。連結部材29は矢印D、Eの方向で中心M1の回りを回転できる。
【0015】このように構成するとブレストローラ16はフィードローラ10の中心M1の回りを回転できる。これにより保持点(フィードローラ10とフィードプレート14′との最小間隔)とくしけずり点(フィードローラ10とブレストローラ16との最小間隔)との間隔lは変更される。ブレストローラ16の中心M2がフィードローラ10の中心M1のまわりを回転する間、フィードローラ10のガーネットワイヤ(図示しない)とブレストローラ16のガーネットワイヤとの間隔は一定のままである。
【0016】図3(A)および図3(B)に示すように、供給装置(フィードローラ10、フィードプレート14)、ブレストローラ161および別のブレストローラ162が直接相前後して直列に配置されている。作業方向Aで見て第1のブレストローラ161と別のブレストローラ162の軸心は、少なくとも片側でロッキングレバー状の連結部材30により互いに結合されており、連結部材30の一方の端部はブレストローラ161の中心M2に付属し、他方の端部はブレストローラ162の中心M3に付属している。連結部材30は矢印G、Hの方向で中心M3の回りを回転できる。このように構成するとブレストローラ161はブレストローラ162の中心M3の回りを回転できる。矢印Gの方向に回転することにより、図3(A)に示す間隔e1は図3(B)に示す間隔e2に拡大される。すなわち、これにより保持点とくしけずり点との間隔が調節できる。この場合、図3(A)に示す間隔a1(M1とM2の間)およびb1(M2とM3との間)は、間隔a2もしくはb2に縮小される。図3(A)に示すM1とM2との間隔c1は、図3(B)に示すM1とM2との間隔c2に変化する。
【0017】図4(A)から図4(C)では、ブレストローラ161がフィードローラ10の中心M1の回りを回転するようになっている。この目的のために連結部材29(図2参照)が存在している。図4(A)は、供給装置(フィードローラ10、フィードプレート14)、ブレストローラ161およびブレストローラ162の初期位置を示している。図4(B)に示す第1ステップでは、ブレストローラ16は中心M1の回りをD方向に回転する。それによってブレストローラ161とブレストローラ162のガーネットワイヤの間隔は拡大する。図4(A)に示すブレストローラ161とブレストローラ162との間で必要な初期状態を再び形成するために、図4(C)に示す第2ステップでは供給装置10、14およびブレストローラ161は矢印FもしくはF′に従う同じ方向でブレストローラ162に向かって動かされる。このようにすると、図4(C)に示す保持点とくしけずり点との間隔は、図4(A)に比べて拡大される。D方向に回転した場合、フィードローラ10とブレストローラ161のガーネットワイヤの間隔は一定である。
【0018】図5(A)から図5(C)では、ブレストローラ161がブレストローラ162の中心M3の回りを回転することが示されている。この目的のために連結部材30(図3(A)および図3(B)参照)が設けられている。図5(A)には、供給装置(フィードローラ10、フィードプレート14)、ブレストローラ161およびブレストローラ162の初期位置が示されている。図5(B)に示す第1ステップでは、フィードローラ10、14は矢印Iの方向でブレストローラ161から離される。このときフィードローラ10とブレストローラ161のガーネットワイヤの間隔は拡大される。図5(A)に示すフィードローラ10とブレストローラ161との間で必要な初期状態を再び形成するために、図5(C)に示す第2ステップではブレストローラ161はブレストローラ162の中心M3の回りをH方向に回転する。それにより、図5(C)に示す保持点とくしけずり点との間隔は、図5(A)に比べて縮小される。H方向に回転する場合、ブレストローラ161とブレストローラ162のガーネットワイヤの間隔は一定である。
【0019】本発明は、ローラーカードフィーダーとローラーカードの例で説明した。本発明は、フラットカードフィーダーとフラットカードへの応用も同様に包含している。
【出願人】 【識別番号】590002323
【氏名又は名称】ツリュツラー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
【出願日】 平成14年4月10日(2002.4.10)
【代理人】 【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外3名)
【公開番号】 特開2003−20528(P2003−20528A)
【公開日】 平成15年1月24日(2003.1.24)
【出願番号】 特願2002−107722(P2002−107722)