| 【発明の名称】 |
焼結鉱の還元後強度試験方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】高本 泰 【住所又は居所】千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技術開発本部内
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、焼結鉱の還元粉化性の評価方法に関し、高炉操業の具体的な操業条件下において、焼結鉱が還元粉化の発生する温度域での焼結鉱の還元粉率特性を適切に評価できる焼結鉱の還元後強度試験法を提供する。
【解決手段】高炉装入原料としての焼結鉱の還元後強度測定に際し、還元ガスの成分をηCO:45〜55%の範囲に調整して、500〜600℃の還元温度で40〜95分間還元した後、焼結鉱の強度を測定すること、また、前記焼結鉱の強度を測定するに際し、粒径15〜20mmの焼結鉱を約500g使用し、前記方法で還元したのち冷却し、回転筒内で30rpmで30分間回転させた後篩分けを行い、所定の粒径以下の粉の質量割合で強度を表す焼結鉱の還元後強度試験方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 高炉装入原料としての焼結鉱の還元後強度測定に際し、還元ガスの成分をηCO:45〜55%の範囲に調整して、500〜600℃の還元温度で40〜95分間還元した後、焼結鉱の強度を測定することを特徴とする焼結鉱の還元後強度試験方法。 【請求項2】 前記焼結鉱の強度を測定するに際し、粒径15〜20mmの焼結鉱を約500g使用し、前記請求項1の方法で還元したのち冷却し、回転筒内で30rpmで30分間回転させた後篩分けを行い、所定の粒径以下の粉の質量割合で強度を表すことを特徴とする焼結鉱の還元後強度試験方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、高炉への装入原料としての焼結鉱の還元粉化性の評価方法に係わるものであり、特に微粉炭吹き込み操業等高炉への燃料装入方法の変化に対して、焼結鉱の還元粉率特性を適切に評価しようとする焼結鉱の還元後強度試験法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】通常、高炉へ装入された焼結鉱は、高炉上部の500〜600℃の温度領域を通過する間に還元され、焼結鉱中のヘマタイトがマグネタイトになる。この相変化には体積膨張を伴うため、焼結鉱中に歪または亀裂が生じて脆くなり、焼結鉱は自壊し粉化する。この焼結鉱の粉化が多いと高炉内の通気抵抗が大きくなり、炉況が不安定となりコークス比の上昇と生産性の低下を招くため、焼結鉱の還元後強度は常時管理されている。 【0003】焼結鉱の還元後強度試験法としては、日本鉄鋼協会製銑部会により定められた還元粉化指数(RDI)があり、一般に使用されている。この方法は図2に示す如き還元試験装置を使用するもので、粒径15〜20mmの焼結鉱500gを内径75mmの反応管内に充填し、CO:30vol%(dry以下同様)およびN2 :70vol%からなる還元ガス15Nl/minを充填層下部から供給し、550℃で30分間還元したのち冷却し、回転筒内で30rpmで30分間回転させた後篩分けし、3mm以下の粉の重量割合で表す指数である。 【0004】現在、高炉の操業においては、高炉の特性および操業条件の変更に応じてこのRDIを管理している。上記したような焼結鉱の還元後の強度試験法の特許としては、特開平11−61284号が開示されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、現状は微粉炭吹き込み操業下で使用される焼結鉱に対しても還元粉化性の評価試験は従来通りの試験条件で行われでいる。したがって、その評価試験では実操業における高炉内の焼結鉱の還元粉化性が反映されていない危惧がある。特に、最近のように焼結鉱の鉄分含有量を高めるためにSiO2 含有率を低くした焼結鉱においては、ヘマタイトの増加およびスラグ量の減少により一般に還元性(JIS−RI)に優れ、高炉内の通気性を改善し、また再資源化処理の必要な高炉スラグの発生量が低減するなどの優位性をもつものの、還元粉化が進み易くなっている。 【0006】図3は焼結鉱(RDI:47)を還元した時の還元時間と還元率の関係を還元ガス組成を変え、上記した従来の測定方法で実施した時に充填層の上部と下部でどのようになっているかを調査したもので、図に示されるようにCO:30vol%およびN:70vol%からなる従来の試験条件での還元ガスでは、還元後の焼結鉱において充填層の上部と下部とで、還元率に大きな差が生じる。これは下部から還元ガスが供給されるため反応管内の充填物下層部の焼結鉱に大きい還元力が作用して、強い還元が行われるが、上層部の焼結鉱は還元に消費された還元ガス(COが少なくCO2 が多い)によって還元されるため、還元力が弱く還元率に差が出てくるためである。 【0007】図4は焼結鉱(RDI:47)を還元した時の還元率と粉率の関係を還元時間を変えることによって還元率を変えて調査したもので、図に示されるように粉化率は還元率に依存する。すなわち、前述したように還元率が大きいということは、焼結鉱中のヘマタイト(Fe2 O3 )がマグネタイト(Fe3 O4 )に変化した割合が多いことを意味し、ヘマタイトがマグネタイトに相変化するに伴って脆くなり自壊し粉化率が上昇する。したがって、前記図3で説明したように還元率が上部層と下部層で異なると、粉化率を評価するに当たって上・下層間でどの位置の値が真に近い値を示しているかが不明となり、粉化率(強度)を評価するに当たっては適切な評価方法とは云えない。 【0008】なお、前記特開平11−61284号に記載されている技術は、繁雑な操作を必要とする難点があり、また、後述するように本発明とは還元時間が異なり、適切な焼結鉱の還元後強度試験法とは云えない。本発明の課題は、高炉操業の具体的な操業条件下における炉内ガス組成分布に即、焼結鉱が還元粉化の発生する温度域である500〜600℃の温度区間での評価に正確を期すことにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は従来方法における上記の問題点を解決するためになされたものであって、その要旨するところは、下記手段にある。 (1) 高炉装入原料としての焼結鉱の還元後強度測定に際し、還元ガスの成分をηCO:45〜55%の範囲に調整して、500〜600℃の還元温度で40〜95分間還元した後、焼結鉱の強度を測定する焼結鉱の還元後強度試験方法。 (2) 前記焼結鉱の強度を測定するに際し、粒径15〜20mmの焼結鉱を約500g使用し、前記(1)の方法で還元したのち冷却し、回転筒内で30rpmで30分間回転させた後篩分けを行い、所定の粒径以下の粉の質量割合で強度を表す焼結鉱の還元後強度試験方法。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明者は上述した観点から、焼結鉱の還元粉化性の適正な評価方法を開発するため多くの検討調査を重ね、実操業の高炉における操業条件に近似した還元ガス組成,還元ガス温度,還元時間を適用することによって、適確な焼結鉱の還元後強度を求めることができることを知見した。 【0011】図1は通常の高炉上部での炉内温度と還元ガス分布状況を垂直ゾンデおよび中部ゾンデによって測定した結果を示したもので、図に示されるように、(ηCO)=(CO2 /(CO+CO2 ))が50%程度にあり、CO2 が25vol%、COが25vol%、N2 が50vol%に近い組成である。このガス組成で還元すると、前記図3に示すように充填層の上部と下部とで還元率の差は小さくなり、焼結鉱の粉化率を正しく評価することができる。 【0012】また、本発明者はRDIの異なる焼結鉱を用い、還元ガスとしてはCO2 が25vol%、COが25vol%、N2 が50vol%のガスを使用し、550℃で還元したときの粉化率の調査をしたところ、図5,6に示すように還元時間が60分程度の時に最も粉化率の差を明瞭に検出することができることを確認した。すなわち、図5は焼結鉱を550℃で還元した時の還元時間と粒径3mm以下の粉率の発生の関係をRDI:35,40,42について示し、図6は組成の異なる還元ガスを用いて焼結鉱を還元した時の還元時間と粒径3mm以下の粉率の発生の差(RDI:42と35,40と35)の関係を示したものである。 【0013】これらの結果から本発明では、還元に用いるガス組成として、RDIを算出するために決められた還元ガス組成ではなく、高炉内温度が500〜600℃の高炉内ガス雰囲気をより近似する還元ガス組成を採用することにした。上記の還元ガス組成は、実炉での焼結鉱の粉化を予想し評価するためには、適したガス組成であると思う。これをηCOで表せば50%、範囲で示せば45〜55%の範囲が適切で、この範囲内では大きな差は生じないことを本発明者は実験によって把握できている。なお、本発明においては還元ガス中のH2 は考慮しなかったが、実高炉においても還元ガス中のH2 の量はそれ程多くはなく、したがって、それによる影響は少なく、焼結鉱の粉化率測定結果を左右するものではない。 【0014】また、本発明者の実験結果から還元温度としては500〜600℃、還元時間としては40〜95分、好ましくは50〜70分の範囲が適切であることを把握することができた。還元後の焼結鉱強度試験方法としてRDIにおける回転粉化試験法がある。すなわち、粒径15〜20mmの焼結鉱を約500g使用し、還元したのち冷却した試料を回転筒内で30rpmで30分間回転させた後篩分けを行い、所定の粒径以下の粉の質量割合で強度を表す方法である。本発明者らの実験結果からはこの方法が安定して均一な値が得られるので好ましい。 【0015】 【実施例】以下、本発明の焼結鉱の還元後強度試験方法を実施例によって説明する。表1に本実施例と従来例との比較のために用いた各焼結鉱試料の化学組成を示し、表2に表1に示した各焼結鉱を用いて還元した時の試験条件を、表3には還元後の強度評価を行った時の試験結果を、それぞれ本実施例と従来例について示した。表2中、本実施例については本発明で規定した各条件の範囲内で行ったが、従来例については前述した従来のRDIを求める方法によって行い、また、表3の還元後の粉化率の算出方法は本発明請求項2に示した方法によって行った。 【0016】 【表1】
【0017】 【表2】
【0018】 【表3】
【0019】表3をグラフで表した図7で明らかなように本発明によれば、高炉内における焼結鉱の還元粉化状態と近い条件下での還元粉化性を評価することのができるので、RDIでは40%を超えた焼結鉱の還元後強度を本法ではより感度よく評価でき、焼結鉱の還元後強度の評価を適切に行うことができる。依って本発明では高炉操業がいかなる条件下、例えば、微粉炭吹き込み高炉操業であっても焼結鉱の評価に適用するのに差し障りなく、また、低SiO2 焼結鉱であっても何ら差支えない。 【0020】 【発明の効果】以上述べたように、本発明は高炉への燃料供給方法が、コークスの一部代替として炉下部から微粉炭等を吹き込む操業に変化し、また、これに伴い主原料としての焼結鉱にSiO2 含有率の低いものを使用し、高炉の炉内反応状態が変化してもこれに影響されることなく、焼結鉱の還元粉化特性を適切に評価する試験方法を提供するもので、焼結鉱の品質、特に還元粉化性に関する適切な品質管理を行うことが可能となり、工業上有用な効果がもたらされる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006655 【氏名又は名称】新日本製鐵株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区大手町2丁目6番3号
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| 【出願日】 |
平成14年4月12日(2002.4.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100094972 【弁理士】 【氏名又は名称】萩原 康弘
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| 【公開番号】 |
特開2003−301224(P2003−301224A) |
| 【公開日】 |
平成15年10月24日(2003.10.24) |
| 【出願番号】 |
特願2002−109935(P2002−109935) |
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