| 【発明の名称】 |
高炉改修時の残銑減少方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】篠竹 昭彦 【住所又は居所】千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技術開発本部内
【氏名】田代 学 【住所又は居所】千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式会社君津製鐵所内
【氏名】鮎川 祐之 【住所又は居所】北海道室蘭市仲町12番地 新日本製鐵株式会社室蘭製鐵所内
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| 【要約】 |
【課題】高炉を吹き止めて改修する際に、炉内の残銑量を減少させて、改修工期を短縮するとともに、改修費用を減少することが可能な残銑減少方法を提供する。
【解決手段】高炉1を吹き止めて改修する際に、装入物の減尺を行い、羽口5上部までストックレベルが低下した時点で追加用コークス7を装入し、続けて珪石、鉄鉱石等比重の高い荷重用充填物8を装入することにより、珪石、鉄鉱石の溶融を防止しつつ、炉芯コークス4を溶銑中に沈降させて溶銑を排出し、残銑塊量を低減させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】高炉を吹き止めて改修する際に、装入物の減尺を行い、羽口上部までストックレベルが低下した時点で追加用コークスを装入し、続けて珪石、鉄鉱石等比重の高い荷重用充填物を装入することにより、珪石、鉄鉱石の溶融を防止しつつ、炉芯コークスを溶銑中に沈降させて溶銑を排出し、残銑塊量を低減させることを特徴とする高炉改修時の残銑減少方法。 【請求項2】前記追加コークスは、炉壁側に装入することを特徴とする請求項1記載の高炉改修時の残銑減少方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、高炉を吹き止めて改修する際に、炉底部に残存する溶銑量を減少するための残銑減少方法に関する。 【0002】 【従来の技術】高炉内に施工した耐火物や冷却設備等は、操業に伴って劣化・破損するため、定期的にこれらを補修・交換する必要がある。このような改修作業は、高炉を吹き止めて行う大がかりなものとなっている。また、改修作業に先立って、残銑を炉外に排出する必要がある。従来より行われている高炉の改修では、通常使用している出銑口よりも下方に残銑回収用出銑口を設け、この残銑回収用出銑口から溶銑を炉外に排出する方法が採られていた。 【0003】このような溶銑の回収方法では、炉底出銑用の樋を設けて、排出した溶銑をトーピードカーで受け止めていた。また、炉底とトーピードカーの軌道との間における高さが不足している場合には、トーピードカーを使用することができないため、溶銑をスラグピット等に放流する方法が採られていた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した従来の残銑回収方法では、炉底出銑用の樋を設けるにあたり、樋を設置すべき場所の直上に撤去不可能な設備があることが多く、これらの撤去不可能な設備が邪魔となって樋の設置が困難である等、残銑の回収作業が面倒であった。また、スラグピット等を使用して溶銑を放流する方法では、溶銑放流後にスラグピットを片付けなくてはならないが、このスラグピットの片付け作業が揚重機設置作業や鉄皮解体工事と干渉してしまい、工期が長期化するという問題があった。 【0005】さらに、残銑回収用出銑口や炉底出銑用の樋を新たに設置する必要があり、設備費用が嵩むという問題があった。そこで、先に特願平11−21059号に提案したように、荷重用充填物を装入し残銑を減少させることを提案している。しかしながら、この方法によって、残銑は減少させることは出来るが、この改修の際に羽口付近に残っているコークスが燃焼し、高温ガスとなって上昇する際に、充填物の珪石や鉄鉱石を溶融させてしまう場合があった。本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、高炉を吹き止めて改修する際に、炉内の残銑量を減少させて、改修工期を短縮するとともに、改修費用を減少することが可能な残銑減少方法を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明に係る高炉改修時の残銑減少方法は、高炉を吹き止めて改修する際に、装入物の減尺を行い、羽口上部までストックレベルが低下した時点で追加用コークスを装入し、続けて珪石、鉄鉱石等比重の高い荷重用充填物を装入することにより、珪石、鉄鉱石の溶融を防止しつつ、炉芯コークスを溶銑中に沈降させて溶銑を排出し、残銑塊量を低減させることを特徴とする。 【0007】このような方法を用いると、炉上部から追加装入されたコークス及び荷重用充填物の荷重により、炉芯コークスが溶銑中に沈降して溶銑と混合する。そして、この混合物の層を炉底部付近にまで増加させることにより、炉内に残存する溶銑が減少し、破壊し難い残銑塊の層が少なくなるので、高炉の改修工期を短縮することができる。そして、羽口上部までストックレベルが低下した時点で追加用コークスを装入すると、追加用コークスは羽口周辺や炉周囲に装入される。この状態で珪石、鉄鉱石等比重の高い荷重用充填物を装入すると、珪石や鉄鉱石は、前記追加用コークスが羽口周辺や炉周囲に装入されているため、高温のガスは、コークスとの吸熱反応等で冷却され、また珪石等が直接残銑に到達することが無く、これらが溶融するすることを防止することが出来、確実に荷重用の充填物として使用することが出来る。従って、前記追加コークスは、炉壁側に装入することが好ましい。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明に係る高炉改修時の残銑減少方法を説明する。図1,2,3は、本発明に係る高炉改修時の残銑減少方法を説明するための説明図である。高炉操業時においては、図3に示すように、高炉1内の底部から上部に向かって、溶銑2、炉芯コークスと溶銑またはスラグの混合物3、炉芯コークス4が、層となって存在している。その上は、最上部の固体の鉱石とコークスの領域となる塊状帯10と、半溶融状態の鉱石とコークスが存在している領域の融着帯11と、コークスはレースウエイ12に向かって移動し、鉱石は溶銑・スラグとなって下方に滴下する領域の滴下帯13となっている。また、高炉1の側面には、羽口5と出銑口6が設けられている。高炉操業時においては、炉芯コークス4は溶銑、スラグに比べて軽いため浮力を受けるが装入物の荷重によって液面よりかなり下方まで沈んでいる。ところが、高炉1を吹き止めて改修する際に、羽口レベル付近まで装入物の減尺操業を行うと、装入物の荷重がなくなるため、図2に示すように炉芯コークス下端が液面レベル直下まで浮上してしまい、炉底部に存在する溶鉄2が大幅に増え、吹き止め後これが冷えて固まり大量の残鉄塊となってしまう。高炉1の炉径を約14mと想定した場合には、約1000tもの炉内残銑塊が残存することとなり、この炉内残銑塊の破壊作業は非常に困難であるため、工期が長期化してしまう。 【0009】そこで、本発明に係る高炉改修時の残銑減少方法では、図1に示すように、高炉を吹き止めて改修する際に、装入物の減尺を行い、羽口上部までストックレベルが低下した時点で高炉1の上部から追加用コークス7を、高炉1の炉周部を中心に装入を行う。この追加用コークス7の装入量は、羽口先でコークスが燃焼して発生した高温ガスを冷却するのに十分な量を装入する。 【0010】ここで、追加装入する追加用コークス7及び荷重用充填物8として、珪石、鉄鉱石を使用した場合の比較をすると、コークスは、嵩密度は、0.5t/m3、であるのに対し、珪石は、1.6t/m3、塊鉱石は、2.5t/m3である。ただし、珪石或いは塊鉱石は溶解するとそれぞれ、スラグ或いはスラグと銑鉄となる。従って、コークスは嵩密度が高くないため、炉芯コークス4を沈降させる効果は珪石や鉄鉱石に比べて小さいが、しかしながら、追加用コークス7で、炉芯コークス4の上部を覆うと、羽口先から発生する高温ガスに対し溶融せずに吸熱反応等して冷却剤として働くことにより、通過するガス及びコークス上部の温度低下を図ることが出来る。 【0011】そこで、追加用コークス7の装入に次いで、追加用コークス7の上に、高炉1の上部から続けて珪石、鉄鉱石等荷重用充填物8を装入する。この荷重用充填物8として、珪石、塊鉱石は、前述のように嵩密度が大きく、また、コークスの上に装入することにより、これらが溶解することが無く大幅な荷重増加が見込める。上述したように約1000tの炉内残銑塊が残存すると仮定した場合には、炉底にまで混合物3の層を形成させるために、約500tの垂直荷重が必要となるが、珪石、塊鉱石をより多く使用できる荷重用充填物8とすることが出来、確実に炉芯コークスを沈降させ、炉内に残存する炉内残銑塊を更に減少させることができる。 【0012】なお、出銑口6よりも下方にある、炉芯コークス4と溶銑2の混合物3を排出することはできないが、この混合物3は、炉内残銑塊と比較して容易に破壊することができるため、改修作業においての負担は残銑塊が残った場合に比べてはるかに小さい。 【0013】[実施例]炉床径が10.7mの高炉で減尺吹き止め操業を行い、羽口上部までストックレベルが低下した時点で、高炉内周辺部に、160tの追加用コークス7を装入し、次いで珪石400tを装入した。この追加荷重によって溶鉄200tが炉外に排出された。混合層のコークス空隙率を0.4とすれば、沈下したコークスが押しのけた残鉄が200tであるから残鉄層330t(=200/(1−0.4))がコークスと残鉄130tとの混合層に置き換わったことになり、すなわち330tの残鉄塊が低減できた。また、比較例として、炉床径が12.5mの高炉で減尺吹き止め操業を行い、羽口上部までストックレベルが低下した時点で、高炉内に950tの珪石を装入したとき、珪石はおよそ200tが溶融して、残鉄は260tが排出されて残鉄塊は約430tが低減できたものの、装入した追加荷重に対する有効荷重すなわち溶鉄の排出に効果があった割合は小さかった。これは、追加荷重として装入した珪石のうちおよそ200tが溶融して、荷重として効かなかったためであった。 【0014】 【発明の効果】本発明に係る高炉改修時の残銑減少方法によれば、追加装入した充填物の荷重により、炉芯コークスを溶銑中に沈降させて混合物とし、混合物の層を増加させている。このため、炉内に残存する溶銑量が減少し、破壊し難い残銑塊の層が少なくなる。また、炉芯コークスと溶銑との混合物は、残銑塊と比較して破壊しやすいため、多少の混合物が炉内に残存しても差し支えない。したがって、残銑塊の破壊作業等が必要でなくなり、高炉の改修工期を短縮することができる。また、残銑回収出銑口や炉底出銑用の樋を新たに設置する必要がないので、設備費用を減少することができる。 【0015】そして、荷重用充填物を装入するに先立ちコークスを装入することにより、荷重用充填物の珪石または鉄鉱石の溶融を防止することが出来、確実に炉芯コークスを溶銑中に沈降させることができるとともに、改修作業を減少させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006655 【氏名又は名称】新日本製鐵株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区大手町2丁目6番3号
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| 【出願日】 |
平成14年4月15日(2002.4.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100101731 【弁理士】 【氏名又は名称】井上 春季
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| 【公開番号】 |
特開2003−301208(P2003−301208A) |
| 【公開日】 |
平成15年10月24日(2003.10.24) |
| 【出願番号】 |
特願2002−112027(P2002−112027) |
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