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【発明の名称】 高炉コークスの分級方法
【発明者】 【氏名】後藤 滋明
【住所又は居所】千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式会社千葉製鉄所内

【氏名】渡壁 史朗
【住所又は居所】千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式会社技術研究所内

【氏名】西村 博文
【住所又は居所】千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式会社千葉製鉄所内

【要約】 【課題】高炉の生産能力に影響を与えず、且つ小塊コークスの用途を従来通りに維持可能な高炉コークスの分級方法を提供する。

【解決手段】貯骸槽1より切り出された1チャージ分のコークス7を、秤量ホッパ5で秤量した後に高炉の炉頂に設けた装入ホッパ8へ送り、該装入ホッパを介して高炉4へ装入するに際して、前記秤量ホッパの上部に篩6を設置し、篩分けした後の篩上のコークス若しくは篩下のコークスとを異なる秤量ホッパへそれぞれ落下させると共に、篩上のコークスの量が所定の量に達した時点で篩い分けを停止し、引き続き貯骸槽より送られてくるコークスを前記篩をバイパスさせて、前記篩下のコークスを受容した秤量ホッパへ直接落下させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 貯骸槽より切り出された1チャージ分のコークスを、秤量ホッパで秤量した後に高炉の炉頂に設けた装入ホッパへ送り、該装入ホッパを介して高炉へ装入するに際して、前記秤量ホッパの上部に篩を設置し、篩分けした後の篩上のコークスと篩下のコークスとを異なる秤量ホッパへそれぞれ落下させると共に、篩上のコークス若しくは篩下のコークスの量が所定の量に達した時点で篩い分けを停止し、引き続き貯骸槽より送られてくるコークスを前記篩をバイパスさせて、前記篩下のコークスを受容した秤量ホッパへ直接落下させることを特徴とする高炉コークスの分級方法。
【請求項2】 前記篩分けを、1チャージ分のコークスを秤量ホッパで受容する全期間のうちの任意な時期に行うことを特徴とする請求項1記載の高炉コークスの分級方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高炉コークスの分級方法に係わり、詳しくは、高炉へ装入する1チャージ分のコークスの一部を、その残りの部分と別にして炉中心部へ装入するのに有効な高炉コークスの分級技術に関する。
【0002】
【従来の技術】製鉄用の高炉では、炉頂より1回当たりの装入分(1チャージという)の鉄鉱石類(焼結鉱、造滓材を含む)及びコークスを交互に順次装入してそれぞれの充填層を重ねて形成すると共に、炉下部に設けた羽口を介して空気又は酸素を富化した空気を炉内へ吹込んで炉内のコークスを燃焼させ、発生する熱で鉱石類の還元及び溶融が行なわれる。従って、高炉内で鉱石、コークスへ円滑に伝熱を行なうには、炉内を上昇するガス流の流速や分布を安定化する必要がある。そのため、従来より、炉半径方向での鉱石類やコークスの粒径分布をある一定のパターン(炉中心部に存在する粒子の粒径が炉壁側より大)として、炉中心部に比較的強い上昇ガス流を形成し、ガス流れの変動をできるだけ回避するようにしている。
【0003】例えば、特開昭60−56003号公報及び特開昭62−290809号公報は、1チャージ分のコークスの一部をその残りの部分とは別に、つまり2バッチに分けてその2バッチ目に炉中心部へ装入し、該炉中心部での鉱石類とコークスの存在割合(以下、Ore/Cokeという)を小さくし、炉中心部での上昇ガス流を他の部分よりも強化する方法を開示している。これは、コークスの粒径が通常平均50mm程度と大きいのに対して、鉱石類の粒径は15〜20mm程度と比較的小さく、従って前記Ore/Cokeが小さい部分の方が空隙が大きくなってガス流が強化されるからである。また,この方法では、炉中心部を流れるガスが鉱石類により酸化されてCO2になり、コークス中の炭素を消費するという所謂「ソリューションロス反応」が生じ難くなるため、装入されたコークスの粒径低下も軽減されることになる。
【0004】ところで、このコークスの中心装入の効果をより顕著にするには、炉中心部へ装入する2バッチ目のコークスの粒径を大きくしておくのが好ましい。従来は、図3に示すように、コークスは、高炉の貯骸槽1(コークスを貯留した槽)の各槽下に設置した篩2(篩目は、例えば30mm)で分級し、最終的に炉内へ供給する粒径以上の大きさに調整され、コンベア3で秤量ホッパ(図示せず)へ送られる。その秤量ホッパでは、1チャージ分、あるいは1チャージ分のコークスを2バッチ以上に分割して装入する場合は、それぞれのバッチで装入される分だけの量を秤量して、これを高炉の炉頂に設けた装入ホッパ(あるいはベルホッパ)へ送り一時貯え、該装入ホッパを経由して炉内へ装入される。また、前記貯骸槽下の篩2で篩分けられた小粒径のコークスは、別途集められて小塊コークスとして別の用途に利用される。
【0005】従って、前述のように、1チャージ分のコークスの一部だけ、その粒径を大きくして炉中心部へ装入しようとすると、複数の貯骸槽のうちの幾つかの槽で槽下の篩目を大きくしておき(例えば、55mm)、中心部へ装入するコークスを秤量する場合には、この大きい篩目を備えた槽からのコークスを秤量し、それ以外の部位(通常通り、先に充填されている鉱石類の上に均一に装入)へ装入するコークスは、前記した通常の大きさの篩目を備えた貯骸槽からのコークスを秤量するという手段を取る必要があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一部の貯骸槽だけ篩目を大きくする、つまり必要なコークス粒径に応じて貯骸槽を使い分けることは、コークスの秤量に係る時間が長くなることに繋がり、ひいては高炉の生産能力を低下させる要因となる。また、大きい篩目を備えた貯骸槽で篩分けられた小粒径のコークスは、前記の小塊コークスとして別途利用されるが、篩目が大きくなっているので、小塊コークスの量が増加すると共に、その粒径も大きくなる。小塊コークスの用途は種々あるが、粒径の変化に応じて向け先の変更を余儀なくされる可能性もあり、好ましくないばかりでなく、高炉使用コークスの歩留り低下にもなる。
【0007】本発明は、かかる事情に鑑み、高炉の生産能力に影響を与えず、且つ小塊コークスの用途を従来通りに維持可能な高炉コークスの分級方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達成するため、現在の分級方法を見直してその改良に鋭意努力し、その成果を本発明に具現化した。
【0009】すなわち、本発明は、貯骸槽より切り出された1チャージ分のコークスを、秤量ホッパで秤量した後に高炉の炉頂に設けた装入ホッパへ送り、該装入ホッパを介して高炉へ装入するに際して、前記秤量ホッパの上部に篩を設置し、篩分けした後の篩上のコークスと篩下のコークスとを異なる秤量ホッパへそれぞれ落下させると共に、篩上のコークス若しくは篩下のコークスの量が所定の量に達した時点で篩い分けを停止し、引き続き貯骸槽より送られてくるコークスを前記篩をバイパスさせて、前記篩下のコークスを受容した秤量ホッパへ直接落下させることを特徴とする高炉コークスの分級方法である。この場合、前記篩分けを、1チャージ分のコークスを秤量ホッパで受容する全期間のうちの任意な時期に行うのが好ましい。
【0010】本発明によれば、従来行っていた一部の貯骸槽だけ篩目を変更して、必要なコークスの粒径に応じて貯骸槽を使い分ける必要がなくなる。その結果、コークスの秤量に係る時間が従来より短縮され、高炉の生産能力を低下させる要因が解消される。また、篩下のコークスは、そのまま通常装入のコークスとして利用できるので、小塊コークスの用途を別途考慮する必要がなくなる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0012】まず、本発明に係る分級方法では、図1に示すように、コークス7を高炉4の貯骸槽1から秤量ホッパ5へ送るコンベア3の先端(ヘッド)部に分級装置(具体的には、前記と同じ大き目の篩)6を新規に設置する必要がある。また、既存の2基設けられてある秤量ホッパ5の片側には、炉の中心部へ装入するための篩上の大径コークス(中心装入コークスともいう)を、もう一方の秤量ホッパには、篩下の小径コークスを落下させるようにする。
【0013】本発明は、かかる分級装置6を利用して次のように行われる。まず、コークス7が貯骸槽1から切り出され、前記分級装置6に送られて篩分けされる。2バッチ目の所定量(例えば、5トン/チャージ)の中心装入コークスが前記片側の秤量ホッパに溜まったら、連続して貯骸槽1から送られてくるコークス7を、直ちに分級装置6からバイパスさせると同時に篩分けを停止し、篩下の小径コークスを収容していた前記一方の秤量ホッパ5へ直接落下させる。そして、1バッチ目の所定量(例えば、28t/ch)になるまで継続して供給する。これにより、中心装入コークスと通常通りの装入に用いるコークスとが別々に分かれて秤量ホッパに貯えられることになる。その後は、これら1バッチ目及び2バッチ目のコークスを装入する順番に従い、炉頂に設けた装入ホッパ8に順次送られ、ベル又はベルレス装入装置(シュート)により高炉内へ投入されることになる。
【0014】なお、篩分け停止後に篩をバイパスさせたコークスは、篩下コークスを収容した側の秤量ホッパではなく、篩上を収容している側に落下させても良い。中心装入用の篩上コークスと通常装入用のコークスとが同一秤量ホッパ内に個別の層状として堆積するが、順次切り出されるので、それぞれの重量さえ正確に把握してあれば、問題が生じないからである。
【0015】このような本発明によれば、従来行っていた一部の貯骸槽だけ篩目を大きくして、必要なコークスの粒径に応じて貯骸槽を使い分ける必要がなくなる。その結果、コークスの秤量に係る時間が従来より短縮され、高炉の生産能力を低下させる要因が解消される。また、篩下のコークスは、そのまま通常装入のコークスとして利用できるので、小塊コークスの用途を別途考慮する必要がなくなる。
【0016】次に、本発明では、中心装入コークスを秤量ホッパに蓄える、言い替えると、秤量ホッパ上で篩うタイミングを、図2(a)に示すように、1チャージ分のコークスを高炉へ送る全時間内の任意な時期とすることもできる。つまり、秤量ホッパ内で通常装入用コークスの粒径が細かい分を堆積させる位置を,図2(b)に示すように変更するのである(図2(b)では、粒径が細かい分をハッチで、篩いをバイパスさせた通常コークスを多点表示で示す)。このようにすると、炉内で通常コークスの半径方向の粒度分布を希望通りに変更できるからである。例えば、図2(a)に示したタイミングで分級を行ったケース1〜3では、炉内の半径方向におけるコークスの粒径分布を、図2(c)に示すようにすることができ、この篩い分けタイミングを変更する分級方法を利用すれば、炉内のガス流れ分布をも調整できるのである。
【0017】
【実施例】4000m3級のベルレス装入装置を備えた高炉で溶銑を溶製する操業を行った。その際、1チャージ分のコークスの装入を2バッチに分け、1バッチ目は、通常通りに、ベルレス装入装置のシュートを操作し、2バッチ目は炉の中心部に装入するようにした。なお、高炉の操業条件は、通常通りとしたが、貯骸槽からのコークスの切り出しについては、従来の貯骸槽の下で篩い分けする方法と本発明に係る高炉コークスの分級方法との両方を、異なる操業期間において採用した。また、本発明の実施では、中心装入用コークスの分級タイミングは、図2に示したケース2で行った。
【0018】そして、中心装入コークスが貯えられた秤量ホッパ下でサンプリングし、その平均粒径を調査した。その結果、表1に示すように、従来の貯骸槽下で篩分けした場合に比べて、コークスの平均粒径が大きくなり、且つ系外に排出するコークスが少なくなるため、貯骸槽下で篩い分けするとき、篩い目サイズが小さくてすみ(例えば、35mm)、高炉使用コークス(定義が必要です)の歩留りが向上した。
【0019】
【表1】

【0020】その結果、本発明を適用した高炉では、炉のガス流れが安定した中心流分布となり、トラブルなく、円滑な操業ができた。また、高炉へより近い場所で分級することで、装入するコークスの粒度低下を防止できるという副次的な効果も生じた。
【0021】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により、コークスの秤量に係る時間が従来より短縮され、高炉の生産能力を低下させる要因が解消される。また、篩下のコークスは、そのまま通常装入のコークスとして利用できるので、コークス歩留まりが従来より向上するばかりでなく、小塊コークスの用途を別途考慮する必要がなくなる。さらに、本発明は、炉内のガス流れ分布を調整するのにも有効である。
【出願人】 【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区内幸町二丁目2番3号
【出願日】 平成14年4月12日(2002.4.12)
【代理人】 【識別番号】100079175
【弁理士】
【氏名又は名称】小杉 佳男 (外1名)
【公開番号】 特開2003−301204(P2003−301204A)
【公開日】 平成15年10月24日(2003.10.24)
【出願番号】 特願2002−110959(P2002−110959)