| 【発明の名称】 |
樹脂複合研掃材 |
| 【発明者】 |
【氏名】平井 正典 【住所又は居所】神戸市長田区浜添通4丁目1番21号 三ツ星ベルト株式会社内
【氏名】香山 直人 【住所又は居所】神戸市長田区浜添通4丁目1番21号 三ツ星ベルト株式会社内
【氏名】林 茂彦 【住所又は居所】神戸市長田区浜添通4丁目1番21号 三ツ星ベルト株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】ブラスト洗浄、ばり取り、塗膜剥離等に使用されるものであり、軽量でかつ軟質であって優れた洗浄効果を有するとともに被洗浄物の表面を傷付けることのなく、かつ繰り返し使用頻度が高く製品寿命が長い樹脂複合研掃材を提供することを目的とする。
【解決手段】熱可塑性樹脂中に一次平均粒子径10〜400μmの無機質充填材を10〜50体積%分散させ、これを粉砕し、分級した樹脂複合研掃材にあり、常温粉砕が可能となり、また被研掃物表面を傷つけることがなく、更には上記研掃材を被洗浄物の表面へ投射しても自己破砕が起こり難く、使用時間も長くなる効果がある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 熱可塑性樹脂中に硬質な粉末物を分散して充填した樹脂複合研掃材において、熱可塑性樹脂中に一次平均粒子径10〜400μmの無機質充填材を10〜50体積%分散させ、これを粉砕し、分級することを特徴とする樹脂複合研掃材。 【請求項2】 熱可塑性樹脂がポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエリレン樹脂、そしてポリカーボネート樹脂から選ばれた少なくとも一種である請求項1記載の樹脂複合研掃材。 【請求項3】 無機質充填材が還元鉄、電解鉄、酸化鉄、酸化銅、鉛、ビスマス、錫、鉄、銅、亜鉛、ガラス、シリカ、そして炭酸カルシウムから選ばれた少なくとも一種である請求項1記載の樹脂複合研掃材。 【請求項4】 粉砕し、分級した後の粒径が0.3〜1mmになっている請求項1記載の樹脂複合研掃材。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は樹脂複合研掃材に係り、詳しくは機械、電気、光学部品等の洗浄やばり取り、金型等の樹脂および金属部品の塗膜剥離に使用されるものであり、軽量でかつ軟質であって優れた洗浄効果を有するとともに被洗浄物の表面を傷付けることのなく、かつ繰り返し使用頻度が高く製品寿命が長い樹脂複合研掃材に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、ブラスト洗浄用樹脂系研掃材には、特開2001−277128号公報にも記載されているようにメラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、ケトン樹脂、エポキシ樹脂、グアナミン樹脂の1種もしくは2種以上の熱硬化性樹脂にアルミナ、シリカ、カーボンブラック等の無機充填材を所定量配合したものが知られている。このブラスト洗浄とは、被洗浄物に研掃材を衝突させて被洗浄物表面の錆、汚れ、皮膜、そして付着物等を除去するもので、洗浄効果は研掃材の衝突力、硬さおよび形状に影響される。一般には衝突力が大きく硬さが高い方が、また形状は鋭角多角的な方が研掃効果は優れていると言われている。しかしながら、衝突力が大きすぎたり、硬さが高すぎたり、また形状も鋭角が強すぎると被洗浄物表面を傷つけたり、研掃材自身が自己破砕し製品歩留りが悪くなり、その結果製品寿命が低下するという問題があった。 【0003】研掃材の衝突エネルギーは、1/2×(研掃材の質量)×(研掃材の速度)2で表されるので、衝突エネルギーを増加するためには研掃材の速度および大きさが一定の場合、質量すなわち密度を大きくすることによって可能となる。 【0004】また。特開平10−1547号公報には、シリカ粉末、アルミナ粉末、マイカ粉末、ガラス繊維等の無機質充填材あるいは木粉、プラスチック粉等の有機質充填材をエポキシ樹脂に配合した研掃材が記載されている。更には、ポリアミド樹脂やポリカーボネート樹脂のような比較的軟質な樹脂を用い、この樹脂に金属粉を配合した研掃材が、特開2002−001662号公報に提案されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかし、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂など熱硬化性樹脂は、常温粉砕が可能であっても、一般に固いために被洗浄物の表面を傷付けたり、研掃時に自己破砕しやすくなって微粉化し、これらの微粉はもはや洗浄能力効果がなくなり、また研掃材の流動性を低下させることになり、このためこれらの樹脂の微紛が多く発生するほど研掃材歩留が低下し,その結果製品寿命が短くなる大きな問題があった。 【0006】また、樹脂系研掃材の大きさは、粒径として0.3〜1mmが適当であるが、これらの粒度は一般的には、押出成形で作製した樹脂ペレットを粉砕機にて粉砕加工することによって達成される。粉砕は常温粉砕と液体窒素等を用いた冷凍粉砕があり、冷凍粉砕はコストの上昇をもたらす問題があった。 【0007】また、ポリアミド樹脂やポリカーボネート樹脂のような比較的軟質な樹脂に金属紛を混合した研掃材の場合には、樹脂自体の研掃効果は期待できなく、更には樹脂の常温粉砕も不可能であった。 【0008】本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ブラスト洗浄、ばり取り、塗膜剥離等に使用されるものであり、軽量でかつ軟質であって優れた洗浄効果を有するとともに被洗浄物の表面を傷付けることのなく、かつ繰り返し使用頻度が高く製品寿命が長い樹脂複合研掃材を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】即ち、本願は請求項1の発明では、熱可塑性樹脂中に硬質な粉末物を分散して充填した樹脂複合研掃材において、熱可塑性樹脂中に一次平均粒子径10〜400μmの無機質充填材を10〜50体積%分散させ、これを粉砕し、分級して得た樹脂複合研掃材にあり、ここで用いる熱可塑性樹脂は軟質であるために、常温粉砕が可能となり、また被研掃物表面を傷つけることがなく、更には上記研掃材を被洗浄物の表面へ投射しても自己破砕が起こり難く、使用時間も長くなる効果がある。また、上記研掃材は軽量かつ軟質なために、単独では効果が期待できない熱可塑性樹脂中に上記樹脂と比較して密度が大きくかつ硬質な粉末状の無機質充填材を分散させることによって、密度を大きくして研掃効果を高めた樹脂複合研掃材になる。 【0010】本願請求項2の発明は、熱可塑性樹脂がポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエリレン樹脂、そしてポリカーボネート樹脂から選ばれた少なくとも一種である樹脂複合研掃材にある。 【0011】本願請求項3の発明は、無機質充填材が還元鉄、電解鉄、酸化鉄、酸化銅、鉛、ビスマス、錫、鉄、銅、亜鉛、ガラス、シリカ、そして炭酸カルシウムから選ばれた少なくとも一種である樹脂複合研掃材にある。 【0012】本願請求項4の発明は、粉砕し、分級した後の粒径が0.3〜1mmになっている樹脂複合研掃材にある。 【0013】 【発明の実施の形態】本発明のブラスト洗浄用樹脂系研掃材に使用する熱可塑性樹脂は、軟質であって常温粉砕が可能となり、また被研掃物表面を傷つけることがなく、被洗浄物の表面へ投射しても自己破砕が起こり難いものであり、具体的にはポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエリレン樹脂、そしてポリカーボネート樹脂から選ばれた少なくとも一種であり、より好ましくはポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂がよい。 【0014】上記熱可塑性樹脂に配合する無機質充填材は、一次平均粒子径10〜400μmのものであり、具体的には還元鉄、電解鉄、酸化鉄、酸化銅、鉛、ビスマス、錫、鉄、銅、亜鉛、ガラス、シリカ、そして炭酸カルシウムから選ばれた少なくとも一種を挙げることができる。この添加量は10〜50体積%であり、10体積%未満の場合には被研掃物を充分に洗浄やばり取りの機能が低下し、また硬度が高くならないために常温粉砕ができなくなる。一方、50体積%をえると、樹脂中への充填が困難になり、被研掃物表面を傷付け、また自己破砕が多くなる。また、無機質充填材の一次平均粒子径が10μm未満の場合には、微細加工しなければならないために、コストが上昇し、また飛び散りによる作業者への環境衛生も悪くなる。また、400μmを超えると、無機質充填材が大きくなって自己破砕が多くなる。 【0015】上記熱可塑性樹脂中に無機質充填材を10〜50体積%分散させ、押出成形により無機質充填材分散樹脂の複合ペレットを作製した後、該ペレットを例えばカッターミルによって常温粉砕した後、最適粒径0.3〜1mmに分級して樹脂複合研掃材に仕上げる。この粒径を維持するためには、押出成形で作製した複合ペレットを粉砕機にて粉砕加工する必要がある。粉砕は常温粉砕と液体窒素等を用いた冷凍粉砕があるが、本発明で使用する熱可塑性樹脂は軟質であるため、本来常温粉砕が難しいが、熱可塑性樹脂に高強度な無機質充填材を分散させることによって硬度を高くすることで常温粉砕が可能になり、コストの上昇を押さえることができる。 【0016】 【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。 実施例1ポリプロピレン樹脂(チッソ社製K7730R)ペレットに、一次平均粒径45μmの還元鉄粉(同和鉄粉社製NC−200)を20体積%配合し、この配合物を押出成形により鉄分散ポリプロピレン樹脂複合ペレットを作製した。このペレットをカッターミルにて常温粉砕した後、粒径0.3〜1mmに分級して5リットルの鉄分散ポリプロピレン樹脂複合研掃材を作製した。この研掃材を使用済みのゴム金型に直圧式エアブラスト機にて投射圧力0.3MPa、投射距離10mmで10分間ブラスト洗浄を行った。ゴム金型の洗浄状態(金型表面の変色、錆、ゴム粕の有無)を調べた。その結果を表1に示す。ブラスト洗浄したゴム金型表面の清浄度は目視によって比較した。 【0017】比較例1市販のメラニン樹脂研掃材5リットルを用い、実施例1と同様に使用済みのゴム金型に直圧式エアブラスト機にて投射圧力0.3MPa、投射距離10mmで10分間ブラスト洗浄を行った。ゴム金型の洗浄状態(金型表面の変色、錆、ゴム粕の有無)を調べた。その結果を表1に示す。 【0018】比較例2ポリプロピレン樹脂(チッソ社製K7730R)ペレットをカッターミルにて常温粉砕した後、粒径0.3mmに分級して研掃材を作製した。 【0019】 【表1】
【0020】この結果、比較例1の市販のメラミン樹脂研掃材は変色および錆を充分に除去することはできたが、ゴム粕は若干金型に残留した。一方、実施例1の鉄分散ポリプロピレン樹脂は、金型表面の錆、ゴム粕をすべて除去することができた。 【0021】また、表2にブラスト洗浄後の研掃材の分級結果を示す。ブラスト洗浄後の研掃材を粒径が0.3〜1mmと0.3mmを下回る径に分級し、両研掃材の自己破砕度を比較した。また、実施例1および比較例2で常温粉砕した研掃材の形状を実体顕微鏡にて観察比較した。この観察写真を図1と図2に示す。 【0022】 【表2】
【0023】この結果、実施例1の鉄分散ポリプロピレン樹脂は投射後もほとんど自己破砕しなかったのに対し、比較例1の市販のメラミン樹脂研掃材は14%も自己破砕したことが判る。また、実施例1の鉄分散ポリプロピレン樹脂は充分に粉砕されているのに対して、比較例2のポリプロピレン樹脂は変形し糸状に伸びており充分に粉砕されていない。 【0024】 【発明の効果】以上のように本願の各請求項記載の発明によれば、熱可塑性樹脂中に硬質な粉末物を分散して混入した樹脂複合研掃材において、熱可塑性樹脂中に一次平均粒子径10〜400μmの無機質充填材を10〜50体積%分散させ、これを粉砕し、分級して得た樹脂複合研掃材にあり、ここで用いる熱可塑性樹脂は軟質であるが、常温粉砕が可能となり、また被研掃物表面を傷つけることがなく、更には上記研掃材を被洗浄物の表面へ投射しても自己破砕が起こり難く、使用時間も長くなり、更には単独では効果が期待できない熱可塑性樹脂中に上記樹脂と比較して密度が大きくかつ硬質な粉末状の無機質充填材を分散させることによって、密度を大きくして研掃効果を高めることができる効果がある。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000006068 【氏名又は名称】三ツ星ベルト株式会社 【住所又は居所】兵庫県神戸市長田区浜添通4丁目1番21号
|
| 【出願日】 |
平成14年4月12日(2002.4.12) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2003−306664(P2003−306664A) |
| 【公開日】 |
平成15年10月31日(2003.10.31) |
| 【出願番号】 |
特願2002−110641(P2002−110641) |
|