| 【発明の名称】 |
二液分別塗布型ウレタン系接着剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】田中 幸雄 【住所又は居所】滋賀県甲賀郡水口町泉1259 積水化学工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】速硬化性であって初期接着力の発現が速く、かつ、硬化後は優れた弾性、接着強度、耐熱性、耐寒性等を発現する二液分別塗布型ウレタン系接着剤を提供する。
【解決手段】A剤とB剤とから構成され、両剤が接触した時に硬化反応を開始する二液分別塗布型接着剤であって、上記A剤は、分子両末端にイソシアネート基を有する化合物を主成分としてなる常温で液状の無溶剤型A剤であり、上記B剤は、分子内に水酸基を有する化合物を主成分とし、さらに3級アミン化合物および/または有機錫化合物を含有してなる常温で液状の無溶剤型B剤であることを特徴とする二液分別塗布型ウレタン系接着剤、および、分子両末端にイソシアネート基を有する化合物が、ポリイソシアネート化合物とポリエーテルポリオールとの縮合反応により得られるウレタンプレポリマーである上記接着剤、ならびに、分子内に水酸基を有する化合物が、分子内に3級アミンを有するポリオールである上記接着剤。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 A剤とB剤とから構成され、一方の被着体に塗布されたA剤と他方の被着体に塗布されたB剤とが接触した時に硬化反応を開始する二液分別塗布型接着剤であって、上記A剤は、分子両末端にイソシアネート基を有する化合物を主成分としてなる常温で液状の無溶剤型A剤であり、上記B剤は、分子内に水酸基を有する化合物を主成分とし、さらに3級アミン化合物および/または有機錫化合物を含有してなる常温で液状の無溶剤型B剤であることを特徴とする二液分別塗布型ウレタン系接着剤。 【請求項2】 分子両末端にイソシアネート基を有する化合物が、ポリイソシアネート化合物とポリエーテルポリオールとの縮合反応により得られるウレタンプレポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の二液分別塗布型ウレタン系接着剤。 【請求項3】 分子内に水酸基を有する化合物が、下記一般式(1)で表される分子内に3級アミンを有するポリオールであることを特徴とする請求項1に記載の二液分別塗布型ウレタン系接着剤。 【化1】
(式中、R1 はアルキレン鎖を示し、R2 はオキシアルキレン鎖を示す) 【請求項4】 3級アミン化合物または有機錫化合物が、下記構造式(2)〜(4)で表される3級アミン化合物および下記化学式(5)または(6)で表される有機錫化合物からなる群より選択される少なくとも1種類の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の二液分別塗布型ウレタン系接着剤。 【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、二液分別塗布型ウレタン系接着剤に関する。 【0002】 【従来の技術】一般にハネムーン型接着剤と呼ばれる二液分別塗布型接着剤は、2種類の薬剤(A剤およびB剤)から構成され、A剤を一方の被着体に塗布し、B剤を他方の被着体に塗布して、両被着体を貼り合わせる際に、A剤とB剤とが接触することにより硬化反応の開始および進行が起こる接着剤である。 【0003】このような二液分別塗布型接着剤としては、例えば、シアノアクリレートを主成分とするA剤と金属塩化物(硬化促進剤)を含有するB剤とから構成されるシアノアクリレート系接着剤や、アクリル系モノマー、オリゴマー、ポリマー等を主成分とし、ラジカル重合開始剤を含有するA剤とレドックス重合触媒を含有するB剤とから構成されるアクリル系接着剤(SGA)等が挙げられる。しかし、これらの接着剤は、硬化物が概して脆いため、歪みがかかりやすい部分の接着には不適当であるという欠点がある。 【0004】通常、例えば外壁パネルと下地材や金属留め具等との接着などのように高温環境や振動等により被着体同士の接着面が動き、接着剤に歪みがかかる部分の接着には、いわゆる弾性接着剤が用いられている。 【0005】ところが、弾性接着剤として汎用されているウレタン系接着剤や変成シリコーン系接着剤等は、湿気硬化型接着剤であるため硬化に時間がかかり、二液分別塗布型接着剤のような速硬化性を得られないという問題点がある。 【0006】上記問題点に対応するため、例えば、特許第2911991号公報には、(イ)反応性珪素基を有し、分子鎖が実質的に(i)炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位と(ii)炭素数10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位とからなる共重合体、(ロ)反応性珪素基を有するオキシアルキレン重合体からなる湿気硬化型接着剤を被着体に塗布し、タックを発現するまで所定時間放置した(オープンタイムをとった)後、タックレンジの範囲内で被着体を貼り合わせることを特徴とするコンタクト型接着方法が開示されている。 【0007】しかし、上記公報に開示されている接着方法は、二液分別塗布型接着方法ではなく、あくまでコンタクト型接着方法であって、塗布後に長いオープンタイムをとる必要があるため、塗布から初期接着力発現までの実質的な時間短縮を図ることはできず、上記問題点を十分に解決するものとは言えない。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記問題点に鑑み、速硬化性であって初期接着力の発現が速く、かつ、硬化後は優れた弾性、接着強度、耐熱性、耐寒性等を発現する二液分別塗布型ウレタン系接着剤を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明の二液分別塗布型ウレタン系接着剤は、A剤とB剤とから構成され、一方の被着体に塗布されたA剤と他方の被着体に塗布されたB剤とが接触した時に硬化反応を開始する二液分別塗布型接着剤であって、上記A剤は、分子両末端にイソシアネート基を有する化合物を主成分としてなる常温で液状の無溶剤型A剤であり、上記B剤は、分子内に水酸基を有する化合物を主成分とし、さらに3級アミン化合物および/または有機錫化合物を含有してなる常温で液状の無溶剤型B剤であることを特徴とする。 【0010】本発明の二液分別塗布型ウレタン系接着剤(以下、単に「接着剤」と略記する)は、A剤とB剤との二液から構成され、一方の被着体にA剤を塗布し、他方の被着体にB剤を塗布して、両被着体を貼り合わせることにより、A剤とB剤とが接触し、その時点から硬化反応を開始し、速やかに硬化が進行するものであるとともに、通常の二液混合型接着剤のような二液の混合が不要であり、従って二液混合後の可使時間(ポットライフ)を懸念する必要がなく、溶剤の乾燥も不要であるので、作業性にも優れるものである。 【0011】本発明の接着剤を構成するA剤の主成分として用いられる分子両末端にイソシアネート基を有する化合物としては、本発明の接着剤を構成するB剤中に含有される後述の分子内に水酸基を有する化合物および後述の3級アミン化合物および/または有機錫化合物と接触した時に速やかに硬化反応を開始しうるものであれば如何なる化合物であっても良く、特に限定されるものではないが、例えば、各種ポリイソシアネート化合物と各種ポリオールとの縮合反応により得られるいわゆるウレタンプレポリマーが挙げられ、好適に用いられるが、なかでも、ポリイソシアネート化合物とポリエーテルポリオールとの縮合反応により得られるウレタンプレポリマーがより好適に用いられる。これらの分子両末端にイソシアネート基を有する化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。 【0012】上記ポリイソシアネート化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート化合物;水添ジフェニルメタンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネートなどの脂環族ポリイソシアネート化合物;トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ポリフェニレンポリイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート化合物;MDIと例えばポリフェニレンポリイソシアネートとの混合物のような粗製MDI(クルードMDI)などの粗製ポリイソシアネート化合物;これらポリイソシアネート化合物の例えば3量体などの多量化ポリイソシアネート化合物等が挙げられ、好適に用いられるが、なかでも、ポリオールとの反応性に優れることから、MDI、粗製MDI、TDI等の芳香族ポリイソシアネート化合物がより好適に用いられる。これらのポリイソシアネート化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。 【0013】また、上記ポリオールとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリマーポリオールなどの各種ポリオールや、上記各種ポリオールを例えばひまし油(水酸基含有不乾性油)で変性したひまし油変性ポリオールなどの変性ポリオール等が挙げられ、好適に用いられるが、なかでも、上記ポリイソシアネート化合物との反応性に優れることから、ポリエーテルポリオールがより好適に用いられる。これらのポリオールは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。 【0014】上記ポリエーテルポリオールとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等や、これらのそれぞれのモノマーのランダム共重合体やブロック共重合体等が挙げられる。上記共重合体の具体例としては、特に限定されるものではないが、例えば、テトラヒドロフラン(THF)とエチレンオキサイド(EO)とのランダム共重合体等が挙げられる。 【0015】上記ポリエーテルポリオールのなかでも、ポリイソシアネート化合物との反応性に優れることから、例えばポリエチレングリコールやポリテトラメチレングリコールなどのように分子内に側鎖を有していないものの方が好適に用いられる。これらのポリエーテルポリオールは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。また、これらのポリエーテルポリオールは、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリマーポリオール等と併用されても良い。 【0016】前記ポリイソシアネート化合物、好ましくは芳香族ポリイソシアネート化合物と上記ポリオール、好ましくはポリエーテルポリオールとを、常法により縮合反応させることにより、A剤の主成分として好適に用いられるウレタンプレポリマーを得ることができる。 【0017】本発明の接着剤を構成するB剤の主成分として用いられる分子内に水酸基を有する化合物としては、A剤の主成分として用いられる前記分子両末端にイソシアネート基を有する化合物、好ましくは上記ウレタンプレポリマーと接触した時にこれらを速やかに硬化させうるものであれば如何なる化合物であっても良く、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ロジン変性ポリプロピレングリコール、ビスフェノールA変性ポリプロピレングリコール、THFとEOやプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドとの共重合体、下記一般式(1)で表される分子内に3級アミンを有するポリオール等が挙げられ、好適に用いられるが、なかでも、A剤の主成分として用いられる前記分子両末端にイソシアネート基を有する化合物、好ましくは上記ウレタンプレポリマーとの反応性に優れることから、下記一般式(1)で表される分子内に3級アミンを有するポリオールがより好適に用いられる。これらの分子内に水酸基を有する化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。 【0018】 【化7】
【0019】上記一般式(1)中、R1 はアルキレン鎖を示し、該アルキレン鎖の炭素数は正の整数であり、好ましくは2〜12である。上記アルキレン鎖としては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレン鎖、プロピレン鎖、トリメチレン鎖、ブチレン鎖、アミレン鎖、ヘキシレン鎖等が挙げられ、好適に用いられる。これらのアルキレン鎖は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。また、上記一般式(1)中、R2 はオキシアルキレン鎖を示す。上記オキシアルキレン鎖としては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール等の単独重合体や、これらのランダム共重合体もしくはブロック共重合体等が挙げられ、好適に用いられる。これらのオキシアルキレン鎖は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。 【0020】上記分子内に水酸基を有する化合物は、特に限定されるものではないが、分子量が200〜5000程度であり、水酸基価が20〜1000程度である常温で液状のものであって、A剤の主成分として用いられる前記分子両末端にイソシアネート基を有する化合物、好ましくは前記ウレタンプレポリマーとの相溶性に優れるものであることが好ましい。 【0021】本発明の接着剤を構成するB剤は、主成分としての上記分子内に水酸基を有する化合物に加うるに、さらに3級アミン化合物および/または有機錫化合物が含有されてなる。 【0022】上記3級アミン化合物および有機錫化合物は、いわゆる硬化促進剤として機能し、A剤の主成分として用いられる前記分子両末端にイソシアネート基を有する化合物、好ましくは前記ウレタンプレポリマーの硬化反応をより速やかなものとすることに寄与する。 【0023】上記3級アミン化合物または有機錫化合物としては、A剤の主成分として用いられる前記分子両末端にイソシアネート基を有する化合物、好ましくは前記ウレタンプレポリマーの硬化反応を促進しうるものであれば如何なる化合物であっても良く、特に限定されるものではないが、例えば、下記構造式(2)〜(4)で表される3級アミン化合物や、下記化学式(5)または(6)で表される有機錫化合物等が挙げられ、好適に用いられる。これらの3級アミン化合物や有機錫化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。また、これらの3級アミン化合物および有機錫化合物は、それぞれ単独で用いられても良いし、両者が併用されても良い。 【0024】 【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【0025】本発明の接着剤を構成するA剤およびB剤は、常温で液状であり、かつ、無溶剤型である。 【0026】上記A剤および/またはB剤は、常温における塗布作業を容易にするために、例えば軟化剤や可塑剤などの溶剤以外の希釈剤で希釈され、粘度調整がされていても良い。また、上記希釈剤としては、前記分子両末端にイソシアネート基を有する化合物および/または前記分子内に水酸基を有する化合物や、上記3級アミン化合物および/または有機錫化合物との反応性を有しないものを選択して用いることが好ましい。 【0027】また、上記A剤および/またはB剤には、それぞれの必須成分以外に、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、例えば、被着体に対する初期密着性や恒久接着力を向上させるための粘着性付与樹脂や熱可塑性樹脂、充填剤、揺変性付与剤、脱水剤、カップリング剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、消泡剤、帯電防止剤、難燃剤等の各種添加剤の1種類もしくは2種類以上が添加されていても良い。また、これらの添加剤としては、前記分子両末端にイソシアネート基を有する化合物および/または前記分子内に水酸基を有する化合物や、上記3級アミン化合物および/または有機錫化合物との反応性を有しないものを選択して用いることが好ましい。 【0028】上記粘着性付与樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族石油樹脂、芳香族石油樹脂等や、これらの水素添加物等が挙げられ、好適に用いられる。これらの粘着性付与樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。 【0029】上記粘着性付与樹脂の軟化点は、特に限定されるものではないが、環球式軟化点で90〜150℃であるものが好ましい。また、上記粘着性付与樹脂の添加量は、特に限定されるものではないが、前記分子両末端にイソシアネート基を有する化合物、好ましくは前記ウレタンプレポリマー100重量部に対して、粘着性付与樹脂200重量部以下であることが好ましい。分子両末端にイソシアネート基を有する化合物、好ましくはウレタンプレポリマー100重量部に対する粘着性付与樹脂の添加量が200重量部を超えると、得られる接着剤の硬化物の高温下における耐熱性や低温下における耐寒性が不十分となることがある。 【0030】本発明の接着剤を構成するA剤およびB剤の製造方法は、特別なものではなく、例えば、回転攪拌機、万能ミキサー、ニーダー等の通常の攪拌混合機を用いて、常温下もしくは加熱下で、必要なら窒素ガスのような不活性ガス雰囲気下や減圧脱水雰囲気下において、A剤またはB剤に含有させる各成分の各所定量を均一に混合することにより、A剤およびB剤を個別に製造すれば良い。 【0031】また、A剤の主成分としてウレタンプレポリマーを用いる場合には、通常の反応器を用いて、前記ポリイソシアネート化合物と前記ポリオールとを常法により反応させてウレタンプレポリマーを合成し、このウレタンプレポリマーを単独でA剤としても良いし、このウレタンプレポリマーとA剤に含有させる他の成分とを上記方法により均一に混合してA剤としても良い。 【0032】本発明の接着剤の使用方法は、特別なものではなく、例えば、ロールコーター、スプレー塗布機、ハンドガン等の通常の塗布機を用いて、A剤を一方の被着体の所定の面に塗布し、B剤を他方の被着体の所定の面に塗布した後に、両被着体の塗布面を貼り合わせて、A剤とB剤とを接触させ、必要なら冷プレスや加熱プレス等で圧締して、接着剤を常温硬化または必要なら加熱硬化させることにより、所望の接合体を得ることができる。上記塗布時における塗布パターンは、特に限定されるものではなく、例えば、被着体の所定の面に対する全面塗布であっても良いし、ビード状、スパイラル状、ドット状等の部分塗布であっても良い。また、A剤およびB剤は無溶剤型であって溶剤の乾燥を行う必要がないので、A剤を一方の被着体に塗布し、B剤を他方の被着体に塗布した後に、直ちに両被着体の塗布面を貼り合わせて、A剤とB剤とを接触させても良い。 【0033】本発明の接着剤は二液分別塗布型接着剤であるが、A剤とB剤との硬化反応の開始および進行が比較的遅い組成となされていて、A剤とB剤との混合後の可使時間(ポットライフ)に余裕がある場合には、二液混合型接着剤として用いられても良い。 【0034】 【作用】本発明の接着剤は、分子両末端にイソシアネート基を有する化合物、好ましくはポリイソシアネート化合物とポリエーテルポリオールとの縮合反応により得られるウレタンプレポリマーを主成分としてなる常温で液状の無溶剤型のA剤と、分子内に水酸基を有する化合物、好ましくは前記一般式(1)で表される分子内に3級アミンを有するポリオールを主成分とし、さらに3級アミン化合物および/または有機錫化合物を含有してなる常温で液状の無溶剤型のB剤とから構成され、上記A剤とB剤とを混合することなく、A剤を一方の被着体に、B剤を他方の被着体に分別塗布するので、二液混合型接着剤のように可使時間(ポットライフ)に制約されることがなく、また、溶剤の乾燥も不要であり、作業性に優れる。 【0035】また、本発明の接着剤は、A剤が塗布された被着体とB剤が塗布された被着体との塗布面同士を貼り合わせ、A剤とB剤とを接触させることにより、直ちに硬化反応を開始するので、初期接着力の発現が速く、かつ、最終的に硬化した後は優れた弾性、接着強度、耐熱性、耐寒性等を発現する。 【0036】さらに、本発明の接着剤は、湿気硬化型ではないので、非透湿性の大面積の被着体同士を接着する場合でも、被着体の端部から中央部まで均一かつ優れた接着強度を発現する。 【0037】 【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するため以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。 【0038】1.ウレタンプレポリマーの合成A剤用として、セパラブルフラスコ中に、ポリオールとしてTHFとEOとの共重合体{THF/EO=7/3(モル比)、分子量:2000、水酸基価:54.7}100重量部を投入し、130℃で加熱溶融し、93.3kPaに減圧して1時間脱水した。次いで、この溶融物を80℃まで冷却した後、ポリイソシアネート化合物としてMDI(商品名「スミジュール44S」、イソシアネート基含有量:33.5重量%、住化バイエルウレタン社製)37重量部を添加し、窒素ガス気流下、80℃を保ちながら3時間反応させて、NCO/OH=3.0(モル比)で反応させた常温で液状のウレタンプレポリマーを合成した。 【0039】2.ポリオール(分子内に水酸基を有する化合物)、3級アミン化合物および有機錫化合物の準備B剤用として、下記6種類のポリオール、下記3種類の3級アミン化合物および下記2種類の有機錫化合物を準備した。 【0040】(1) ポリオール(a) ポリプロピレングリコール(商品名「PP−2000」、分子量:2000、水酸基価:54、三洋化成工業社製) (2) ポリオール(b) ポリエチレングリコール(商品名「PEG−400」、分子量:400、水酸基価:280、三洋化成工業社製) (3) ポリオール(c) THFとEOとの共重合体(分子量:2000、水酸基価:54) (4) ポリオール(d) ビスフェノール変性ポリプロピレングリコール(商品名「BPX−55」、分子量:800、水酸基価:175、旭電化工業社製) (5) ポリオール(e) 前記一般式(1)で表される分子内に3級アミンを有するポリオール(商品名「EDP−300」、R1 :エチレン鎖、R2 :ポリプロピレングリコール鎖、分子量:300、水酸基価:760、旭電化工業社製) (6) ポリオール(f) 前記一般式(1)で表される分子内に3級アミンを有するポリオール(商品名「BM−34」、R1 :エチレン鎖、R2 :プロピレングリコールとエチレングリコールとのブロック共重合体鎖、分子量:340、水酸基価:820、旭電化工業社製) (7) 3級アミン化合物(1) 前記構造式(2)で表される3級アミン化合物(8) 3級アミン化合物(2) 前記構造式(3)で表される3級アミン化合物(9) 3級アミン化合物(3) 前記構造式(4)で表される3級アミン化合物(10)有機錫化合物(α) 前記化学式(5)で表される有機錫化合物(11)有機錫化合物(β) 前記構造式(6)で表される有機錫化合物【0041】(実施例1〜実施例11)および(比較例1〜比較例4) 表1に示す組成でそれぞれのA剤およびB剤を調製し、接着剤を作製した。なお、B剤は、各成分を配合した後、120℃に加熱し、減圧下で1時間攪拌して、脱水を行った。 【0042】実施例1〜実施例11および比較例1〜比較例4で得られた接着剤の性能(初期剪断接着強度)を以下の方法で評価した。その結果は表1に示すとおりであった。 【0043】初期剪断接着強度:常温下で、一方の亜鉛鋼板にA剤を、他方の亜鉛鋼板にB剤をそれぞれ塗布量が50g/m2 となるように線状(ライン状)に塗布した後、直ちに貼り合わせ、圧力98kPaで30秒間圧着して試験片を作製した。次いで、10分後に初期剪断接着強度(N/cm2 )を測定した。なお、比較例4については、一方の亜鉛鋼板にA剤を塗布したのみで他方の亜鉛鋼板と貼り合わせた。 【0044】 【表1】
【0045】表1から明らかなように、本発明による実施例1〜実施例11の接着剤は、いずれも硬化反応の進行が速く、優れた初期剪断接着強度を発現した。 【0046】これに対し、B剤に3級アミン化合物および有機錫化合物ともに含有させなかった比較例1の接着剤、B剤にポリオール(分子内に水酸基を有する化合物)を含有させなかった比較例2および比較例3の接着剤は、いずれも硬化反応の進行が遅く、初期剪断接着強度が悪かった。また、B剤がなく、A剤のみからなる比較例4の接着剤は、言うまでもなく硬化反応が進行せず、初期剪断接着強度が悪かった。 【0047】 【発明の効果】以上述べたように、本発明の二液分別塗布型ウレタン系接着剤は、速硬化性であって初期接着力の発現が速く、かつ、硬化後は優れた弾性、接着強度、耐熱性、耐寒性等を発現するとともに、二液混合型接着剤のように二液混合後の可使時間に制約されることがなく、溶剤の乾燥も不要であって、作業性にも優れるので、例えば外壁パネルと下地材や金属留め具等との接着などのように高温環境や振動等により被着体同士の接着面が動き、接着剤に歪みがかかる部分の接着用や、非透湿性の大面積の被着体同士の接着用等の弾性接着剤として好適に用いられる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002174 【氏名又は名称】積水化学工業株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市北区西天満2丁目4番4号
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| 【出願日】 |
平成13年12月3日(2001.12.3) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−171643(P2003−171643A) |
| 【公開日】 |
平成15年6月20日(2003.6.20) |
| 【出願番号】 |
特願2001−368985(P2001−368985) |
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