| 【発明の名称】 |
ナイロン樹脂成形品用接着剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】礒部 典之 【住所又は居所】山口県宇部市大字小串1978番地の10 宇部興産株式会社宇部ケミカル工場内
【氏名】藤村 英樹 【住所又は居所】山口県宇部市大字小串1978番地の10 宇部興産株式会社宇部ケミカル工場内
【氏名】松田 伸也 【住所又は居所】山口県宇部市大字小串1978番地の10 宇部興産株式会社宇部ケミカル工場内
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| 【要約】 |
【課題】ナイロン樹脂成形品同士を接着した場合に、十分な接着強度を発揮することができる溶剤接着剤を提供する。
【解決手段】溶剤と共重合ナイロンを含むことを特徴とするナイロン樹脂成形品用接着剤。具体的には、炭素数6〜12のラクタム、炭素数6〜12のアミノカルボン酸、及び炭素数3〜22のジカルボン酸と炭素数2〜20のジアミンの組み合わせから誘導される単位を2種以上含む共重合ナイロンを0.5〜20重量%含有し、フェノール系化合物、フルオロアルコール系化合物のうち少なくとも1種の成分を含む溶剤が用いられる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】溶剤と共重合ナイロンを含むことを特徴とするナイロン樹脂成形品用接着剤。 【請求項2】炭素数6〜12のラクタム、炭素数6〜12のアミノカルボン酸、及び炭素数3〜22のジカルボン酸と炭素数2〜20のジアミンの組み合わせから誘導される単位を2種以上含む共重合ナイロンを0.5〜20重量%含有してなる請求項1記載のナイロン樹脂成形品用接着剤。 【請求項3】共重合ナイロンがナイロン12成分を5〜95重量%含む請求項2記載のナイロン樹脂成形品用接着剤。 【請求項4】溶剤がフェノール系化合物、フルオロアルコール系化合物のうち少なくとも1種の成分を含む請求項1記載のナイロン樹脂成形品用接着剤。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ナイロン樹脂成形品同士を接着した場合に、十分な接着強度を発揮することができる溶剤接着剤に関する。 【0002】 【従来の技術】ナイロン樹脂成形品同士の接着には溶剤接着剤が用いられている。これら溶剤接着剤に用いられる溶剤は被着体であるナイロンを溶解する必要がある。現在ナイロン用の溶剤接着剤の溶媒としては、フェノール、クレゾール、クロロフェノールなどのフェノール系化合物やフルオロアルコールが用いられるが、これらはいずれも有毒性や刺激性を有しており、作業上好ましくない。そのため、毒性を低減させるために、フェノール系化合物ではフェノール性水酸基とアルキル基を1種以上有する化合物が用いられているが、これらのうちカルバクロール(2−メチル−5−イソプロピルフェノール)とチモール(5−メチル−2−イソプロピルフェノール)の組み合わせは、比較的毒性が弱く、組成によっては−20℃以下まで液体状態を保ち使用温度範囲が広い。カルバクロールとチモールの混合溶媒にナイロンを溶解した溶剤接着剤は、ナイロンガスパイプとナイロン継手との接着に用いられている。しかしながら、これらのパイプと継手あるいは他の用途において接着部分の剥離強度が要求される場合には、現在の接着強度では十分とはいえず使用に制限があった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、十分な剥離強度が得られるナイロン樹脂成形品用の接着剤を提供することを目的とする。 【0004】 【問題を解決するための手段】溶剤接着剤による接着のメカニズムは、まず被着体が溶剤接着剤中に溶解し、つづいて溶解したポリマー分子鎖が、両方の被着体中に侵入し、溶剤が蒸発または被着体に吸収されて乾燥固化して、接着界面において接着層が形成されるというものである。したがって、溶剤接着剤に用いられる溶剤の必要条件としては被着体を十分に溶解することが求められる。本発明は、ナイロン樹脂成形品を接着するための接着剤として、溶剤に共重合ナイロンを溶解したものを使用することにより、接着界面においてより効果的に接着層を形成させることができ、接着強度を改良することができることを見出したものである。 【0005】すなわち、本発明は、ナイロン樹脂成形品を接着するための接着剤であって、該接着剤が溶剤と共重合ナイロンを含むことを特徴とするナイロン樹脂成形品用の接着剤に関するものである。 【0006】以下に本発明について詳細に説明する。本発明の接着剤に使用される共重合ナイロンは、アミノカルボン酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸とから誘導される単位を2種類以上含む共重合ナイロンである。具体的には、炭素数6〜12のラクタム、炭素数6〜12のアミノカルボン酸、及び炭素数3〜22のジカルボン酸と炭素数2〜20のジアミンの組み合わせから誘導される単位を2種以上含むものが挙げられる。 【0007】炭素数6〜12のアミノカルボン酸としては、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、9−アミノノナン酸、10−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などを用いることができる。 【0008】炭素数6〜12のラクタムとしては、ε−カプロラクタム、ω−エナントラクタム、ω−ウンデカンラクタム、ω−ドデカラクタムなどを用いることができる。 【0009】ジアミン及びジカルボン酸としては、直鎖状のジアミンと直鎖状のジカルボン酸が用いられるが、結晶性を低下させる目的で、直鎖状のジアミンと直鎖状のジカルボン酸から誘導されるナイロンの原料の一部を分岐構造を有するジアミンおよび/またはジカルボン酸に置換した共重合ナイロンも用いることができる。 【0010】直鎖状脂肪族ジカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸などを用いることができる。 【0011】直鎖状脂肪族ジアミンとしては、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,13−トリデカンジアミン、1,14−テトラデカンジアミン、1,15−ペンタデカンジアミン、1,16−ヘキサデカンジアミン、1,17−ヘプタデカンジアミン、1,18−オクタデカンジアミン、1,19−ノナデカンジアミン、1,20−エイコサンジアミンなどを用いることができる。 【0012】分岐状脂肪族ジアミンとしては、1−ブチル−1,2−エタンジアミン、1,1−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、1−エチル−1,4−ブタンジアミン、1,2−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、1,3−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、1,4−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、2,3−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,5−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、3,3−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4−ジエチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,2−ジメチル−1,7−ヘプタンジアミン、2,3−ジメチル−1,7−ヘプタンジアミン、2,4−ジメチル−1,7−ヘプタンジアミン、2,5−ジメチル−1,7−ヘプタンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、3−メチル−1,8−オクタンジアミン、4−メチル−1,8−オクタンジアミン、1,3−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、1,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、2,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、3,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、4,5−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、2,2−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、3,3−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、4,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミンなどを用いることができる。 【0013】分岐状脂肪族ジカルボン酸としては、ジメチルマロン酸、3,3−ジエチルコハク酸、2,2−ジメチルグルタル酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、2−ブチルスベリン酸(1,6デカンジカルボン酸ともいう)、2,3−ジブチルブタンジオン酸、8−エチルオクタデカンジオン酸、8,13−ジメチルエイコサジオン酸、2−オクチルウンデカンジオン酸、2−ノニルデカンジオン酸などを用いることができる。 【0014】本発明において、接着剤に使用できる共重合ナイロンは上記の原料から誘導される2成分からなる2元共重合ナイロンまたは、3成分以上からなる共重合ナイロンを用いることができる。 【0015】本発明の接着剤の溶剤としては、成分としてフェノール、アルキルフェノール等のフェノール系化合物、フルオロアルコール系化合物等のナイロン樹脂成形品を溶解する溶剤が使用できる。 【0016】フェノール系化合物としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−プロピルフェノール、m−プロピルフェノール、o−イソプロピルフェノール、m−イソプロピルフェノール、p−イソプロピルフェノール、o−n−ブチルフェノール、m−n−ブチルフェノール、p−n−ブチルフェノール、o−sec−ブチルフェノール、m−sec−ブチルフェノール、p−sec−ブチルフェノール、o−tert−ブチルフェノール、m−tert−ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、4−アミルフェノール、4−オクチルフェノール、4−tert−オクチルフェノール、4−ノニルフェノール、4−ドデシルフェノール、2,3−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、3,5−ジメチルフェノール、4−イソプロピル−3−メチルフェノール、5−イソプロピル−2−メチルフェノール(カルバクロールともいう)、6−イソプロピル−3−メチルフェノール(チモールともいう)、2−tert−ブチル−4−メチルフェノール、6−tert−ブチル−3−メチルフェノール、6−tert−ブチル−2−メチルフェノール、6−tert−ブチル−2,4−ジメチルフェノール、4,6−tert−ブチル−3−メチルフェノール、レゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、2−エチルレゾルシノール、4−エチルレゾルシノール、5−エチルレゾルシノール、2−ブチルレゾルシノール、4−ブチルレゾルシノール、5−ブチルレゾルシノール、2−アミルレゾルシノール、4−アミルレゾルシノール、5−アミルレゾルシノール、2−ヘキシルレゾルシノール、4−ヘキシルレゾルシノール、5−ヘキシルレゾルシノール、2−ヘプチルレゾルシノール、4−ヘプチルレゾルシノール、5−ヘプチルレゾルシノール、2−オクチルレゾルシノール、4−オクチルレゾルシノール、5−オクチルレゾルシノール、2−ノニルレゾルシノール、4−ノニルレゾルシノール、5−ノニルレゾルシノール、2−ドデシルレゾルシノール、4−ドデシルレゾルシノール、5−ドデシルレゾルシノール、カテコール、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、ハイドロキノン、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン(ピロガロールともいう)、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン(フロログルシノールともいう)が挙げられる。 【0017】フルオロアルコール系化合物としては、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノール、1,1,1−トリフルオロエタノールを挙げることができる。 【0018】これらのうちカルバクロール(2−メチル−5−イソプロピルフェノール)とチモール(5−メチル−2−イソプロピルフェノール)の組み合わせは、比較的毒性が弱く、組成によっては−20℃以下まで液体状態を保ち使用温度範囲が広いので好ましい。 【0019】本発明における接着剤に含有される共重合ナイロンの濃度は好ましくは0.5〜20重量%である。共重合ナイロンの濃度が0.5重量%より少ない場合、接着剤の粘度が低すぎて、施工時に液だれしやすく取り扱い難い。一方共重合ナイロンの濃度が20重量%よりも多いと、粘度が高すぎて扱い難く固化するまでの時間が長くなるという欠点がある。 【0020】本発明における接着剤で接着されるナイロン樹脂の具体例としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12のような脂肪族ポリアミドやポリヘキサメチレンテレフタラミド、ポリヘキサメチレンイソフタラミドのような半芳香族ポリアミド樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、単独あるいは2つ以上の共重合から成り立っていても良い。 【0021】また、本発明においては、上記接着剤を用いて接着されてなるナイロン樹脂の接着構造を、種々のナイロン樹脂製品に適用することができる。例えば、中空成形品の接合や多層フィルムの接着に用いることができる。 【0022】 【実施例】実施例1〜2及び比較例1〜2表1に示した樹脂を使用して、ASTM D638 1型引張試験片を射出成形で作成し被着体Aとした。次にナイロン12を使用して射出成形で12.7mm×120mm×1.5mmtの試験片を作成し、被着体Bとした。次いで、被着体Aと被着体Bを、溶剤(カルバクロール/チモール=2/1)に表1に示した樹脂を1重量%溶解した溶剤接着剤を使用し接着した。接着代を50mmとし、6日間養生した後、剥離試験を行った。チャック間距離は40mm、引張速度は200mm/min.であった。評価結果を表1に示す。 【0023】 【表1】
【発明の効果】本発明の接着剤を用いてナイロン樹脂成形品同士を接着した場合に、効果的な接着層を形成させることができるので、十分な接着強度を発揮することができ、強い剥離強度が要求される用途に使用することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000206 【氏名又は名称】宇部興産株式会社 【住所又は居所】山口県宇部市大字小串1978番地の96
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| 【出願日】 |
平成13年9月18日(2001.9.18) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−89783(P2003−89783A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月28日(2003.3.28) |
| 【出願番号】 |
特願2001−282989(P2001−282989) |
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