| 【発明の名称】 |
カチオン電着塗料及び塗装物 |
| 【発明者】 |
【氏名】桑野 英治 【住所又は居所】神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関西ペイント株式会社内
【氏名】平木 忠義 【住所又は居所】神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関西ペイント株式会社内
【氏名】加藤 清 【住所又は居所】神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関西ペイント株式会社内
【氏名】御堂河内 奨 【住所又は居所】神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関西ペイント株式会社内
【氏名】宮武 信次 【住所又は居所】兵庫県尼崎市神崎町33番1号 関西ペイント株式会社内
【氏名】松原 識 【住所又は居所】兵庫県尼崎市神崎町33番1号 関西ペイント株式会社内
【氏名】林 宏和 【住所又は居所】兵庫県尼崎市神崎町33番1号 関西ペイント株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】自動車ボディや部品の塗膜形成において、鉛化合物を含まなくても防食性、仕上り性、塗料安定性に優れたカチオン電着塗料、塗装品を開発すること。
【解決手段】1.カチオン電着塗料において、基体樹脂とブロックポリイソシアネート硬化剤の固形分合計100重量部に対し、タルクをアルミニウム化合物で処理を施した顔料(A)を0.1〜20重量部含有するカチオン電着塗料。2.さらに基体樹脂と硬化剤の固形分合計100重量部に対し、少なくとも1種のアンチモン化合物(B)、及び/又はビスマス化合物(C)を0.1〜20重量部含有する1項に記載のカチオン電着塗料。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 カチオン電着塗料において、基体樹脂とブロックポリイソシアネート硬化剤の固形分合計100重量部に対し、タルクをアルミニウム化合物で処理を施した顔料(A)を0.1〜20重量部含有するカチオン電着塗料。 【請求項2】 さらに基体樹脂と硬化剤の固形分合計100重量部に対し、少なくとも1種のアンチモン化合物(B)を0.1〜20重量部含有する請求項1に記載のカチオン電着塗料。 【請求項3】 基体樹脂が、エポキシ当量が180〜2500のエポキシ樹脂に液状キシレンホルムアルデヒド樹脂及びアミノ基含有化合物を反応させてなるキシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂(I)を含有する請求項1又は2に記載のカチオン電着塗料。 【請求項4】 さらに基体樹脂と硬化剤の固形分合計100重量部に対し、少なくとも1種のビスマス化合物(C)を0.1〜20重量部含有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカチオン電着塗料。 【請求項5】 アンチモン化合物(B)が五酸化アンチモンである請求項2乃至4のいずれか1項に記載のカチオン電着塗料。 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のカチオン電着塗料により塗膜が形成された塗装物。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、鉛化合物やクロム化合物などの有害金属を使用することなく、防錆性に優れた塗膜を形成するカチオン電着塗料に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】 カチオン電着塗料は、つきまわり性に優れ、また耐久性や防食性などの性能に優れた塗膜を形成することができるため、例えば自動車車体や部品などの塗装、電気器具の塗装等に広く採用されている。 【0003】カチオン電着塗料には、その防食性を一層向上させるために、しばしば防錆顔料、例えばクロム酸鉛、塩基性ケイ酸鉛、クロム酸ストロンチウムなどの鉛化合物やクロム化合物が配合されているが、該化合物は非常に有害な物質であり、公害対策上その使用には問題がある。 【0004】そこで該鉛化合物等に代わる無毒性ないし低毒性の防錆顔料として、従来、リン酸亜鉛、リン酸鉄、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、リンモリブデン酸アルミニウム、リンモリブデン酸亜鉛などの使用が検討されてきたが、これらの化合物は、前述の鉛化合物やクロム化合物ほどの防錆能をもたず、また仕上がり性や塗料安定性を損なうものも多く、実用的には満足できるものではない。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の如き問題を解決すべく鋭意検討した結果、鉛化合物等を用いなくとも、防食性、仕上り性、塗料安定性のいずれにも優れたカチオン電着塗膜を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。 【0006】即ち、本発明は、1.カチオン電着塗料において、基体樹脂とブロックポリイソシアネート硬化剤の固形分合計100重量部に対し、タルクをアルミニウム化合物で処理を施した顔料(A)を0.1〜20重量部含有するカチオン電着塗料、2.さらに基体樹脂と硬化剤の固形分合計100重量部に対し、少なくとも1種のアンチモン化合物(B)を0.1〜20重量部含有する1項に記載のカチオン電着塗料、3.基体樹脂が、エポキシ当量が180〜2500のエポキシ樹脂に液状キシレンホルムアルデヒド樹脂及びアミノ基含有化合物を反応させてなるキシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂(I)を含有する1項又は2項に記載のカチオン電着塗料、4.さらに基体樹脂と硬化剤の固形分合計100重量部に対し、少なくとも1種のビスマス化合物(C)を0.1〜20重量部含有する1項乃至3項のいずれか1項に記載のカチオン電着塗料、5.アンチモン化合物(B)が五酸化アンチモンである2項乃至4項のいずれか1項に記載のカチオン電着塗料、6.1項乃至5項のいずれか1項に記載のカチオン電着塗料により塗膜が形成された塗装物、に関する。 【0007】 【発明の実施の形態】 本発明は、タルクにアルミニウム化合物で処理を施した顔料(A)、さらにアンチモン化合物(B)、及び/又はビスマス化合物(C)を含有するカチオン電着塗料に関する。以下、本発明について詳細に説明する。 顔料(A):タルクをアルミニウム化合物で処理を施した顔料(A)であるが、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウムなどのアルミニウム化合物を用いてタルク粒子表面を被覆したものであるが、この中でも水酸化アルミニウムが防食性を高める効果の面からも好ましい。 【0008】基体となるタルクは、形状的には鱗片状粒子よりなる粉末であり、従来からも塗料用の体質顔料として用いられ、塗膜を形成したときに、その塗膜内で他の各種顔料粒子と共に層状をなして重畳しあうことにより、水や塩分などの腐食因子が外部から侵入することを防止する遮蔽層として機能すると考えられている。具体的には、3珪酸マグネシウムや6珪酸マグネシウム、含水珪酸マグネシウムなどが顔料として塗料組成物に用いられている。 【0009】組成式は、 Mg3 Si4O10(OH)2で示される鉱物であるが、鉱床によっては、少量のカルサイト(CaCO3)や、マグネサイト(MgCO3)、ドロマイト〔CaMg(CO3)2、MgはMn、Fe、Znと置換されることがある〕などが含まれている。 【0010】顔料を他の物質で被覆し防錆効果を発揮する従来の発明に、カチオン電着塗料中に、ビスマス、ランタン、モリブデン含有化合物のいずれかと、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物を顔料表面に被覆した顔料を含有する発明として、特開平11−279461号公報が挙げられる。またカチオン電着塗料中に、アルミニウムとケイ酸マグネシウムで処理したトリポリリン酸アルミを含有する発明として、特開2001−329221号公報が挙げられる。 【0011】本発明において、一般的に顔料として用いられてきたタルクを用い、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物(D)を粒子表面に被覆した場合でも効果はみられるが、タルクのうち、特に、炭酸(CO3)を含有するタルクに、リン酸などの薬剤で処理するとタルクにリン酸(PO4)が含有されるようになることに着目した。 【0012】上記の炭酸(CO3)を含むタルクを、例えば、オルトリン酸、ピロリン酸、メタリン酸、ポリリン酸などのリン酸系薬剤で処理すると、炭酸(CO3)を含有するタルクは多量の二酸化炭素ガスを発生しながら反応し、処理後のタルクにはリン酸(PO4)が含有されるようになる。 【0013】上記、リン酸(PO4)を含有したタルクは、それ自身単独でも防錆能を有するが、更に水酸化アルミニウム Al(OH)3 などのアルミニウム化合物で被覆することによって防錆能が著しく向上することを見い出し本発明を完成した。タルクにアルミニウム化合物で処理を施した顔料(A)の製造方法としては、まずリン酸(PO4)を含有したタルクの表面をアルミニウム化合物で被覆するには、例えば、リン酸(PO4)を含有したタルクを炭素数1〜8の低級アルコ−ルなどと脱イオン水との混合液中に分散し、ついで水酸化アルミニウムなどのアルミニウム化合物をこの分散液中に均一に溶解し混合したのち、これらの溶剤を蒸発乾固することによって行なえる。 【0014】具体的には、リン酸(PO4)を含有したタルクを、pHを5〜9に調整した水酸化アルミニウムの水溶液(濃度は0.1〜80重量%が適している)に混合し、20〜80℃で放置すると、リン酸(PO4)を含有したタルクの粒子表面に水酸化アルミニウムのゲル化物が析出し、沈殿する。 【0015】その後、必要により分級し、水洗、精製、乾燥することにより、水酸化アルミニウムで被覆されリン酸(PO4)を含有したタルクの粒子、即ち、顔料(A)が得られる。 【0016】水酸化アルミニウムなどのアルミニウム化合物のタルクへの被覆量は、厳密に制限されるものではなく、一般には、基体顔料であるタルクに対し、水酸化アルミニウムなどのアルミニウム化合物を1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%、さらに好ましくは10〜25重量%の範囲で被覆することがよい。またタルクにアルミニウム化合物で処理を施した顔料(A)のカチオン電着塗料への配合量は、基体樹脂と硬化剤との固形分合計100重量部に対し、0.1〜20重量部、特に0.5〜10重量部の範囲内が好ましく、配合量が0.1重量部以下の場合には防食性への効果が十分でなく、また配合量が20重量部を超える場合には仕上がり性や塗料安定性が低下する。 【0017】アンチモン化合物(B):顔料(A)を含有するカチオン電着塗料は、さらにアンチモン化合物(B)を含有することによって、顔料(A)を単独、またはアンチモン化合物(B)のそれぞれを単独でカチオン電着塗料中に含有することに比べ、防食性が向上することを見出せた。 【0018】アンチモン化合物(B)の中でも、酸化アンチモンは、組成式Sb2 O3+x (0<X≦2)で表されるものであり、具体例としては、たとえばSb2O4、Sb6 O13、Sb2 O5 などが挙げられ、多くの場合、それらの混合物として生成するか、あるいはそれらの水和物、それら水和物の混合物、それら酸化物と水和物の混合物などとして存在する。本発明において、防食性の向上には、五酸化アンチモン(Sb2 O5) が、特に良好であることを見出した。また五酸化アンチモン(Sb2 O5)は、三酸化アンチモンに比べて粒子径が小さく塗料などの仕上がり性や塗料安定性を損うことが少ないことから、五酸化アンチモンが多く用いられる。 【0019】他に、五酸化アンチモンの水性ゾル中に、水酸化アルミニウムなどを加えて生成した、アルミニウム処理を施した五酸化アンチモンも用いることができる。具体例として、EFR−6N(サンエポック社製、商品名、5酸化アンチモン)、セルナックス(日産化学工業(株)製、商品名、アンチモン酸亜鉛粉末の水分散品)、SN−100D(石原産業(株)製、商品名、アンチモンドープ酸化スズの水分散ゾル)などが挙げられる。 【0020】カチオン電着塗料へのアンチモン化合物(B)の添加量は、0.1〜20重量部、特に0.5〜10重量部の範囲内が好ましく、配合量が0.1重量部以下の場合には防食性への効果が十分でなく、また配合量が20重量部を超える場合には仕上がり性や塗料安定性が低下する。 【0021】ビスマス化合物(C):顔料(A)を含有するカチオン電着塗料は、さらにビスマス化合物(C)を含有することによって、顔料(A)を単独、又はビスマス化合物(C)を単独でカチオン電着塗料中に含有することに比べ、防食性が大幅に向上することを見い出せた。 【0022】ビスマス化合物(C)としては、例えば、乳酸ビスマス、ケイ酸ビスマス、トリフェニルビスマス、没食子酸ビスマス、水酸化ビスマス、三酸化ビスマス、硝酸ビスマス、安息香酸ビスマス、クエン酸ビスマス、オキシ炭酸ビスマスなどがあげられる。 【0023】カチオン電着塗料へのビスマス化合物(C)の添加量は、0.1〜20重量部、特に0.5〜10重量部の範囲内が好ましく、配合量が0.1重量部以下の場合には防食性への効果が十分でなく、また配合量が20重量部を超える場合には仕上がり性や塗料安定性が低下する。 【0024】上記のようにして得られたアルミニウム化合物で処理を施した顔料(A)のカチオン電着塗料への導入は、通常のカチオン電着塗料への顔料の配合と同様にして行なうことができ、例えば、適当な分散用樹脂、着色顔料、体質顔料、防錆顔料、硬化触媒などと一緒に、サンドミルやボールミルなどの分散機器を用いて分散し、顔料ペーストを製造することができる。 【0025】ここで本発明の電着塗料は、アニオン型及びカチオン型いずれであってもよいが、一般には、耐食性の点からカチオン型が好ましく、また基体樹脂としては、エポキシ系、アクリル系、ポリブタジエン系、アルキド系、ポリエステル系のいずれの樹脂でも使用することができるが、なかでも例えばアミン付加エポキシ樹脂に代表されるポリアミン樹脂が好ましい。 【0026】基体樹脂の変性方法としては、特に、片方の末端に疎水性の変性剤を付加し、エポキシ樹脂の別の末端にアミン化合物を付加して基体樹脂内の分極化を図った変性方法が均一塗装性(注1)には好ましく、そのような変性剤としてエポキシ基との反応性を有するキシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂(I)や、ポリカプロラクトンを用いた基体樹脂が挙げられる。変性量としては可塑化に必要な最少量に留める必要があり、エポキシ樹脂100重量部に対し5〜50、さらには10〜30重量部が好ましい。 【0027】均一塗装性:袋構造を有する被塗物を電着塗装を行った場合、通常、電流密度が低下する内板部は膜厚が薄く防食性も悪い、ここで外板の造膜性を押さえて内板の造膜性が良好である内外板の膜厚に差の少ない均一な被塗物が得られる電着塗装性を「均一塗装性」が良好と称する。また均一膜厚性が良好であると、塗料使用量の削減や防食性の向上に寄与するものである。 【0028】上記、基体樹脂の内容について、さらに詳細に説明する。基体樹脂の出発材料として用いられるエポキシ樹脂(i)としては、塗膜の防食性等の観点から、特に、ポリフェノール化合物とエピハロヒドリン、例えば、エピクロルヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹脂が好適である。 【0029】該エポキシ樹脂の形成のために用い得るポリフェノール化合物としては、従来のものと同様のものが使用でき、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン(ビスフェノールA)、4,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン(ビスフェノールS)、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等を挙げることができる。 【0030】また、ポリフェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂としては、中でも、ビスフェノールAから誘導される下記式【0031】 【化1】
ここでn=0〜8で示されるものが好適である。 【0032】エポキシ樹脂(i)は、一般に180〜2,500、好ましくは200〜2,000であり、さらに好ましくは400〜1,500の範囲内のエポキシ当量を有することができ、また、一般に少なくとも200、特に400〜4,000、さらに特に800〜2,500の範囲内の数平均分子量を有するものが適している。 【0033】かかるエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、ジャパンエポキシレジン(株)からエピコート828EL、同左1002、同左1004、同左1007なる商品名で販売されているものが挙げられる。 【0034】アミン化合物は、エポキシ樹脂にアミノ基を導入して該エポキシ樹脂をカチオン化するためのカチオン性付与成分であり、エポキシ基と反応する活性水素を少なくとも1個含有するものが用いられる。 【0035】上記の1級アミノ基を有するアミン化合物としては、モノエタノールアミン、プロパノールアミン、ヒドロキシエチルアミノエチレンジアミン、ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどのケチミン化物が挙げられる。 【0036】上記1級アミンと併用できるアミン化合物としては、従来からのアミン付加エポキシ樹脂に用いられるものが使用できるが、特に2級アミンが好ましく、例としてジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジエタノールアミン、ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、モノメチルアミノエタノール、モノエチルアミノエタノールなどが挙げられる。 【0037】基体樹脂の変性方法としては、疎水性変性剤により内部の分極化を図ることが好ましく、そのような変性剤としてエポキシ基との反応性を有する液状キシレンホルムアルデヒド樹脂やカプロラクトン性ポリオール化合物が挙げられる。 【0038】液状キシレンホルムアルデヒド樹脂は例えば、キシレン、ホルムアルデヒド、及び場合によりフェノール類を酸性触媒の存在下に縮合反応させることにより製造することができる。 【0039】上記のホルムアルデヒドとしては、工業的に入手容易なホルマリン、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等のホルムアルデヒドを発生する化合物などを例示することができる。このような液状キシレンホルムアルデヒド樹脂は、一般に、20〜50,000センチポイズ(25℃)、好ましくは30〜15,000センチポイズ(25℃)の範囲内の粘度を有することができ、そして一般に100〜50,000、特に200〜10,000の範囲内の水酸基当量を有していることが好ましい。 【0040】変性剤の例としては、複数の活性水素基を含有する化合物にカプロラクトンを付加して得られるポリオール化合物を使用することもできる。 【0041】変性剤として用いる液状キシレンホルムアルデヒド樹脂や、上記の複数の活性水素基を含有する化合物にカプロラクトンを付加して得られるポリオール化合物においてエポキシ樹脂への反応方法は特に限定しないが、アミン化合物と変性剤をエポキシ樹脂のエポキシ基に同時に反応させることが好ましい。 【0042】上記の変性剤の使用割合は、厳密に制限されるものではなく、塗料組成物の用途等に応じて適宜変えることができるが、エポキシ樹脂の固形分重量を基準にして5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%の範囲内が適当である。これより少ないと樹脂の中和剤の必要量が多くなり、またこれより多いと水分散安定性が劣る。 【0043】硬化剤としては、ブロック化ポリイソシアネート化合物やアミノ樹脂等の従来から知られた硬化剤を用いることができ、特にブロック化ポリイソシアネート化合物が好ましい。 【0044】このポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの芳香族、脂環族または脂肪族のポリイソシアネート化合物およびこれらのイソシアネート化合物の過剰量にエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ヒマシ油などの低分子活性水素含有化合物を反応させて得られる末端イソシアネート含有化合物が挙げられる。 【0045】ブロック剤としては、例えばε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムなどのラクタム系化合物;メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系化合物;フェノール、パラ−t−ブチルフェノール、クレゾールなどのフェノール系化合物;n−ブタノール、2−エチルヘキサノールなどの脂肪族アルコール類;フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノールなどの芳香族アルキルアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテルアルコール系化合物等が挙げられる。これらのうち、オキシム系およびラクタム系のブロック剤は、比較的低温で解離するブロック剤であるため、電着塗料用樹脂組成物の硬化性の点から特に好適である。 【0046】基体樹脂の中和・水性化は、通常、該樹脂をギ酸、酢酸、乳酸などの水溶性有機酸で中和して水溶化・水分散化することによってエマルションを得ることができる。 【0047】カチオン電着塗料組成物は、エマルションに顔料ペーストを配合し、必要に応じて、有機溶剤、界面活性剤、表面調整剤、はじき防止剤などの添加物を配合し、固形分濃度が約5〜40重量%となるように脱イオン水などで希釈し、pHを5.0〜7.0の範囲内に調整し、カチオン電着浴を得ることができる。 【0048】カチオン電着塗装は、通常、浴温15〜35℃に調整し、印可電圧100〜400Vの条件で行なうことができる。 電着塗膜の膜厚は、特に制限されるものではないが、一般には、硬化塗膜に基いて10〜40μmの範囲内が好ましい。また、塗膜の焼付け硬化温度は、一般に100〜200℃の範囲内で5〜90分間が適している。 【0049】 【発明の効果】 本発明によれば、タルクをアルミニウム化合物で処理を施した顔料(A)をカチオン電着塗料中に含有することにより、公害対策上問題のある鉛化合物などの防錆顔料を使用せずに、該防錆顔料を配合した場合とほぼ同等ないし、それ以上の優れた防錆性を有する電着塗膜を与えるカチオン電着塗料が得られる。 【0050】さらにタルクをアルミニウム化合物で処理を施した顔料(A)に、アンチモン化合物(B)、及び/又はビスマス化合物(C)を併用して使用することにより、単品で使用した場合に比べいっそう防食性が向上する。 【0051】タルクをアルミニウム化合物で処理を施した顔料(A)に、アンチモン化合物(B)、及び/又はビスマス化合物(C)を組み合わせると、このように優れた防錆性が得られる理由は明らかではないが、タルクの形状が鱗片状粒子よりなる粉末であり、塗膜を形成したときに、その塗膜内で層状をなして重畳しあうことにより、水や塩分などの腐食因子が外部から侵入することを防止する遮蔽層として機能し、また、アルミニウム化合物は、例えば、酸素、水、イオンなどの腐食因子の捕捉作用により、塗膜内を通過する腐食因子の透過を阻止することで防食効果が長期間持続すると考えられている。 【0052】さらに、アンチモン化合物(B)、及び/又はビスマス化合物(C)を添加することによって、腐食因子が塗膜界面へ到達するのを遮蔽したり、捕捉する作用の相乗効果により防食効果が増すものと推定される。 【0053】 【実施例】 以下、実施例を掲げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。尚、「部」および「%」は「重量部」および「重量%」を示す。 【0054】製造例1 顔料ペーストNo.1の製造ボールミルに、60%エポキシ系4級アンモニウム塩型の顔料分散樹脂 8.33部(固形分5部)、アルミニウム化合物処理タルク(カルサイトを含有したタルクをオルトリン酸で処理した後、水酸化アルミニウムを10重量%被覆した本発明品) 3部、チタン白16.5部、クレー8部、カーボンブラック0.3部、ジオクチル錫オキサイト1部、脱イオン水24.3部を配合して20時間分散し、固形分55%の顔料ぺーストNo.1を得た。 【0055】製造例2〜6 顔料ペーストNo.2〜6の製造製造例1の顔料ペーストNo.1と同様にして、表1のような配合で顔料ペーストNo.2〜No.6を得た。 【0056】 【表1】
(注1)タルクMV:United Siera Divi.社製、商品名、タルク(注2)EFR-6N:サンエポック社製、商品名、5酸化アンチモン製造例7 アミン変性エポキシ樹脂No.1の製造温度計、サーモスタット、撹拌器、還流冷却器を備えた反応容器にエピコート828EL(油化シェルエポキシ社製エポキシ樹脂、エポキシ当量約190)を380部、ビスフェノールAを137部仕込み、100℃に加熱保持しながら、N−ベンジルジメチルアミン0.26部を添加し、120℃まで加熱昇温し、約2時間反応させた。その後、メチルイソブチルケトン120部を配合し、80℃まで冷却し、ジエチレントリアミンのメチルイソブチルジケチミン(メチルイソブチルケトンの75%溶液)14部とN−エチルモノエタノールアミン57部を配合し、100℃まで加熱昇温して約5時間反応させ、ついでプロピレングリコールモノメチルエーテル41部を加え、固形分80%のアミン変性エポキシ樹脂No.1を得た。 【0057】製造例8 アミン変性エポキシ樹脂No.2の製造温度計、還流冷却器、及び攪拌機を備えた内容積2リットルのセパラブルフラスコに50%ホルマリン240g、フェノール55g、98%工業用硫酸101g及びメタキシレン212gを仕込み、84〜88℃で4時間反応させる。反応終了後、静置して樹脂相と硫酸水相とを分離した後、樹脂相を3回水洗し、20〜30mmHg/120〜130℃の条件で20分間未反応メタキシレンをストリッピングして、粘度1050センチポイズ(25℃)のフェノール変性の液状キシレンホルムアルデヒド樹脂240gを得た。別のフラスコに、エピコート828EL(ジャパンエポキシレジン社製、商品名、エポキシ樹脂 、エポキシ当量190、分子量350)1000g、ビスフェノールA 400g及びジメチルベンジルアミン0.2gを加え、130℃でエポキシ当量750になるまで反応させた。次に、液状キシレンホルムアルデヒド樹脂を300g、ジエタノールアミンを140g及びジエチレントリアミンのケチミン化物を65gを加え120℃で4時間反応させた後、ブチルセロソルブを420g加え、固形分80%のキシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂であるアミン変性エポキシ樹脂No.2を得た。 【0058】製造例9 ブロック化ポリイソシアネートの製造温度計、サーモスタット、撹拌器、還流冷却器及び滴下装置を備えた反応容器にイソホロンジイソシアネート(IPDI)50部をメチルケトオキシム40部に40〜60℃で滴下した後、80℃で1時間加熱し、滴定法によるイソシアネート基残存率が0になるまで反応させて、固形分約90%のブロック化ポリイソシアネート硬化剤を得た。 【0059】製造例10 カチオン電着塗料用のエマルションNo.1の製造製造例7で得たアミン変性エポキシ樹脂No.1 87.5部(固形分70部)、製造例9で得たブロック化ポリイソシアネート硬化剤 33.3部(固形分30部)、10%酢酸15部、を配合し均一に撹拌した後、脱イオン水 158.3部を強く撹拌しながら約15分かけて滴下し、固形分34%のカチオン電着用のエマルションNo.1を得た。 【0060】製造例11 カチオン電着塗料用のエマルションNo.2の製造製造例8で得たアミン変性エポキシ樹脂No.2を用いる以外は、カチオン電着塗料用のエマルションの製造例1と同様にして固形分34%のカチオン電着用のエマルションNo.2を得た。 【0061】実施例1製造例10で得たカチオン電着用のエマルションNo.1 294部(固形分100部)に、顔料ペーストをNo.1 61.4部(固形分33.8部)、脱イオン水 313.6部を加え、均一に混合して固形分20%のカチオン電着塗料No.1を得た。 【0062】実施例2〜5、比較例1〜4実施例1と同様の操作にて、表2のような配合でカチオン電着塗料No.2〜9を得た。 【0063】 【表2】
【0064】試験板の作成実施例1〜5、及び比較例1〜4で得たカチオン電着塗料中に、パルボンド#3020(日本パーカライジング社製、リン酸亜鉛処理剤)で化成処理した0.8×150×70mmの冷延ダル鋼板を浸漬し、それをカソードとして電着塗装を行なった。膜厚20μmの電着塗膜を形成し、水洗した後、150℃-20分、170℃-20分の焼付けを行なった。 【0065】得られた塗装板の性能試験結果を下記の表3に示す。 【0066】 【表3】
【0067】(注3)防食性:素地に達するように電着塗膜にナイフでクロスカットキズを入れ、これをJIS Z2371に準じて840時間塩水噴霧試験を行ない、ナイフ傷からの錆、フクレ幅によって評価した。 ◎:錆またはフクレの最大幅がカット部より2mm未満(片側) ○:錆またはフクレの最大幅がカット部より2mm以上3mm未満(片側) △:錆またはフクレの最大幅がカット部より3mm以上4mm未満(片側)でかつ平面部にブリスターの発生が幾分認められる、×:錆またはフクレの最大幅がカット部より4mm以上か、全面にブリスターの発生がみられる。 【0068】(注4)硬化性:得られた各電着塗板の塗面を、メチルイソブチルケトンをしみこませた4枚重ねのガーゼで圧力約4kgf/cm2(0.392MPa)で約3〜5cmの長さを20往復こすった時の塗面外観を目視で評価した。 ○:塗面にキズが認められない。 △:塗面にキズが認められる。 ×:塗膜に艶びけが認められる。 【0069】(注5)耐衝撃性:デュポン式衝撃試験機を用いて、撃心の直径1/2インチ、落錘高さ50cm、測定雰囲気20℃の条件で試験を行ない、衝撃を受けた凸凹部を目視で評価した。 ○:異常なし△:細かな亀裂が少しみられる×:大きなワレがみられる。 【0070】(注6)仕上がり性:塗面の仕上がり性をサーフテスト301(MITSUTOYO社製、商品名、表面粗度計)で表面粗度(Ra)値を測定した。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001409 【氏名又は名称】関西ペイント株式会社 【住所又は居所】兵庫県尼崎市神崎町33番1号
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| 【出願日】 |
平成14年5月21日(2002.5.21) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−336007(P2003−336007A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月28日(2003.11.28) |
| 【出願番号】 |
特願2002−146284(P2002−146284) |
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