| 【発明の名称】 |
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物及びそれを用いた成形体 |
| 【発明者】 |
【氏名】永利 喜久男
【氏名】伊賀 徹
【氏名】兒島 信之
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| 【要約】 |
【課題】優れた表面平滑性と鏡面性を有し、かつ安定した成形が出来るポリアリーレンスルフィド樹脂組成物及びそれを用いた成形体を提供する。
【解決手段】(A)ポリアリーレンスルフィド樹脂100重量部、(B)粒状無機充填剤20〜250重量部、(C)ウィスカー0〜50重量部、及び(D)ポリエチレンワックス0.1〜5重量部を含むポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を成形して得られる成形体の表面に金属膜を形成した鏡面体は、ランプリフレクター等として使用できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (A)ポリアリーレンスルフィド樹脂100重量部、(B)粒状無機充填剤20〜250重量部、(C)ウィスカー0〜50重量部、及び(D)ポリエチレンワックス0.1〜5重量部を含むポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。 【請求項2】 前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の溶融粘度が100〜1,500ポイズである請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。 【請求項3】 前記粒状無機充填剤(B)の体積平均粒子径が4μm以下である請求項1又は2に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。 【請求項4】 前記ウィスカー(C)の繊維径が7μm以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。 【請求項5】 前記粒状無機充填剤(B)が炭酸カルシウムである請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。 【請求項6】 前記ウィスカー(C)がホウ酸アルミニウムウィスカーである請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。 【請求項7】 前記ポリエチレンワックス(D)が酸化ポリエチレンワックスである請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を成形してなる成形体。 【請求項9】 請求項8に記載の成形体の表面に金属膜を形成してなる鏡面体。 【請求項10】 請求項9に記載の鏡面体からなるランプリフレクター。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、熱的あるいは環境(耐薬品、耐水蒸気)的に過酷な条件下で使用される鏡への利用が可能な成形品が得られるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物及びそれを用いた成形体に関する。より詳細には、フォグランプ、ヘッドランプ等の自動車用ランプリフレクター及び照明器具等の反射体(ダウンライトカバー)等に用いられるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物及びそれを用いた成形体に関する。 【0002】 【従来の技術】自動車用ヘッドランプ等のランプリフレクター用成形材料として、従来、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂が使用されている。近年、リサイクル等の環境問題から、これらの熱硬化性樹脂を熱可塑性樹脂へ転換する試みがなされている。さらに、熱硬化性樹脂組成物自体では表面平滑性に乏しく、樹脂塗料をアンダーコートして鏡面を出しているが、工程簡略化、コストダウンのためアンダーコートレスの熱可塑性樹脂組成物が求められている。アンダーコートレスにするため、熱可塑性樹脂組成物には、極めて高い表面平滑性が要求されると同時にランプ点灯時の高温(200〜230℃)に耐える耐熱性、剛性、並びに射出成形時に安定して高い表面平滑性が得られることが求められている。以上の要求を満たすには、耐熱性が高く、かつ高い流動性が得られるポリアリーレンスルフィドが適している。ポリアリーレンスルフィドの特性と成形体の表面平滑性、外観との関係を追及した結果、前記の特性を有するものが優れている。成形品の表面平滑性を出すには、金型を鏡面仕上げにしておくことは勿論必要であるが、ポリアリーレンスルフィドは、本来、金型へ付着し易い性質を持っている上に、金型表面の平滑性と相俟ってさらに付着し易くなっており、離型時に成形品表面の平滑性を損なうような剥離が起こり易い。 【0003】表面平滑性を維持し、かつ剛性を、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物から得られる成形品に持たせる試みは多数行われている。例えば、特開平7−188555号公報、特開平8−41341号公報、特開平9−251806号公報、特開平10−237302号公報等に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物では、表面平滑性を出すために特定の粒径の炭酸カルシウムを配合している。また、上記公報では、剛性を出すためにウィスカー類を配合することが記載されている。炭酸カルシウムとウィスカー類は、成形品の表面平滑性、剛性を両立するための好ましい成分である。 【0004】また、特開平7−188555号公報、特開平10−237302号公報の明細書には、離型剤としてモンタン酸及びその塩、エステル類、ポリエチレンワックス等を添加してもよいとの記載があるが実施例はない。また、特開平4−202364号公報には離型剤として、天然ワックス等を添加してもよいとの記載があるが、やはり実施例はない。一方、特開平4−272168号公報には、離型剤としてモンタン酸の部分鹸化エステルワックスを用いた実施例がある。しかし、これらは離型剤として、離型効果は認められるが、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、通常、成形温度が300〜350℃であるため、鏡面として使用できる表面を得るには、分解ガス等が発生しない耐熱性を有し、かつ相分離等による表面の白化が起こらない離型剤を選択する必要がある。モンタン酸の部分鹸化エステルワックスは耐熱性に劣るため、これを用いた樹脂組成物の場合、上記の成形温度では揮発成分が多く発生してしまい、鏡面を有する成形品を安定して成形することに問題があった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記事情に鑑み、本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、ポリエチレンワックスが、分解ガス等を発生しない優れた離型剤であることを見出し、本発明を完成させた。従って、本発明は、優れた表面平滑性と鏡面性を有し、かつ安定した成形が出来るポリアリーレンスルフィド樹脂組成物及びそれを用いた成形体を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明の第一の態様によれば、(A)ポリアリーレンスルフィド樹脂100重量部、(B)粒状無機充填剤20〜250重量部、(C)ウィスカー0〜50重量部、及び(D)ポリエチレンワックス0.1〜5重量部を含むポリアリーレンスルフィド樹脂組成物が提供される。 【0007】好ましくは、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の溶融粘度は100〜1,500ポイズである。好ましくは、粒状無機充填剤(B)の体積平均粒子径は4μm以下である。好ましくは、ウィスカー(C)の繊維径は7μm以下である。好ましくは、粒状無機充填剤(B)は炭酸カルシウムである。好ましくは、ウィスカー(C)はホウ酸アルミニウムウィスカーである。好ましくは、ポリエチレンワックス(D)は酸化ポリエチレンワックスである。 【0008】また、本発明の第二の態様によれば、上記のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を成形してなる成形体が提供される。 【0009】また、本発明の第三の態様によれば、上記の成形体の表面に金属膜を形成してなる鏡面体が提供される。 【0010】また、本発明の第四の態様によれば、上記の鏡面体からなるランプリフレクターが提供される。 【0011】 【発明の実施の形態】1.ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物(1)ポリアリーレンスルフィド樹脂(A) 本発明で用いるポリアリーレンスルフィド樹脂(A)は、溶融粘度が100〜1,500ポイズであることが好ましい。溶融粘度が100ポイズ未満になると、強度的に弱く脆い材料となるため実用的でない場合がある。一方、1,500ポイズを越えると、流動性が低下し、鏡面が得にくくかつフローマーク等も出易くなるため、表面外観が悪くなる場合がある。溶融粘度は、より好ましくは300〜1,200ポイズであり、特に好ましくは500〜1,000ポイズである。尚、溶融粘度は、例えば、樹脂温度300℃、せん断速度200sec-1の測定条件で、キャピログラフ(東洋精機社製)により測定できる。 【0012】ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)は、構造式〔−Ar−S−〕(ただし、Arはアリーレン基、Sはイオウである)を基本とする重合体で、その代表的例は、下記一般式(1)で示される繰り返し単位を好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上含有する重合体である。当該繰り返し単位が70モル%未満だと、結晶性ポリマーとしての特徴である本来の結晶成分が少なく、機械的強度が不充分となる場合がある。 【0013】 【化1】
【0014】(式中、R1は炭素数6以下のアルキル基、アルコキシ基、フェニル基、カルボキシル基もしくはその金属塩、ニトロ基、及びフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子から選ばれる置換基であり、mは0〜4の整数である。nは平均重合度を示し、20〜100の範囲である。) 【0015】ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)は、単独重合体のほか共重合体も用いることができる。その共重合構成単位として、メタフェニレンスルフィド単位、オルソフェニレンスルフィド単位、p,p’−ジフェニレンケトンスルフィド単位、p,p’−ジフェニレンスルホンスルフィド単位、p,p’−ビフェニレンスルフィド単位、p,p’−ジフェニレンメチレンスルフィド単位、p,p’−ジフェニレンクメニルスルフィド単位、ナフチルスルフィド単位等が挙げられる。 【0016】溶融粘度が100〜1,500ポイズのポリアリーレンスルフィド樹脂(A)は、例えば、特開2000−186208号公報に記載の方法により製造できる。尚、ポリアリーレンスルフィド樹脂は、一般にその製法により、リニアタイプ、セミリニアタイプ、架橋タイプ等の分子構造を有するものが知られているが、本発明で用いるポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の分子構造は、特に制限されない。 【0017】(2)粒状無機充填剤(B) 本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物において、粒状無機充填剤(B)は、成形品の表面平滑性を発現するために使用される。本発明で用いる粒状無機充填剤(B)は、体積平均粒子径が4μm以下であることが好ましい。体積平均粒子径が4μmを超えると、成形品の表面平滑性を充分に確保することが困難となり、成形品に金属膜を形成した場合、得られる鏡面体の写像性が低下する場合がある。体積粒子径は、より好ましくは3.8μm以下であり、特に好ましくは3.5μm以下である。尚、体積平均粒子径は、例えば、レーザースキャン分析法を用いた粒径分布アナライザーCIS−1(GALAI社製)により測定できる。 【0018】粒状無機充填剤(B)の配合量は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100重量部当たり20〜250重量である。配合量が20重量部未満になると、材料強度、特に剛性が十分ではない。一方、250重量部を超えると、成形品の表面平滑性を充分に確保することが困難となり、成形品に金属膜を形成した場合、得られる鏡面体の写像性が低下する。粒状無機充填剤(B)の配合量は、好ましくは50〜200重量部であり、より好ましくは60〜150重量部である。 【0019】粒状無機充填剤(B)の種類は、特に制限されず、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物用として通常用いられるものはすべて使用できる。粒状無機充填剤(B)の例としては、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、燐酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、燐酸マグネシウム、タルク、マイカ、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、カオリン、ベントナイト、モンモリロナイト、クレー、グラファイト、カーボンブラック、ガラスビーズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、窒化珪素、ハイドロタルサイト、水酸化アルミニウム等が挙げられる。このうち、特に炭酸カルシウムが、品質が安定して容易に入手可能であるから好ましい。 【0020】(3)ウィスカー(C) 本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物において、ウィスカー(C)は成形品の剛性を高めるために使用される。本発明で用いるウィスカー(C)は、繊維径が7μm以下であることが好ましい。繊維径が7μmを超えると、成形品の表面平滑性を充分に確保することが困難となり、成形品に金属膜を形成した場合、得られる鏡面体の写像性が低下する場合がある。繊維径は、より好ましくは5μm以下であり、特に好ましくは2μm以下である。ここで、繊維径とは、繊維状物の長径及び短径のうち、短径の大きさを意味する。尚、繊維径は、例えば、顕微鏡法により測定できる。 【0021】ウィスカー(C)は、成形品に剛性が必要な場合に配合され、その配合量は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100重量部当たり0〜50重量部である。ただし、配合量が50重量部を超えると、成形品の表面平滑性を充分に確保することが困難となり、成形品に金属膜を形成した場合、得られる鏡面体の写像性が低下する。ウィスカー(C)の配合量は、好ましくは0〜40重量部であり、より好ましくは0〜35重量部である。 【0022】尚、粒状無機充填剤(B)及びウィスカー(C)の合計配合量はポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100重部当たり250重量部を超えないことが好ましい。250重量部を超えると、上記と同様の理由により写像性が低下する。 【0023】ウィスカー(C)の種類は、特に制限されない。ウィスカー(C)の例としては、チタン酸カリウムウイスカー、硼酸アルミニウムウイスカー、炭酸カルシウムウイスカー、珪酸カルシウムウイスカー(ワラストナイト)、珪酸カルシウムウイスカー(ゾノトライト)、炭化珪素ウイスカー、窒化珪素ウイスカー、酸化亜鉛ウイスカー、アルミナウイスカー、グラファイトウイスカー等が挙げられる。これらの中でも特に硼酸アルミニウムウイスカーがよい。 【0024】(4)ポリエチレンワックス(D) 本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物において、ポリエチレンワックス(D)は、鏡面を有する成形品を安定して成形するための離型剤として使用する。ポリエチレンワックス(D)の配合量は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100重量部当たり0.1〜5重量部である。配合量が0.1未満になると、成形品の離型性が悪くなり、成形品の表面に剥離痕が出たり、白化物が付着するため、表面外観を著しく損なう。また、成形品が金型に付着して成形サイクルが安定しない等の問題が生じる。一方、5重量部を超えると、表面にブリードして、表面外観を阻害する。即ち、ポリエチレンワックス(D)の配合量を0.1〜5重量部にすることにより、これらの問題が解消され、安定した連続成形が可能となる。ポリエチレンワックス(D)の配合量は、好ましくは0.3〜2重量部であり、より好ましくは0.5〜1.5重量部である。 【0025】ポリエチレンワックス(D)の種類は特に制限されないが、好ましくは酸化ポリエチレンワックスである。酸化ポリエチレンワックスは、耐熱性に優れ、相分離による白化現象も起こりにくいため、特に優れた離型剤である。また、酸化ポリエチレンワックスのうち、特に、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)が5,000〜8,000と大きいものは、揮発成分が少なく、高温条件(例えば、230℃、24時間)のヘイズ試験におけるヘイズ値が0.5%未満と著しく低くなる。酸化ポリエチレンワックスの重量平均分子量は、好ましくは2,000〜8,000であり、より好ましくは4,000〜6,000である。従って、これを用いた樹脂組成物から得られる成形品をランプリフレクターとして使用したときには、ランプ点灯時の高温状態(〜230℃)に曝されても、揮発成分によるレンズの曇りを生じない。尚、酸化ポリエチレンワックスとは、ポリエチレン主鎖上に、カルボキシル基等の極性基を有するポリエチレンワックスと定義される。また、酸化ポリエチレンワックスは、好ましくは酸価が3以上である。酸価が3未満になると、離型性が不十分になる場合がある。酸化ポリエチレンワックスの酸価は、より好ましくは10以上であり、特に好ましくは15以上である。ここで、酸価とは、ワックス1gを中和するために必要な水酸化カリウムのmg数を意味する。 【0026】(5)その他本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じてシランカップリング剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、可塑剤、導電性付与剤、着色剤、顔料等各種の添加剤をさらに配合してもよい。 【0027】2.ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法は特に制限されないが、例えば、上記ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)、粒状無機充填剤(B)、ウィスカー(C)及びポリエチレンワックス(D)を、リボンタンブラー、ヘンシェルミキサー、バンバリミキサー、ドラムタンブラー、単軸スクリュー押出機等により溶融混練する方法が挙げられる。この場合、混練温度は、通常300〜350℃が適当である。 【0028】3.成形品本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、射出成形、射出圧縮成形等の成形方法を用いて成形することができる。特に、射出成形で得られる成形品は、表面平滑性に優れており、高温に長時間(例えば、230℃、24時間)曝しても、外観不良となる表面白化及び/又はフローマーク等の表面外観の変化が少なく、かつ、揮発成分が少ないため、ヘイズが極めて小さい。また、このような成形品は、射出成形時の離型性に優れているため、表面に剥離痕がない。従って、鏡面性の高い状態で長時間安定して成形できる。 【0029】このような成形品は、例えば、表面にアルミニウム等の金属膜を形成することにより鏡面体とすることができ、フォグランプ、ヘッドランプ等の自動車用ランプリフレクター及び照明器具等の反射体(ダウンライトカバー)等として使用することができる。 【0030】 【実施例】実施例1〜11、比較例1〜5(1)成形品の製造表1〜4に示す配合割合で、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を、スーパーフロータ(振動式拡販混合機)を用いて均一に混合した後、二軸押出機(東芝機械製、TEM 35B)で300〜350℃で溶融混練し、ペレットを製造した。得られたペレットを50トン射出成形機(JSW製、J50E−P)に取付けた鏡面仕上げの平板(80×80×2mm)用金型で平板を成形した。尚、表1〜4中、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を構成する各成分の配合量の単位は重量部であり、PPSの溶融粘度、炭酸カルシウムの体積平均粒子経、ホウ酸アルミニウムウィスカーの繊維経及び酸化ポリエチレンワックスの重量平均分子量(Mw)は、上述した測定方法で測定した。 【0031】(2)成形品の評価得られた平板成形品について、剥離性、表面外観、写像性、曲げ弾性率及びヘイズを測定し、評価した。結果を表1〜4に示す。 (i)離型性:平板成形品が金型から離れる時の様子(成形品が金型に付着して突き出しピンで押したとき、反ったり、離型時に音がする)及び表面状態を以下の基準で目視により判定した。 ○:型離れがスムーズでかつ表面に剥離痕等の異常がない。 ×:型離れがスムーズでなく、表面に剥離痕が見られる。 (ii)表面外観:以下の基準で目視により判定した。 良:平板成形品の表面に白化、フローマークがない。 不良:平板成形品の表面に白化、フローマークがある。 (iii)写像性平板成形品の表面にアルミを真空蒸着(膜厚約100nm)し、写像性試験機(スガ試験機(株)製)で測定した。測定原理は、光源の反射像が反射板の反射性能によって拡散した像(鏡面反射像より大きなボンヤリした像)が見えるので、光学スリット(一定の格子縞のパターンで作成)を介して観測される受光量の大小(像が拡散すれば、格子で遮られる光量が大きい)で、鏡面との相対値(C値)を測定する。即ち、光源の入射角が45度になるように試験片をセットし、その反射角45度の方向に直角に光学スリット(光学くし巾1.0mm)をセットする。さらにその先に受光器をセットして、光学スリット上に光源の像を写し出し、スリットをセット方向に移動して、スリットを介して受光器に感知する最小の光量を最大反射率Mとし、最大の光量を最小反射率mとして、写像性(C値)を(M−m)/(M+m)×100(%)で表す。 (iv)曲げ弾性率:ASTM D790に則って測定した。 (v)ヘイズ:透明ガラス板の上蓋を乗せたビーカに平板成形品約10cm3を入れ、マントルヒータに装着して、230℃、24時間加熱し、ガラス板の曇りをJIS−K−7105に則ってヘイズ値(%)を測定した。 【0032】 【表1】
【0033】 【表2】
【0034】 【表3】
【0035】 【表4】
【0036】 【発明の効果】本発明によれば、優れた表面平滑性と鏡面性を有し、かつ安定した成形が出来るポリアリーレンスルフィド樹脂組成物及びそれを用いた成形体が提供できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000183657 【氏名又は名称】出光石油化学株式会社
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| 【出願日】 |
平成14年2月6日(2002.2.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100086759 【弁理士】 【氏名又は名称】渡辺 喜平
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| 【公開番号】 |
特開2003−226810(P2003−226810A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月15日(2003.8.15) |
| 【出願番号】 |
特願2002−29492(P2002−29492) |
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