| 【発明の名称】 |
ポリカーボネート系樹脂組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】河 野 真 理 【住所又は居所】栃木県真岡市鬼怒ケ丘2−2 日本ジーイープラスチックス株式会社内
【氏名】森 岡 正 隆 【住所又は居所】栃木県真岡市鬼怒ケ丘2−2 日本ジーイープラスチックス株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】従来廃棄されていたPC/ABS系アロイ樹脂成形体を有効利用し、かつ、従来のポリカーボネート系樹脂組成物と同等以上の成形加工性、耐衝撃性、寸法精度および難燃性などの物性、並びに同等以上の耐加水分解性を有する成形体を与えるポリカーボネート系樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】バージン材であるPC/ABS系アロイ樹脂に難燃剤とともに回収PC/ABS系アロイ樹脂を配合してなるポリカーボネート系樹脂組成物。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (A)(a)ポリカーボネート樹脂と(b)アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂、(B)難燃剤および(C)回収した(a)ポリカーボネート樹脂と(b)アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂を含有することを特徴とするポリカーボネート系樹脂組成物。 【請求項2】 上記(C)回収した(a)ポリカーボネート樹脂と(b)アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂が、市場から回収されたアロイ樹脂であり、市場で製品もしくは製品の一部として一定期間使用された(a)ポリカーボネート樹脂と(b)アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。 【請求項3】 上記ポリカーボネート系樹脂組成物が、さらにゴム状物質、繊維状フィラー、非繊維状フィラー、オレフィン系ポリマー、脂環式飽和炭化水素樹脂、高級脂肪酸エステル、テルペン類、ワックス類、石油炭化水素類、芳香族炭化水素系石油樹脂、ポリオキシアルキレン、フッ素系樹脂、帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のポリカーボネート系樹脂組成物からなる成形体。 【請求項5】 上記成形体が、家電、OA機器、電子電気部品、建材、日用品、玩具、ゲーム機器、雑貨類、自動車部品、パイプ類、通信機器、情報管理伝達部品からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項4に記載の成形体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ポリカーボネート系樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、廃棄されたポリカーボネート樹脂とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂成形体を回収して得られる、廃アロイ樹脂を有効に使用し得るポリカーボネート系樹脂組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】ポリカーボネート(以下、PCと略すことがある。)樹脂は、耐熱性、耐衝撃性などに優れていることから種々の用途に用いられているが、成形加工温度が高く、流動性が悪いこと、衝撃強度の厚み依存性が大きいことなどの欠点を有している。 【0003】そこで、PC樹脂にアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(以下、ABSと略すことがある。)系樹脂をブレンドし、これらの問題点を解決しようとする試みがなされている(特公昭38−15225号公報、特公昭48−12170号公報、特公昭57−21530号公報、特公昭58−46269号公報など)。 【0004】ところで、PC/ABS系アロイ樹脂は、成形加工性、耐衝撃性、寸法精度などに優れているが難燃性が不足しているので、難燃性向上のために種々の試みがなされている(特公昭54−30417号公報、特開昭61−62556号公報など)。なかでも、リン酸エステル系化合物を配合した樹脂組成物は難燃性に優れ、このようなPC/ABS系アロイ樹脂は、OA機器ハウジングなどに広く採用されている。 【0005】上記のようなPC/ABS系アロイ樹脂は、OA機器ハウジング製品などとして市場に出回った後、ある程度の耐久期間が過ぎると新製品との代替などに伴って、通常、廃棄されていた。成形時などに発生するスプルー、ランナーなどの成形端材やリサイクル可能な成形不良品などは、いわゆる工場内リサイクルとして処理されていたものの、全体の数量から見ると微々たる量である。廃棄物処理の点から、この使用済みPC/ABS系アロイ樹脂を市場から回収し、再使用すれば、資源の有効利用の観点より、その効果は大きい。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来廃棄されていたPC/ABS系アロイ樹脂を有効利用し、かつ、従来のポリカーボネート系樹脂組成物と同等以上の成形加工性、耐衝撃性、寸法精度および難燃性などの物性、並びに同等以上の耐加水分解性を有するポリカーボネート樹脂組成物を提供することを課題とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、このような回収PC/ABS系アロイ樹脂の用途を検討したところ、バージン材であるPC/ABS系アロイ樹脂に難燃剤とともに該回収PC/ABS系アロイ樹脂を配合してPC系樹脂組成物とすれば、従来のポリカーボネート系樹脂組成物と同等以上の物性、並びに耐加水分解性を有する成形体が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。 【0008】すなわち、本発明の第1の発明によれば、(A)(a)PC樹脂と(b)ABS系樹脂とからなるアロイ樹脂、(B)難燃剤および(C)回収した(a)PC樹脂と(b)ABS系樹脂とからなるアロイ樹脂を含有するポリカーボネート系樹脂組成物が提供される。また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、上記(C)回収した(a)PC樹脂と(b)ABS系樹脂とからなるアロイ樹脂が、市場から回収されたアロイ樹脂であり、市場で製品もしくは製品の一部として一定期間使用された(a)PC樹脂と(b)ABS系樹脂とからなるアロイ樹脂であるポリカーボネート系樹脂組成物が提供される。 【0009】また、本発明の第3の発明によれば、第1または第2の発明において、上記PC系樹脂組成物が、さらにゴム状物質、繊維状フィラー、非繊維状フィラー、オレフィン系ポリマー、脂環式飽和炭化水素樹脂、高級脂肪酸エステル、テルペン類、ワックス類、石油炭化水素類、芳香族炭化水素系石油樹脂、ポリオキシアルキレン、フッ素系樹脂、帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を含有するポリカーボネート系樹脂組成物が提供される。 【0010】また、本発明の第4の発明によれば、第1ないし第3のいずれかの発明におけるポリカーボネート系樹脂組成物からなる成形体が提供される。さらに、本発明の第5の発明によれば、第4の発明の成形体において、家電、OA機器、電子電気部品、建材、日用品、玩具、ゲーム機器、雑貨類、自動車部品、パイプ類、通信機器、情報管理伝達部品からなる群から選択される少なくとも1種である成形体が提供される。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係るポリカーボネート系樹脂組成物について、具体的に説明する。本発明のポリカーボネート系樹脂組成物は、(A)(a)PC樹脂と(b)ABS系樹脂とからなるアロイ樹脂、(B)難燃剤および(C)回収した(a)PC樹脂と(b)ABS系樹脂とからなるアロイ樹脂を含有する樹脂組成物を含有する樹脂組成物である。 【0012】また、本発明は別態様として、(i)(a)PC樹脂、(B)難燃剤および(C)回収した(a)PC樹脂と(b)ABS系樹脂とからなるアロイ樹脂を含有する樹脂組成物、(ii)(b)ABS系樹脂、(B)難燃剤および(C)回収した(a)PC樹脂と(b)ABS系樹脂とからなるアロイ樹脂を含有する樹脂組成物、(iii)(A)(a)PC樹脂と(b)ABS系樹脂とからなるアロイ樹脂、(B)難燃剤および回収したPC樹脂を含有する樹脂組成物、(iv)(A)(a)PC樹脂と(b)ABS系樹脂とからなるアロイ樹脂、(B)難燃剤および回収したABS系樹脂を含有する樹脂組成物をも含有する。 【0013】以下、各項目に分けて本発明を説明する。 [成分(a):ポリカーボネート樹脂]本発明で用いられる成分(a)のポリカーボネート樹脂は、公知のホスゲン法または溶融法により製造されるものであり(例えば、特開昭63−15763号公報および特開平2−124934号公報参照)公知のポリカーボネートが使用可能である。また、成分(a)として、共重合ポリカーボネートを用いることもできる。成分(a)は、上記のポリカーボネートを組み合わせて用いることもできる。さらに、用いるポリカーボネートの末端は、公知のいずれの末端封止剤で封止されてもよい。成分(a)として、脂肪族、芳香族および脂肪芳香族ポリカーボネートを用いることができるが、好ましくは芳香族ポリカーボネートが使用される。 【0014】本発明の成分(a)として使用できる共重合ポリカーボネートは、下記式(I)および下記式(II)で示される構成単位を有するものを挙げることができる。 【0015】 【化1】
【0016】 【化2】
【0017】(上記式中、R1 およびR2はそれぞれ独立して、ハロゲン原子または一価の炭化水素基であり、Bは −(R−)C(−R')− [ここで、RおよびR'はそれぞれ独立して水素原子または1価の炭化水素基である。]、−C(=R")−[ここでR"は2価の炭化水素基である。]、−O−、−S−、−SO−または−SO2 −であり、R3は炭素数1〜10の炭化水素基もしくはそのハロゲン化物またはハロゲン原子であり、p、qおよびrは、それぞれ独立して0〜4の整数である。) まず、上記式(I)で示される構成単位は、ジフェノール成分およびカーボネート成分よりなる。ジフェノール成分を導入するために使用できるジフェノールを下記式(III)に示す。 【0018】 【化3】
【0019】(上記式中、R1、R2、B、pおよびqは、上記と同義である。) 本発明において使用されるジフェノールとしては、例えば、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(いわゆる、ビスフェノールA)、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-1-メチルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-t-ブチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-ブロモフェニル)プロパンなどのビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;4,4'-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルフェニルエーテルなどのジヒドロキシアリールエーテル類;4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルフィドなどのジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4'- ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホキシドなどのジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'- ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホンなどのジヒドロキシジアリールスルホン類などが挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの化合物を1種または2種以上組み合わせて使用することもできる。これらのうちでは、特に、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンの使用が好ましい。 【0020】また、カーボネート成分を導入するための前駆物質としては、例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m-クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネートなどの炭酸ジエステル、およびホスゲンなどのハロゲン化カルボニル化合物などが挙げられる。また、これらの化合物を1種または2種以上組み合わせて使用することもできる。これらの中では、特に、ジフェニルカーボネートの使用が好ましい。 【0021】次に、上記式(II)で示される構造単位は、ジフェノール成分、レゾルシンおよび/または置換レゾルシン成分並びにカーボネート成分よりなる。ジフェノール成分の導入については、上記と同様のジフェノールを使用できる。またカーボネート成分としては、上記の炭酸ジエステルまたはホスゲンを使用できる。さらに、レゾルシンおよび/または置換レゾルシン成分を導入するためには、下記式(IV):【0022】 【化4】
【0023】(ここで、R3およびrは上記と同義である。)で示される化合物を1種または2種以上組み合わせて使用することができる。このような化合物としては、例えば、レゾルシン、および3-メチルレゾルシン、3-エチルレゾルシン、3-プロピルレゾルシン、3-ブチルレゾルシン、3-t-ブチルレゾルシン、3-フェニルレゾルシン、3-クミルレゾルシン、2,3,4,6-テトラフルオロレゾルシン、2,3,4,6-テトラブロモレゾルシンなどの置換レゾルシンなどが挙げられる。これらのうち、特に、レゾルシンの使用が好ましい。 【0024】共重合ポリカーボネートは、式(I)および式(II)で示される上記の2種の構成単位を次の割合で有している。すなわち、式(II)で示される構成単位の量が、式(I)および式(II)の合計量の2〜90モル%、好ましくは2〜40モル%である。式(II)の構成単位量が2モル%より少ないとガラス転移温度(Tg)の低下が不十分であるので、流動性の改良効果がみられない。また、90モル%より多いと従来のポリカーボネートと同等の優れた物性、例えば、機械的強度、耐熱性などが得られない。 【0025】共重合ポリカーボネートの重量平均分子量は、通常10,000〜100,000、好ましくは18,000〜40,000である。ここでいう重量平均分子量とは、ポリカーボネート用に補正されたポリスチレンを用いて、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)によって測定されたものである。(また、メチレンクロリド中、25℃で測定した固有粘度が、0.35〜0.65 dl/g であるものが好ましい。) 共重合ポリカーボネートは、公知のポリカーボネートの製造方法、例えば、ホスゲンを用いる界面重合法、溶融重合法などによって製造できる。特に溶融重合法は毒性物質であるホスゲンや塩化メチレンなどを用いないので、環境衛生上、好ましい。 【0026】溶融重合反応の際の温度、圧力などの条件は任意であり、公知の慣用の条件を用いることができる。具体的には、好ましくは 80〜250 ℃、より好ましくは 100〜230 ℃、特に好ましくは 120〜190 ℃の温度で、好ましくは0〜5時間、より好ましくは0〜4時間、特に好ましくは0〜3時間、常圧下で、ジフェノールおよび上記式(IV)で示される化合物と炭酸ジエステルとを反応させる。次いで、反応系を減圧にしながら反応温度を高めて反応を行い、最終的には5mmHg以下、より好ましくは1mmHg以下の減圧下、 240〜320 ℃の温度で、ジフェノールおよび上記式(IV)で示される化合物と、炭酸ジエステルとの反応を行うことが好ましい。 【0027】上記のような重縮合反応は、連続式で行ってもよく、バッチ式で行ってもよい。また、上記反応を行う際に使用する反応装置は、槽型であっても、管型であっても、また、塔型であってもよい。また、この溶融重合法によれば、得られる共重合ポリカーボネートにおける構造単位(II)が(I)および(II)の合計の90モル%を超えるような割合で、すなわちレゾルシンおよび/または置換レゾルシンを、ジフェノール100モルに対して、90モルを超えるような量で使用しても、他の方法、例えば、界面重合法などに比べて、色相、耐水性、耐熱性の優れた共重合ポリカーボネートが得られる。 【0028】また、共重合ポリカーボネートは、その末端がフェノールであっても十分な耐衝撃強度を有するが、p-tert-ブチルフェノール、イソノニルフェノール、イソオクチルフェノール、m-またはp-クミルフェノール(好ましくは、p-クミルフェノール)、クロマニル化合物、例えば、クロマンのような、より嵩高い末端基を導入すると、より低温衝撃性の優れた共重合ポリカーボネートを得ることができる。 【0029】成分(a)がポリカーボネートおよび共重合ポリカーボネートの2種以上を含む場合には、各ポリカーボネートの配合比率は任意である。 [成分(b):アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂]本発明で用いられる成分(b)のABS系樹脂とは、(1)ゴム質重合体、(2)芳香族ビニル単量体成分および(3)シアン化ビニル単量体成分を含む共重合体である。 【0030】本発明で使用される(1)ゴム質重合体としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンのランダム共重合体およびブロック共重合体、該ブロック共重合体の水素添加物、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ブタジエン−イソプレン共重合体などのジエン系ゴム、エチレン−プロピレンのランダム共重合体およびブロック共重合体、エチレン−ブテンのランダム共重合体およびブロック共重合体、エチレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレン−メチルメタクリレート、エチレン−ブチルアクリレートなどのエチレンと不飽和カルボン酸エステルとの共重合体、エチレン−酢酸ビニルなどのエチレンと脂肪酸ビニルとの共重合体、エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン−プロピレン−ヘキサジエン共重合体などのエチレン−プロピレン−非共役ジエンターポリマー、ブチレン−イソプレン共重合体などが挙げられ、これらを1種または2種以上で使用する。好ましいゴム質重合体は、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエンターポリマーおよびジエン系ゴムであり、特に好ましくは、ポリブタジエンおよびスチレン−ブタジエン共重合体であり、このスチレン−ブタジエン共重合体中のスチレン含有率は、50重量%以下であることが好ましい。 【0031】(2)芳香族ビニル単量体成分としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o-,m-もしくは p-メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノブロモスチレン、ジブロモスチレン、フルオロスチレン、p-tert-ブチルスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレンなどを挙げることができ、これらを1種または2種以上使用する。好ましくは、スチレン、α−メチルスチレンである。 【0032】(3)シアン化ビニル単量体成分としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリルなどを挙げることができ、これらを1種または2種以上使用する。本発明における成分(b)のABS系樹脂には、上記の成分(1)、(2)および(3)の他に、これらの成分と共重合可能な単量体(4)を本発明の目的を損なわない範囲で使用することができる。そのような共重合可能な単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸などのα,β−不飽和カルボン酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレートなどのα,β−不飽和カルボン酸エステル類;無水マレイン酸、無水イタコン酸などのα,β−不飽和ジカルボン酸無水物類;マレイミド、N-メチルマレイミド、N-エチルマレイミド、N-フェニルマレイミド、N-o-クロロフェニルマレイミドなどのα,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物類などを挙げることができ、これらの単量体は、1種または2種以上で使用される。 【0033】成分(b)のABS系樹脂において、各成分(1)、(2)および(3)の組成比は特に制限はなく、用途に応じて各成分が配合される。また、ABS系樹脂としては、(1)ゴム質重合体の存在下にその他の成分がグラフト共重合したグラフト共重合体、または、このグラフト共重合体と、(2)芳香族ビニル単量体および(3)シアン化ビニル単量体との共重合生成物とのブレンドなどが好ましく、さらに好ましくは、ABS樹脂、AES樹脂であり、特に好ましくは、ABS樹脂である。 【0034】成分(b)のABS系樹脂の製造法に関しては、特に制限はなく、塊状重合、溶液重合、塊状懸濁重合、懸濁重合、乳化重合など通常公知の方法が用いられる。また、別々に共重合した樹脂をブレンドすることによって成分(b)のABS系樹脂を得ることも可能である。 [成分(A):(a)ポリカーボネート樹脂と(b)アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂]本発明で用いられる成分(A)の上記(a)PC樹脂および上記(b)ABS系樹脂からなるアロイ樹脂は、通常、PC樹脂を30〜90重量%、好ましくは50〜90重量%、ABS系樹脂を10〜70重量%、好ましくは10〜50重量%含有するアロイ樹脂である。 【0035】成分(A)の市販されているものの具体例としては、例えば、サイコロイ(商標、日本ジーイープラスチックス(株))が挙げられる。 [樹脂の混合割合]本発明に係るポリカーボネート樹脂系組成物中における、樹脂の混合割合は、樹脂として成分(A)の(a)PC樹脂と(b)ABS系樹脂とからなるアロイ樹脂および成分(C)の回収した(a)PC樹脂と(b)ABS系樹脂とからなるアロイ樹脂の混合物を用いる場合、通常、成分(A)を50〜95重量%、好ましくは60〜90重量%、成分(C)を5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%とする。成分(A)と成分(C)とが、上記の範囲内であれば、バージン材だけを使用した配合でできる成形体と同等以上の物性、並びに同等以上の耐加水分解性を有するので好ましい。 【0036】[成分(B):難燃剤]本発明で用いられる成分(B)の難燃剤としては、リン系、シリコーン系または金属塩系難燃剤などが挙げられる。リン系難燃剤としては、公知のリン酸エステル化合物を使用することができ、例えば、下記式(c-1)で表されるリン酸エステル化合物が好適に使用できる。 【0037】 【化5】
【0038】(上記式中、Q1、Q2、Q3、Q4は、独立して炭素数1から6のアルキル基を表し、m1、m2、m3、m4は、独立して0から3の整数を表す。n2は、0から3の整数を示し、Zは芳香環を含む基を表す。) 上記式のリン酸エステル化合物の中でも、n2が、1から3の整数で、かつ、式(c-1)中のZが、下記式(c-2)〜(c-4)に示すものであることが好ましい。 【0039】 【化6】
【0040】(上記式中、R4はメチル基を、n3は0から2の整数を表す。R5、R6はメチル基を、R7、R8は独立にメチル基または水素を表す。n4、n5は独立に0から2の整数を表す。R9、R10はメチル基を表す。) また、リン酸エステル化合物(c-1)中のn2が0で、Q1、Q2、Q4により表される置換基の炭素原子の合計数が12から27であり、m1、m2、m4が独立に1から3の整数であるリン酸エステル化合物も好ましい。このリン酸エステル化合物の具体例としては、トリフェニルフォスフェート、トリスノニルフェニルフォスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルフォスフェート)、レゾルシノールビス[ジ(2,6-ジメチルフェニル)フォスフェート]、2,2-ビス{4-[ビス(フェノキシ)ホスホリルオキシ]フェニル}プロパン、2,2-ビス{4-[ビス(メチルフェノキシ)ホスホリルオキシ]フェニル}プロパンなどが挙げられるがこれらに制限されない。 【0041】さらに、上記以外のリン系難燃剤としては、例えば、トリメチルフォスフェート、トリエチルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、トリオクチルフォスフェート、トリブトキシエチルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、オクチルジフェニルフォスフェート、ジイソプロピルフェニルフォスフェートなどのリン酸エステル系難燃剤、ジフェニル−4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラブロモベンジルフォスフォネート、ジメチル−4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモベンジルフォスフォネート、ジフェニル−4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモベンジルフォスフォネート、トリス(クロロエチル)フォスフェート、トリス(ジクロロプロピル)フォスフェート、トリス(クロロプロピル)フォスフェート、ビス(2、3−ジブロモプロピル)−2、3−ジクロロプロピルフォスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)フォスフェートおよびビス(クロロプロピル)モノオクチルフォスフェート、ハイドロキノニルジフェニルフォスフェート、フェニルノニルフェニルハイドロキノニルホスフェート、フェニルジノニルフェニルフォスフェート、テトラフェニルレゾルシノールジフォスフェート、テトラクレジルビスフェノールAジフォスフェート、トリス(ノニルフェニル)フォスフェートなどの含ハロゲンリン酸(またはフォスホン酸)エステル系難燃剤;ポリリン酸塩;赤リンなどを使用することもできる。 【0042】これらは、2種以上混合して使用してもよい。シリコーン系難燃剤としては、以下に示す4つのシロキサン単位(M単位、D単位、T単位、Q単位)の少なくともいずれかが重合してなるポリマーが使用される。 【0043】 【化7】
【0044】上記のRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基などのアルキル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基などのアルケニル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフタレン基などのアリール基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などのシクロアルキル基またはこれらの基の炭素原子に結合した水素原子をハロゲン原子、シアノ基、アミノ基などで置換した基、例えば、クロロメチル基、3,3,3‐トリフルオロプロピル基、シアノメチル基、γ-アミノプロピル基、N-(β-アミノエチル)−γ-アミノプロピル基などが例示され、合成と入手のしやすさ、安全性の観点で、メチル基、エチル基、フェニル基が好ましい。 【0045】特に、Rとしてアリール基(フェニル基)を含有していると、難燃効果を向上させることができる。また、Rとしてアルコキシ基を含んでいてもよく、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が好ましく用いられる。このようなシリコーン系難燃剤の重量平均分子量は、300〜6000、好ましくは300〜4000、さらに好ましくは300〜2500の範囲にあることが望ましい。分子量が低すぎると、樹脂組成物に混合した後、オルガノシロキサンが成形体表面にブリードしやすいため、難燃効果が低下してしまうことがある。一方、分子量が高すぎると、オルガノシロキサンの樹脂中における分散性が悪くなったり、動きにくくなるため、難燃効果が低下したりすることがある。また、オルガノシロキサンの分子量が高すぎると、ポリカーボネート系樹脂に配合する場合、ポリカーボネート系樹脂の透明性が落ちることがある。 【0046】本発明で使用されるアルコキシ基含有オルガノシロキサンは、実質的にシラノール基(SiOH)を含んでいないことが望ましい。金属塩系難燃剤としては、下記式(V)で表されるパーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ(土類)金属塩が使用される。 (CnF2n+1−SO3)m―M (V)(式中、nは1〜10の整数を示し、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を示し、mはMの価数と同じ整数を示す。)で表される塩を意味する。 【0047】パーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ(土類)金属塩は、1種単独で使用しても、2種以上併用してもよい。このようなパーフルオロアルカンスルホン酸の具体例としては、パーフルオロメタンスルホン酸、パーフルオロエタンスルホン酸、パーフルオロプロパンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸、パーフルオロメチルブタンスルホン酸、パーフルオロヘキサンスルホン酸、パーフルオロヘプタンスルホン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸などが挙げられ、特に炭素数[式(V)中のnの数]が1〜8のものが好ましい。 【0048】また、上記式(V)においてMで示されるアルカリ金属またはアルカリ土類金の具体例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムなど(以上アルカリ金属)や、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなど(以上アルカリ土類金属)が挙げられ、特にカリウムが好ましい。上記の難燃剤は、2種以上組み合わせて使用してもよい。 【0049】また、成分(B)の難燃剤の含有量は、成分(A)のアロイ樹脂と成分(C)の回収アロイ樹脂の合計100重量部に対し、0.1〜50重量部、好ましくは0.1〜30重量部含まれていることが望ましい。特に、リン系難燃剤の場合は3〜50重量部、好ましくは5〜30重量部含まれていることが望ましい。[その他添加剤]また、本発明に係るポリカーボネート系樹脂組成物は、ドリップ防止剤を含んでいてもよい。このドリップ防止剤とは、燃焼の際に、ドリップ(滴下)を抑制する働きのある添加剤であり、公知のものが使用できる。ドリップ防止剤は、成分(A)のアロイ樹脂と成分(C)の回収アロイ樹脂の合計100重量部に対し、0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部の範囲で添加される。 【0050】本発明では、特に、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと略すことがある。)などに代表されるポリカーボネート系樹脂中でフィブリル構造を形成するものがドリップの抑制効果が高いので好適である。このようなドリップ防止剤が含まれる樹脂組成物は、特に難燃性に優れる。また、ポリテトラフルオロエチレンの中でも、分散性に優れたもの、例えば、水などの溶液にPTFEを乳化分散させたもの、またポリカーボネートやスチレン−アクリロニトリル共重合体に代表される樹脂でPTFEをカプセル化処理したものは、ポリカーボネート組成物からなる成形体に、良好な表面外観を与えるので好ましい。 【0051】水などの溶液にPTFEを乳化分散させたものの場合、特に制限はないが、PTFEが1ミクロン以下の平均粒子径であるものが好ましく、特に0.5ミクロン以下であることが好ましい。このようなPTFEとして、市販されているものの具体例としては、テフロン(R)30J(商標、三井デュポンフルオロケミカル(株))、ポリフロン D−2C(商標、ダイキン化学工業(株))、アフロン AD1(商標、旭硝子(株))などが挙げられる。 【0052】また、このようなポリテトラフルオロエチレンは、公知の方法によって製造することもできる(米国特許第2393967号明細書参照)。具体的には、ペルオキシ二硫酸ナトリウム、カリウムまたはアンモニウムなどの遊離基触媒を使用して、水性の溶媒中において、100〜1000psiの圧力下で、0〜200℃好ましくは20〜100℃の温度条件のもと、テトラフルオロエチレンを重合させることによって、ポリテトラフルオロエチレンを白色の固体として得ることができる。 【0053】このようなポリテトラフルオロエチレンは、分子量が10万以上、好ましくは20万〜300万程度のものが望ましい。ポリテトラフルオロエチレンが配合された樹脂組成物は、燃焼時のドリップが抑制される。さらに、ポリテトラフルオロエチレンとシリコーン樹脂とを併用すると、ポリテトラフルオロエチレンのみを添加したときに比べて、さらにドリップを抑制し、しかも燃焼時間を短くすることができる。 【0054】本発明に係るポリカーボネート系樹脂組成物は、さらに、ゴム状物質、繊維状フィラー、非繊維状フィラー、オレフィン系ポリマー、脂環式飽和炭化水素樹脂、高級脂肪酸エステル、テルペン類、ワックス類、石油炭化水素類、芳香族炭化水素系石油樹脂、ポリオキシアルキレン、フッ素系樹脂、帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を含んでいてもよい。 ゴム状物質ゴム状物質としては、ガラス転移温度が−100℃以上かつ50℃以下の重合体、または該重合体が共重合されてなる共重合体、イソプレン系、ブタジエン系、オレフィン系、ポリエステルエラストマー系、アクリル系重合体などが挙げられる。これらはホモポリマーを用いてもよいが、必要に応じて共重合体として用いることもできる。 【0055】これらのうち、広汎に用いられるものとしては、ブタジエン系、オレフィン系共重合体が挙げられる。ブタジエン系共重合体としては、スチレンとの共重合体であるスチレン-ブタジエンブロック共重合体、あるいはその水添物が使用される。さらには、酸成分との3元系共重合体も有用であり、具体的には、アクリル酸-ブタジエン-スチレン共重合体、カルボン酸/カルボン酸無水物含有酸化合物-ブタジエン-スチレン共重合体などが挙げられる。 【0056】オレフィン系ゴム状物質は、エチレン系、プロピレン系重合体を用いるのが一般的であるが両者を組み合わせたエチレン-プロピレン共重合体も使用できる。またブタジエン系ゴム状物質と同様にさらに酸成分で変性されたオレフィン系ゴム状物質も有用であり、さらに、エポキシ基含有オレフィン系ゴム状物質を使用してもよい。 繊維状フィラー繊維状フィラーは、本発明に係る成形体の強化目的の度合いにもよるが、いわゆるアスペクト比で2〜100のものを用いることが好ましい。具体的には、ガラス繊維、中空ガラス繊維、カーボン繊維、中空カーボン繊維、酸化チタンウィスカー、繊維状ワラストナイトなどが挙げられる。 非繊維状フィラー非繊維状フィラーは、強度と寸法安定性との改良が同時に得られることから、幅広く用いられる添加剤である。形状的には、板状、粒状、無定形とさまざまである。具体例としては、タルク、マイカ、クレー、シリカ、ガラスフレーク、ガラスビーズ、中空フィラーなどが挙げられる。フィラーは、単体で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。 オレフィン系ポリマーオレフィン系ポリマーは、耐薬品性や成形時の離型性を改良する際に有用である。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンのようにホモポリマーを単体で使用してもよいし、目的に応じて組み合わせて使用してもよい。また、製法により高密度型、低密度型や鎖状型、枝分かれ型などがあるがいずれも使用することができる。また、他の化合物との共重合体として使用することもできる。例えば、マレイン酸やクエン酸、またはその酸無水物のようなカルボン酸基含有化合物、アクリル酸エステルのようなアクリル酸基を含む酸化合物との共重合体なども有用に使用できる。 脂環式飽和炭化水素樹脂脂環式飽和炭化水素樹脂は、芳香族炭化水素樹脂の水添物であり、該芳香族炭化水素樹脂としては、C9炭化水素樹脂、C5/C9炭化水素樹脂、インデン−クマロン樹脂、ビニル芳香族樹脂、テルペン−ビニル芳香族樹脂などが挙げられる。水添化率は高いほどよいが、少なくとも30%以上が望ましい。芳香族成分が多いと他の物性が損なわれるので好ましくない。 テルペン類テルペン類としてはα-ピネン、β-ピネン、ジペンテン類を原料とするテルペン類が使用される。芳香族炭化水素(フェノール、ビスフェノールAなど)で変性されたものや水添されたテルペンなども有用に使用できる。 ワックス類ワックス類としてはオレフィン系ワックス、モンタンワックスなどが一般的に使用されるが、中でも低分子量ポリエチレンなどは、広汎に用いられる。 石油炭化水素類石油炭化水素類としては、液状石油留分が好適に使用される。 芳香族炭化水素系石油樹脂芳香族炭化水素系石油樹脂としては、C9炭素類に代表される芳香族炭化水素留分重合物が使用される。 ポリオキシアルキレンポリオキシアルキレンとしては、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールなどポリアルキレングリコールが一般的に用いられる。 フッ素系樹脂フッ素系樹脂としては、いわゆるテフロン(R)と呼ばれるポリテトラフルオロエチレンが使用される。 帯電防止剤帯電防止剤は、一般に、成形体表面に吸湿性を持たせることでその効果を発揮させるという作用を有するものであり、樹脂組成物中に添加剤的に用いる場合と、塗布などの二次加工により帯電防止性を付与する方法とがある。添加剤的に使用されるものとしては、上記のポリアルキレングリコールやスルホン酸基含有化合物など水分子の吸着を促すようなものが用いられる。 紫外線吸収剤紫外線吸収剤としては、ヒンダードアミン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、エポキシ系紫外線吸収剤などが挙げられる。一種のみの使用でもよいが、組み合わせて用いると、さらに効果が期待できる。 【0057】これら、その他添加剤の添加量は、特に制限されるものではないが、例えば、成分(A)のアロイ樹脂と成分(C)の回収アロイ樹脂の合計100重量部に対し、0.01〜70重量部、好ましくは0.1〜50重量部含まれていることが望ましい。 [ポリカーボネート系樹脂組成物の製造]本発明のポリカーボネート系樹脂組成物を製造するための方法に、特に制限はなく、公知の方法が使用可能であり、通常、溶融混合法が好適に採用される。少量の溶剤の使用も可能であるが、一般に必要はない。装置としては、特に押出機、バンバリーミキサー、ローラー、ニーダーなどを例として挙げることができる。これらの装置を回分的または連続的に運転することができる。また、成分の混合順序は特に限定されない。 【0058】例えば、押出機などで溶融混練する場合、各成分をすべて配合して混練してもよいし、一つの押出機において複数のフィード口を設け、シリンダーに沿って1種以上の各成分を順次フィードしてもよい。溶融混練により得られた樹脂組成物は、そのまま直ちに本発明による成形体の製造に使用してもよく、あるいは冷却固化してペレット、粉末などの形態にした後、必要に応じて添加剤を添加し、再度溶融してもよい。 【0059】[成形体]本発明のポリカーボネート系樹脂組成物は、従来のポリカーボネート系樹脂組成物に対して適用されてきた成形法が、特に制限なく適用可能である。成形法としては、射出成形、押出成形、真空・圧空成形などの公知の成形法が採用できる。 【0060】このような本発明に係るポリカーボネート系樹脂組成物からなる成形体は、家電、OA機器、電気電子部品、建材、日用品、玩具、ゲーム機器、雑貨類、自動車部品、パイプ類、通信機器、情報管理伝達部品からなる群から選択される1種以上の成形体として、特に好適である。家電、OA機器、電気電子部品としては、テレビハウジング、テレビシャーシー、デフレションヨーク、他のテレビ部品、ACアダプター、電源ボックス、エアコン部品、オーディオ部品、照明カバー、モニターハウジング、モニターシャーシー、ノート型PCハウジング、ノート型PCバッテリー、液晶プロジェクターハウジング、PDAハウジング、アンテナカバー、プリンターハウジング、プリンターシャーシー、トナーカートリッジ、インクタンク、給紙用トレイ、スキャナーハウジング、スキャナーフレーム、携帯電話ハウジング、携帯電話バッテリーなどが挙げられる。 【0061】建材、日用品、玩具、ゲーム機器、雑貨類としては、浴槽部材、シャワーヘッド、ポンプハウジング、空気清浄機部品、サイジング、台所用品、パイプ類、雨樋、遮音壁、窓枠、サッシ、信号機部品、パチンコ部品、おもちゃ類、TVゲーム機器、スポーツ用品、公園遊具、釣具、パイプ類、食品容器、化粧品容器、機械カバーなどが挙げられる。 【0062】情報通信機器、通信部材類としては、ターミナルアダプター、ルーター、モデム、ケーブルガイド、デジタルカメラ周辺部品、フラッシュメモリーカード部品などが挙げられる。また、自動車部品としては、インストルメントパネル、センタークラスター、メータークラスター、グローブボックス、エアバッグ、デフロスターガーニッシュ、エアーダクト、ヒーターコントロール、ステアリングコラムカバー、ニーボルスター、エアーデフロスター、ドアトリム、サンシェード、リアパーセルシェルフ、ピラーカバー、ピラーインパクトアブソーバー、ボンネットエアースコープ、ラジエターグリル、ヘッドランプ部品、シグナルランプ部品、フォグランプ部品、バンパー、ヘッドランプフィニッシャー、ライセンスプレートフィニッシャー、フェンダー、ドアハンドル、ドアミラー、ドアパネル、リアクオーターパネル、リアコンビネーションランプ部品、テールゲートパネル、ラゲッジルームトリム、ホイールカバー、サイドリアカバー、センターキャップ、スポイラー、リアフィニッシャーなどが挙げられる。 【0063】 【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。本発明の実施例および比較例には、各成分として、以下のものを使用した。 成分(A):PC/ABSアロイ樹脂成分(a):ポリカーボネート樹脂として、ビスフェノールAから製造された日本ジーイープラスチックス(株)社製のポリカーボネート1(極限粘度:0.56、極限粘度は、オストワールド粘度計を用い塩化メチレンを溶媒として25℃で測定された値)とポリカーボネート2(極限粘度:0.41、極限粘度は20℃で測定された値)との25:75の割合の混合物を用いた。 【0064】成分(b):アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂として、日本A&L社製のABS樹脂(商標:SANTAC AT07)を使用した。 成分(B):難燃剤1難燃剤として、大八化学工業(株)社製のビスフェノールAビスフォスフェート(商標:CR741)を使用した。 【0065】成分(B‘):難燃剤2回収剤組成の難燃剤として、大八化学工業(株)社製のレゾシノールダイフォスフェート(商標:CR733−S)を使用した。 成分(C):回収PC/ABSアロイ樹脂PC/ABSアロイ樹脂製である複写機カバーを回収し、金属部品を取り除き、粉砕機を用いて5mm程度の大きさまで粉砕した。独自の洗浄過程の後、金属検知器を通し、混入している金属の除去を行って各実施例および比較例に用いた。 【0066】成分(D):安定剤旭電化社製のトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト(商標:ADK STAB 2112)と、オクタデシル−3(3',5’−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシルフェニル)プロピオネート(商標:ADK STAB A0−50)とを1:1の割合で混合したものを使用した。 【0067】成分(E):ドリップ防止剤として上海/サンケミカル(株)社製のポリテトラフルオロエチレン(商標:PTEF FR301B)を使用した。 成分(F):離型剤として日本油脂(株)社製の Pentaerythritol tetrastearate(商標:ユニスター F538)を使用した。 【0068】 【実施例1〜3、比較例1】表1に示す量の各成分を、二軸押出混練機(スクリュー径50mm)を用いて、バレル設定温度260℃にて溶融混練し、ペレット(3mm×3mm)を作成した。得られたペレットから射出成形により各種試験片を作成し、以下の評価を行った。 【0069】アイゾッド衝撃強度:ASTM D256に従い、厚み3.2mm、ノッチ付で行った。 熱変形温度:ASTM D648に従い、18.6Kg/cm2荷重で測定を行った。 メルトフローインデックス:ASTM D1238に従い測定を行った。測定はシリンダー温度260℃、2.16kg荷重にて行った。 難燃性:アンダーライターズラボラトリーズインコーポレーションの“材料分類のための燃焼試験”(UL94)に示される試験方法に従って測定した。厚み1.6mmの試験片を用いて5回測定を行った。1個の試験片について、10秒の接炎の後に燃焼時間を計測するという操作を2回繰り返した。難燃性の結果をUL94に規定されている方法で、V−0,V−1,V−2,HBに分類した。 【0070】結果を表1にあわせて示す。 【0071】 【表1】
【0072】 【実施例4〜5、比較例2〜3】表2に示す量の各成分を、二軸押出混練機(スクリュー径50mm)を用いて、バレル設定温度260℃にて溶融混練し、ペレット(3mm×3mm)を作成した。得られたペレットを用いて、以下の評価を行った。なお、比較例2では、回収したPC/ABSアロイ樹脂のみを用いて評価を行い、比較例3では、回収したPC/ABSアロイ樹脂を使用せず、そのバージン材のPC樹脂/ABS系樹脂の組成比となるように調製した樹脂組成物を用いて評価を行った。 耐加水分解性表2に示した組成の各ペレットを、温度85℃、相対湿度95%に保たれたオーブン中に投入し、該オーブン投入直前、1週間後および2週間後のメルトフローインデックス(MI)を測定し、耐加水分解性の評価を行った。 【0073】時間の経過に伴ってMI値の変化の少ない樹脂組成物が耐加水分解性を有する樹脂組成物である。表2中に、MI測定値とともにMI増加率をオーブン投入直前のMI値をベースとして%増加率にて表示した。また、表2中、測定不能と表記したものは、下記MI測定条件において、MI値が大きすぎ測定不能であったことを示す。すなわち、加水分解が進みすぎた樹脂組成物であることを示す。 【0074】なお、MIは、ASTM D1238 に準拠して、シリンダー温度260℃、2.16kg荷重にて測定を行った。結果を表2にあわせて示す。 【0075】 【表2】
【0076】 【発明の効果】本発明によれば、使用済みPC/ABS系アロイ樹脂成形体を市場から回収し、再使用するので資源の有効利用の観点より、その効果は大きい。また、本発明の樹脂組成物から得られる成形体は、バージン材を使用して製造したものと同等以上の物性(アイゾッド衝撃強度、熱変形温度、難燃性、成形加工性バランス)、並びに同等以上の耐加水分解性を有する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390000103 【氏名又は名称】日本ジーイープラスチックス株式会社 【住所又は居所】東京都中央区日本橋浜町2丁目35番4号
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| 【出願日】 |
平成14年3月18日(2002.3.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081994 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴木 俊一郎 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−160724(P2003−160724A) |
| 【公開日】 |
平成15年6月6日(2003.6.6) |
| 【出願番号】 |
特願2002−74165(P2002−74165) |
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