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【発明の名称】 二軸配向ポリエステルフィルム
【発明者】 【氏名】町田 哲也
【住所又は居所】滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株式会社滋賀事業場内

【氏名】前川 茂俊
【住所又は居所】滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株式会社滋賀事業場内

【氏名】東大路 卓司
【住所又は居所】滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株式会社滋賀事業場内

【氏名】恒川 哲也
【住所又は居所】滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株式会社滋賀事業場内

【要約】 【課題】機械強度、走行性、熱寸法安定性に優れたフィルムを提供する。特に、データバックアップ用高密度磁気記録テープの薄膜化に伴う要求特性を満足させ得るフィルムを提供する。

【解決手段】銅化合物粒子が分散されたポリエステルからなる二軸配向フィルムであって、その銅化合物粒子の主たる成分が酸化銅である。また、フィルム中に存在する銅化合物粒子の3μm以上の粗大凝集物が30個/cm2以下であること、また、銅化合物粒子中の塩素含有量が0.1重量%以下であることが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 銅化合物粒子が分散されたポリエステルからなる二軸配向フィルムであって、銅化合物粒子の主たる成分が酸化銅であることを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項2】 フィルム中に存在する銅化合物粒子の3μm以上の粗大凝集物が30個/cm2以下であることを特徴とする請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項3】 銅化合物粒子中の塩素含有量が0.1重量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項4】 酸化銅の主たる成分が酸化銅(II)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項5】 銅化合物粒子の含有量が0.001〜10重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項6】 フィルム中の銅化合物粒子の平均粒径が0.001〜1μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項7】 フィルム中のボイドの面積比率が0〜5%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項8】 フィルムの面配向係数が0.12〜0.28であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項9】 ポリエステル樹脂がエチレンテレフタレートを主たる成分とする樹脂であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項10】 フィルムの長手方向および幅方向のヤング率の合計が12〜35GPaであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項11】 フィルムの長手方向の150℃における熱収縮率が0〜1.0%であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項12】 動的粘弾性測定における200℃の貯蔵弾性率が0.6〜1.5GPaであることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は二軸配向ポリエステルフィルムに関する。例えば、磁気記録媒体用、コンデンサ用、包装用、インクリボン用、回路基板の絶縁材料用などの各種工業材料用のフィルムとして非常に適したフィルムに関するものであり、特に、機械特性、寸法安定性が要求されるデータバックアップ用磁気記録媒体の基材として有用な二軸配向ポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体用途においては、ビデオテープやデータテープのベース材としてポリエステルに代表される熱可塑性樹脂のフィルムが広く用いられている。近年、ビデオテープやデータテープの記憶容量を大きくするため、面記録密度を大きくしたり、テープの厚みを薄くして体積当たりの記録面積を大きくとるなどの工夫がされている。
【0003】しかしながら、フィルムを薄膜化すると、機械的強度が不十分となり、フィルムの腰の強さがなくなったり、伸びやすくなるため、磁気記録媒体用途では、トラックずれやヘッドタッチの悪化により電磁変換特性が低下したり、端部摩耗などのテープダメージを受けやすくなるという問題が生じる。
【0004】また、フィルムを薄膜化すると、熱転写リボン用途においては、印字する際のリボンの平坦性が保たれず印字むらや過転写が発生し、さらに、コンデンサ用では絶縁破壊電圧が低下するといった問題が生じる。さらに、包装用途においては、機械強度が不十分であると保存、取扱中に破損して内容物がこぼれてしまうといった問題が生ずることがある。
【0005】このように、フィルムを薄膜化しようとする指向の中では、ヤング率に代表されるような引張特性、曲げ強さなどの機械特性を向上させることに大きな期待が寄せられている。
【0006】そのため、従来から種々の方法でフィルムの高強度化が検討されてきた。例えば、ポリエステルは延伸により高弾性フィルムとなるため、フィルムの高強度化の手法として、特公昭42−9270号公報、特公昭43−3040号公報、特公昭46−1119号公報、特公昭46−1120号公報などでは、縦横二方向に延伸したフィルムを再度縦方向に延伸し、縦方向を高強度化する、いわゆる再縦延伸法が提唱されている。しかし、これらの技術のみによるフィルムは、最近の各用途におけるフィルムの薄膜化の要求に応えられるだけの十分な強度を有していなかった。
【0007】また、粒子を含有させて繊維や樹脂成形品を高強力化させる方法が検討され、粒径が100nm以下の金属酸化物の微粒子を繊維中に含有させたもの(特許文献1)、ポリエステル系樹脂中にグリコール類が配位した金属錯体を重合添加し、金属単体への還元により、パラジウム等の金属微粒子をポリマー中に微分散させたもの(特許文献2)などが提唱されている。しかし、これらの技術をフィルムに適用することまでは検討されていない。
【0008】また、二軸配向ポリエステルフィルム中に粒子を含有させる方法が検討され、300nm未満である元素周期表第5、第6周期元素の酸化物粒子を含有したもの(例えば特許文献3)などがあるが、これらは主にフィルム表面形成を目的としており、耐スクラッチ性向上を目的として提唱されているものであり、フィルムの機械特性、熱寸法安定性の向上を目的とするものではない。
【0009】
【特許文献1】 特開平1−192820号公報【特許文献2】 特開平10−298409号公報【特許文献3】 特開平3−115437号公報【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かかる問題点を解決し、機械強度、走行性、熱寸法安定性に優れたフィルムを提供すること、特に、データバックアップ用高密度磁気記録テープの薄膜化に伴う要求特性を満足させ得るフィルムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、銅化合物粒子が分散されたポリエステルからなる二軸配向フィルムであって、銅化合物粒子の主たる成分が酸化銅であることを特徴とするものである。そして、フィルム中に存在する銅化合物粒子の3μm以上の粗大凝集物が30個/cm2以下であること、また、銅化合物粒子中の塩素含有量が0.1重量%以下であることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、望ましい実施の形態を例にとって詳細に説明する。
【0013】本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、ポリエステル(A)と銅化合物粒子(Pa)とを主たる成分としてなるフィルムである。
【0014】ポリエステル(A)は特に限定されないが、エチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート、ヘキサメチレンテレフタレート、シクロヘキサンメチレンテレフタレート、エチレン−α,β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレート、ブチレンテレフタレート、ブチレン−2,6−ナフタレート、ブチレン−α,β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレート単位から選ばれた少なくとも1種の構造単位を主要構成成分とする場合に、耐スクラッチ性、耐ダビング性がより良好となるので好ましい。本発明では、ポリエチレンテレフタレート(以下PETと称す)および/またはポリエチレンナフタレート(以下PENと称す)を主たる成分とするポリエステルの場合、機械強度、寸法安定性の点から特に好ましい。また、本発明の目的を阻害しない範囲内で複数のポリマをブレンドしてもかまわない。
【0015】銅化合物粒子(Pa)は、金属原子として銅を主たる成分として含むものであればいかなる化合物でもよいが、本発明の銅化合物粒子は、酸化銅を主たる成分とすることを要する。ここで主たる成分とは銅化合物粒子中、酸化銅の占める重量分率が50重量%以上、好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上である。酸化銅は酸化銅(I)、酸化銅(II)のいずれでもかまわないが、酸化銅(II)の場合、機械強度、熱寸法安定性、品質の安定性の観点から好ましい。酸化銅中、酸化銅(II)に占める重量分率は、50重量%以上、好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上である。また、含有される粒子は2種類以上併用してもかまわない。また含有される粒子の形状は球状、針状、板状のいずれかでよいが特に限定されない。フィルム表面の平滑性の観点からは球状が好ましい。
【0016】本発明において、ポリエステル樹脂フィルム中に存在する銅化合物粒子は、3μm以上の粗大凝集物が30個/cm2以下であることが好ましい。好ましくは、20個/cm2以下、さらに好ましくは10個/cm2以下である。3μm以上の粗大凝集物がフィルム中に30個/cm2より多く存在する場合、製膜押出し時にフィルターに目づまりをおこし、製膜性が低下する。また、粗大凝集物が存在するとフィルムの機械特性、熱寸法安定性を向上させることができ難いためフィルム中に存在する粗大凝集物を本発明の範囲とすることが好ましい。
【0017】銅化合物粒子(Pa)中に含まれる塩素の含有量(塩素濃度ともいう)は0.1重量%以下であることが好ましい。0.1重量%より大きいとフィルムの機械強度、熱寸法安定性を向上させにくくなるので注意が必要である。さらに好ましくは0.05重量%以下であり、最も好ましくは0.02重量%以下である。
【0018】本発明において、ポリエステル樹脂フィルム中における、銅化合物粒子(Pa)の含有量は、フィルムの機械強度の観点から0.001〜10重量%が好ましい。さらに好ましくは0.01〜5重量%であり、最も好ましくは0.02〜2重量%である。含有量が上記範囲未満であるとフィルムの機械強度、熱寸法安定性が十分高められない。また、含有量が10重量%を越えると、銅化合物粒子が凝集し、さらには、製膜押出し時に吐出が不安定となり、製膜することが困難になるため好ましくない。
【0019】本発明のフィルムにおいて、フィルム中に存在する銅化合物粒子は、フィルム表面の粗大突起の観点から粒子の平均粒径Rが0.001〜1μmであることが好ましく、さらに好ましくは0.005〜0.5μmであり、最も好ましくは0.01〜0.1μmである。
【0020】本発明で用いる銅化合物粒子は、必要に応じて、基材樹脂との親和性を高めるためや凝集状態をコントロールする目的で表面処理してもよい。例えばシランカップリング剤やカルボキシル基のアルカリ金属塩を有する官能基を導入してもよい。カルボキシル基のアルカリ金属塩としてはNa塩、K塩、Li塩等が挙げられるが、なかでもカルボキシル基のNa塩がよりポリエステルとの親和性が向上するので好ましい。また、全く表面処理を行なっていないものでもかまわない。
【0021】本発明のフィルムには、フィルムの用途や使用目的に応じて、機械強度や熱寸法安定性を損なわない範囲内であれば、上記銅化合物粒子(Pa)とは異なる無機粒子や有機粒子、その他の各種添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、結晶核剤、難燃剤、顔料、染料、脂肪酸エステル、ワックスなどの有機滑剤や不活性粒子などを添加してもかまわない。無機粒子の具体例としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタンなどの酸化物、炭酸カルシウム、炭酸バリウムなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、チタン酸バリウム、チタン酸カリウムなどのチタン酸塩、リン酸第3カルシウム、リン酸第2カルシウム、リン酸第1カルシウムなどのリン酸塩などを用いることができるが、これらに限定されるわけではない。また、これらは目的に応じて2種以上用いてもかまわない。有機粒子の具体例としては、ポリスチレンもしくは架橋ポリスチレン粒子、スチレン・アクリル系及びアクリル系架橋粒子、スチレン・メタクリル系及びメタクリル系架橋粒子などのビニル系粒子、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレンなどの粒子を用いることができるが、これらに限定されるものではなく、粒子を構成する部分のうち少なくとも一部がポリエステルに対して不溶の有機高分子微粒子であれば如何なる粒子でもよい。また有機粒子は、易滑性、フイルム表面の突起形成の均一性から粒子形状が球形状で均一な粒度分布のものが好ましい。これらの粒子の粒径、配合量、形状などは用途、目的に応じて選ぶことが可能であるが、通常は、平均粒子径としては0.01μm以上、3μm以下さらに好ましくは0.05μm以上1μm以下、配合量としては、0.001重量%以上、10重量%以下が本発明の目的の面からも好ましい。
【0022】また、フィルムの表層部に、これらの機能を持たせた層を設けることも可能である。
【0023】本発明のフィルムにおいて、熱可塑性樹脂フィルム中に存在するボイドの面積比率は0%以上5%以下であることが好ましく、さらに好ましくは0%以上3%以下であり、もっとも好ましくは、0%以上1%以下である。ボイドの面積比率が上記範囲より大きいと、フィルムの破断伸度、破断強度等の機械強度が低下するため、磁気記録媒体用途等に好ましくない。
【0024】本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、機械強度の向上のためフィルム長手方向および幅方向に延伸したフィルムであること、即ち、二軸延伸フィルムであることを要する。フィルムの延伸方法としては、例えば縦延伸及び横延伸を同時に行う同時二軸延伸法、縦延伸と横延伸とを順に行う逐次二軸延伸法のほか、縦横二方向に逐次延伸したフィルムを再度縦方向に延伸し、縦方向を高強度化する、いわゆる再縦延伸法、さらに横方向にも強度を付与したい場合、上記の再縦延伸を行った後、再度横方向に延伸するという再縦再横延伸法、フィルムの縦方向に2段以上延伸し、引き続き、フィルムの横方向に延伸を行う縦多段延伸法が例示される。粒子を内包したフィルムを延伸すると、粒子と基材であるポリマーとの間にボイドが出来やすいので、一方向に延伸した後の任意の工程で、ポリマーのガラス転移温度Tg以上の温度で熱処理等を行いボイドを低減することが好ましいが、この限りではない。
【0025】本発明では、機械強度向上の観点から、二軸配向ポリエステルフィルムの面配向係数(fn)は0.12以上0.28以下であることが好ましい。フィルムに配向を付与せず面配向係数が上記範囲より小さいと高弾性率が得られなくなるため好ましくない。また、配向を付与しすぎ、面配向係数が上記範囲より大きいと破断伸度が低下するために好ましくない。特にポリエステルがエチレンテレフタレートを主成分とする場合、本発明の効果を顕著に得るためには面配向係数が0.16以上0.21以下であることがより好ましく、0.18以上0.20以下がもっとも好ましい。また、特にポリエステルがエチレン−2,6−ナフタレートを主成分とする場合において、本発明の効果を顕著に得るためには面配向係数が0.2以上0.28以下であることがより好ましく、0.22以上0.26以下がもっとも好ましい。
【0026】本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは長手方向および幅方向のヤング率の合計が12GPa以上である事が、磁気記録媒体用途において、テープダメージをおきにくくするために好ましく、35GPa以下であることがフィルムの製膜性の観点から好ましい。より好ましくは、14GPa以上32GPa以下であり、最も好ましくは15GPa以上30GPa以下である。
【0027】本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、長手方向および/または幅方向の100℃30分間での熱収縮が、加工工程での熱履歴によるしわ発生を抑制するために0%以上が好ましく、磁気テープのトラックずれを抑制するために1.0%以下が好ましい。より好ましくは0〜0.8%の範囲であり、最も好ましくは0〜0.5%の範囲である。また、フィルムの長手方向および/または幅方向の150℃30分間の熱収縮が、0〜1.0%であることが加工工程での熱履歴によるしわ発生を抑制するため好ましく、より好ましくは0〜0.8%の範囲であり、最も好ましくは0〜0.5%の範囲である。
【0028】また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、動的粘弾性測定における、200℃の貯蔵弾性率が0.6〜1.5GPaであることが本発明において好ましい態様である。より好ましくは、0.7〜1.4GPaであり、最も好ましくは、0.8〜1.3GPaである。200℃における貯蔵弾性率が0.6GPaよりも小さい場合、高温における熱寸法安定性、加工時の平面性が低下する。動的粘弾性測定は、セイコーインスツルメンツ社製DMS6100によって、26℃から240℃まで昇温速度2℃/分で昇温した際の、周波数1Hzで測定した貯蔵弾性率の値である。
【0029】本発明に係るフィルムの製造方法の具体例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0030】本発明で用いるポリエステル樹脂は従来より知られている方法により製造されるものを用いることができる。また、所定のポリエステル樹脂に添加される銅化合物粒子は樹脂製造工程における重合前、重合中、重合後のいずれの段階で添加してもよいが、本発明で特定した粗大凝集物の範囲とするためには、例えば、PETやPENの場合は、■その原料として使用するジオール成分であるエチレングリコールなどに、スラリーの形で混合、分散せしめて添加する方法、■ベント式の二軸混練押出機により粒子粉末またはスラリーの形を用いてポリマと混練する方法が好ましく用いられる。特に二軸混練押出機を使用する後者の方法が、酸化銅粒子の加熱による変性が少なく、また、省コストの観点から好ましい。また、粒子分散性の観点から、本発明においては、粒子をスラリー中に分散させたのち、ポリマと混練する方法が最も有効である。粒子をスラリー中に分散させる方法としては、微細なガラスビーズなどをメディアとして分散させた後、ガラスビーズを除去するメディア分散法などが有効である。使用する二軸混練押出機のL/Dは25以上が好ましく、ポリエステル樹脂の滞留時間を10秒以上90秒以下とすることが好ましい。この時、凝集を防ぐために、ポリエステル樹脂の種類に応じ公知の方法で粒子の表面処理してもよい。例えば、シランカップリング剤を用いて粒子を表面処理する方法が有効である。
【0031】本発明で特定した塩素濃度を有する銅化合物粒子は、樹脂に添加する前に熱水で洗浄した後、真空下で乾燥する等の方法により得られるが、塩素含有量を低減する方法はこの限りではない。また、気相法により得られた酸化銅粒子を適用しても良い。
【0032】フィルム中における粒子の含有量を調節する方法としては、上記方法で粒子を高濃度で含有するマスターペレットを作っておき、この高濃度の粒子を含むマスターペレットを、製膜時に粒子などを実質的に含有しないポリマーで希釈する方法を用いるのが好ましい。
【0033】次に、これらの粒子を含有するポリエステル樹脂のペレットを必要に応じて十分に乾燥した後、固有粘度が低下しないように窒素気流下あるいは真空下でポリエステル樹脂の融点以上の温度に加熱された溶融押出機に供給し、口金より押し出し、表面温度がポリエステル樹脂のガラス転移点以下のキャスティングドラム上で冷却して未延伸フィルムを作る。また、溶融押出機中で異物や変質ポリマーを除去するために各種フィルター、例えば、燒結金属、多孔性セラミック、サンド、金網などの素材からなるフィルターを用いることが好ましい。フィルターの濾過精度は、使用する銅化合物粒子、および不活性粒子の粒径によって適宜選択することが好ましい。
【0034】また、フィルム表層に、球状の不活性粒子を含有した熱可塑性樹脂を積層する場合やそのほかの層を積層する場合は、それぞれのチップを十分乾燥させた後、2台以上の溶融押出機に別々に供給し、2または目的とする数の多層のマニホールドまたは合流ブロックを用いて合流させ、口金より多層のシートとして押し出し、表面温度が−20℃〜60℃のキャスティングドラム上で冷却して未延伸フィルムを作る。この場合、合流断面が矩形の合流ブロックを用いて積層する方法が、各種不活性粒子を含有した熱可塑性樹脂を薄く均一に積層するのに有効である。また、これらのポリマー流路にスタティックミキサーまたはギヤポンプを設置する方法はフィルムの厚みムラを低減するのに有効である。
【0035】次に、この未延伸フィルムをフィルム長手方向および/または幅方向に延伸する。延伸方法としては、未延伸フィルムをロールやステンターを用い縦方向、横方向に逐次延伸する逐次二軸延伸法がある。また、未延伸フィルムをステンターを用い縦延伸及び横延伸を同時に行う同時二軸延伸法は、逐次二軸延伸法に比べ工程が短くなるのでコストダウンにつながり、延伸破れやロール傷が発生しにくい為有効である。さらに、縦横二方向に逐次延伸したフィルムを再度縦方向に延伸する、再縦延伸法は、縦方向を高強度化するのにきわめて有効である。上記再縦延伸法に続けて、再度横方向に延伸する再縦再横延伸法は、横方向にもさらに強度を付与したい場合にきわめて有効である。また、フィルムの縦方向に2段以上延伸し、引き続きフィルムの横方向に延伸を行う縦多段延伸法が本発明においては特に有効である。
【0036】本発明において、例えば逐次二軸延伸法を用いる場合、長手方向の延伸の条件は特に限定されないが、延伸速度1000〜50000%/分の速度で、延伸温度は、ポリエステル樹脂のガラス転移温度Tg以上、(ガラス転移温度+50℃)以下の範囲が好ましく、延伸倍率は2.5〜10倍、さらには3.0〜5倍の範囲が好ましく、長手方向に延伸することにより一軸配向フィルムを得る。
【0037】ここで、ポリエステル樹脂と銅化合物粒子との組み合わせ等によっては、ボイドが生じ易くなるので、上記による方法で得られた一軸配向フィルムをテンター入り口において、ポリエステル樹脂の融点Tm以下、ガラス転移点Tg以上で熱処理することがフィルム中のボイド量を減少させるために好ましく、より好ましい熱処理温度は(ガラス転移点Tg+20℃)以上(融点Tm−100℃)以下である。
【0038】次に行う幅方向の延伸は、公知のテンターを用いて、延伸温度を、ポリエステル樹脂のガラス転移温度Tg以上、(ガラス転移温度Tg+80℃)以下、より好ましくはポリエステル樹脂のガラス転移温度Tg以上、(ガラス転移温度Tg+40℃)以下の範囲とし、延伸倍率を2.0〜10倍、より好ましくは2.5〜5倍の範囲として行えばよい。その際の延伸速度は特に限定されないが、1000〜50000%/分が好ましい。さらに、必要に応じてこの二軸配向フィルムを再度長手方向、幅方向の少なくとも一方向に延伸を行ってもよい。この場合、再度行う縦延伸は延伸温度をポリエステル樹脂の(ガラス転移温度Tg+20℃)以上(ガラス転移温度+120℃)以下が好ましく、より好ましくは(ガラス転移温度Tg+50℃)以上(ガラス転移温度+100℃)以下の範囲とし、延伸倍率は1.2〜2.5倍が好ましく、1.2〜1.7倍がより好ましい。また、その後に再度行う横延伸は延伸温度をポリエステル樹脂の(ガラス転移温度Tg+20℃)以上(ガラス転移温度Tg+150℃)とすることが好ましく、より好ましくは(ガラス転移温度Tg+50℃)以上(ガラス転移温度+130℃)以下の範囲とし、延伸倍率は1.02〜2倍の範囲が好ましく、1.1〜1.5倍の範囲がより好ましい。
【0039】次に、ボイド面積比率の低減や熱収縮率の低減等のために、必要に応じて熱処理を行う。熱処理条件としては、定長下、微延伸下、弛緩状態下のいずれかで、[熱可塑性樹脂の融点]〜[熱可塑性樹脂の融点−100℃]の範囲で0.5〜60秒間行うことが好適である。
【0040】また、同時二軸延伸法により延伸する場合は、リニアモーターを利用した駆動方式によるテンターを用いて同時二軸延伸する方法が好ましい。同時二軸延伸の温度としては、ポリエステル樹脂のガラス転移温度Tg以上、(ガラス転移温度Tg+50℃)以下であることが好ましい。延伸温度がこの範囲を大きくはずれると、均一延伸が出来なくなり、厚みむらやフィルム破れが生じ好ましくない。延伸倍率は、縦方向、横方向それぞれ3〜10倍とすればよい。延伸速度としては特に限定されないが、2000〜50000%/分が好ましい。
【0041】このようにそれぞれの方法で二軸配向し熱処理を施したフィルムを、室温まで徐冷しワインダーにて巻き取る。冷却方法は、二段階以上に分けて室温まで徐冷するのが好ましい。この時、長手方向、幅方向に0.5〜10%程度のリラックス処理を行うことは、熱寸法安定性を低減するのに有効である。冷却温度としては、一段目が(熱処理温度−20℃)〜(熱処理温度−80℃)、二段目が(一段目の冷却温度−30℃)〜(一段目の冷却温度−40℃)の範囲が好ましいが、これに限定されるものではない。
【0042】(物性の測定方法ならびに効果の評価方法)本発明で用いた特性値の測定法ならびに効果の評価方法は次の通りである。
(1)フィルム中の粗大凝集物光学顕微鏡を用い、明視野透過法にて、50〜1000倍に拡大観察したフィルム表面写真を撮る。1回の測定視野が1辺がおよそ50〜100μmから適宜選択する。観察場所を変えて100視野以上について、金属粒子の3μm以上の粗大凝集物の数を測定する。フィルム1cm2あたり3μm以上の粗大凝集物の数により、0〜10個以下◎、10〜20個○、20個〜30個△、30個より多い×とランク付けする。
(2)フィルム中の粒子含有量通常の蛍光X線分析法により測定した。また必要に応じて熱分解ガスクロマトグラフィーや赤外吸収、ラマン散乱、SEM−XMAなど利用して定量する。
【0043】(3)フィルム中の銅化合物粒子の平均粒径(R):フィルムからポリマーをプラズマ灰化処理法で除去し、粒子を露出させる。処理条件は、ポリマーは灰化されるが粒子はダメージを受けない条件を選択する。その粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、粒子画像をイメージアナラーザーで処理する。SEMの倍率は、およそ、2000〜100000倍、また、一回の測定視野が一辺がおおよそ10〜50μmから適宜選択する。観察箇所を変えて粒子数5000個以上について、粒子の平均粒径(R)を求める。また、上記プラズマ灰化処理法では粒子がダメージを受ける場合は、フィルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、3000〜100000倍で観察することにより求めてもよい。この場合、TEMの切片厚さは約1000オングストロームとし、場所を変えて100視野以上測定する。
【0044】(4)フィルム中のボイドの面積比率:フィルムをミクロトームで厚み方向に切断した断面について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、500〜50,000倍に拡大観察した横断面写真を撮る。この横断面写真において、計100個以上のボイド部分をマーキングし、そのボイド部分をハイビジョン画像解析装置PIAS−IV((株)ピアス製)を用いて画像処理を行い、ボイドの面積の和が、顕微鏡で観察した断面写真の面積に占める割合を計算し、%で表示する。
【0045】(5)ヤング率および破断伸度:ASTM−D882に規定された次の方法に従って、インストロンタイプの引張試験機(オリエンテック(株)製フィルム強伸度自動測定装置“テンシロンAMF/RTA−100”)を用いて測定した。幅10mmの試料フィルムを、試長間100mm、引張り速度200mm/分の条件で引っ張る。得られた張力−歪曲線の立上がりの接線の勾配からヤング率を求め、また、破断伸度を求める。測定は25℃、65%RHの雰囲気下で行う。
【0046】(6)熱収縮率:フィルム表面に、幅10mm、測定長約200mmとなるように2本のラインを引き、この2本のライン間の距離を正確に測定しこれをL0とする。このフィルムサンプルを100℃あるいは150℃のオーブン中に30分間、無荷重下で放置した後、再び2本のライン間の距離を測定しこれをL1とし、下式により熱収縮率を求める。
熱収縮率(%)={(L0−L1)/L0]×100【0047】(7)面配向係数(fn):屈折率を、JIS K7105に指定された方法に従って、ナトリウムD線を光源として、(株)アタゴ製のアッベ屈折率計4型を用いて測定した。なお、23℃、65%RHにて測定した。その後、面配向係数(fn)を測定した各屈折率から次式より求めた。
面配向係数(fn)=(nMD+nTD)/2−nZDnMD:フィルム長手方向の屈折率nTD:フィルム幅方向の屈折率nZD:フィルム厚み方向の屈折率【0048】(8)銅化合物粒子の塩素濃度:銅化合物粒子1gに6Nアンモニア水10mlを加え、更にこれに蒸留水を加えて全量を50mlに調整し、この溶液をイオンクロマトグラフにより分析し、塩素濃度を求めた。
(9)貯蔵弾性率セイコーインスツルメンツ社製DMS6100を用い、周波数1Hzで、幅10mm×長さ20mmの試料について、昇温速度2℃/分で26℃から240℃まで昇温し、200℃における貯蔵弾性率を求めた。試料はフィルム長手方向について測定した。
【0049】
【実施例】次に本発明を実験例に基づいて説明する。
【0050】実験例1ポリエステル樹脂として通常の方法により得られた固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレート(以下PETと称す)を用い、銅化合物粒子として、通常の湿式法で製造された平均粒径(R)0.05μmの酸化銅(II)を熱水処理して塩素濃度を0.01重量%に調整した酸化銅(II)を用い、該酸化銅(II)をメディア分散法により水スラリー中に均一分散させ、PET99重量%に酸化銅(II)を1重量%となるよう295℃に加熱されたベント式の二軸混練押出機にスラリー添加して、剪断速度100sec-1、滞留時間30秒にて溶融押しし、銅化合物粒子を1重量%含有するポリマーチップ(ポリマーA)を得た。
【0051】このポリマーAを、溶融押出機を用いて280℃で押し出し、口金から表面温度25℃のキャストドラム上に静電荷を印加させながら密着させて冷却固化し、未延伸フィルムを作製した。
【0052】この未延伸フィルムをロール式延伸機にて長手方向に延伸温度95℃で3.5倍延伸し、その後テンター予熱ゾーンにて緊張下で150℃の熱処理を0.5秒間行った。続いてテンターを用いて幅方向に温度95℃で3.8倍延伸し、さらに、このフィルムをロール式延伸機で長手方向に延伸温度135℃で1.5倍に再延伸し、さらにテンターを用いて幅方向に延伸温度190℃で1.2倍再延伸した。さらに、定長下で雰囲気温度210℃にて2秒間熱処理し、冷却ゾーンにてリラックス率5%にて150℃で1秒間、100℃で3秒間徐冷し、厚み6μmの二軸配向ポリエステルフィルムを製造した。
【0053】この二軸配向ポリエステルフィルムの特性は、表1に示したとおり、機械特性や寸法安定性に優れた特性を有していた。
【0054】実験例2酸化銅(II)をPETと直接混合してポリマーチップ(ポリマーA)を得た以外は実験例1と同様にフィルムを製造した。得られたフィルムの機械特性、寸法安定性は、表1に示したとおり優れていた。
【0055】実験例3ポリエステル樹脂を通常の方法により得られたポリエチレンナフタレート(以下PENと称す)に変更し、溶融押出温度を300℃に変更した以外は実験例2と同様にして未延伸フィルムを作製した。
【0056】この未延伸フィルムをロール式延伸機にて長手方向に延伸温度135℃で4.0倍延伸し、その後テンター予熱ゾーンにて緊張下で170℃の熱処理を0.5秒間行った。続いてテンターを用いて幅方向に温度140℃で4.0倍延伸し、さらに、このフィルムをロール式延伸機で長手方向に延伸温度170℃で1.55倍に再延伸し、さらにテンターを用いて幅方向に延伸温度210℃で1.2倍再延伸した。さらに、定長下で雰囲気温度230℃にて2秒間熱処理し、冷却ゾーンにてリラックス率5%にて150℃で1秒間、100℃で3秒間徐冷した以外は、実験例1と同様に延伸、熱処理して二軸配向フィルムを製造した。PENは機械強度が優れ、また酸化銅粒子との親和性がとても良いので、得られたフィルムの機械特性、寸法安定性はとても優れていた。
【0057】実験例4酸化銅粒子を酸化銅(I)に変更した以外は実験例2と同様にしてフィルムを製造した。得られた二軸配向ポリエステルフィルムは機械特性、寸法安定性の向上効果は実験例2よりも低かった。
【0058】実験例5酸化銅粒子を、塩素濃度を0.05重量%に調整した酸化銅(II)に変更した以外は実験例2と同様にしてフィルムを製造した。得られた二軸配向ポリエステルフィルムは機械特性、寸法安定性に優れた特性を有していた。
【0059】実験例6酸化銅粒子の含有量を5重量%と変更した以外は実験例2と同様にしてフィルムを製造した。得られた二軸配向ポリエステルフィルムは機械特性、寸法安定性に優れた特性を有していた。
【0060】
【表1】

【0061】実験例7長手方向に延伸した後、テンター予熱ゾーンにて熱処理を行わなかった以外は実験例2と同様にしてフィルムを製造した。得られた二軸配向ポリエステルフィルムは機械特性、寸法安定性に優れた特性を有していた。
【0062】実験例8実験例1と同様にして未延伸フィルムを作製した後、長手方向の延伸倍率を3.5倍、幅方向の延伸倍率を4.5倍に変更し、またその後の長手方向、幅方向への再延伸を行わなかった以外は実験例1と同様にしてフィルムを製造した。得られた二軸配向ポリエステルフィルムは面配光係数が実験例1の場合よりも低めであったが、酸化銅粒子配合による機械特性や寸法安定性に優れた特性を有していた。
【0063】実験例9実験例1で使用した酸化銅(II)をメディア分散法によりエチレングリコール中に均一に分散させ、ジメチルテレフタレートと重合して、ポリエチレンテレフタレートペレット(ポリマーA)を作製した。PETに対する粒子の含有量は1.0重量%であった。得られたこのポリマーAを実験例1と同様にしてフィルムを製造した。得られた二軸配向ポリエステルフィルムは、機械特性、寸法安定性の向上効果は実験例1よりも小さく、フィルム中に存在する酸化銅粒子の主たる成分としては酸化銅(I)であった。
実験例10酸化銅粒子を含有させなかったこと以外は実験例1と同様にして、厚み6μmの二軸配向ポリエステルフィルムを製造した。この二軸配向ポリエステルフィルムは、表2に示した通り、機械特性および寸法安定性が実験例1と比較して劣っていた。
【0064】実験例11酸化銅粒子を含有させなかったこと以外は実験例3と同様にして、厚み6μmの二軸配向ポリエステルフィルムを製造した。この二軸配向ポリエステルフィルムは、機械特性および寸法安定性が実験例3と比較して劣っていた。
【0065】実験例12粒子として平均粒径が0.05μmの酸化銀粒子を使用したこと以外は実験例2と同様にして、厚み6μmの二軸配向ポリエステルフィルムを製造した。得られた二軸配向ポリエステルフィルムは、機械特性および寸法安定性が実験例2と比較して劣っていた。
【0066】
【表2】

【0067】実験例13粒子として平均粒径が0.05μmのアルミナ粒子を使用し、再延伸における長手方向の延伸倍率を1.3倍、幅方向の延伸倍率を1.05倍に変更したこと以外は実験例2と同様にして、二軸配向ポリエステルフィルムを製造した。再延伸時の延伸倍率を小さくしたのは製膜中に破れが起きないよう安定化したためである。得られた二軸配向ポリエステルフィルムは、フィルム中でアルミナ粒子が凝集体となって存在し、実験例2と比較してヤング率が低く、さらにボイド面積比率が大きく、破断伸度が小さかった。
【0068】実験例14粒子として平均粒径が0.05μmのヨウ化銅粒子を使用したこと以外は実験例2と同様にして、厚み6μmの二軸配向ポリエステルフィルムを製造した。得られた二軸配向ポリエステルフィルムは、機械特性および寸法安定性が実験例2と比較して劣っていた。
【0069】実験例15酸化銅粒子として、塩素濃度を0.15重量%に調整した酸化銅(II)を使用したこと以外は実験例1と同様にしてフィルムを製造した。得られた二軸配向ポリエステルフィルムは実験例と比較して機械特性、寸法安定性に劣っていた。
【0070】実験例16酸化銅粒子を含有させなかったこと以外は実験例8と同様にして、二軸配向ポリエステルフィルムを製造した。この二軸配向ポリエステルフィルムは、機械特性および寸法安定性が実験例8と比較して劣っていた。
【0071】
【表3】

【0072】
【発明の効果】本発明によれば、機械特性、走行性、及び熱寸法安定性が共に優れた二軸配向ポリエステルフィルムとすることができる。従って、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、磁気記録媒体用、コンデンサ用、包装用、インクリボン用、回路基板用などの各種工業材料用フィルムとして広く活用が可能である。
【出願人】 【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
【住所又は居所】東京都中央区日本橋室町2丁目2番1号
【出願日】 平成14年9月10日(2002.9.10)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−160720(P2003−160720A)
【公開日】 平成15年6月6日(2003.6.6)
【出願番号】 特願2002−263957(P2002−263957)