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【発明の名称】 イソシアネート硬化剤
【発明者】 【氏名】鈴木 智志
【住所又は居所】愛知県小牧市東三丁目1番地 東海ゴム工業株式会社内

【氏名】吉川 均
【住所又は居所】愛知県小牧市東三丁目1番地 東海ゴム工業株式会社内

【氏名】伊東 邦夫
【住所又は居所】愛知県小牧市東三丁目1番地 東海ゴム工業株式会社内

【要約】 【課題】耐熱性に優れるとともに、高弾性率が得られるイソシアネート硬化剤を提供する。

【解決手段】下記の一般式(1)で表されるイミド変性ポリイソシアネートを主成分とし、かつ、一般式(1)中のAが分子量14〜600の範囲の有機基であるイソシアネート硬化剤である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記の一般式(1)で表されるイミド変性ポリイソシアネートを主成分とし、かつ、一般式(1)中のAが分子量14〜600の範囲の有機基であることを特徴とするイソシアネート硬化剤。
【化1】

【請求項2】 上記一般式(1)のAが、分子量14〜300の範囲の炭化水素基である請求項1記載のイソシアネート硬化剤。
【請求項3】 上記一般式(1)で表されるイミド変性ポリイソシアネートと、非イミド変性ポリイソシアネートとの混合物である請求項1または2記載のイソシアネート硬化剤。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イソシアネート硬化剤に関するものであり、詳しくはOA(オフィス・オートメイション:Office Automation )機器の各種部材(ブレード部材、ロール部材、ベルト部材等)の形成材料、各種フォーム(クッション材、吸水材、吸音材等)、金属やプラスチックや木工用の塗料、磁気記録媒体用塗料、外壁材、接着剤、シーリング材、ポッティング材等として各分野で用いられるイソシアネート硬化剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、OA機器用の各種部材、例えば、クリーニングブレードの形成材料として耐摩耗性等に優れていることからポリウレタンが用いられており、耐熱性の観点から、ポリウレタンにイミド結合を導入したウレタンイミドがより好ましく用いられている。そして、上記ウレタンイミドは、例えば、分子量1000〜3000のポリオールとポリイソシアネートとを反応させてNCO両末端のプレポリマーを調製し、これに酸無水物を反応させることにより作製されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来のウレタンイミドは、プレポリマーを用いるため分子量が大きくなり、導入できるイミド結合量が限られてしまい、高弾性率が得られにくく、また耐熱性も不充分であるという難点があった。また、従来のウレタンイミドは、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の高沸点溶剤中でしか合成ができないために、脱溶剤の工程が必要となってしまい、しかも反応時間が長いという難点もあった。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、高弾性率および非常に優れた耐熱性が得られるイソシアネート硬化剤の提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明のイソシアネート硬化剤は、下記の一般式(1)で表されるイミド変性ポリイソシアネートを主成分とし、かつ、一般式(1)中のAが分子量14〜600の範囲の有機基であるという構成をとる。
【0006】
【化2】

【0007】すなわち、本発明者らは、高弾性率および非常に優れた耐熱性が得られるイソシアネート硬化剤を得るべく、鋭意研究を重ねた。その結果、上記一般式(1)中のAの分子量が特定の範囲に調整された前記特定の構造で表されるイミド変性ポリイソシアネートが、イソシアネート硬化剤として、特に優れた性能を備えていることを見いだし、本発明に到達した。
【0008】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0009】本発明のイソシアネート硬化剤は、下記の一般式(1)で表されるイミド変性ポリイソシアネートを主成分とするものであり、常温で液状のものが好ましい。
【0010】
【化3】

【0011】なお、本発明において、上記イミド変性ポリイソシアネートを主成分とするとは、本発明のイソシアネート硬化剤が上記イミド変性ポリイソシアネートのみからなる場合も含む趣旨である。また、本発明のイソシアネート硬化剤は、必要に応じて溶剤に溶解させても差し支えない。
【0012】上記一般式(1)において、Aで表される2価の有機基としては、例えば、芳香族系有機基、脂肪族系有機基、複素環系有機基等があげられ、これらは置換基を有していても差し支えない。
【0013】上記Aで表される2価の有機基としては、分子量(数平均分子量:Mn)が14〜600の範囲のものを使用する必要があり、特に分子量が76〜300の範囲のものが好適に用いられる。すなわち、分子量が600を超えるものを用いると、高弾性率が得られにくく、また耐熱性も不充分であるからである。なお、Aで表される2価の有機基としては、−(CH2 )−が最小であり、このものの分子量は14であるため、Aの分子量は14が最低となる。
【0014】上記Aで表される2価の有機基のなかでも、耐熱性に優れる点で、分子量14〜300の範囲の炭化水素基が好ましい。
【0015】そして、分子構造中にAを誘導するための原料としては、例えば、イソシアネート系化合物があげられる。上記イソシアネート系化合物としては、下記の一般式(2)で表されるジイソシアネートが好ましく、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、3,3′−ビトリレン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、オルトトルイジンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステルおよびこれらのジイソシアネートの二量体、三量体、TMPアダクト体、ビュレット体、2,4−トリレンジイソシアネートウレチジンジオン(2,4−TDIの二量体)、カルボジイミド変性MDI、ポリメリックMDI等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、生成したイミド変性ポリイソシアネートのハンドリング性の観点から、液状化しやすい等の点で、HDI、IPDIが好適に用いられる。
【0016】
【化4】OCN−A−NCO …(2)
〔式中、Aは前記一般式(1)と同様である。〕
【0017】また、前記一般式(1)において、Xで表される4価の有機基としては、例えば、芳香族系有機基、脂肪族系有機基、複素環系有機基等があげられ、これらは置換基を有していても差し支えない。なかでも、熱安定性の観点から、芳香族系有機基が好適に用いられる。
【0018】そして、分子構造中にXを誘導するための原料としては、例えば、無水ピロメリット酸(APA)、4,4′−ビフタル酸無水物(BiPA)、4,4′−オキシジフタル酸無水物(ODPA)、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸無水物(DPSA)、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物等の酸無水物があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、機械強度の観点から、無水ピロメリット酸(APA)が好適に用いられる。
【0019】上記特定のイミド変性ポリイソシアネートは、前記分子構造中にAを誘導するための原料と、分子構造中にXを誘導するための原料とを、窒素雰囲気下、所定の条件(例えば、150℃×5時間)で攪拌しながら反応させることにより得ることができる。例えば、前記一般式(2)で表されるジイソシアネートと、無水ピロメリット酸とを用いた場合は、下記の一般式(3)で表されるイミド変性ポリイソシアネートを得ることができる。
【0020】
【化5】

【0021】そして、上記イソシアネート系化合物としてHDIを用いた場合は、上記一般式(3)中のAが−(CH2 6 −で表され、Aの分子量が84のイミド変性ポリイソシアネートが得られる。
【0022】また、上記イソシアネート系化合物としてIPDIを用いた場合は、上記一般式(3)中のAが下記の式(4)で表され、Aの分子量が138のイミド変性ポリイソシアネートが得られる。
【0023】
【化6】

【0024】上記イソシアネート系化合物のNCOのモル数(α)と、酸無水物中の酸無水官能基のモル数(β)の混合比は、α/β>1の範囲が好ましく、特に好ましくは1<α/β<100である。すなわち、α/β≦1であると、生成物中のNCO基が少なくなり、活性水素との反応性がなくなる傾向がみられるからである。
【0025】なお、本発明においては、上記特定のイミド変性ポリイソシアネートとともに、イミド変性していないポリイソシアネート(非イミド変性ポリイソシアネート)を混合して用いることができ、両者を併用すると、得られる硬化剤の粘度が低下し、加工性が向上するため好ましい。
【0026】上記特定のイミド変性ポリイソシアネートとともに用いられる非イミド変性ポリイソシアネートとしては、前記分子構造中にAを誘導するための原料として例示したものと同様のものが用いられる。なかでも、機械的強度の点で、MDI、ポリメリックMDIが好適に用いられる。また、上記非イミド変性ポリイソシアネートは、常温で液状のものが好ましい。
【0027】そして、本発明のイソシアネート硬化剤は、活性水素を有する化合物とともにポリウレタン組成物として用いることが好ましい。上記活性水素を有する化合物としては、例えば、OH、NH2 、SH等の活性水素を有するポリオール、ジアミノ化合物、鎖延長剤およびこれらの混合物等があげられる。
【0028】上記活性水素を有するポリオールとしては、具体的には、ポリエチレンアジペート(PEA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリヘキシレンアジペート、エチレンアジペートとブチレンアジペートとの共重合体等のポリエステルポリオール、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリオキシプロピレングリコール等のポリエーテルポリオール、変性シリコーンオイル、変性パーフルオロエーテル等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、耐熱性に優れるという点から、変性シリコーンオイル、変性パーフルオロエーテルを用いることが好ましい。また、加工性の点で、常温で液状の化合物を用いることが好ましい。
【0029】上記活性水素を有するポリオールの数平均分子量(Mn)は、450〜5000の範囲が好ましく、特に好ましくは500〜3000である。
【0030】上記活性水素を有するジアミノ化合物としては、特に限定するものではないが、分子構造中に芳香環を有するものが好ましく、例えば、下記の式(5)で表される2,2′,3,3′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、トリメチレン−ビス(4−アミノベンゾエート)、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジエチル−5,5′−ジメチルジフェニルメタン等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、加工性に優れる点で、2,2′,3,3′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタンが好適に用いられる。
【0031】
【化7】

【0032】上記活性水素を有する鎖延長剤としては、例えば、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、トリエチレングリコール、トリメチロールプロパン(TMP)、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,2,6−ヘキサントリオール等の、分子量300以下のポリオール等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0033】本発明のイソシアネート硬化剤中のNCOのモル数(A)と、活性水素を有する化合物中の活性水素のモル数(B)の混合比は、A/B=0.8/1〜3/1の範囲が好ましく、特に好ましくはA/B=0.9/1〜1.5/1である。
【0034】なお、本発明のイソシアネート硬化剤と、活性水素を有する化合物を含有するポリウレタン組成物には、必要に応じて、触媒、界面活性剤、難燃剤、着色剤、充填剤、可塑剤、安定剤、離型剤、溶剤等を配合しても差し支えない。
【0035】上記触媒としては、第三級アミン等のアミン系化合物、有機錫化合物等の有機金属化合物等があげられる。なかでも、アミン系化合物が好適に用いられる。
【0036】上記第三級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン等のトリアルキルアミン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン等のテトラアルキルジアミン、ジメチルエタノールアミン等のアミノアルコール、エトキシル化アミン、エトキシル化ジアミン、ビス(ジエチルエタノールアミン)アジペート等のエステルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン等のシクロヘキシルアミン誘導体、N−メチルモルホリン、N−(2−ヒドロキシプロピル)−ジメチルモルホリン等のモルホリン誘導体、N,N′−ジエチル−2−メチルピペラジン、N,N′−ビス−(2−ヒドロキシプロピル)−2−メチルピペラジン等のピペラジン誘導体等があげられる。
【0037】上記有機錫化合物としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキソエート)等のジアルキル錫化合物や、2−エチルカプロン酸第1錫、オレイン酸第1錫等があげられる。
【0038】本発明のイソシアネート硬化剤は、活性水素を有する化合物および必要に応じてその他の成分とともに、ポリウレタン組成物の硬化剤として、OA機器用の各種部材、例えば、電子写真複写機のクリーニングブレード等のブレード部材、定着ロール等のロール部材、中間転写ベルト等のベルト部材等の形成材料として好ましく用いられる。
【0039】つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0040】まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示すイミド変性ポリイソシアネートを調製した。
【0041】〔イミド変性ポリイソシアネートA〕ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)33.6部と、無水ピロメリット酸(APA)21.8部とを、窒素雰囲気下、150℃で5時間攪拌しながら反応させることにより、前記一般式(3)で表されるイミド変性ポリイソシアネートA(NCO含量:18重量%)を調製した。なお、式中、Aは−(CH2 6−を示し、Aの分子量は84である。
【0042】〔イミド変性ポリイソシアネートB〕イソホロンジイソシアネート(IPDI)44.4部と、無水ピロメリット酸(APA)21.8部とを、窒素雰囲気下、150℃で5時間攪拌しながら反応させることにより、前記一般式(3)で表されるイミド変性ポリイソシアネートB(NCO含量:14重量%)を調製した。なお、式中、Aは前記式(4)で表される基を示し、Aの分子量は138である。
【0043】〔イミド変性ポリイソシアネートC〕メタンジイソシアネート19.6部と、無水ピロメリット酸21.8部とを、窒素雰囲気下、150℃で5時間攪拌しながら反応させることにより、前記一般式(3)で表されるイミド変性ポリイソシアネートC(NCO含量:25重量%)を調製した。なお、式中、Aは−(CH2 )−を示し、Aの分子量は14である。
【0044】〔イミド変性ポリイソシアネートD〕前記一般式(2)で表されるジイソシアネート(Aの分子量:582)666部と、無水ピロメリット酸21.8部とを、DMF679部中で、窒素雰囲気下、150℃で5時間攪拌しながら反応させることにより、前記一般式(3)で表されるイミド変性ポリイソシアネートD溶液(NCO含量:8.5重量%)を調製した。なお、式中、Aは下記の式(6)で表される基を示す。
【0045】
【化8】

【0046】〔イミド変性ポリイソシアネートa〕前記一般式(2)で表されるジイソシアネート(Aの分子量:676)152部と、無水ピロメリット酸21.8部とを、DMF165部中で、窒素雰囲気下、150℃で5時間攪拌しながら反応させることにより、前記一般式(3)で表されるイミド変性ポリイソシアネートa溶液(NCO含量:2.5重量%)を調製した。なお、式中、Aは下記の式(7)で表される基を示す。
【0047】
【化9】

【0048】
【実施例1】上記イミド変性ポリイソシアネートAからなるイソシアネート硬化剤100部と、ポリエステルポリオール(日本ポリウレタン工業社製のN1100、OH価:213KOHmg/g)102部と、溶剤(酢酸エチル:トルエン:酢酸ブチル:酢酸セロソルブアセテート=1:1:1:1)中で攪拌羽根を用いて混合しウレタン組成物を調製した。なお、このウレタン組成物中の樹脂分(溶剤以外の成分)の割合を35重量%とした。そして、このウレタン組成物を用いて、バーコーターにてその乾燥膜厚が100μmとなるように、離型処理されたPET樹脂上に塗布し、その後140℃×1時間加熱処理して、ウレタンシート(厚み100μm)を作製した。
【0049】
【実施例2】上記イミド変性ポリイソシアネートBに、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(NCO含量:33.6重量%)50部を添加し、窒素雰囲気下、150℃で1時間攪拌混合して、イミド変性ポリイソシアネートBとMDIとの混合物からなるイソシアネート硬化剤(NCO含量:22重量%)を調製した。そして、このイソシアネート硬化剤100部と、ポリエステルポリオール(日本ポリウレタン工業社製のN1100、OH価:213KOHmg/g)125部を配合し、減圧下60℃にて攪拌羽根で1分間混合攪拌してウレタン組成物を調製した。そして、このウレタン組成物を用いて、実施例1と同様にして、ウレタンシートを作製した。
【0050】
【実施例3】上記イミド変性ポリイソシアネートBに、ポリメリックMDI(NCO含量:31重量%)50部を添加し、窒素雰囲気下、150℃で1時間攪拌混合して、イミド変性ポリイソシアネートBとポリメリックMDIとの混合物からなるイソシアネート硬化剤(NCO含量:21重量%)を調製した。そして、このイソシアネート硬化剤100部と、ポリエステルポリオール(日本ポリウレタン工業社製のN1100、OH価:213KOHmg/g)130部を配合し、減圧下常温にて攪拌羽根で1分間混合攪拌してウレタン組成物を調製した。そして、このウレタン組成物を用いて、実施例1と同様にして、ウレタンシートを作製した。
【0051】
【実施例4】ポリエステルポリオールの配合割合を90部に変更するとともに、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン5部をさらに配合する以外は、実施例1と同様にしてウレタンシートを作製した。
【0052】
【実施例5】ポリエステルポリオールの配合割合を89部に変更するとともに、2,2′,3,3′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン9部をさらに配合する以外は、実施例1と同様にしてウレタンシートを作製した。
【0053】
【実施例6】ポリエステルポリオールの配合割合を142部に変更するとともに、上記イミド変性ポリイソシアネートA〔一般式(3)中のAの分子量が84〕からなるイソシアネート硬化剤に代えて、上記イミド変性ポリイソシアネートC〔一般式(3)中のAの分子量が14〕からなるイソシアネート硬化剤を用いた。それ以外は、実施例1と同様にしてウレタンシートを作製した。
【0054】
【実施例7】ポリエステルポリオールの配合割合を53部に変更するとともに、上記イミド変性ポリイソシアネートA〔一般式(3)中のAの分子量が84〕からなるイソシアネート硬化剤に代えて、上記イミド変性ポリイソシアネートD溶液〔一般式(3)中のAの分子量が582〕からなるイソシアネート硬化剤を用いた。それ以外は、実施例1と同様にしてウレタンシートを作製した。
【0055】
【比較例1】ポリエステルポリオールの配合割合を14部に変更するとともに、上記イミド変性ポリイソシアネートA〔一般式(3)中のAの分子量が84〕からなるイソシアネート硬化剤に代えて、上記イミド変性ポリイソシアネートa溶液〔一般式(3)中のAの分子量が676〕からなるイソシアネート硬化剤を用いた。それ以外は、実施例1と同様にしてウレタンシートを作製した。
【0056】
【比較例2】ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)300部と、触媒としてカプリン酸カリウム0.3部を配合し、窒素雰囲気下、40℃で6時間攪拌しながら、イソシアヌレート化反応を行った。この反応液に停止剤としてリン酸2.1部を添加し、反応温度で1時間攪拌後、分子蒸留装置により遊離HDIを除去し、HDIイソシアヌレート変性体(NCO含量:21重量%)を調製した。そして、このHDIイソシアヌレート変性体100部と、ポリエステルポリオール(日本ポリウレタン工業社製のN1100、OH価:213KOHmg/g)132部を用いて、実施例1と同様にしてウレタンシートを作製した。
【0057】
【比較例3】比較例2と同様にして調製したHDIイソシアヌレート変性体(NCO含量:21重量%)100部と、ポリエステルポリオール(日本ポリウレタン工業社製のN1100、OH価:213KOHmg/g)118部と、2,2′,3,3′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン9部を用いて、実施例1と同様にしてウレタンシートを作製した。
【0058】このようにして得られた実施例および比較例のウレタンシートを用いて、下記の基準に従い各特性の評価を行った。これらの結果を後記の表1および表2に併せて示した。
【0059】〔σM εB 〕JIS K 7127に準じて、各ウレタンシートの高温環境放置前後の引張強さ(σM )および引張破壊ひずみ(εB )を測定し、それぞれの保持率を調査した。放置条件は、50℃×60日および150℃×3時間とした。
【0060】〔引張弾性率〕JIS K 7127に準じて、各ウレタンシートの引張弾性率を測定した。
【0061】
【表1】

【0062】
【表2】

【0063】上記結果から、実施例品のウレタンシートは、いずれも耐熱性に優れ、高弾性率が得られることがわかる。
【0064】比較例1品は、イミド変性ポリイソシアネートを用いているため、耐熱性に優れているが、一般式中のAの分子量が大きすぎるため、高弾性率が得られないことがわかる。また、比較例2,3品は、イミド変性ポリイソシアネートを用いていないため、耐熱性に劣るとともに、高弾性率が得られないことがわかる。
【0065】
【発明の効果】以上のように、本発明のイソシアネート硬化剤は、前記一般式(1)で表されるイミド変性ポリイソシアネートを主成分と、かつ、一般式(1)中のAの分子量が14〜600の範囲に調整されている。そのため、この硬化剤を用いて得られる硬化物は、耐熱性に優れるとともに、高弾性率も発現することができる。
【出願人】 【識別番号】000219602
【氏名又は名称】東海ゴム工業株式会社
【住所又は居所】愛知県小牧市東三丁目1番地
【出願日】 平成13年10月10日(2001.10.10)
【代理人】 【識別番号】100079382
【弁理士】
【氏名又は名称】西藤 征彦
【公開番号】 特開2003−119243(P2003−119243A)
【公開日】 平成15年4月23日(2003.4.23)
【出願番号】 特願2001−312168(P2001−312168)