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【発明の名称】 ビーズ状重合物
【発明者】 【氏名】藤井 卓司
【住所又は居所】広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨン株式会社大竹事業所内

【要約】 【課題】塗料原料、インキ原料、複写機トナー用バインダー、セラミック焼成用バインダー、熱可塑性樹脂中間原料等に好適に使用でき、静電気帯電しにくい性質を有し、製造工程において、配管内閉塞、篩別器通過性不良、計量精度不良等が発生しにくく、製品出荷後においても、納入先での製品取り扱い性や流動性に優れた、ビーズ状重合物の提供。

【解決手段】懸濁重合後に電解質が1〜1000ppm、好ましくは5〜850ppm溶解した水で洗浄して得られる、ビーズ状重合物。電解質が、有機化合物であり、好ましくは有機化合物の金属塩であり、さらに好ましくは、有機酸の金属塩であり、特に好ましくは、酢酸、イセチオン酸、p−トルエンスルホン酸の金属塩である、上述のビーズ状重合物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 懸濁重合後に電解質が1〜1000ppm溶解した水で洗浄して得られる、ビーズ状重合物。
【請求項2】 電解質が有機酸の金属塩である、請求項1記載のビーズ状重合物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流動性に優れたビーズ状重合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】懸濁重合法は、特にビニル系単量体の重合方法として有用な製造技術である。ビーズ状重合物は、懸濁重合後のスラリーを脱水して得られ、さらに、洗浄、乾燥等の工程を経て製品化される。ビーズ状重合物は、塗料原料、インキ原料、複写機トナー用バインダー、セラミック焼成用バインダー、熱可塑性樹脂中間原料等の用途に使用されている。
【0003】懸濁重合法で得られるビーズ状重合物は、電気伝導性が低く、比表面積が大きい傾向にあるために、静電気帯電しやすい性質を有する。静電気帯電したビーズ状重合物は流動性が低下するため、製造工場においては、配管内閉塞、篩別器通過性不良、計量精度不良等の原因となることがあった。また、静電気帯電した状態は、長期間継続されることがあるため、ビーズ状重合物が静電気帯電した状態で製品出荷された場合は、納入先での製品取り扱い性に問題が生じる場合があった。このような流動性の低下は、ビーズ状重合物の乾燥工程以後に発生しやすい傾向にあることから、懸濁重合後の工程における静電気帯電の抑制方法について、従来から種々の提案が行われている。
【0004】例えば、ビーズ表面を化学的に処理して導電性を付与する方法、ビーズ同士間の摩擦機会が少ないことで静電気帯電が比較的起こりにくい設備(真空乾燥器等)で乾燥を行う方法、加湿処理された空気で乾燥する方法、静電気帯電したビーズに電気的な処理を施して静電気帯電を除電する方法等を挙げることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法は、多大な設備投資金額や運転費用が必要であったり、工程管理が煩雑であったり、生産速度が低下する点等の問題点があり、充分に満足できるものではなかった。
【0006】本発明の目的は、静電気帯電が抑制され、流動性に優れたビーズ状重合物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討した結果、電解質が特定量溶解した水で洗浄されたビーズ状重合物が、上記問題点を解決することを見出し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、懸濁重合後に電解質が1〜1000ppm溶解した水で洗浄して得られるビーズ状重合物に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のビーズ状重合物の構成成分としては、アルケニル基を有する単量体を使用することができ、例えば、塩化ビニル、スチレン、ジビニルベンゼン、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、メタクリル酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。懸濁重合は、目的に応じて選択された上述の単量体、及び重合用助剤と水を使用し、重合温度制御機能と攪拌機能とを有する容器内で行うことができる。重合用助剤としては、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイルなどラジカル発生源である重合開始剤、n−ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマーなどの連鎖移動剤、ポリビニルアルコール、メタクリル酸カリウム−メタクリル酸メチル共重合体などの分散剤(単量体の水中分散を安定化させる目的の界面活性剤)、硫酸ナトリウム、硫酸マンガンなどの分散助剤等を適宜選択して使用することができる。
【0010】懸濁重合により得られる重合物は、通常は真球に近いビーズ状の形状をしている。ビーズ粒子径には分布があるが、重量平均での粒子径は10〜1000μmの範囲内に入るのが通常である。
【0011】懸濁重合後のスラリーを脱水し、ビーズ状重合物を分離する工程では、各種の脱水機を使用することができる。例えば、遠心力を用いて水を振り絞る機構のもの、遠心分離の原理を応用し比重差で水と分離する機構のもの、多孔ベルト上で水を吸引除去する機構のもの等を適宜選択して使用することができる。
【0012】ビーズ状重合物は、スラリーからの分離後に洗浄される。洗浄は、ビーズ状重合物の純度を高めるための工程であり、脱水の次に行うのが効率的であり好ましい。ビーズ状重合物の洗浄方法としては、例えば、ビーズ状重合物に水を加えて再度スラリー化させて槽内で攪拌混合する方法、洗浄機能をも有する脱水装置内でビーズの脱水後に水洗浄する方法、及び、これら両方を組み合わせる方法などを挙げることができる。
【0013】いずれの方法においても、ビーズ状重合物の洗浄には、通常、水が使用されるが、本発明においては、流動性に優れたビーズ状重合物を得るために、電解質が1〜1000ppm溶解した水で洗浄する必要がある。これは、電解質の溶解量が1ppm未満の水で洗浄しても、ビーズ状重合物の静電気帯電が充分に抑制されず、優れた流動性が得られない傾向にあるためである。好ましくは、5ppm以上である。また、電解質の溶解量が1000ppmを超えると、静電気帯電抑制効果が飽和化傾向となり、ビーズ状重合物の流動性のさらなる改善が望めない一方で、ビーズ表面に付着残留する電解質量が無用に増加し、ビーズ状重合物の純度が損なわれる傾向にあるためである。好ましくは、850ppm以下である。
【0014】本発明で使用する電解質とは、水中への溶解後に正と負のイオンに解離する能力を有する化合物群の総称である。本発明に使用できる電解質をしては、例えば、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、イセチオン酸ナトリウム、イセチオン酸マグネシウム、イセチオン酸カリウム、イセチオン酸カルシウム、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、p−トルエンスルホン酸マグネシウム、p−トルエンスルホン酸カリウム、p−トルエンスルホン酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム等を挙げることができる。
【0015】これらの上述の電解質は、必要に応じて1種類以上を適宜選択して使用することができるが、中でも、有機化合物系電解質が、無機化合物系電解質に比べて優れたビーズ状重合物の流動性改善効果を有する傾向にあり好ましい。より好ましくは、有機化合物の金属塩である。さらに好ましくは、有機酸の金属塩であり、上述の電解質の中では、酢酸、イセチオン酸、p−トルエンスルホン酸の金属塩が該当する。
【0016】本発明で使用する洗浄用水中に電解質を所定濃度存在させる方法としては、攪拌機を有するタンク内で水と電解質とを所定割合で混合して予め高濃度溶液を用意しておき、これをビーズ洗浄用水の供給ライン中へ一定流量で送り込み混合する方法がある。
【0017】ビーズ状重合物を電解質が1〜1000ppm溶解した水で洗浄した後、乾燥処理を行うことによって、本発明のビーズ状重合物を得ることができるが、乾燥処理の前に、再度の脱水処理を行うことができる。
【0018】ビーズ状重合物洗浄後の脱水工程では、懸濁重合後の脱水工程で使用可能な上述の脱水機を同じものを使用することができる。重合後用脱水機と洗浄後用脱水機とは同一物の1基で済ますことも、同一機種2基をそれぞれ使用することも、異なる2基を使用することも可能であり、製品品質・設備投資費・生産性・運転コストなどの観点から目的に沿う方式を適宜選択することができるが、製品品質と生産速度のバランスを重視する場合は、専用の重合後用脱水機と洗浄後用脱水機とをそれぞれ使用するのが好ましい。
【0019】脱水処理を行った後でも、ビーズ状重合物の表面には水が残留しており、さらにビーズ状重合物内部は飽和吸水に近い状態であるので、ビーズ状重合物の含水率を更に下げるために、乾燥処理が行われる。ビーズ状重合物の乾燥用に使用できる乾燥機としては、減圧下加温して乾燥を行うもの、加温空気を用いてビーズを管内空輸しながら同時に乾燥を行うもの、多孔板の下側から加温空気を吹き込み上側のビーズを流動させながら乾燥を行うもの等を挙げることができるが、これらに限定するものではない。
【0020】本発明の効果が顕著に発現するのは、ビーズ状重合物の乾燥工程とそれ以後である。本願発明を用いない通常の水で洗浄を行った場合と比較すると、乾燥後のビーズ状重合物の流動し易さ(流動性)が改善され、ビーズ状重合物が輸送される配管内での閉塞現象を大幅に解消させることができる。また、乾燥処理されたビーズ状重合物は、目的に合った粒子サイズのものだけを取り出す目的で篩別器を通過させることがあるが、その際の篩別器通過性が向上する。さらに、計量機を使用してビーズ状重合物を所定量計量する際の計量精度安定性が向上する。また、出荷先でのビーズ状重合物の取り扱い時における流動性不良に絡む問題の予防に有効である。
【0021】本発明のビーズ状重合物は、塗料原料、インキ原料、複写機トナー用バインダー、セラミック焼成用バインダー等の用途に使用することができ、賦形工程を経てペレット化したものを、熱可塑性樹脂成形材料用途に使用することも可能である。
【0022】
【実施例】以下、実施例と比較例とを挙げて本発明とその効果を具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお実施例と比較例におけるビーズ状重合物の物性評価は次の[1]〜[3]の方法に基づいて実施した。
【0023】[1]安息角安息角とは粉体を所定方法で落下させた際に生じる円錐状堆積物の斜面が水平面との間に成す角度であり、流動性の指標として利用できる。アースを取ったステンレス(SUS304)製ロート[口径160mm、足径上端25mm、足径下端15mm、足長55mm、全長112mm]にビーズ状ビニル系重合物試料100gを入れ、足下端から100mm下の水平な受け皿上に試料が自然落下した際に形成される円錐状堆積物での安息角を測定した。流動性が良好なビーズの安息角は25度以下であり、流動性がやや悪くベタツキ感があるものは30度以上、そして流動性のかなり悪いものは40度を超えるか、あるいはロートから全量は自然落下できない傾向にあった。
【0024】[2]重量平均粒子径ビーズを水中に分散させ、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置[(株)堀場製作所製、LA−910]を用いて測定した。
【0025】[3]含水率JIS K 0068「カールフィッシャー滴定法」4.5項の水分気化法に準拠する方法で測定した。
【0026】(実施例1)懸濁重合法により重合物を製造する重合釜内へ、メタクリル酸メチル100質量部、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部、n−ドデシルメルカプタン0.3質量部を均一溶解した重合原料と、予めメタクリル酸ナトリウム−メタクリル酸メチル8:2共重合物0.1質量部、リン酸2水素ナトリウム0.2質量部、リン酸水素2ナトリウム0.4質量部を均一溶解した純水200質量部とを仕込み、攪拌しながらで窒素置換を行った後70℃で重合し、重合発熱のピークを検出後、100℃で1時間さらに重合を行った。そして釜内を常温まで冷却し、生成したスラリーの3分の1量を使用して、これを遠心分離式脱水機にて脱水処理し、得られたビーズ状重合物とイセチオン酸ナトリウムを400ppm濃度で均一溶解した対ビーズ2倍質量の水とを洗浄用槽内で攪拌混合し、攪拌を10分間以上継続した後に第2回目の脱水を行い、脱水されたビーズ状重合物を80℃に内温設定された流動槽式乾燥機内にて乾燥処理した。こうして得られたビーズ状重合物は、続く製品計量設備において継続して安定的に設定質量通り計量され、円滑に梱包容器内へ充填された。このようにして梱包容器内に到達したビーズ状重合物の流動性は良好であり、安息角は22度、重量平均粒子径は110μm、含水率は0.17%であった。
【0027】(実施例2)実施例1で製造したスラリーの残量の半分を使用して、イセチオン酸ナトリウムに代えて硫酸ナトリウムを400ppm濃度で均一溶解した対ビーズ2倍質量の水と洗浄用槽内で攪拌混合する以外は、実施例1と同一の設備を使用し、同一の運転条件で脱水・洗浄・第2回脱水・乾燥までを実施した。こうして得られたビーズ状重合物は、続く製品計量設備において継続して安定的に設定質量通り計量され、円滑に梱包容器内へ充填された。このようにして梱包容器内に到達したビーズ状重合物の流動性は良好ではあったが、実施例1で得られたビーズ状重合物と比較すると若干ながら劣っていた。安息角は24度、重量平均粒子径は110μm、含水率は0.18%であった。
【0028】(比較例1)実施例1、実施例2で使用されたスラリーの残り全量を使用して、洗浄用水が電解質を添加・溶解されていない純水である以外は、実施例1、実施例2と同一の設備を使用し、同一の運転条件で脱水・洗浄・第2回脱水・乾燥までを実施した。こうして得られたビーズ状重合物は、続く製品計量設備内の鉛直方向配管部で自己閉塞を発生して自然落下しない状態となったため、ビーズ状ビニル系重合物の計量と梱包には多大な人的作業量を要した。このようにして梱包容器内に到達した重合物は、静置された状態では殆ど鉛直な断面さえ形成した。そのビーズ状重合物の安息角はロートから自然落下しないために測定できなかった。重量平均粒子径は110μm、含水率は0.19%であった。また、このビーズ状重合物を密閉容器内に常温下で半年間保存後、再度安息角測定を試みたが、やはりロートから落下せず、流動性の悪い状態が続いていた。
【0029】(実施例3)懸濁重合法により重合物を製造する重合釜内へ、スチレン80質量部、2−エチルヘキシルアクリレート20質量部、過酸化ベンゾイル(25%含水)4質量部を均一溶解した重合原料と、予めメタクリル酸ナトリウム−メタクリル酸メチル8:2共重合物0.15質量部、リン酸2水素ナトリウム0.2質量部、リン酸水素2ナトリウム0.4質量部を均一溶解した純水200質量部とを仕込み、攪拌しながら窒素置換を行った後90℃で重合し、重合発熱のピークを検出後、95℃で3時間さらに重合を行った。そして釜内を常温まで冷却した後、生成したスラリーの3分の1量を使用して、これを遠心分離式脱水機にて脱水処理し、得られたビーズ状重合物とp−トルエンスルホン酸マグネシウムを200ppm濃度で均一溶解した対ビーズ2倍質量の水とを洗浄用槽内で攪拌混合し、攪拌を10分間以上継続した後に第2回目の脱水を行い、脱水されたビーズ状重合物を50℃に内温設定された流動槽式乾燥機内にて乾燥処理した。こうして得られたビーズ状重合物は、続く製品計量設備において継続して安定的に設定質量通り計量され、円滑に梱包容器内へ充填された。このようにして梱包容器内に到達したビーズ状重合物の流動性は良好であり、安息角は22度、重量平均粒子径は140μm、含水率は0.08%であった。
【0030】(実施例4)実施例3で製造したスラリーの残量の半分を使用して、p−トルエンスルホン酸マグネシウムに代えて硫酸マグネシウムを200ppm濃度で均一溶解した対ビーズ2倍質量の水と洗浄用槽内で攪拌混合する以外は、実施例3と同一の設備を使用し、同一の運転条件で脱水・洗浄・第2回脱水・乾燥までを実施した。こうして得られたビーズ状重合物は、続く製品計量設備において継続して安定的に設定質量通り計量され、円滑に梱包容器内へ充填された。このようにして梱包容器内に到達したビーズ状重合物の流動性は良好ではあったが、実施例3で得られたビーズ状重合物と比較すると若干ながら劣っていた。安息角は25度、重量平均粒子径は140μm、含水率は0.09%であった。
【0031】(比較例2)実施例3、実施例4で使用されたスラリーの残り全量を使用して、洗浄用水が電解質を添加・溶解されていない純水である以外は、実施例3、実施例4と同一の設備を使用し、同一の運転条件で脱水・洗浄・第2回脱水・乾燥までを実施した。こうして得られたビーズ状重合物は、続く製品計量設備内にて配管内閉塞トラブルは招かなかったが、設定値25kgに対し±0.5kgの範囲内ながら1梱包単位毎の計量結果が不安定な状態が続いたため、その各製品梱包容器内の製品質量を25.0kgへ調整するために少なからぬ人的作業量を要した。このようにして梱包容器内に到達したビーズの安息角はロートから自然落下しないため測定できなかった。重量平均粒子径は140μm、含水率は0.08%であった。
【0032】(実施例5)懸濁重合法により重合物を製造する重合釜内へ、n−ブチルメタクリレート65質量部、メタクリル酸メチル34.9質量部、メタクリル酸0.1質量部、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.2質量部、n−オクチルメルカプタン0.5質量部を均一溶解した重合原料と、予めメタクリル酸ナトリウム−メタクリル酸メチル8:2共重合物0.15質量部、リン酸2水素ナトリウム0.2質量部、リン酸水素2ナトリウム0.4質量部を均一溶解した純水200質量部とを仕込み、攪拌しながら窒素置換を行った後、78℃で重合し重合発熱のピークを検出後、90℃で1時間さらに重合を行った。そして釜内を常温まで冷却した後、生成したスラリーの半分量を使用して、これを脱水処理後、硫酸マグネシウム50ppmを均一溶解した対ビーズ2倍質量の水と洗浄用槽内で攪拌混合し、攪拌を10分間以上継続した後に第2回目の脱水を行い、脱水されたビーズを45℃に内温設定された流動槽式乾燥機内にて乾燥処理した。こうして得られたビーズ状重合物は、続いて目開き610μの振動篩を通過してパス分とオン分とに円滑に分離され、パス分は製品計量設備において継続して安定的に設定質量通り計量され円滑に梱包容器内へ充填された。このようにして梱包容器内に到達したビーズの流動性は良好であり、安息角は22度、重量平均粒子径は290μm、含水率は0.25%であった。
【0033】(実施例3)実施例5で使用されたスラリーの残り全量を使用して、洗浄用水が電解質を添加・溶解されていない純水である以外は、実施例5と同一の設備を使用し、同一の運転条件で脱水・洗浄・第2回脱水・乾燥までを実施した。こうして得られたビーズ状重合物は、続いて目開き610μの振動篩での通過時に実施例5と同一のビーズ供給速度では本来篩別パス分になるべき正常粒子径品の一部が篩別オン分側に出るという篩別不良問題が発生したため、その篩別性解決のため以後のビーズ処理速度は実施例5の半分に下げて対処した。続く製品計量設備では配管内ブロッキングと計量精度異常の問題は発生しなかった。このようにして梱包容器内に到達したビーズの安息角は35度、重量平均粒子径は290μm、含水率は0.26%であった。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、水を媒体とする懸濁重合法を用いてビーズ状重合物を製造する工場において、流動性の良好なビーズ状ビニル系重合物を生産性良く製造することができる。
【出願人】 【識別番号】000006035
【氏名又は名称】三菱レイヨン株式会社
【住所又は居所】東京都港区港南一丁目6番41号
【出願日】 平成14年4月16日(2002.4.16)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−306512(P2003−306512A)
【公開日】 平成15年10月31日(2003.10.31)
【出願番号】 特願2002−113302(P2002−113302)