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【発明の名称】 オレフィン重合用触媒およびオレフィン系重合体の製造方法
【発明者】 【氏名】日野 高広
【住所又は居所】大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化学工業株式会社内

【氏名】東井 隆行
【住所又は居所】大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化学工業株式会社内

【要約】 【課題】オレフィン重合用触媒を提供すること。

【解決手段】下記化合物(A)、化合物(B)およびホウ素化合物を組合わせた後、アルミニウム化合物を組合わせてなるオレフィン重合用触媒。
【特許請求の範囲】
【請求項1】下記化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)を組合わせた後、化合物(D)を組合わせてなることを特徴とするオレフィン重合用触媒。
化合物(A): 以下のI〜IVから選ばれる化合物
(式中、R1、R4、R10およびR15は、それぞれ独立に炭素数3から20のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6から20のアリール基、または炭素数8から20のアラルキル基を示し、これらの基において、イミノ基のN原子に結合する炭素原子はすくなくとも2個の炭素原子と結合している。R2、R3、R5〜R9、R11〜R14、およびR16〜R25は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1から20のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6から20のアリール基、または炭素数7から20のアラルキル基を示す。)
化合物(B): 一般式MXlm(式中、Mは第8、9、10族の遷移金属を示し、Xは1価のアニオンを示し、Lは有機配位子を示し、lおよびmはそれぞれ0〜6の整数を示す。)で示される遷移金属化合物化合物(C): 下記化合物(C1)〜(C3)のいずれかまたはそれらの2もしくは3種の混合物(C1):一般式 BQ1 Q2 Q3 で表されるホウ素化合物、(C2):一般式Z+ (BQ1 Q2 Q3 Q4 )- で表されるボレート化合物(C3):一般式(L−H)+ (BQ1 Q2 Q3 Q4 )- で表されるボレート化合物(式中、Bは3価の原子価状態のホウ素原子であり、Q1 〜Q4 は、同一または相異なり、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20の置換シリル基、炭素数1〜20のアルコキシ基または炭素数2〜20の2置換アミノ基を示す。)
化合物(D):下記化合物(D1)〜(D3)のいずれか、またはそれらの2もしくは3種の混合物(D1):一般式 (E1)a Al Z(3-a)で示される有機アルミニウム化合物(D2):一般式 {−Al(E2)−O−}bで示される構造を有する環状のアルミノキサン(D3):一般式 E3{−Al(E3)−O−}c Al(E3)2で示される構造を有する線状のアルミノキサン(式中、E1 〜E3 は同一または相異なり、炭素数1〜8の炭化水素基であり、Zは同一または相異なり、水素原子又はハロゲン原子を表し、aは1〜3の整数で、bは2以上の整数を、cは1以上の整数を表す。)
【請求項2】化合物(A)がIである請求項1に記載の重合触媒。
【請求項3】化合物(A)がIであり、R1、R4が、オルト位に置換基をもつアリール基である請求項1または2に記載の重合用触媒。
【請求項4】化合物(B)においてMがNiである請求項1、2または3に記載の重合用触媒。
【請求項5】化合物(B)がNi(acac)2である請求項1、2、3、または4に記載の重合用触媒。
【請求項6】請求項1、2、3、4または5に記載のオレフィン重合用触媒の存在下に、オレフィンを重合することを特徴とするオレフィン系重合体の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン重合用触媒およびそれを用いるオレフィン系重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】メタロセン錯体を用いるオレフィン重合体の製造法については多くの報告がなされている。例えば、特開昭58−19309号公報において、メタロセン錯体とアルミノキサンを用いたオレフィン重合体の製造方法に関して報告されている。また、メタロセン錯体以外の錯体を用いるオレフィン重合体の製造法については、ジイミン配位子をもつ錯体の例が、WO96/23010などで報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、重合用触媒、およびこれを用いるオレフィン重合体の製造方法を提供しようとするものであり、一般的に必要な、煩雑な触媒合成操作が不要で、特定の操作によって、高活性をしめす重合触媒を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下記化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)を組合わせた後、化合物(D)を組合わせてなることを特徴とするオレフィン重合用触媒。
化合物(A): 以下のI〜IVから選ばれる化合物
(式中、R1、R4、R10およびR15は、それぞれ独立に炭素数3から20のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6から20のアリール基、または炭素数8から20のアラルキル基を示し、これらの基において、イミノ基のN原子に結合する炭素原子はすくなくとも2個の炭素原子と結合している。R2、R3、R5〜R9、R11〜R14、およびR16〜R25は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1から20のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6から20のアリール基、または炭素数7から20のアラルキル基を示す。)
化合物(B): 一般式MXlm(式中、Mは第8、9、10族の遷移金属を示し、Xは1価のアニオンを示し、Lは有機配位子を示し、lおよびmはそれぞれ0〜6の整数を示す。)で示される遷移金属化合物化合物(C): 下記化合物(C1)〜(C3)のいずれかまたはそれらの2もしくは3種の混合物(C1):一般式 BQ1 Q2 Q3 で表されるホウ素化合物(C2):一般式Z+ (BQ1 Q2 Q3 Q4 )- で表されるボレート化合物(C3):一般式(L−H)+ (BQ1 Q2 Q3 Q4 )- で表されるボレート化合物(式中、Bは3価の原子価状態のホウ素原子であり、Q1 〜Q4 は、同一または相異なり、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20の置換シリル基、炭素数1〜20のアルコキシ基または炭素数2〜20の2置換アミノ基を示す。)
化合物(D):下記化合物(D1)〜(D3)のいずれか、またはそれらの2もしくは3種の混合物(D1):一般式 (E1)a Al Z(3-a)で示される有機アルミニウム化合物(D2):一般式 {−Al(E2)−O−}bで示される構造を有する環状のアルミノキサン(D3):一般式 E3{−Al(E3)−O−}c Al(E3)2で示される構造を有する線状のアルミノキサン(式中、E1 〜E3 は同一または相異なり、炭素数1〜8の炭化水素基であり、Zは同一または相異なり、水素原子又はハロゲン原子を表し、aは1〜3の整数で、bは2以上の整数を、cは1以上の整数を表す。)及び、この触媒を用いてオレフィンを重合するオレフィン系重合体の製造方法を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明する。
【0006】化合物(A)は、上記I〜IVから選ばれる化合物であるが、これらは2種以上を用いることもできる。化合物(A)において、R2、R3、R5〜R9、R11〜R14、およびR16〜R25の炭素数1から20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、R1、R4、R10、およびR15の炭素数3から20のアルキル基としては、例えば、イソプロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、R1〜R25の置換されていてもよい炭素数6から20のアリール基のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、置換基としては、アルキル基等が挙げられる。具体例としては、例えば、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,3−ジイソプロピルフェニル基、2,4−ジイソプロピルフェニル基、2,5−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基などが挙げられる。また、R2、R3、R5〜R9、R11〜R14、およびR16〜R25の炭素数7から20のアラルキル基のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、置換基としては、アルキル基等が挙げられる。具体例としては、例えば、ベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(4,6−ジメチルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。また、R1、R4、R10、およびR15の炭素数8から20のアラルキル基としては、例えば、1−フェニル−エチル基、1−フェニル−イソプロピル基などが挙げられる。
【0007】化合物(A)の具体例として例えば、以下に示す化合物などが挙げられる。

【0008】化合物(B)の遷移金属化合物において、Mは周期律表8、9、10族の遷移金属であり、例えば、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジルムであり、好ましくは、鉄、コバルト、ニッケル、さらに好ましくはニッケルである。置換基Xにおける1価のアニオンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン、ハイドライド、メチル基、フェニル基、ベンジル基などの炭化水素基、メトキシ基、フェノキシ基、アセテート基、アセチルアセトナート基などの含酸素基、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基などの2級アミノ基などが例示される。
【0009】有機配位子Lは、CO, NO, NH2, NH3 などの他に、オレフィン類配位子、アセチレン類配位子、芳香族化合物配位子、有機含酸素化合物配位子、有機含硫黄化合物配位子、有機含窒素化合物配位子などが挙げられる。
【0010】化合物(B)の遷移金属化合物の具体例として例えば、二塩化鉄、三塩化鉄、Fe(OiPr)3、Fe(OAc)2、Fe(acac)3、三塩化ルテニウム、二塩化(1,5−シクロオクタジエン)ルテニウム、二塩化コバルト、Co(OAc)2、Co(acac)3三塩化ロジウム、二塩化ニッケル、二塩化ニッケルジメトキシエタン付加体、Ni(acac)2、Ni(COD)2、二塩化パラジウム、二塩化(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム、Pd(OAc)2などが挙げられる。
【0011】〔化合物C〕本発明において化合物(C)としては、(C1)一般式BQ1 Q2 Q3 で表されるホウ素化合物、(C2)一般式Z+ (BQ1 Q2 Q3 Q4 )- で表されるホウ素化合物、(C3)一般式(L−H)+ (BQ1 Q2 Q3 Q4 )- で表されるホウ素化合物のいずれかまたはそれらの2もしくは3種の混合物を用いる。
【0012】一般式 BQ1 Q2 Q3 で表されるホウ素化合物(C1)において、Bは3価の原子価状態のホウ素原子であり、Q1 〜Q3 はハロゲン原子、1〜20個の炭素原子を含む炭化水素基、1〜20個の 炭素原子を含むハロゲン化炭化水素基、1〜20個の炭素原子を含む置換シリル基、1〜20個の炭素原子を含むアルコキシ基または2〜20個の炭素原子を含む2置換アミノ基であり、それらは同じであっても異なっていても良い。好ましいQ1 〜Q3 はハロゲン原子、1〜20個の炭素原子を含む炭化水素基、1〜20個の炭素原子を含むハロゲン化炭化水素基である。
【0013】ホウ素化合物(C1)の具体例としては、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4−トリフルオロフェニル)ボラン、フェニルビス(ペンタフルオロフェニル)ボラン等が挙げられるが、より好ましくは、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランが挙げられる。
【0014】一般式Z+ (BQ1 Q2 Q3 Q4 )- で表されるホウ素化合物(C2)において、Z+ は無機または有機のカチオンであり、Bは3価の原子価状態のホウ素原子であり、Q1 〜Q4 は上記の(C1)におけるQ1 〜Q3 と同様である。
【0015】一般式 Z+ (BQ1 Q2 Q3 Q4 )- で表される化合物の具体例としては、無機のカチオンであるZ+ には、フェロセニウムカチオン、アルキル置換フェロセニウムカチオン、銀陽イオンなどが、有機のカチオンであるZ+ には、トリフェニルメチルカチオンなどが挙げられる。(BQ1 Q2 Q3 Q4 )- には、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,2,4ートリフルオロフェニル)ボレート、フェニルビス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレートなどが挙げられる。
【0016】これらの具体的な組み合わせとしては、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1,1’−ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、銀テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルメチルテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレートなどを挙げることができるが、より好ましくは、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが挙げられる。
【0017】また、一般式(L−H)+ (BQ1 Q2 Q3 Q4 )- で表されるホウ素化合物(C3)においては、Lは中性ルイス塩基であり、(L−H)+ はブレンステッド酸であり、Bは3価の原子価状態のホウ素原子であり、Q1 〜Q4 は上記の(C1)におけるQ1 〜Q3 と同様のものが挙げられる。
【0018】一般式(L−H)+ (BQ1 Q2 Q3 Q4 )- で表される化合物の具体例としては、ブレンステッド酸である(L−H)+ には、トリアルキル置換アンモニウム、N,N−ジアルキルアニリニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアリールホスホニウムなどが挙げられ、(BQ1 Q2 Q3 Q4 )- には、前述と同様のものが挙げられる。
【0019】これらの具体的な組み合わせとしては、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ノルマルブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ノルマルブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジイソプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどを挙げることができるが、より好ましくは、トリ(ノルマルブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、もしくは、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが挙げられる。
【0020】化合物(D)
〔有機アルミニウム化合物〕本発明において用いられる化合物(D)としては、下記(D1)〜(D3)の公知の有機アルミニウム化合物であり、それらのいずれかまたはそれらの混合物が挙げられる。
(D1):一般式 (E1)a AlZ(3-a) で示される有機アルミニウム化合物、(D2):一般式 {−Al(E2 )−O−}b で示される構造を有する環状のアルミノキサン、及び(D3):一般式 E3 {−Al(E3 )−O−}c Al(E3)2 で示される構造を有する線状のアルミノキサン(式中、E1 、E2 、E3 は、同一または相異なり、炭素数1〜8の炭化水素基であり、Zは同一または相異なり、水素原子又はハロゲン原子を表す。)。
【0021】一般式 (E1)a Al Z(3-a)で示される有機アルミニウム化合物(D1)の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジプロピルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムハクロライド、ジヘキシルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムクロライド;メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、プロピルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、ヘキシルアルミニウムジクロライド等のアルキルアルミニウムジクロライド;ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジプロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジヘキシルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド等を例示することができる。好ましくは、トリアルキルアルミニウムであり、より好ましくは、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが挙げられる。
【0022】一般式 {−Al(E2 )−O−}b で示される構造を有する環状のアルミノキサン(D2)、一般式 E3 {−Al(E3 )−O−}c Al(E3) 2 で示される構造を有する線状のアルミノキサン(D3)における、E2 、E3 の具体例としては、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ノルマルペンチル基、ネオペンチル基等のアルキル基を例示することができる。bは2以上の整数であり、cは1以上の整数である。好ましくは、E2 及びE3 はメチル基、イソブチル基であり、bは2〜40の整数、cは1〜40の整数である。
【0023】上記のアルミノキサンは各種の方法で造られる。その方法については特に制限はなく、公知の方法に準じて造ればよい。例えば、トリアルキルアルミニウム(例えば、トリメチルアルミニウムなど)を適当な有機溶剤(ベンゼン、脂肪族炭化水素など)に溶かした溶液を水と接触させて造る。また、トリアルキルアルミニウム(例えば、トリメチルアルミニウムなど)を結晶水を含んでいる金属塩(例えば、硫酸銅水和物など)に接触させて造る方法が例示できる。
【0024】本発明においては、化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)の組み合わせは、通常、任意の順序で行うことができる。上記を組合わせた後、化合物(D)を加えることにより、本発明のオレフィン重合用触媒が得られる。
【0025】各触媒成分の使用量は、化合物(A)/化合物(B)のモル比が1〜10で、好ましくは1〜3、化合物(C)/化合物(B)のモル比が1〜10で、好ましくは1〜5であり、化合物(D)/化合物(B)のモル比が1〜10000で、好ましくは10〜1000程度の範囲にあるように、各成分を用いることが望ましい。
【0026】次に、上記で得られた重合用触媒を用いてモノマーを重合する方法について説明する。重合に使用するモノマーは、炭素数2〜20個からなるオレフィン、ジオレフィン及びカルボン酸、エステル、アミノ基、等の極性の置換基をもつオレフィン等のいずれをも用いることができ、同時に2種類以上のモノマーを用いることもできる。かかるモノマーを以下に例示するが、下記化合物に限定されるものではない。かかるオレフィンの具体例としては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、5−メチル−2−ペンテン−1、ビニルシクロヘキセン等が挙げられ、ジオレフィン化合物としては、炭化水素化合物の共役ジエン、非共役ジエンが挙げられ、かかる化合物の具体例としては、非共役ジエン化合物の具体例として、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,4−ペンタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、ノルボルナジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、1,5−シクロオクタジエン、5,8−エンドメチレンヘキサヒドロナフタレン等が例示され、共役ジエン化合物の具体例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,3−シクロオクタジエン、1,3−シクロヘキサジエン等を例示することができ、極性の置換基をもつオレフィンの具体例としては、アクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル等が例示される。好ましくは、エチレンである。共重合体を構成するモノマーの具体例としては、エチレンとプロピレン、エチレンとブテン−1、エチレンとヘキセン−1、プロピレンとブテン−1等が例示されるが、本発明は、上記化合物に限定されるものではない。
【0027】重合方法は、特に限定されるべきものではないが、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、又はメチレンジクロライド等のハロゲン化炭化水素を溶媒として用いる溶媒重合、又はスラリー重合、ガス状のモノマー中での気相重合等が可能であり、また、連続重合、回分式重合のどちらでも可能である。
【0028】重合温度は、通常、−50℃〜300℃程度の範囲を採り得るが、特に、−20℃〜200℃程度の範囲が好ましく、重合圧力は、常圧〜60kg/cm2G(6MPa)程度が好ましい。重合時間は、一般的に、目的とするポリマーの種類、反応装置により適宜決定されるが、1分間〜20時間程度の範囲を採ることができる。また、本発明は共重合体の分子量を調節するために水素等の連鎖移動剤を添加することもできる。
【0029】
【発明の効果】本発明の重合用触媒は、活性が高くオレフィンの重合用触媒として有用である。
【0030】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】実施例1オートクレーブに窒素下で、トルエン2mlを仕込み、40℃で安定させた後、エチレンを0.6MPaまで加圧し安定させた。ここに、Ni(acac)2(0.1マイクロモル)と2,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニルイミノ)ブタン(0.1マイクロモル)との混合物、トリフェニルカルベニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート(0.3マイクロモル)、およびトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(40マイクロモル)をこの順序で加え、27分間攪拌した。反応終了後、反応溶液を減圧下で乾燥したところ、ポリマー0.23gが得られた。Mw=1000000、Mw/Mn=2.4、1000炭素中のメチル基の数は33であった。
【0032】実施例2実施例1において、2,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニルイミノ)ブタンを0.2マイクロモルとし、重合時間を23分間とした以外は同様に実施した。ポリマー0.24gが得られた。Mw=820000、Mw/Mn=2.8、1000炭素中のメチル基の数は44であった。
【0033】実施例3実施例1において、2,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニルイミノ)ブタンを0.3マイクロモルとし、重合時間を26分間とした以外は同様に実施した。ポリマー0.26gが得られた。Mw=780000、Mw/Mn=3.1、1000炭素中のメチル基の数は77であった。
【0034】比較例1実施例1において、オートクレーブへの投入順序を、Ni(acac)2(0.1マイクロモル)と2,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニルイミノ)ブタン(0.1マイクロモル)との混合物、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液、トリフェニルカルベニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート(0.3マイクロモル)とし、重合時間を1時間とした以外は同様に実施した。ポリマー0.052gが得られた。
【0035】比較例2実施例1において、オートクレーブへの投入順序を、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液、Ni(acac)2(0.1マイクロモル)と2,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニルイミノ)ブタン(0.1マイクロモル)との混合物、トリフェニルカルベニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート(0.3マイクロモル)とし、重合時間を1時間とした以外は同様に実施した。ポリマー0.012gが得られた。
【0036】比較例3実施例1において、オートクレーブへの投入順序を、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液、Ni(acac)2(0.1マイクロモル)、2,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニルイミノ)ブタン(0.1マイクロモル)、トリフェニルカルベニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート(0.3マイクロモル)とし、重合時間を1時間とした以外は同様に実施した。ポリマー0.008gが得られた。
【出願人】 【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学工業株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号
【出願日】 平成14年4月16日(2002.4.16)
【代理人】 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆 (外2名)
【公開番号】 特開2003−306511(P2003−306511A)
【公開日】 平成15年10月31日(2003.10.31)
【出願番号】 特願2002−113080(P2002−113080)