| 【発明の名称】 |
新規なヘアピン型ポリアミド |
| 【発明者】 |
【氏名】杉山 弘
【氏名】板東 俊和
【氏名】斎藤 烈
|
| 【要約】 |
【課題】本発明は、DNA上に存在する特定の塩基配列に対して、従来のこの種の機能分子よりも更に高いDNAアルキル化能と配列認識能を兼ね備えたピロール−イミダゾールポリアミド系の機能分子を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、ピロール−イミダゾールポリアミドの末端にビニールリンカーを介してアルキル化反応部位を有するヘアピン型ポリアミドに関する。また、本発明は、上記ヘアピン型ポリアミドを含んでなる、特定遺伝子の発現を抑制する薬剤並びに抗ガン性を有する薬剤に関する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ピロール−イミダゾールポリアミドの末端にビニールリンカーを介してアルキル化反応部位を有するヘアピン型ポリアミド。 【請求項2】 ヘアピン型ポリアミドが下記一般式[1] 【化1】
(式中、R1はアルキル化反応部位を表し、R2は水素原子、アルキル基又はアセトアミド基を表し、k,p,q,m及びnはそれぞれ独立して自然数を表す。)で示される化合物である請求項1に記載のヘアピン型ポリアミド。 【請求項3】 一般式[1]で示される化合物が、下記一般式[2] 【化2】
(式中、R2は水素原子、アルキル基又はアセトアミド基を表し、k,p,m及びnはそれぞれ独立して自然数を表す。)で示される化合物である請求項2に記載のヘアピン型ポリアミド。 【請求項4】 一般式[2]で示される化合物が下記構造式【化3】
で示される化合物である請求項3に記載のヘアピン型ポリアミド。 【請求項5】 一般式[2]で示される化合物が下記構造式【化4】
で示される化合物である請求項3に記載のヘアピン型ポリアミド。 【請求項6】 一般式[2]で示される化合物が下記構造式【化5】
で示される化合物である請求項3に記載のヘアピン型ポリアミド。 【請求項7】 一般式[2]で示される化合物が下記構造式【化6】
で示される化合物である請求項3に記載のヘアピン型ポリアミド。 【請求項8】 一般式[1]で示される化合物が、下記一般式[3] 【化7】
(式中、R2は水素原子、アルキル基又はアセトアミド基を表し、k,p,q,m及びnはそれぞれ独立して自然数を表す。)で示される化合物である請求項2に記載のヘアピン型ポリアミド。 【請求項9】 一般式[3]で示される化合物が下記構造式【化8】
で示される化合物である請求項8に記載のヘアピン型ポリアミド。 【請求項10】 請求項1〜9の何れかに記載のヘアピン型ポリアミドを含んでなる、特定遺伝子の発現を抑制する薬剤。 【請求項11】 特定遺伝子が異常遺伝子である請求項10に記載の薬剤。 【請求項12】 請求項1〜9の何れかに記載のヘアピン型ポリアミドを含んでなる、抗ガン性を有する薬剤。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、特定の遺伝子の発現を抑制し、高い抗ガン作用を有する新規で且つ極めて有用なヘアピン型ピロール−イミダゾールポリアミドに関する。 【0002】 【従来の技術】ヒトの遺伝子配列の解明がほぼ完了した現在、ある特定の塩基配列に対して特異的な機能を有する分子に多くの研究者の注目が集まっている。例えばDervanらは逆平行に配向したピロール(Py)−イミダゾール(Im)ポリアミドが塩基配列特異的にDNAのマイナーグルーブに結合することを見い出した(Bioorg. Med. Chem. 2001, 9, 2215;Curr. Opin. Str. Biol. 1997, 7, 355;J.Am. Chem. Soc. 1997, 119, 7636 等)。これらの分子は転写因子などに匹敵する結合定数と特異性を有しているので(J. Am Chem. Soc. 1998, 120, 3534;J.Am Chem. Soc. 1998, 120, 6219 等)、実際これらの分子を用いて遺伝子の発現の制御が既に検討されている(Nature, 1997, 387, 202;Proc. Natl. Acad.Sci. USA 1998, 95, 12890等)。しかしながら遺伝子の発現の制御は転写因子の結合を阻害することによって行われているため、ポリアミドが結合するターゲット配列は限られている(J. Am. Chem. Soc. 2000, 122, 4856)。本発明者らはPy−ImポリアミドにデュオカルマイシンAのアルキル化部位であるセグメントA(Du)を結合したハイブリット分子1を先に開発し特許出願している(WO00/15641号公報)。そのハイブリット分子1はPy−Imポリアミドによる配列認識能と450塩基対のDNAフラグメントの1ケ所をアルキル化する(J. Am Chem. Soc. 1999, 121, 4961)。しかしながら、1によるDNAの配列特異的アルキル化反応は、完了するのに1週間以上要し、反応の効率も7%と低かった。 【化9】
本発明者らは、また、アルキル化反応部位とPy−Imポリアミドとの間にビニルリンカーを挿入したImPyLDu86(Lはビニルリンカーを示す。以下同じ。)が2量体となって選択的にPyG(A/T)CPuという配列において5塩基離れた両方の鎖で反応することを見い出している(特開2000−281679号公報;J. Am Chem. Soc. 2000, 122, 1602)。この際、アルキル化部分の安定性を高めるためにサイクロプロピルインドール(CPI)であるDu86のセグメントAに変更した。この化合物は25nMという低濃度においても、用いたImPyLDu86の70%がアルキル化を引き起こし、リンカー部の導入により反応性と効率が劇的に向上することが判明した。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、DNA上に存在する特定の塩基配列に対して、従来のこの種の機能分子よりも更に高いDNAアルキル化能と配列認識能を兼ね備えたピロール−イミダゾールポリアミド系の機能分子を提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、ピロール−イミダゾールポリアミドの末端にビニールリンカーを介してアルキル化反応部位を有するヘアピン型ポリアミドに関する。 【0005】また、本発明は、上記ヘアピン型ポリアミドを含んでなる、特定遺伝子の発現を抑制する薬剤に関する。 【0006】更に、本発明は、上記ヘアピン型ポリアミドを含んでなる、抗ガン性を有する薬剤に関する。 【0007】 【発明の実施の形態】上記本発明のヘアピン型ポリアミドとしては、例えば下記一般式[1] 【化10】
(式中、R1はアルキル化反応部位を表し、R2は水素原子、アルキル基又はアセトアミド基を表し、k,p,q,m及びnはそれぞれ独立して自然数を表す。)で示される化合物が挙げられる。 【0008】上記一般式[1]において、R1で表されるアルキル化反応部位としては、DNA上に存在する特定の塩基配列に対して、アルキル化能と配列認識能を兼ね備えた基であればどのような基でも良いが、例えば、下記構造式【化11】
で示されるCPIであるDU−86のセグメントA(Du86)の残基や、下記構造式【化12】
で示されるCBIである1,2,9,9a−テトラヒドロシクロプロパ[c]ベンズ[e]インドール−4−オンの残基等が挙げられる。 【0009】一般式[1]において、R2で表されるアルキルとしては、例えば炭素数1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6の直鎖状又は分枝状の低級アルキル基が挙げられ、具体例としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。また、k,p,q,m,nで表される自然数としては、通常1〜10位,好ましくは1〜5位の自然数が挙げられる。 【0010】一般式[1]で示される化合物の例としては、例えば下記一般式[2] 【化13】
(式中、R2は水素原子、アルキル基又はアセトアミド基を表し、k,p,q,m及びnはそれぞれ独立して自然数を表す。)で示される化合物が挙げられる。 【0011】一般式[2]で示される化合物の具体例としては、例えば下記構造式【化14】
で示されるヘアピン型ポリアミド、下記構造式【化15】
で示されるヘアピン型ポリアミド、下記構造式【化16】
で示されるヘアピン型ポリアミド。下記構造式【化17】
で示されるヘアピン型ポリアミド等が挙げられる。 【0012】一般式[1]で示される化合物の他の例としては、例えば下記一般式[3] 【化18】
(式中、R2は水素原子、アルキル基又はアセトアミド基を表し、k,p,q,m及びnはそれぞれ独立して自然数を表す。)で示される化合物が挙げられる。 【0013】一般式[3]で示される化合物の具体例としては、例えば下記構造式【化19】
で示されるヘアピン型ポリアミド等が挙げられる。 【0014】本発明のヘアピン型ポリアミドの合成法の概略を化合物13及び14を例にして反応スキーム1に示す。なお、反応スキーム1には、比較のために使用した既存のタイプのヘアピン型ポリアミド(化合物12)の合成法も併せて示した。 【0015】 【化20】
【0016】即ち2と3のカップリングを市販のFDPPを用いて行いトリアミド4を合成した。その加水分解により得られるカルボン酸5を12−14のN末端側の半分にあたる共通のパーツとして利用した。8a−cと5をカップリングすることによりヘアピンエステル9a−cを合成した。アルキル化部分としては、ポリアミド部分とのカップリング条件でより安定なDU86のセグメントAを用い、12−14をそれぞれ合成した。最終化合物はHPLCにより分取、精製をおこない、NMR及びエレクトロスプレーマスにより構造確認した。 【0017】長鎖DNA(400bp)に対するアルキル化能ヘアピンポリアミド1、12−14のDNAとの反応について長鎖DNA(pUC−I’)を用いて検討した。アルキル化反応を24時間行いシークエンスゲル電気泳動を用いて解析した結果を図1に示す。比較の対象として用いたImPyPy−γ−ImPyPyDu(1)はサイト3の5'−GTCAG−3'配列のGで選択的に反応した。一方で、ImPyPy−γ−ImPyPyDu86(12)のアルキル化は100nM−12.5nMでは観察できなかった(レーン5−8)。更に10μMまで濃度をあげてもDNAは全く消失せず、アルキル化は起こらなかった。この事実はDuの方がDu86よりも高い反応性を有していることを示している。一方、ピロールを1つ除きビニルリンカーを挿入したImPyPy−γ−ImPyLDu86(13)は1より優れたアルキル化能を示し、サイト3のGTCAG配列のA(レーン9−12)で反応した上、100nMの条件ではほとんどの出発DNAが消失した(レーン9)。加えてImPyPy−γ−ImPyPyにビニルリンカーを挿入したImPyPy−γ−ImPyPyLDu86(14)は13と比較すれば若干反応性が低下しているものの、優先的にアルキル化する塩基配列がサイト3のGTCAG配列のGと異なるマッチサイトであるサイト7やサイト4、ミスマッチサイトであるサイト2でもアルキル化が進行し、1とは配列特異性が異なっていたことが明らかとなった(レーン13−16)。これらの結果はDu86の近傍の自由度が増したためと考えられる。なお、上記及び以下の記載において、−γ−はγ−アミノ酪酸残基を表す。 【0018】更に1と13の反応性の差を詳細に調べるために、短い反応時間でのアルキル化を解析した。その結果、興味深いことに13は5分という短時間での反応でもアルキル化が見られたが、1は1時間でもまだ反応していないことが明らかになった。これらのことは13は1に比べてDNAに対して劇的に配列特異的アルキル化のスピードが向上している事実を示している(図2) 【0019】短鎖DNA(10bp)に対するアルキル化アルキル化サイトの反応塩基部を明確に確認するために、ポリアミド12、13、14によるアルキル化についてDNAオリゴマー5'−CAAGTCAGAG/5'−CTCTGACTTGを基質としてHPLCを用いて検討した。結果を図3に示す。ポリアミドによって反応性に著しい違いがあったが、すべての場合において反応の進行に伴いアルキル化体と考えられるピークが観測された。更に加熱により分解し、先に本発明者らが論文に示した方法(Tetrahedron Lett.1990, 31, 7197;Tetrahedron Lett. 1993, 34, 2179 等)によりオリゴマーの分解生成物を調べることにより、矢印のところでアルキル化反応が起こっていることが確認された。オリゴマーに対する反応性においても12の反応性は1と比較しても非常に悪いことが確認された(17hで13%、図3)。この事実は長鎖DNAに対する反応性と同様DuとDu86の反応性の差から起因していると思われる。また逆に13は劇的な反応性の向上が見られた(5分で75%)。このことはアルキル化部位(Du86)の反応性よりもDNAマイナーグルーブ内における位置がDNAアルキル化能に重要な影響を与えていることを示している。14は短鎖DNAに対する反応性だけで見ると1とほぼ同等(2hで46%)であるが、13と比べると反応性が劣っている。以上の結果から、13のような分子設計、即ちイミダゾール−ピロールヘアピン型ポリアミドとCPIアルキレーターの間にビニル基を配置したこと、それが、DNAアルキル化能の劇的な向上に大きく寄与していることが明らかになった。また、DNAアルキル化剤の塩基配列認識でもビニル基とセグメントAとの組み合わせは効果的に機能することが判明した。ここで合成したヘアピン型ポリアミド13及び14は、高いDNAアルキル化能を有した塩基配列特異的アルキル化剤であり、遺伝子発現制御やがん細胞に対する抗細胞増殖阻害活性の結果については後述する。 【0020】認識塩基配列を拡張した配列特異的アルキル化剤の分子設計更に認識配列を拡張した機能分子として、14のN末端にイミダゾール環を付けたAcImImPyPy−γ−ImPyPyLDu86(15)を設計した。更に、N末端のアルキル化能に与える影響も確認するために、アセチル基を削除したImImPyPy−γ−ImPyPyLDu86(16)を設計した。合成方法はスキーム1と同様の方法で、カルボン酸17,18とアミン体19とをFDPPによりカップリングを行い20を合成し、8cとのカップリング後、15,16へと導いた。最終化合物はHPLCにより分取、精製をおこない、NMR及びエレクトロスプレーマスにより構造確認した(スキーム2)。 【0021】 【化21】
【0022】ヘアピンポリアミド14,15,16を比較するために長鎖DNA(pUC−II)を用いるDNAアルキル化反応を行った。反応時間を24時間行い、シークエンスゲル電気泳動を用いて解析した結果、それぞれnM濃度下での5'−TGACCA−3'における配列特異的なアルキル化を観察することができた(図4)。興味深いことに、14もマッチ配列である5'−TGACCA−3'でアルキル化が観察されているが、その反応性は15,16と比べると低く、ミスマッチ配列でのアルキル化も観察されている。明らかにDu86の近傍の自由度があることがその配列認識能の低下を引き起こしている。また、N末端のアセチル基を外すことによる影響は、ほとんどなかった。15,16のような分子設計は、Im−Py認識則に従った配列認識能を有しており、認識塩基配列をイミダゾール−ピロールの配置によって、変えることができる。このような塩基配列認識能を有しながら高いDNAアルキル化能を兼ね備えた配列特異的アルキル化剤は前例がないものである。 【0023】より実用性を重視した配列特異的アルキル化剤の分子設計ここまで述べてきた本発明者らが開発した機能分子13,14,15,16は、非常に優れた塩基配列認識能と、nM濃度で発現するDNAアルキル化能を兼ね備えた理想的な配列特異的アルキル化剤である。その上、イミダゾール−ピロールの配置を変えることで、認識配列を変えることも可能にしている。しかしながら、これらの化合物は何れもDNAアルキル化部分に天然物であるデュオカルマイシンB2由来のセグメントAを使用しているので大量生産という点で若干問題が残る。この点については、本発明者らは、既にBogerらによって合成法が報告されている(J. Org. Chem. 1992, 57, 2873;J. Org. Chem. 1995, 60, 1271 等)、CBI:1,2,9,9a−テトラヒドロシクロプロパ[c]ベンズ[e]インドール−4−オン(22)をDu86の代わりに使用することでこの問題が解決できると考えた。CBIを使う上での利点として1,3−ジヒドロキシナフタレンという市販品を出発原料として用いることができる点、また両エナンチオマーも光学分割によって供給可能になる点などが挙げられる。そこで、本発明者らは、16のDu86部をCBIに置き換えた化合物23を新しく合成した。そしてそのDNAアルキル化能評価を長鎖DNA(pUC−II)を用いて行った。結果を図5に示す。 【0024】その結果、CBIはDu86のセグメントAと比べても遜色なく配列特異的にアルキル化を行うことができることを見い出した。このCBIへの変換は、本発明者らが開発してきた配列特異的アルキル化剤に適用可能であると考えられる。本発明者らのこの新しい発見は、既存のIm−PyヘアピンポリアミドとCBIをビニルリンカーで結合させたことである。このビニルリンカーでの結合による分子設計の最適化が、配列特異的アルキル化剤実現の重要な因子であった。この発見によって、本発明者らが開発した配列特異的アルキル化剤の実用化、汎用化の可能性が一段と大きくなった。 【0025】塩基配列特異的アルキル化剤としてのPy−Imポリアミドの応用例(i)遺伝子発現制御ツールとしての可能性―新しいジーンノックアウト法の開発に向けて特定の遺伝子の発現を人為的にコントロールする方法としては、遺伝子の転写産物であるmRNAに対する相補的なDNA誘導体を投与し、タンパク質への翻訳を阻害するアンチセンス法や、mRNAを配列選択的に切断するリボザイム法などがあり、前者はHIV患者に対するサイトメガロウイルスに対する点眼薬として既に実用化されている。遺伝子の転写の段階を抑える方法としてはオリゴヌクレオチド誘導体を標的とする2本鎖DNAに三重鎖を形成させるアンチジーン法が提案されており、米国ではベンチャービジネスも数社設立された。しかし、この方法はターゲットとなる塩基配列がAとGの連続した部分に限られていることや、またオリゴヌクレオチドの核への透過の困難さから、実用化の段階には達していない。 【0026】これに比べ、Py−Imポリアミドは標的となる塩基配列を自由に選択でき、更に細胞膜や核膜の透過性も非常にすぐれているため、遺伝子の発現をコントロールする分子として大きく発展する可能性を秘めている。実際、Dervanらによってピロール(Py)−イミダゾール(Im)ポリアミドを用いて遺伝子の発現の制御の報告がなされている。しかしながら、Dervanらの遺伝子発現の制御は転写因子の結合を阻害することによって行われるため、ポリアミドが結合するターゲット配列は限られているのが現状である。アルキル化能をもつPy−ImポリアミドはDNAに配列特異的に結合するので、特定の遺伝子の発現を制御領域のみでなく、蛋白をコードしている領域でも効果的に制御することが可能であると考えられる。従ってこれらの分子は、ポストゲノム時代に必要とされているノックアウトジーン法として未知遺伝子の機能解析や、更にはテーラーメード医薬としてもさまざまな利用が考えられる。アルキル化能をもつPy−ImポリアミドはDNAに配列特異的に共有結合するので、特定遺伝子のタンパクの発現をコードする領域でも効果的に制御することが可能であると考えられる(図6)。このことはターゲットが似ている配列が多い調節領域にとどまらず、任意の配列をターゲットに選べることを意味している。 【0027】この利点は、病気の分子生物学的知見に基づいた新しい抗がん剤として有望であると考えられる。即ち抗がん剤として細胞において重要な役割を果たしていることが知られている遺伝子、例えばrasオンコジーン、細胞周期を調節するE2F遺伝子、テロメア領域やテロメアーゼ遺伝子などをターゲットとする方法があげられる。現在、まだ初期的な実験として、T7プロモーターとT7ポリメラーゼを用い、GFPプロテイン発現コード領域を使った実験を進めているが、そのコード領域中の387nt位のアデニンに対する化合物13の配列特異的なアルキル化に由来したポリメラーゼの転写阻害から生成したmRNAを観察することができている(図7)。まだ、実験条件が整っていない段階であり、更に詳細な転写阻害機構を解析していく必要がある。しかしながら、この結果は、配列特異的アルキル化剤がコード領域中で特異的に転写を阻害する能力を有していたことを世界で初めて示した実験であり、その意義は大きいと考えられる。新しいノックアウトジーン法の開発に向けてのブレイクスルーになるものである。 【0028】(ii)配列特異的アルキル化剤が抗細胞増殖阻害活性に与える効果・・・・・・テーラーメード抗がん剤の開発に向けて本発明者らが合成した多くの配列特異的アルキル化能をもつPy−Imポリアミドについて39種類のヒト培養がん細胞に対する抗細胞活性を検討した結果(39種類のヒト培養がん細胞に対する抗細胞活性評価は、全て(財)癌研究会癌化学療法センター、矢守隆夫氏に依頼した。)、いくつか興味深い事実が明らかになってきた。ひとつは、DNAアルキル化能と抗細胞活性の間に比例関係がみられたことである(図8)。例えば、平均IC50値はそれぞれImPyDu(−4.59)、ImPyDu86(−5.95)、ImPyLDu86(−8.25)のようにDNAアルキル化能の増大に伴い、小さくなっていく。特に、ビニルリンカーをイミダゾール−ピロールポリアミドとDu86の間に配置したことによる劇的な抗細胞活性の向上が、同系列の配列特異的アルキル化剤(PyPyLDu86、PyPyPyLDu86、ImPyPyLDu86)でも観察されていることは特筆すべき事実である。 【0029】更に興味深い結果が、ヘアピン型配列特異的アルキル化剤、ImPyPy−γ−ImPyLDu36(13)とImPyPy−γ−ImPyPyLDu36(14)の場合について抗細胞活性を示すフィンガープリントパターンを比較したときに得られた(図9)。一般に、作用機序が類似した薬剤間でフィンガープリントパターンを比較した場合、高い相関係数(r=0.75〜1.0)が得られてくることが知られており、実際、DNAインターカレーター、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン間では非常に高い類似性が見られる。しかし、13と14は、同じDNAマイナーグループでアデニン、グアニンのN3位をアルキル化する反応機序であるにもかかわらず、両者のフィンガープリントパターンの相関性はかなり低いものであった(r=0.60)。この13と14のように、構造が類似していながら塩基配列認識能の違いだけで、抗細胞活性に影響を与えられたことは、これまで前例がなく、非常に重要な知見になった。これらの結果はアルキル化剤に配列選択性を付与することで抗細胞増殖阻害活性を変えることが可能であることを意味しており、新しい抗ガン剤や遺伝子治療薬への道を拓くものであることを示唆している。 【0030】DNAアルキル化剤は第一世代の抗がん剤と言われマイトマイシン、シスプラチン、ナイトロジェンマスタード、サイクロフォスファミドなど様々な薬物が開発され、現在でも臨床で用いられている。しかし、正常細胞に対する重い副作用など克服が難しい問題があり、開発はその後頭打ちになっている。そのため、メトトキセートや5−フルオロウラシルなどの代謝拮抗剤や、カンプトテシンなどのトポイソメラーゼの阻害剤、タキソールなどのチュブリンをターゲットとするDNA以外を標的とした抗がん剤の開発が主流になっている。DNAアルキル化剤にDNAの塩基配列特異性を付与することによって、特定の遺伝子の発現を選択的にコントロールすることにより、副作用のないテーラーメード抗がん剤を開発する糸口になると考えられる。 【0031】 【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。 【0032】実施例1 5'−テキサスレッドラベルした450塩基対DNAの合成DNAフラグメント(pUC−I')は、5'−テキサスレッドでラベルした20塩基対プライマー:5'−AGAATCAGGGGATAACGCAG−3’(pUC18 forward,780−799)、20塩基対プライマー:5’−TTACCAGTGGCTGCTGCCAG−3'(pUC18 reverse,1459−1478)を用いてpUC18を鋳型としてPCR法によって合成した。得られたDNAフラグメントはSuprec−02にてろ過精製した後、UV吸収を測定してその濃度を決定した。DNAフラグメント(pUC−II)は、5'−テキサスレッドでラベルした21塩基対プライマー:5'−TGCTGGCCTTTTGCTCACATG−3'(pUC18 reverse,1861−1881)、18塩基対プライマー:5'−TGTAAAACGACGGCCAGT−3'(pUC18 forward,378−395)を用いてpUC18を鋳型としてPCR法によって合成した。得られたDNAフラグメントはSuprec−02にてろ過精製した後、UV吸収を測定してその濃度を決定した。 【0033】実施例2 ポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いた解析全量10μlのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)5mM中に5'末端がテキサスレッドでラベルされたDNAフラグメント(pUC−I')10nM、DMF10%(v/v)と図1に表記した濃度の薬剤を含む標準反応溶液を微量遠心分離管(エッペンドルフ)に入れて23℃下で24時間静置した。 [レーン1−4,100,50,25,12.5nM(1);レーン5−8,100,50,25,12.5nM(12);レーン9−12,100,50,25,12.5nM(13);レーン13−16,100,50,25,12.5nM(14);レーン17,DNAコントロール] 子牛胸腺DNA(1mM,1μL)を加えクェンチングを行い、90℃にて5分間振動させた。遠心減圧下得られたDNAにローディング色素(フューシンレッドのDMF溶液)8μlを加え溶解させた後、94℃にて20分間振動させた。直ちに0℃にて急冷した後、その2μlについて、HITACHI 5500−S DNAシーケンサーシステムを用いた6%ディネーチャーポリアクリルアミドゲルでの電気泳動を行った。結果を図1に示す。 【0034】実施例3 ポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いた解析全量10μlのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)5mM中に5'末端がテキサスレッドでラベルされたDNAフラグメント(pUC−I’)10nM、DMF10%(v/v)と図2に表記した濃度の薬剤を含む標準反応溶液を微量遠心分離管(エッペンドルフ)に入れて23℃下で5分、1時間、2時間、それぞれ静置した。 [レーン1,DNAコントロール;レーン2−4,100,50,25nM (13);レーン5−7,100,50,25nM(13);レーン8−10,100,50,25nM(13);レーン11−13,100,50,25nM(1);] 各反応時間後、子牛胸腺DNA(1mM,1μL)を加えクェンチングを行い、90℃にて5分間振動させた。遠心減圧下得られたDNAにローディング色素(フューシンレッドのDMF溶液)8μlを加え溶解させた後、94℃にて20分間振動させた。直ちに0℃にて急冷した後、その2μlについて、HITACHI 5500−S DNAシーケンサーシステムを用いた6%ディネーチャーポリアクリルアミドゲルでの電気泳動を行った。結果を図2に示す。 【0035】実施例4 DNAオリゴマーに対するアルキル化反応の解析DNAオリゴマーはDNA合成機で合成したものを用いた。全量50μlのカコジル酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)50mM中に二本鎖DNAフラグメント150μM、DMF10%(v/v)とそれぞれの試薬1,12,13,又は14(150μM)を含む標準反応溶液を微量遠心分離管(エッペンドルフ)に入れて23℃下で静置した反応の進行をケムコボンド 5−ODS−H カラム(4.6×150mm)を用いてHPLCにて測定した。HPLC条件を以下に表記する。[50mMギ酸アンモニウム及び0−50%アセトニトリル リニアグラジエント(0−40min)、流速:1.0mL/min、254nm]結果を図3に示す。 【0036】実施例5 ポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いた解析全量10μlのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)5mM中に5'末端がテキサスレッドでラベルされたDNAフラグメント(pUC−II)10nM、DMF10%(v/v)と図4に表記した濃度の薬剤を含む標準反応溶液を微量遠心分離管(エッペンドルフ)に入れて23℃下で24時間静置した。 [レーン1,DNAコントロール;レーン2−7,50,25,12.5,10,7.5,5,2.5nM(15);レーン8−13,50,25,12.5,10,7.5,5,2.5nM(16);レーン14−19,50,25,12.5,10,7.5,5,2.5nM(14)] 子牛胸腺DNA(1mM,1μL)を加えクェンチングを行い、90℃にて5分間振動させた。遠心減圧下得られたDNAにローディング色素(フューシンレッドのDMF溶液)8μlを加え溶解させた後、94℃にて20分間振動させた。直ちに0℃にて急冷した後、その2μlについて、HITACHI 5500−S DNAシーケンサーシステムを用いた6%ディネーチャーポリアクリルアミドゲルでの電気泳動を行った。結果を図4に示す。 【0037】実施例6 ポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いた解析全量10μlのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)5mM中に5'末端がテキサスレッドでラベルされたDNAフラグメント(pUC−II)10nM、DMF10%(v/v)と図5に表記した濃度の薬剤を含む標準反応溶液を微量遠心分離管(エッペンドルフ)に入れて23℃下で24時間静置した。 [レーン1−5,50,25,12.5,6.3nM(16);レーン6−10,50,25,12.5,6.3nM(23)] 子牛胸腺DNA(1mM,1μL)を加えクェンチングを行い、90℃にて5分間振動させた。遠心減圧下得られたDNAにローディング色素(フューシンレッドのDMF溶液)8μlを加え溶解させた後、94℃にて20分間振動させた。直ちに0℃にて急冷した後、その2μlについて、HITACHI 5500−S DNAシーケンサーシステムを用いた6%ディネーチャーポリアクリルアミドゲルでの電気泳動を行った。結果を図5に示す。 【0038】実施例7〜9 化合物12,13及び14の合成反応スキーム1に従って、化合物12,13及び14を合成した。 (1)AcImPyPy−γ−CO2CH3 (4)の合成化合物2(1.0g,3.72mmol)のメタノール−酢酸エチル混合溶液(1:1,30mL)に10%パラジウム−炭素(220mg)を加え、水素雰囲気下、室温にて3時間撹拌した。触媒成分をセライトろ過により除去した後、ろ液を濃縮してクルードのアミン体を得て(859mg)、更なる精製をすることなく、これを次の反応に用いた。クルードのアミン体(859mg,3.59mmol)を15mlのDMFに溶かし、化合物3(820mg,2.69mmol)とFDPP:ペンタフルオロフェニルジフェニルフォスフィネート(1.70g,4.42mmol)を加え、続いてiPr2NEt:ジイソプロピルエチルアミン(1.54mL,8.84mmol)を添加した。反応混合物を室温にて24時間撹拌した後、反応溶液の溶媒を留去して得た残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0−10%MeOH/CHCl3、グラジエント溶離)にて精製することにより化合物4(1.33g)を収率94%で得た。 1H NMR (DMSO−d6) δ 10.23 (s, 1H), 9.94 (s, 1H), 9.88 (s, 1H), 8.02 (brt, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.27 (d, J= 1.5 Hz, 1H), 7.17 (d, J= 1.5 Hz, 1H), 7.12 (d, J= 1.5 Hz, 1H), 6.87 (d, J= 1.5 Hz, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 3.59 (s, 3H), 3.16 (dt, J= 6.0, 7.0 Hz,2H), 2.34 (t, J= 7.0 Hz, 2H), 2.03 (s, 3H), 1.74 (qu, J= 7.0 Hz, 2H)。 ESMS m/e calcd for C24H31N8O6 (M+H) 527.2, found 527.1。 【0039】(2)AcImPyPy−γ−CO2H (5)の合成化合物4(1.33g,2.52mmol)を蒸留水50mlで懸濁し、水酸化ナトリウム(800mg,20mmol)を加えた。これを室温にて24時間撹拌したのち、10%HCl水溶液を0℃下で加えて酸性(pH2)にした。生じた沈殿物をろ取し、水洗してから乾燥し、化合物5(1.10g)を収率85%で得た。 1H NMR(DMSO−d6) δ 10.24 (s, 1H), 9.95 (s, 1H), 9.89 (s,1H), 8.02 (brt, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.26 (d, J= 1.5 Hz, 1H), 7.17 (d, J=1.5 Hz, 1H), 7.11 (d, J= 1.5 Hz, 1H), 6.86 (d, J= 1.5 Hz, 1H), 3.94 (s,3H), 3.84 (s, 3H), 3.78 (s, 3H), 3.17 (dt, J= 6.0, 7.0 Hz, 2H), 2.24 (t, J= 7.0 Hz, 2H), 2.01 (s, 3H), 1.79 (qu, J= 7.0 Hz, 2H)。 ESMS m/e calcd for C23H29N8O6 (M+H) 513.2, found 513.3。 【0040】(3)NO2ImPyPyLCO2CH2CH3(8c)の合成化合物6(500mg,2.23mmol)のメタノール−酢酸エチル混合溶液(1:1,20mL)に10%パラジウム−炭素(200mg)を加えた。更に水素化ほう素ナトリウム(170mg,4.47mmol)を蒸留水(1ml)で懸濁したものを、0℃下で滴下した後、反応混合物を窒素雰囲気下、室温にて20分間撹拌した。触媒成分をシリカゲルろ過にて除去した後、ろ液を濃縮してクルードのアミン体を得て(418mg)、更なる精製をすることなく、これを次の反応に用いた。クルードのアミン体(418mg,2.15mmol)を14mlのDMFに溶かし、化合物7(330mg,1.13mmol)とFDPP:ペンタフルオロフェニルジフェニルフォスフィネート(1.3g,3.39mmol)を加え、続いてiPr2NEt:ジイソプロピルエチルアミン(1.18mL,6.78mmol)を添加した。反応混合物を20時間撹拌した後、反応溶液の溶媒を留去して得た残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0−10%MeOH/CHCl3、グラジエント溶離)にて精製することにより化合物8c(359mg)を収率83%で得た。 1H NMR (DMSO−d6) δ 10.86 (s, 1H), 9.98 (s, 1H), 8.61 (s, 1H), 7.51 (d, J= 16.0 Hz, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 7.22 (s, 1H),6.74 (s, 1H), 6.07 (d, J= 16.0 Hz, 1H), 4.14 (q, J= 7.0 Hz, 2H), 4.05(s,3H), 3.85 (s, 3H), 3.68 (s, 3H), 1.23 (t, J= 7.0 Hz, 3H)。 ESMS m/e calcd for C21H24N7O6 (M+H) 470.2, found 470.1。 【0041】(4)AcImPyPy−γ−ImPyPyCO2CH3(9a)の合成化合物8a(200mg,0.466mmol)のメタノール−酢酸エチル混合溶液(1:1,8mL)に10%パラジウム−炭素(100mg)を加え、水素雰囲気下、室温にて5時間撹拌した。触媒成分をセライトろ過により除去した後、ろ液を濃縮してクルードのアミン体を得て(178mg)、更なる精製をすることなく、これを次の反応に用いた。クルードのアミン体(178mg,0446mmol)を2mlのDMFに溶かし、化合物5(190mg,0.373mmol)とFDPP:ペンタフルオロフェニルジフェニルフォスフィネート(268mg,0.699mmol)を加え、続いてiPr2NEt:ジイソプロピルエチルアミン(0.243mL,1.39mmol)を添加した。反応混合物を室温にて16時間撹拌した後、反応溶液の溶媒を留去して得た残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0−10%MeOH/CHCl3、グラジエント溶離)にて精製することにより化合物9a(154.5mg)を収率49%で得た。 1H NMR(DMSO−d6) δ 10.26 (s, 1H), 10.23 (s, 1H), 9.99 (s, 1H), 9.96 (s, 1H), 9.94 (s, 1H), 9.90 (s, 1H), 8.02 (brt, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.42 (s, 2H), 7.26 (s, 2H), 7.17 (s, 1H), 7.14 (s, 1H), 7.12 (s,1H), 6.89 (s, 1H), 6.88 (s, 1H), 3.94 (s, 6H), 3.84 (s, 3H), 3.83 (s, 3H),3.82 (s, 3H), 3.81 (s, 3H), 3.79 (s, 3H), 3.20 (m, 2H), 2.35 (m, 2H),2.01 (s, 3H), 1.78 (m, 2H)。 ESMS m/e calcd for C41H48N15O9 (M+H) 894.4, found 894.3。 【0042】(5)AcImPyPy−γ−ImPyLCO2CH2CH3(9b)の合成化合物8b(68mg,0.20mmol)のメタノール−酢酸エチル混合溶液(1:1,4mL)に10%パラジウム−炭素(30mg)を加えた。更に水素化ホウ素ナトリウム(20mg,0.528mmol)を蒸留水(0.2ml)で懸濁したものを、0℃下で滴下した後、反応混合物を窒素雰囲気下、室温にて20分間撹拌した。触媒成分をシリカゲルろ過にて除去した後、ろ液を濃縮してクルードのアミン体を得て(60mg)、更なる精製をすることなく、これを次の反応に用いた。クルードのアミン体(60mg,0.189mmol)を0.6mlのDMFに溶かし、化合物5(97mg,0189mmol)とFDPP:ペンタフルオロフェニルジフェニルフォスフィネート(109mg,0.284mmol)を加え、続いてiPr2NEt:ジイソプロピルエチルアミン(99μL,0.568mmol)を添加した。反応混合物を18時間撹拌した後、反応溶液の溶媒を留去して得た残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0−10%MeOH/CHCl3、グラジエント溶離)にて精製することにより化合物9b(107mg)を収率69%で得た。 1H NMR (DMSO−d6) δ 10.27 (s, 1H), 10.23 (s, 1H), 9.95 (s,1H), 9.89 (s, 2H), 8.01 (brt, 1H), 7.51 (d, J= 16.0 Hz, 1H), 7.45 (s,1H), 7.43 (d, J= 1.0 Hz, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.27 (d, J= 1.0 Hz, 1H), 7.17(d, J= 2.0 Hz, 1H), 7.12 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 6.89 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 6.83 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 6.11 (d, J= 16.0 Hz, 1H), 4.15 (q, J= 7.0 Hz, 2H),3.95 (s, 3H), 3.94 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 3.69 (s, 3H),3.20 (dt, J= 5.5, 7.0 Hz, 2H), 2.36 (t, J= 7.0 Hz, 2H), 2.02 (s, 3H), 1.79(q, J= 7.0 Hz, 2H), 1.24 (t, J= 7.0 Hz, 3H)。 ESMS m/e calcd for C38H46N13O8 (M+H) 812.4, found 812.3。 【0043】なお、上記(3)において原料として用いた化合物7及び8、及び上記(4)において原料として用いた化合物8a、並びに上記(5)において原料として用いた化合物8bは、J. Am Chem. Soc. 1999, 121, 4961 及び J. Am Chem. Soc.2000, 122, 1602 等に記載の方法により合成したものを使用した。 【0044】(6)AcImPyPy−γ−ImPyPyLCO2CH2CH3(9c)の合成化合物9cは、化合物9bと同様の合成手順により収率28%で得られた。 1H NMR (DMSO−d6) δ 10.26 (s, 1H), 10.23 (s, 1H), 9.97 (s,1H), 9.95 (s, 1H), 9.94 (s, 1H), 9.89 (s, 1H), 8.02 (brt, 1H), 7.52 (d, J= 16.0 Hz, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.27 (s, 2H),7.17 (s, 1H), 7.15 (s, 1H), 7.13 (s, 1H), 6.90 (s, 1H), 6.75 (s, 1H),6.08 (d, J= 16.0 Hz, 1H), 4.15 (q, J= 7.0 Hz, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.94 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 3.69 (s, 3H), 3.21 (m,2H), 2.36 (m, 2H), 2.02 (s, 3H), 1.79 (m, 2H), 1.24 (t, J= 7.0 Hz, 3H)。 ESMS m/e calcd for C44H52N15O9 (M+H) 934.4, found 934.4。 【0045】(7)AcImPyPy−γ−ImPyPyCO2H(10a)の合成化合物9a(154.5mg,0.181mmol)を0.6mlの蒸留水で懸濁したものに、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)(0.2ml,1.34mmol)を添加した。この反応混合物を2時間撹拌し、1%HCl水溶液を0℃下で加えて酸性(pH2)にした。生じた沈殿物をろ取し、水洗した後、乾燥し、化合物10a(131.5mg)を収率86%で得た。 1H NMR(DMSO−d6) δ 10.25 (s, 1H), 10.23 (s, 1H), 9.97 (s, 1H), 9.95 (s, 1H), 9.90 (s, 1H), 9.89 (s, 1H), 8.02 (brt, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.41 (s, 2H), 7.26 (s, 2H), 7.17 (s, 1H), 7.12 (s, 2H), 6.89 (s,1H), 6.84 (s, 1H), 3.94 (s, 6H), 3.84 (s, 3H), 3.83 (s, 3H), 3.81 (s, 3H),3.79 (s, 3H), 3.18 (m, 2H), 2.35 (m, 2H), 2.01 (s, 3H), 1.78 (m, 2H)。 ESMS m/e calcd for C40H46N15O9 (M+H) 880.4, found 880.4。 【0046】(8)AcImPyPy−γ−ImPyLCO2H(10b)の合成化合物9b(143mg,0.176mmol)を0.6mlの蒸留水で懸濁したものに、DBU(0.6ml,4.01mmol)を添加した。この反応混合物を6時間撹拌した後、溶媒を留去して得た残留物をジエチルエーテルと酢酸エチルを用いて洗浄した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0−20%MeOH/CHCl3、グラジエント溶離)にて精製した後、粗結晶のカルボン酸塩を1%酢酸で酸性にさせた。生じた沈殿物をろ取、水洗、乾燥して化合物10b(70mg)を収率51%で得た。 1H NMR(DMSO−d6) δ 10.27 (s, 1H), 10.23 (s, 1H), 9.95 (s, 1H), 9.89 (s, 2H), 8.02 (brt, 1H), 7.46 (d, J= 16.0 Hz, 1H), 7.45 (s,1H), 7.42 (s, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.27 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 7.17 (s, 1H),7.13 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 6.89 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 6.80 (d, J= 2.0 Hz, 1H),6.03 (d, J= 16.0 Hz, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.94 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.80(s, 3H), 3.68 (s, 3H), 3.21 (m, 2H), 2.36 (m, 2H), 2.03 (s, 3H), 1.79(m,2H)。 ESMS m/e calcd for C36H42N13O8 (M+H) 784.3, found 784.3。 【0047】(9)AcImPyPy−γ−ImPyPyLCO2H(10c)の合成化合物10cは、化合物9bの代わりに化合物9cを用い、化合物10bと同様の合成手順により収率50%で得られた。 1H NMR(DMSO−d6) δ 10.24 (s, 1H), 10.21 (s, 1H), 9.95 (s, 1H), 9.93 (s, 1H), 9.91 (s, 1H), 9.88 (s, 1H), 8.01 (brt, 1H), 7.45 (d, J= 16.0 Hz, 1H), 7.44 (s, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.26 (s, 2H),7.16 (s, 1H), 7.12 (s, 1H), 7.11 (s, 1H), 6.88 (s, 1H), 6.70 (s, 1H),5.99 (d, J= 16.0 Hz, 1H), 3.94 (s, 6H), 3.84 (s, 6H), 3.79 (s, 3H), 3.66(s, 3H), 3.20 (m, 2H), 2.35 (m, 2H), 2.01 (s, 3H), 1.78 (m, 2H)。 ESMS m/e calcd for C42H48N15O9 (M+H) 906.4, found 906.3。 【0048】(10)AcImPyPy−γ−ImPyPyCOIm(11a)の合成化合物10a(10mg,11.3μmol)をDMF(0.2ml)で溶かしたものに、1,1’−カルボニルジイミダゾール(3.5mg,22.0μmol)を加えた。この反応混合物を室温にて5時間撹拌した。減圧下溶媒を留去して得た黄色残留物をジエチルエーテル(5ml)で3回洗浄して化合物11a(10mg)を収率95%で得た。 1H NMR (DMSO−d6) δ 10.25 (s, 1H), 10.23 (s, 1H), 10.06(s,1H), 10.03 (s, 1H), 9.96 (s, 1H), 9.90 (s, 1H), 8.26 (s, 1H), 8.01 (brt,1H), 7.77 (s, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.26 (s,2H), 7.20 (s, 1H), 7.17 (s, 1H), 7.13 (s, 2H), 6.95 (s, 1H), 6.89 (s, 1H),3.94 (s, 6H), 3.90 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 3.79 (s, 3H),3.20 (m, 2H), 2.35 (m, 2H), 2.01 (s, 3H), 1.78 (m, 2H)。 ESMS m/e calcd for C43H48N17O8 (M+H) 930.4, found 930.3。 【0049】(11)AcImPyPy−γ−ImPyLCOIm(11b)の合成化合物11bは、化合物10aの代わりに化合物10bを用い、化合物11aと同様の合成手順により収率94%で得られた。 1H NMR (DMSO−d6) δ 10.26 (s, 1H), 10.23 (s, 1H), 10.08(s,1H), 9.95 (s, 1H), 9.89 (s, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.02 (brt, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.87 (d, J= 15.0 Hz, 1H), 7.63 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.47 (s, 1H),7.42 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 7.27 (s, 1H), 7.18 (s, 1H), 7.14 (d, J= 15.0Hz, 1H), 7.13 (s, 1H), 6.90 (s, 1H), 3.96 (s, 3H), 3.95 (s, 3H), 3.86(s,3H), 3.81 (s, 3H), 3.78 (s, 3H), 3.21 (m, 2H), 2.37 (m, 2H), 2.02 (s, 3H), 1.80 (m, 2H)。 ESMS m/e calcd for C39H44N15O7 (M+H) 834.4, found 834.3。 【0050】(12)AcImPyPy−γ−ImPyPyLCOIm(11c)の合成化合物11cは、化合物10aの代わりに化合物10cを用い、化合物11aと同様の合成手順により収率94%で得られた。 1H NMR(DMSO−d6)δ 10.24 (s, 1H), 10.21 (s, 1H), 10.04 (s, 1H), 9.99 (s, 1H), 9.94 (s, 1H), 9.88 (s, 1H), 8.66 (s, 1H), 8.01 (brt, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.87 (d, J= 15.0 Hz, 1H), 7.63 (s, 1H), 7.47 (s, 1H),7.45 (s, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.28 (s, 1H), 7.25 (s, 1H), 7.22 (s, 1H),7.16 (s, 1H), 7.13 (d, J= 15.0 Hz, 1H), 7.11 (s, 1H), 7.09 (s, 1H), 6.89(s, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.94 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 3.79 (s,3H), 3.77 (s, 3H), 3.20 (m, 2H), 2.35 (m, 2H), 2.01 (s, 3H), 1.79 (m,2H)。 ESMS m/e calcd for C45H50N17O8 (M+H) 956.4, found 956.5.【0051】(13)AcImPyPy−γ−ImPyPyCPI(12)の合成水素化ナトリウム(3.0mg,75μmol,60%ミネラルオイル懸濁液)の無水DMF(0.1ml)溶液中にDU86のセグメントA(3.7mg,14.5μmol)の無水DMF(0.1ml)溶液を加えた後、化合物11a(10mg,10.7μmol)の無水DMF(0.1ml)溶液を0℃下で添加し、反応混合物を0℃にて1時間撹拌した。そこに50mMリン酸ナトリウム緩衝液(2mL,pH6.86)を0℃下で加えてクエンチングした後、減圧下溶媒を留去して黄色残留物を得た。この粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、0−5%MeOH/CHCl3、グラジエント溶離)にて精製し、化合物12(5.7mg)を収率49%で得た。更なる精製をケムコボンド 5−ODS−H カラムを用いたHPLC(0.1%AcOH/CH3CN0−50%リニアグラジエント、35.1min/40min、254nm)で行い、得られた化合物12を前述したDNAアルキル化反応に用いた。 1H NMR(DMSO−d6)δ12.37 (brs, 1H), 10.25 (s, 1H), 10.22 (s,1H), 9.96 (s, 1H), 9.94 (s, 1H), 9.93 (s, 1H), 9.88 (s, 1H), 8.01 (brt, 1H), 7.44 (s, 2H), 7.41 (s, 1H), 7.25 (s, 2H), 7.16 (s, 1H), 7.14 (s,1H), 7.12 (s, 1H), 6.88 (s, 1H), 6.70 (s, 1H), 6.14 (s, 1H), 4.22 (m, 1H),4.08 (m, 1H), 3.94 (s, 6H), 3.84 (s, 6H), 3.79 (s, 3H), 3.73 (s, 3H),3.72 (s, 3H), 3.42 (m, 1H), 3.21 (m, 2H), 2.41 (s, 3H), 2.34 (m, 2H), 2.17(m, 1H), 2.01 (s, 3H), 1.78 (m, 2H), 1.41 (m, 1H)。 ESMS m/e calcd for C54H58N17O11 (M+H) 1120.4, found 1120.5.【0052】(14)AcImPyPy−γ−ImPyLCPI(13)の合成化合物13は、化合物11aの代わりに化合物11bを用い、化合物12と同様の合成手順により収率50%で得られた。更なる精製をケムコボンド 5−ODS−H カラムを用いたHPLC(0.1%AcOH/CH3CN 0−50%リニアグラジエント、32.9min/40min、254nm)で行い、得られた化合物13を前述したDNAアルキル化反応に用いた。 1H NMR (DMSO−d6)δ 12.18 (brs, 1H), 10.26 (s, 1H), 10.22(s, 1H), 10.19 (s, 1H), 9.94 (s, 1H), 9.89 (s, 1H), 8.02 (brt, 1H), 7.57(d, J= 15.0 Hz, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.34 (s, 1H), 7.27 (s,1H), 7.18 (s, 1H), 7.13 (s, 1H), 6.98 (s, 1H), 6.89 (s, 1H), 6.58 (d, J=15.0 Hz, 1H), 5.96 (s, 1H), 4.28 (m, 1H), 4.15 (m, 1H), 3.95 (s, 6H), 3.85 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 3.73 (s, 3H), 3.72 (s, 3H), 3.54 (m, 1H), 3.20(m, 2H), 2.46 (s, 3H), 2.36 (m, 2H), 2.09 (m, 1H), 2.02 (s, 3H), 1.79 (m, 2H), 1.29 (m, 1H)。 ESMS m/e calcd for C50H54N15O10 (M+H) 1024.4, found 1024.4.【0053】(15)AcImPyPy−γ−ImPyPyLCPI(14)の合成化合物14は、化合物11aの代わりに化合物11cを用い、化合物12と同様の合成手順により収率51%で得られた。更なる精製をケムコボンド 5−ODS−H カラムを用いたHPLC(0.1%AcOH/CH3CN 0−50%リニアグラジエント、36.8min/40min,254nm)で行い、得られた化合物14を前述したDNAアルキル化反応に用いた。 1H NMR (DMSO−d6)δ12.37 (brs, 1H), 10.26 (s, 1H), 10.22(s,1H), 10.19 (s, 1H), 9.97 (s, 1H), 9.94 (s, 1H), 9.89 (s, 1H), 8.02 (brt,1H), 7.58 (d, J= 15.0 Hz, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.39 (s, 1H),7.28 (s, 1H), 7.27 (s, 1H), 7.17 (s, 1H), 7.15 (s, 1H), 7.13 (s, 1H),6.90 (s, 2H), 6.58 (d, J= 15.0 Hz, 1H), 6.00 (s, 1H), 4.29 (m, 1H), 4.15 (m, 1H), 3.96 (s, 3H), 3.95 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.80(s,3H), 3.73 (s, 3H), 3.72 (s, 3H), 3.54 (m, 1H), 3.19 (m, 2H), 2.47 (s,3H), 2.38 (m, 2H), 2.09 (m, 1H), 2.02 (s, 3H), 1.80 (m, 2H), 1.29 (m, 1H)。 ESMS m/e calcd for C56H60N17O11 (M+H) 1146.5, found 1146.5.【0054】実施例10〜11 化合物15及び16の合成反応スキーム1に記載の化合物13および14の合成方法に従って、スキーム2に示すように、化合物15及び16を合成した。 (1)AcImImPyPy−γ−ImPyPyLCPI (15):1H NMR (DMSO−d6) d 10.30 (s, 1H), 10.27 (s, 2H), 10.24 (s,1H),9.94 (s, 1H), 9.90 (s, 2H), 9.31 (brs, 1H), 8.00 (brt, 1H), 7.57 (d, J= 14.5 Hz, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.50 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.37 (s, 1H),7.27 (s, 2H), 7.17 (s, 1H), 7.15 (s, 2H), 6.89 (s, 2H), 6.55 (d, J= 14.5Hz, 1H), 6.48 (s, 1H), 4.26 (m, 1H), 4.18 (m, 1H), 4.00 (s, 3H), 3.97(s,3H), 3.95 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.80 (s, 6H), 3.72 (s, 3H), 3.71 (s,3H), 3.50 (m, 1H), 3.16 (m, 2H), 2.47 (s, 3H), 2.35 (m, 2H), 2.15 (m, 1H),2.03 (s, 3H), 1.79 (m, 2H), 1.30 (m, 1H)。 ESMS m/e calcd for C61H65N20O12 (M+H) 1269.5, found 1269.4。 【0055】(2)H−ImImPyPy−γ−ImPyPyLCPI (16):1H NMR (DMSO−d6) d 12.34 (brs, 1H), 10.30 (s, 2H), 10.23 (s,1H), 9.94 (s, 1H), 9.87 (s, 1H), 9.68 (s, 1H), 8.00 (brt, 1H), 7.57 (d, J= 14.5 Hz, 1H), 7.55 (s, 2H), 7.45 (s, 1H), 7.44 (s, 2H), 7.37 (s, 1H),7.27 (s, 2H), 7.17 (s, 1H), 7.14 (s, 2H), 7.06 (s, 1H), 6.89 (s, 1H),6.55 (d, J= 14.5 Hz, 1H), 4.27 (m, 1H), 4.13 (m, 1H), 4.00 (s, 6H), 3.95 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 3.72 (s, 3H), 3.71(s,3H), 3.45 (m, 1H), 3.15 (m, 2H), 2.47 (s, 3H), 2.35 (m, 2H), 2.17 (m,1H), 1.78 (m, 2H), 1.30 (m, 1H)。 ESMS m/e calcd for C59H62N19O11 (M+H) 1212.5, found 1212.5。 【0056】実施例12 化合物23の合成最終工程で、DU−86のセグメントA(Du86)の代わりに1,2,9,9a−テトラヒドロシクロプロパ[c]ベンズ[e]インドール−4−オンを用いた以外は反応スキーム1及び2に記載の化合物13〜16の合成法に従って化合物23を合成した。 H−ImImPyPy−γ−ImPyPyLCBI (23):1H NMR (DMSO−d6) 10.30 (s, 1H), 10.23 (s, 1H), 9.96 (s, 1H),9.95 (s, 1H), 9.90 (s, 1H), 9.68 (s, 1H), 7.99 (brt, 1H), 7.98 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.61-6.89 (m, 17H), 6.57 (d, J= 15.0 Hz, 1H), 4.33 (m, 1H),4.28 (m, 1H), 4.00 (s, 6H), 3.94 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 3.80(s, 3H), 3.72 (s, 3H), 3.68 (m, 1H), 3.18 (m, 2H), 2.35 (m, 2H), 1.79(m,2H), 1.70 (m, 1H), 1.55 (m, 1H)。 ESMS m/e calcd for C58H59N18O9 (M+H) 1151.5, found 1151.5。 【0057】 【発明の効果】本発明はDNA上に存在する特定の塩基配列に対して、高いDNAアルキル化能と配列認識能を兼ね備えた機能分子の設計に関するものである。この機能分子は、分子内のイミダゾールーピロールの配置を変えることで、塩基配列認識能を変えることが可能である。このような特性を備えたアルキル化剤は本発明者らが開発したアルキル化剤の他には例がない。このことはヒトゲノム上での重要な遺伝子配列、或いはがんなどの病気に由来した遺伝子異常に対する有用なドラッグとして、はじめてのポストゲノム時代を担う遺伝子レベルでの創薬を実現するものである。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】396020800 【氏名又は名称】科学技術振興事業団
|
| 【出願日】 |
平成14年3月8日(2002.3.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100102668 【弁理士】 【氏名又は名称】佐伯 憲生
|
| 【公開番号】 |
特開2003−261541(P2003−261541A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月19日(2003.9.19) |
| 【出願番号】 |
特願2002−63608(P2002−63608) |
|