| 【発明の名称】 |
α−アルキル−置換フェニルアセトニトリルの製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】菅野 裕一 【住所又は居所】新潟県新潟市太夫浜字新割182番地 三菱ガス化学株式会社新潟研究所内
【氏名】阿部 崇文 【住所又は居所】新潟県新潟市太夫浜字新割182番地 三菱ガス化学株式会社新潟研究所内
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| 【要約】 |
【課題】α−アルキル−置換フェニルアセトニトリルを効率よく製造する方法を提供する。
【解決手段】一般式(1) |
【特許請求の範囲】
【請求項1】一般式(1) 【化1】
(式中、R1はオルト、メタ、パラ置換を意味し、炭素数1〜4の直鎖または分鎖アルキル基、メチルチオ基、ハロゲン置換アルキル基、ハロゲン原子またはアルコキシル基を表し、R1はメタ、パラ位の芳香環に2箇所以上置換したり、またR1同士が環を構成している場合も含むものとする。R2は炭素数1〜5の直鎖、または分鎖アルキル基を表す。)で示される置換フェニルアルキルケトンとシアン化水素を反応させたシアンヒドリン化合物を脱水させて、一般式(2) 【化2】
(式中R1、R2は前記と同様の意味を表す。)で示される不飽和ニトリルを得、次いで水素化反応を行うことにより、一般式(3) 【化3】
(式中R1、R2は前記と同様の意味を表す。)で示されるα−アルキル−置換フェニルアセトニトリルの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本反応はα−アルキル−置換フェニルアセトニトリルの製造方法に関するものである。α−アルキル−置換フェニルアセトニトリルは加水分解により医農薬中間体として有用なαイソプロピル−パラ置換フェニル酢酸を製造することができる。 【0002】 【従来の技術】αイソプロピル−パラ置換フェニル酢酸は医農薬中間体として有用な化合物として知られている(例えば、Agr. Biol. Chem., 38, 881 (1974)、J. Synth. Org. Chem., 38, 574 (1980)、特開昭61−91157号、同63−1391711号)。従来、αイソプロピル−パラ置換フェニル酢酸の製造法としては、置換フェニルアセトニトリルとハロゲン化アルキルを強塩基下反応させてα−アルキル置換フェニルアセトニトリルを得、次いで鉱酸またはアルカリの存在下加水分解反応させて得る方法が周知である(Agr. Biol. Chem., 39(1), 267 (1974)、特開昭50−5350号公報)。置換フェニルアセトニトリルを得るためには、置換トルエンを出発物質とし、側鎖メチル基をモノハロゲン化したのちニトリル基を導入する方法が一般的であるが、煩雑な反応工程を要し、結果として高価な原料となる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来技術における上記したような課題を解決し、α−アルキル−置換フェニルアセトニトリルを効率よく製造する方法を提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題について鋭意研究を重ねた結果、置換フェニルアルキルケトンとシアン化水素を反応させたシアンヒドリン化合物を脱水させて、不飽和ニトリルを得、次いで水素化反応を行うことにより、α−アルキル−置換フェニルアセトニトリルが収率よく製造できる方法を見出し本発明に到達した。 【0005】すなわち、本発明は、一般式(1) 【0006】 【化4】
(式中、R1はオルト、メタ、パラ置換を意味し、炭素数1〜4の直鎖または分鎖アルキル基、メチルチオ基、ハロゲン置換アルキル基、ハロゲン原子またはアルコキシル基を表し、R1はメタ、パラ位の芳香環に2箇所以上置換したり、またR1同士が環を構成している場合も含むものとする。R2は炭素数1〜5の直鎖、または分鎖アルキル基を表す。)で示される置換フェニルアルキルケトンとシアン化水素を反応させたシアンヒドリン化合物を脱水させて、一般式(2) 【0007】 【化5】
(式中R1、R2は前記と同様の意味を表す。)で示される不飽和ニトリルを得、次いで水素化反応を行うことにより、一般式(3) 【0008】 【化6】
(式中R1、R2は前記と同様の意味を表す。)で示されるα−アルキル−置換フェニルアセトニトリルの製造方法に関するものである。 【0009】 【発明の実施の形態】以下に、本発明の方法を詳しく説明する。本発明における反応原料は一般式(1)で示される置換フェニルアルキルケトンである。置換フェニルアルキルケトンは芳香族化合物とカルボン酸クロライドもしくは酸無水物から塩化アルミニウムのようなルイス酸を用いたフリーデルクラフツアシル化反応により得ることができ、容易に製造しうる化合物である。 【0010】得られた置換フェニルアルキルケトンはシアン化水素と反応し、容易にシアンヒドリン化合物を形成する。反応には、少量の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどの無機塩基性化合物や、テトラメチルアンモニウム、トリエチルアミン、ジエチルアミンなどの有機塩基化合物を触媒として用い、低温で速やかに反応が進行しシアンヒドリン化合物を形成する。反応は平衡反応であり、転化率は反応平衡に依存する。 【0011】原料の置換フェニルアルキルケトンや得られるシアンヒドリン化合物が固体である場合などには、溶媒を用いることもできる。溶媒としては、シアン化水素と反応しがたく、塩基性下で安定ならば任意に選択できるが、ジエチルエーテルやテトラヒドロフランなどの低沸点のエーテル化合物が安定かつ、その後の留去も容易であり適している。シアンヒドリン化合物は一般的にpH7以上の領域では不安定で分解しやすいため、長期保存する場合には極微量の硫酸などの酸性化合物を添加し低温で保存するとよい。 【0012】得られたシアンヒドリン化合物の中心炭素は3級炭素であるので、強酸性条件下容易に脱水して、一般式(2)で表される不飽和ニトリルを生成する。不飽和ニトリルの生成には高温側が有利であるが、シアンヒドリン化合物が高温では不安定であるため、−10℃〜100℃、好ましくは0℃〜60℃で行う。反応は、シアンヒドリン化合物に酸を加えても良いが、シアンヒドリンの分解を避けるために、酸にゆっくりとシアンヒドリン化合物を加えていく方法が望ましい。一般に強い酸性条件ほど脱水側に有利であるとされており、シアンヒドリンに対して0.1〜10当量、好ましくは1当量〜3当量の酸を使用する。酸としては硫酸が代表的であり、安価かつ取り扱いも容易である。 【0013】反応の際、一部分解したシアンヒドリンは原料である置換フェニルアルキルケトンに戻るため、蒸留操作により回収することができる。回収した置換フェニルアルキルケトンは再度シアンヒドリン合成に供することができ、これにより原料のロスを防ぐことができる。 【0014】得られた一般式(2)で表される不飽和ニトリルは抽出、蒸留の簡便な精製を経たのち、水素添加により飽和エステルに転化させることにより、一般式(3)で表されるα−アルキル−置換フェニルアセトニトリルが得られる。反応は通常のオレフィンの水素添加にしたがい、例えば活性炭に担持したPdやPtなどの担持金属触媒を用い、0℃〜100℃、常圧〜10MPaの水素圧で反応を行うことにより、容易に選択的に飽和ニトリルを得ることができる。 【0015】水素添加反応は発熱を伴うため、メタノールなどの溶媒に希釈して反応を行ってもよい。また水素添加反応は、光学活性な配位子により修飾された金属触媒による不斉水素還元を行うこともできる(特開昭64−9952号公報)。得られたα−アルキル−置換フェニルアセトニトリルは、十分な純度であるが、再度蒸留操作により精製を行ってもよい。 【0016】 【実施例】次に、本発明の方法を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によりその範囲を限定されるものではない。 【0017】実施例1[p−メチル−α−イソプロピルフェニルアセトニトリルの製造]イソプロピル−p−メチルフェニルケトン324gに0.4gのトリエチルアミンを加え、シアン化水素60gを滴下したのち、2℃で3時間撹拌し、シアンヒドリンを得た。硫酸300gに上記シアンヒドリンを30℃でゆっくりと滴下した。1時間撹拌したのち、70℃に昇温した。反応液と同量程度のメチルイソブチルケトンを加えたのち、水により洗浄した。メチルイソブチルケトンをエバポレートしたのち、減圧蒸留により3−メチル−2−p−トルイル−2−ブテンカルボニトリル250gを得た(3.5Torr、120℃)。 【0018】3−メチル−2−p−トルイル−2−ブテンカルボニトリル250gとメタノール250gを混合し、5重量%活性炭担持パラジウム触媒5gを加え、水素圧0.5MPa、40℃で水素化反応を行ったのち、溶媒を留去し、p−メチル−α−イソプロピルフェニルアセトニトリル240gを得た。 【0019】実施例2[p−メトキシ−α−イソプロピルフェニルアセトニトリルの製造]イソプロピル−p−メトキシフェニルケトン200gを原料に用い、実施例1と同様に合成し、該化合物120gを得た。 【0020】実施例3[p−フルオロ−α−イソプロピルフェニルアセトニトリルの製造]イソプロピル−p−フルオロフェニルケトン150gを原料に用い、実施例1と同様に合成し、該化合物100gを得た。 【0021】実施例4[p−エチル−α−イソプロピルフェニルアセトニトリルの製造]イソプロピル−p−エチルフェニルケトン150gを原料に用い、実施例1と同様に合成し、該化合物95gを得た。 【0022】 【発明の効果】本発明によれば容易に入手できる原料である置換フェニルアルキルケトンを反応原料として用い、α−アルキル−置換フェニルアセトニトリルを効率よく製造することが可能であり、その工業的な意義は極めて大きい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004466 【氏名又は名称】三菱瓦斯化学株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区丸の内2丁目5番2号
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| 【出願日】 |
平成14年3月7日(2002.3.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100117891 【弁理士】 【氏名又は名称】永井 隆
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| 【公開番号】 |
特開2003−261527(P2003−261527A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月19日(2003.9.19) |
| 【出願番号】 |
特願2002−61937(P2002−61937) |
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