| 【発明の名称】 |
光学活性フェニルアラニン誘導体の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】竹内 祐希 【住所又は居所】富山県高岡市長慶寺530番地 第一ファインケミカル株式会社内
【氏名】松本 義則 【住所又は居所】富山県高岡市長慶寺530番地 第一ファインケミカル株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】フェニルアラニン骨格を有する光学活性化合物を高収率かつ安価に製造する方法を提供する。
【解決手段】式(I)(R1は1から5個のアミノ基又はアルキル基などの置換基;R2は0〜4個の水酸基;R3はアルカノイル基;*はS−又はR−配置の炭素原子を示す)で表される化合物の製造方法であって、式(II)(R1〜R3は上記の定義と同義;波線はZ、E、又はそれらの混合物であることを示す)で表される化合物を式(III)(R4はアルキルオキシカルボニル基又はアルキルカルバモイル基など;*が付された2個の炭素原子はともにS配置又はともにR配置である)で表される化合物及びロジウム化合物の存在下で還元する工程を含む方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記の一般式(I):【化1】
(式中、R1はフェニル基上の任意の位置に存在する1から5個の置換基であって、保護基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいアラルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有していてもよいアルコキシル基を示し、R1が2個以上存在する場合にはそれらは同一でも異なっていてもよく;R2はフェニル基上の任意の位置に存在する0〜4個の保護基を有していてもよい水酸基を示し、R2が2個以上存在する場合にはそれらは同一でも異なっていてもよく;R3はアルカノイル基を示し;*はS−又はR−配置の炭素原子を示す)で表される化合物又はその塩の製造方法であって、下記の一般式(II):【化2】
(式中、R1、R2、及びR3は上記の定義と同義であり;波線は二重結合の立体化学がZ型、E型、又はそれらの混合物であることを示す)で表される化合物又はその塩を下記の一般式(III):【化3】
(R4は置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルバモイル基、置換基を有していてもよいアリールカルバモイル基を示すが、R4がt−ブトキシカルボニル基であることはなく;*が付された2個の炭素原子はともにS配置であるか、又はともにR配置である)で表される化合物及びロジウム化合物の存在下で還元する工程を含む方法。 【請求項2】 下記の一般式(IV):【化4】
(式中、R1、R2、R3、及び*は上記の定義と同義である)で表される化合物又はその塩の製造方法であって、下記の工程:(A)請求項1に記載の一般式(II)(式中、R1、R2、及びR3は上記の定義と同義である)で表される化合物又はその塩を請求項1に記載の一般式(III)(式中、R4及び*は上記の定義と同義である)で表される化合物及びロジウム化合物の存在下で還元して請求項1に記載の一般式(I)(式中、R1、R2、R3、及び*は上記の定義と同義である)で表される化合物又はその塩を製造する工程;及び(B)上記工程(A)で得られた一般式(I)で表される化合物又はその塩を酸性条件下で加水分解する工程を含む方法。 【請求項3】 R3がアセチル基である請求項1又は2に記載の方法。 【請求項4】 鉱酸の存在下に加水分解を行う請求項2又は3に記載の方法。 【請求項5】 R4がアリールカルバモイル基である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性なフェニルアラニン骨格を有する化合物又はその塩の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、医薬品などの製造において有用な製造用中間体であるフェニルアラニン骨格を持つ化合物又はその塩を光学的に極めて高い純度で、かつ工業的に有利に製造する方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、光学活性なフェニルアラニン骨格を持つ化合物の不斉合成方法としては、アミノアシラーゼ等の酵素によりN-アセチルフェニルアラニン骨格を持つ化合物のラセミ体から光学対掌体の一方を選択的に加水分解する方法が知られているが、この方法では酵素の反応基質に対する特異性が限定されたり、得られるフェニルアラニン骨格を持つ化合物の絶対配置が特定のものに限られるという問題があった。 【0003】金属錯体触媒を用いてα−アミノ桂皮酸類の炭素−炭素二重結合を不斉水素化する方法としては、例えば、1−t−ブトキシカルボニル−2−ジフェニルホスフィノメチル−4−ジフェニルホスフィノピロリジン)を用いる方法(特公昭61−3777号公報;J.Am.Chem.Soc.,98,8265−8266,1976;Chem.Lett.,305−308,1989;Tetrahedron Asymmetry,3,555−566,1992)などが知られている。しかしながら、これらの方法は光学収率や配位子化合物の入手性に問題を有しており、いずれも工業的に満足すべき方法とは言えない。 【0004】 【発明が解決しようとする課題及び課題を解決するための手段】本発明の課題は、光学活性なフェニルアラニン骨格をもつ化合物又はその塩を不斉水素化によって選択的かつ高収率に製造する方法を提供することにある。本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記一般式(II)で示されるα−アルカノイルアミノ桂皮酸骨格を有する化合物又はその塩を原料として用い、下記一般式(III)で示される光学活性なホスフィン化合物とロジウム化合物の存在下に還元を行うことにより、光学的に純粋なN−アルカノイルフェニルアラニン骨格を有する化合物又はその塩を高収率で製造できることを見出した。本発明は上記の知見を基にして完成されたものである。 【0005】すなわち、本発明は、下記の一般式(I):【化5】
(式中、R1はフェニル基上の任意の位置に存在する1から5個の置換基であって、保護基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいアラルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有していてもよいアルコキシル基を示し、R1が2個以上存在する場合にはそれらは同一でも異なっていてもよく;R2はフェニル基上の任意の位置に存在する0〜4個の保護基を有していてもよい水酸基を示し、R2が2個以上存在する場合にはそれらは同一でも異なっていてもよく;R3はアルカノイル基を示し;*はS−又はR−配置の炭素原子を示す)で表される化合物又はその塩の製造方法であって、下記の一般式(II):【化6】
(式中、R1、R2、及びR3は上記の定義と同義であり;波線は二重結合の立体化学がZ型、E型、又はそれらの混合物であることを示す)で表される化合物又はその塩を下記の一般式(III):【化7】
(R4は置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルバモイル基、置換基を有していてもよいアリールカルバモイル基を示すが、R4がt−ブトキシカルボニル基であることはなく;*が付された2個の炭素原子はともにS配置であるか、又はともにR配置である)で表される化合物及びロジウム化合物の存在下で還元する工程を含む方法を提供するものである。 【0006】また、本発明により、下記の一般式(IV):【化8】
(式中、R1、R2、R3、及び*は上記の定義と同義である)で表される化合物又はその塩の製造方法であって、下記の工程:(A)上記の一般式(II)(式中、R1、R2、及びR3は上記の定義と同義である)で表される化合物又はその塩を上記の一般式(III)(式中、R4及び*は上記の定義と同義である)で表される化合物及びロジウム化合物の存在下で還元して上記の一般式(I)(式中、R1、R2、R3、及び*は上記の定義と同義である)で表される化合物又はその塩を製造する工程;及び(B)上記工程(A)で得られた一般式(I)で表される化合物又はその塩を酸性条件下で加水分解する工程を含む方法が提供される。 【0007】これらの方法の好ましい態様として、R3がアセチル基である上記の方法;鉱酸の存在下に加水分解を行う上記の方法;及びR4がアリールカルバモイル基である上記の方法が提供される。また、上記の方法により製造された一般式(I)の化合物又はその塩;及び上記の方法により製造された一般式(IV)の化合物又はその塩も本発明により提供される。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明の方法は、上記の一般式(I)で表されるN−α−アルカノイルフェニルアラニン骨格を有する化合物又はその塩を製造するにあたり、上記の一般式(II)で表されるα−アルカノイルアミノ桂皮酸骨格を有する化合物又はその塩を上記の一般式(III)で表される光学活性なホスフィン化合物及びロジウム化合物の存在下で還元することを特徴としている。また、本発明により提供されるもう一つの方法は、上記の一般式(IV)で表される化合物又はその塩を製造するにあたり、上記の方法により製造された一般式(I)で表される化合物又はその塩を酸性条件下で加水分解することを特徴としている。 【0009】R1はフェニル基上の任意の位置に存在する1から5個の置換基であって、保護基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいアラルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有していてもよいアルコキシル基を示し、R1が2個以上存在する場合にはそれらは同一でも異なっていてもよい。 【0010】R1が示すアミノ基が保護基を有する場合、保護基としては例えばホルミル基又はアセチル基などのアルカノイル基、ベンゾイル基などのアリールカルボニル基、t−ブチルオキシカルボニル基などのアルキルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基などのアラルキルオキシカルボニル基、ベンジル基などのアラルキル基、又はアリル基などのアルケニル基などが挙げられる。R1が示すアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基などの鎖状、分枝鎖状、環状およびこれらを併せ持つ炭素数が1から20までのアルキル基などが挙げられる。本明細書において言及する他のアルキル基又はアルキル部分を有する他の置換基(例えばアルコキシル基など)におけるアルキル部分についても同様である、アルキル基に置換基が存在する場合、置換基の種類、個数、及び置換位置は特に限定されないが、置換基として、例えば、水酸基、保護された水酸基、アミノ基、保護基又は置換基を有するアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、フェニル基などのアリール基、ニトロ基などが挙げられる。 【0011】本明細書において、アリール基は単環性又は多環性アリール基のいずれであってもよい。より具体的には、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。アリール部分を有する置換基におけるアリール部分についても同様である。R1が示すアリール基が置換基を有する場合、置換基の種類、個数、及び置換位置は特に限定されないが、置換基としては、例えば、アルキル基、水酸基、保護された水酸基、アミノ基、保護されたアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、フェニル基などのアリール基、ニトロ基などが挙げられる。 【0012】本明細書において、複素環基とは、ヘテロ原子として、例えば、酸素原子、窒素原子、および硫黄原子からなる群から選ばれるヘテロ原子を少なくとも1つ含む複素環を意味しており、環は単環性又は多環性のいずれでもよく、芳香族、部分飽和、又は飽和のいずれであってもよい。具体的には、フリル基、ピロリル基、チアゾリル基、チエニル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、ピリジル基などが挙げられる。複素環基が置換基を有する場合、置換基の種類、個数、及び置換位置は特に限定されないが、例えば、アルキル基、水酸基、保護又は置換された水酸基、アミノ基、保護又は置換されたアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、フェニル基などのアリール基、ニトロ基などが挙げられる。 【0013】本明細書において、アラルキル基は上記のアルキル基に上記のアリール基が1個又は2個以上置換した基を意味しており、より具体的には、例えば、ベンジル基、2−フェニルエチル基、ジフェニルメチル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。アラルキル基が置換基を有する場合、置換基の種類、個数、及び置換位置は特に限定されないが、置換基として、例えば、水酸基、保護又は置換された水酸基、アミノ基、保護又は置換されたアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、フェニル基などのアリール基、ニトロ基などが挙げられる。本明細書において、ハロゲン原子はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のいずれでもよい。R1が示すアルコキシル基としては、例えば、メトキシ基又はエトキシ基などが挙げられる。R2が示す水酸基が置換基を有する場合、置換基の種類は特に限定されないが、例えば、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、t−ブチル基、ベンジル基、アリル基などが挙げられる。R3が示すアルカノイル基は、上記のアルキル基が置換したカルボニル基を意味しており、より具体的には、アセチル基、プロパノイル基などが挙げられ、アセチル基が特に好ましい。 【0014】一般式(II)で表されるα−アルカノイルアミノ桂皮酸骨格を有する化合物は一般的によく知られたエルレンマイヤー法で製造できる。すなわち、任意の置換基を持つベンズアルデヒド類とN−アルカノイルグリシンを無水酢酸と塩基の存在下に反応させることでアズラクトン化合物を合成し、これを加水分解することによって製造できる。一般式(II)で表される化合物としては、二重結合に基づく幾何異性体のいずれか一方(純粋な形態のE型又はZ型異性体)又は上記幾何異性体の任意の混合物を用いてもよい。一般式(II)で表される化合物の塩の種類は特に限定されず、任意の塩基付加塩を用いることができる。例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩などの金属塩、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩などの有機アミン塩などを例示できる。一般式(I)で表される化合物及び一般式(IV)で表される化合物の塩についても同様である。 【0015】一般式(III)で表される光学活性ホスフィン化合物は、ピロリジン環を構成する窒素原子にR4で表される置換基が結合した(2S,4S)−2−ジフェニルホスフィノメチル−4−ジフェニルホスフィノピロリジン又は(2R、4R)−2−ジフェニルホスフィノメチル−4−ジフェニルホスフィノピロリジンである。R4は置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルバモイル基、置換基を有していてもよいアリールカルバモイル基を示すが、t−ブトキシカルボニル基であることはない。 【0016】R4が示すアルキルオキシカルボニル基としては、例えばメチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、n−プロピルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基などのアルキルオキシカルボニル基などが挙げられる。アルキルオキシカルボニル基が置換基を有する場合、置換基の種類、個数、及び置換位置は特に限定されないが、置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、若しくはアルキル基などの置換基を有していてもよいフェニル基などのアリール基、又はハロゲン原子などが挙げられる。より具体的には、トリフルオロメチルオキシカルボニル基、フェニルメチルオキシカルボニル基、p−ニトロフェニルメチルオキシカルボニル基、p−クロロフェニルメチルオキシカルボニル基、p−メチルフェニルメチルオキシカルボニル基、2−フェニルエチルカルボニル基などが挙げられる。 【0017】R4が示すアルキルカルバモイル基としては、例えば、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、n−プロピルカルバモイル基、イソプロピルカルバモイル基、t−ブチルカルバモイル基、シクロヘキシルカルバモイル基などのアルキルカルバモイル基などが挙げられる。アルキルカルバモイル基が置換基を有する場合、置換基の種類、個数、及び置換位置は特に限定されないが、置換基として、例えば、ハロゲン原子若しくはニトロ基などの置換基を有していてもよいフェニル基などのアリール基、又はハロゲン原子などが挙げられる。より具体的には、トリクロロメチルカルバモイル基、ベンジルカルバモイル基、p−ニトロフェニルメチルカルバモイル基、p-クロロフェニルメチルカルバモイルなどが挙げられる。R4が示すアリールカルバモイル基としては、例えば、フェニルカルバモイル基、ナフチルカルバモイル基などが挙げられる。アリールカルバモイル基が置換基を有する場合、置換基の種類、個数、及び置換位置は特に限定されないが、置換基として、例えば、アルキル基、フェニル基などのアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基などが挙げられる。より具体的には、p−メチルフェニルカルバモイル基、p−クロロフェニルカルバモイル基、m−クロロフェニルカルバモイル基、ビフェニルカルバモイル基などが挙げられる。 【0018】R4としてはアリールカルバモイル基、アルキルカルバモイル基などが好ましい。一般式(III)で表される光学活性ホスフィン化合物の好ましい例として、例えば、N−フェニルカルバモイル−2−ジフェニルホスフィノメチル−4−ジフェニルホスフィノピロリジン、N−t−ブチルカルバモイル−2−ジフェニルホスフィノメチル−4−ジフェニルホスフィノピロリジンなどを挙げることができるが、これらに限定されることはない。本発明の方法における上記の光学活性ホスフィン化合物の使用量は特に限定されず、温度や水素圧などの反応条件、還元基質の純度、還元基質の性質および還元装置であるオートクレーブの仕様などによって適宜選択可能であるが、例えば、ロジウム化合物に対するモル比として、通常1〜10倍量程度用いることができ、好ましくは1.01〜2.4倍量程度の範囲である。 【0019】本発明の方法に用いられるロジウム化合物の種類は特に限定されず、各種のロジウム化合物を用いることができる。ロジウム化合物は他のロジウム化合物を原料として合成により調製したものであってもよい。ロジウム化合物の具体例としては、例えば、塩化ロジウム(III)水和物、臭化ロジウム(III)水和物、ヨウ化ロジウム(III)水和物、ジ−μ−クロロ−ビス((1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(I))、ジ−μ−クロロ−ビス((1,5−シクロヘキサジエン)ロジウム(I))、ジ−μ−クロロ−ビス((ノルボルナジエン)ロジウム(I))、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(I)過塩素酸塩、ビス(ノルボルナジエン)ロジウム(I)過塩素酸塩、ビス(ノルボルナジエン)ロジウム(I)テトラフルオロホウ酸塩、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(I)テトラフルオロホウ酸塩、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(I)トリフルオロメタンスルホン酸塩、ビス(ノルボルナジエン)ロジウム(I)トリフルオロメタンスルホン酸塩などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、ジ−μ−クロロ−ビス((1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(I))、ジ−μ−クロロ−ビス((ノルボルナジエン)ロジウム(I))、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(I)過塩素酸塩、ビス(ノルボルナジエン)ロジウム(I)過塩素酸塩、ビス(ノルボルナジエン)ロジウム(I)テトラフルオロホウ酸塩、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(I)テトラフルオロホウ酸塩、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(I)トリフルオロメタンスルホン酸塩、ビス(ノルボルナジエン)ロジウム(I)トリフルオロメタンスルホン酸塩などを用いることができる。 【0020】上記のロジウム化合物の使用量は特に限定されず、温度や水素圧などの反応条件、還元基質の純度、還元基質の性質および還元装置であるオートクレーブの仕様などによって適宜選択可能であるが、反応基質である一般式(II)で表される化合物に対するモル比として、例えば、1/1,000〜1/200,000の範囲を例示することができ、好ましくは1/5,000〜1/40,000程度の範囲である。 【0021】還元反応は、通常は溶媒中で行うことができ、必要に応じて触媒量の塩基の存在下で行ってもよい。塩基の種類は特に限定されないが、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、エチルジイソプロピルアミンなどの3級アミン類、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt-ブトキシド、カリウムt-ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドが例示され、好ましくはトリエチルアミンである。塩基を用いる場合、塩基の量は特に限定されず、温度や水素圧などの反応条件、還元基質の純度、還元基質の性質および還元装置であるオートクレーブの仕様などにより適宜選択可能である。通常は反応基質である一般式(II)で表される化合物に対するモル比として1/10〜1/1,000程度、好ましくは1/50〜1/100程度の範囲の量を用いればよい。 【0022】溶媒の種類も特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶媒、ジオキサン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)などヘテロ原子を含む有機溶媒、テトラヒドロフラン、メチルt-ブチルエーテルなどのエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,1,1-トリクロロエタンなどのハロゲン含有炭化水素溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族溶媒を用いることができる。これらの溶媒は単独で用いてもよく、あるいは混合溶媒として用いることもできる。好ましくはメタノールを単独で用いるか、あるいはメタノールと他の溶媒との混合溶媒を用いることができる。溶媒の使用量は特に限定されず、反応基質の溶解度、反応性、安定性および経済性などにより適宜選択することができる。 【0023】還元における水素の圧力は特に限定されず、温度や溶媒などの反応条件、還元基質の純度、還元基質の性質および還元装置であるオートクレーブの仕様などによって適宜選択できるが、通常は0.1〜20MPa程度の範囲であり、好ましくは0.2〜5MPa程度の範囲である。還元反応は、通常0℃〜100℃程度の温度範囲で行うことができるが、経済性を考慮して、通常は15〜80℃程度、好ましくは20〜40℃の範囲の反応を行うことができる。反応時間は、反応基質濃度、温度、水素圧力、反応溶媒などの反応条件、及び還元装置であるオートクレーブなどの仕様によって適宜選択可能であるが、通常は1〜48時間程度である。なお、還元反応はバッチ式又は連続式のいずれの方式で行ってもよい。 【0024】還元終了後、溶媒を濃縮し、必定に応じて適宜の精製を行うことにより一般式(I)で表される光学活性なN−α−アセチルフェニルアラニン骨格を有する化合物が得られる。精製の手段は特に限定されず、有機化学の分野において通常用いられる精製手段を適宜選択することができ、2以上の手段を組み合わせることもできる。例えば、水、メタノール若しくは2−プロパノール等のアルコール系溶媒、酢酸エチル、酢酸プロピルなどのエステル系溶媒、ヘキサン、トルエン等の炭化水素系溶媒、t−ブチルメチルエーテル、イソプロピルエーテル等のエーテル系溶媒などの有機溶媒を単独で用いて、あるいは2種以上の溶媒を含む混合溶媒を用いて再結晶を行うことにより、純度及び光学純度を高めることができる。 【0025】一般式(I)で表される化合物の具体例としては、例えば、N−α−アセチル−3−アセチルアミノフェニルアラニン、N−α−アセチル−3−アセチルアミノ−2−クロロフェニルアラニン、N−α−アセチル−3−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−4−シアノフェニルアラニン、N−α−アセチル−4−アセチルアミノフェニルアラニン、N−α−アセチル−4−(N,N−ジベンジルアミノ)フェニルアラニン、N−α−アセチル−4−アセチルアミノ−3−メチルフェニルアラニン、N−α−アセチル−4−メチルフェニルアラニン、N−α−アセチル−4−アセチルオキシ−3−メチルフェニルアラニン、N−α−アセチル−3−トリフルオロメチルフェニルアラニン、N−α−アセチル−3−メトキシメチルフェニルアラニン、N−α−アセチル−2−メチルフェニルアラニン、N−α−アセチル−4−イソプロピルフェニルアラニン、N−α−アセチル−3−イソプロピル−4−ヒドロキシ−5−クロロフェニルアラニン、N−α−アセチル−4−シクロヘキシルフェニルアラニン、N−α−アセチル−2−トリフルオロメチル−3−メチルフェニルアラニン、N−α−アセチル−3−(2‘−アセチルオキシエチル)フェニルアラニン、N−α−アセチル−4−アセチルアミノエチルフェニルアラニン、N−α−アセチル−4−フェニルフェニルアラニン、N−α−アセチル−4−チアゾリルフェニルアラニン、N−α−アセチル−3−フリルフェニルアラニン、N−α−アセチル−3−ピロリルフェニルアラニン、N−α−アセチル−4−チエニルフェニルアラニン、N−α−アセチル−4−(3'−クロロフェニル)フェニルアラニン、N−α−アセチル−4−ブロモフェニルアラニン、N−α−アセチル−3−ブロモフェニルアラニン、N−α−アセチル−2−ブロモフェニルアラニン、N−α−アセチル−4−シアノフェニルアラニン、N−α−アセチル−3−シアノフェニルアラニン、N−α−アセチル−2−シアノフェニルアラニン、N−α−アセチル−3,5−ジシアノフェニルアラニン、N−α−アセチル−4−フルオロフェニルアラニン、N−α−アセチル−3−フルオロフェニルアラニン、N−α−アセチル−2−フルオロフェニルアラニン、N−α−アセチル−4−クロロフェニルアラニン、N−α−アセチル−3−クロロフェニルアラニン、N−α−アセチル−2−クロロフェニルアラニン、N−α−アセチル−3,4−ジクロロフェニルアラニン、N−α−アセチル−2−フルオロ−3−ブロモフェニルアラニン、N−α−アセチル−2−フルオロ−4−シアノフェニルアラニン、N−α−アセチル−3−ブロモ−4−アセチルオキシフェニルアラニン、N−α−アセチル−3,4−ジクロロフェニルアラニン、N−α−アセチル−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルアラニン、N−α−アセチル−3−ベンジルフェニルアラニン、N−α−アセチル−4−(3’−ニトロベンジル)フェニルアラニン、N−α−アセチル−4−メトキシフェニルアラニン、N−α−アセチル−4−エトキシフェニルアラニン、N−α−アセチル−4−シアノ−3−ベンゾイルオキシフェニルアラニン、N−α−アセチル−3−t−ブチルオキシ−4−シアノフェニルアラニン、N−α−アセチル−4−シクロヘキシル−3−アセチルオキシフェニルアラニン、N−α−アセチル−3−メチル−2,6−ジフルオロフェニルアラニン、N−α−アセチル−4−アセチルオキシ−3,5−ジメチルオキシフェニルアラニンなどが挙げられるが、これらに限定されることはない。 【0026】上記の一般式(I)で表される化合物を、さらに必要に応じて加水分解工程にふすことにより一般式(IV)で表される化合物を製造することができる。加水分解工程は、通常は酸性条件下に行うことができ、好ましくは鉱酸の存在下に行うことができる。鉱酸の種類は特に限定されないが、例えば、塩酸、硫酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、燐酸、硝酸などが挙げられ、好ましくは塩酸、硫酸である。鉱酸の濃度も特に限定されないが、一般的には経済性及び反応性を考慮して適宜選択可能であり、好ましくは0.5規定以上である。続いて、塩基及び必要に応じてさらに酸を用いて反応溶液のpHを調整することによって一般式(IV)で表される光学活性なフェニルアラニン骨格を有する化合物を得ることができる。 【0027】加水分解の反応温度は特に限定されず、原料である一般式(I)の化合物の種類などに応じて適宜選択できるが、通常は0〜150℃程度、好ましくは50〜100℃程度である。反応時間も特に限定されず、原料である一般式(I)の化合物の種類、用いる酸の濃度、反応温度などの条件によって適宜選択可能であるが、通常は1〜12時間程度である。反応を加熱下に行い、反応終了後に反応液の温度を室温まで冷却することにより、目的物である一般式(IV)で表される化合物の鉱酸塩結晶が得られる場合には、目的物の鉱酸塩結晶を濾取又は遠心分離などの操作により反応系から分離すればよい。均一な加水分解液が得られる場合には、塩基及び必要に応じて酸を用いて反応液のpHを2〜11の範囲で目的物の等電点付近となるpHに調整することにより、遊離形態の目的物が通常は結晶として析出するので、これを濾取又は遠心分離などの操作により反応系から分離すればよい。pHの調整に用いる塩基としては、例えば、アンモニア、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウムなどの水溶液のほか、アンモニア、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのメタノールまたはエタノール溶液などを挙げることができる。pHの調整に用いる酸としては、例えば塩酸、硫酸、燐酸、臭化水素酸などの鉱酸、酢酸、蟻酸などの有機酸を挙げることができる。 【0028】一般式(IV)で表される化合物としては、例えば、3−アミノフェニルアラニン、3−アミノ−2−クロロフェニルアラニン、3−アミノ−4−シアノフェニルアラニン、4−アミノフェニルアラニン、4−(N,N−ジベンジルアミノ)フェニルアラニン、4−アミノ−3−メチルフェニルアラニン、4−メチルフェニルアラニン、4−アセチルオキシ−3−メチルフェニルアラニン、3−トリフルオロメチルフェニルアラニン、3−メトキシメチルフェニルアラニン、2−メチルフェニルアラニン、4−イソプロピルフェニルアラニン、3−イソプロピル−4−ヒドロキシ−5−クロロフェニルアラニン、4−シクロヘキシルフェニルアラニン、2−トリフルオロメチル−3−メチルフェニルアラニン、3−(2’−ヒドロキシエチル)フェニルアラニン、4−アミノエチルフェニルアラニン、4−フェニルフェニルアラニン、4−チアゾリルフェニルアラニン、3−フリルフェニルアラニン、3−ピロリルフェニルアラニン、4−チエニルフェニルアラニン、4−(3'−クロロフェニル)フェニルアラニン、4−ブロモフェニルアラニン、3−ブロモフェニルアラニン、2−ブロモフェニルアラニン、4−シアノフェニルアラニン、3−シアノフェニルアラニン、2−シアノフェニルアラニン、3,5−ジシアノフェニルアラニン、4−フルオロフェニルアラニン、3−フルオロフェニルアラニン、2−フルオロフェニルアラニン、4−クロロフェニルアラニン、3−クロロフェニルアラニン、2−クロロフェニルアラニン、3,4−ジクロロフェニルアラニン、2−フルオロ−3−ブロモフェニルアラニン、2−フルオロ−4−シアノフェニルアラニン、3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニルアラニン、3,4−ジクロロフェニルアラニン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルアラニン、3−ベンジルフェニルアラニン、4−(3’−ニトロベンジル)フェニルアラニン、4−メトキシフェニルアラニン、4−エトキシフェニルアラニン、4−シアノ−3−ベンゾイルオキシフェニルアラニン、3−t−ブチルオキシ−4−シアノフェニルアラニン、4−シクロヘキシル−3−ヒドロキシフェニルアラニン、3−メチル−2,6−ジフルオロフェニルアラニン、4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルオキシフェニルアラニンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。 【0029】上記の一般式(IV)で表される化合物を反応系から単離した後、必要に応じてさらに精製工程に付することができる。精製の手段は特に限定されず、有機化学の分野において通常用いられる精製手段を適宜選択することができ、2以上の手段を組み合わせることもできる。例えば、水、メタノール若しくは2−プロパノール等のアルコール系溶媒、酢酸エチル、酢酸プロピルなどのエステル系溶媒、ヘキサン、トルエン等の炭化水素系溶媒、t−ブチルメチルエーテル、イソプロピルエーテル等のエーテル系溶媒などの有機溶媒を単独で用いて、あるいは2種以上の溶媒を含む混合溶媒を用いて再結晶を行うことにより、純度及び光学純度を高めることができる。 【0030】 【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。 参考例1:3−フルオロ−α−アセチルアミノ桂皮酸の合成3-フルオロベンズアルデヒド 25 ml(236 mmol)、N−アセチルグリシン35.9 g(307 mmol)、無水酢酸ナトリウム19.4 g (236 mmol)に無水酢酸73 mlを加え、100℃で4時間加熱撹拌した。室温付近まで冷却後、水100 mlを加えて約1時間撹拌し、アズラクトン化合物を濾取した。これに水125 mlとアセトン125 mlを加え、70℃で1時間撹拌加熱還流した。アセトンを常圧留去した後、室温まで冷却し、粗体の3−フルオロ−α−アセチルアミノ桂皮酸を濾取した。得られた粗体を2−プロパノール160 mlに加熱溶解し、活性炭2.5 gを加えて10分間撹拌加熱還流した。熱時濾過した後、濾液を5℃程度まで冷却し、結晶を濾取した。これを減圧乾燥し3−フルオロ−α−アセチルアミノ桂皮酸29.8 g(収率57%)を得た。 【0031】参考例2:4−シアノ−α−アセチルアミノ桂皮酸の合成4−シアノベンズアルデヒド100 g (763 mmol)、N−アセチルグリシン116.1 g(991 mmol)、無水酢酸ナトリウム62.6 g (763 mmol)に無水酢酸360 mlを加え、100℃で2.5時間加熱撹拌した。室温付近まで冷却後、水250 mlを加えて約1時間撹拌し、アズラクトン化合物を濾取した。これに水500 mlとアセトン600 mlを加え、70℃で3時間撹拌加熱還流した。アセトンを常圧留去した後、クロロホルム1200 mlと5%重曹水1200 mlを加え、炭酸ガスの発生が止むまで撹拌した。静置分液し、水層を6N-塩酸でpH2とし、生じた結晶を濾取した。これを減圧乾燥し4−シアノ−α−アセチルアミノ桂皮酸131.7 g (収率75%)を得た。 【0032】実施例1:N−α−アセチル−3−フルオロ−L−フェニルアラニンの合成500 mlのオートクレーブに3−フルオロ−α−アセチルアミノ桂皮酸29.8 g (134 mmol)とトリエチルアミン0.19 ml (1.34 mmol)、酸素を除いたメタノール120ml (4 v/w)を入れて、内部を窒素で置換した。これとは別に、窒素で置換した10 mlのナス型フラスコに(2R,4R)−N−フェニルカルバモイル−2−ジフェニルホスフィノメチル−4−ジフェニルホスフィノピロリジン8.4 mg (15μmol)とジ−μ−クロロ−ビス((1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(I)) 3.3mg (6.7μmol)を計り取り、酸素を除いたメタノール2 mlを加えて溶解し、触媒溶液とした。この触媒溶液を先のオートクレーブに加え、十分に水素置換したのちに0.8 MPaの水素圧をかけて、40℃で撹拌した。3時間後、積算流量計により水素の吸収量が定量に達したことを確認してオートクレーブを常圧に戻し、中の反応液を減圧濃縮した。濃縮残分は水酸化ナトリウム5.4 g (134 mmol)と水50 mlを加えて溶解し、酢酸エチル50 mlで洗浄した。水層を分取し6N-塩酸でpH2とし、生じた油状物を酢酸エチル50 mlで抽出した。溶媒を減圧留去して、N−α−アセチル−3−フルオロ−L−フェニルアラニン27.4g(収率91%)を得た。 【0033】N−α−アセチル−3−フルオロ−L−フェニルアラニンの分析不斉水素化して得られたN−α−アセチル−3−フルオロ−L−フェニルアラニン 2 mgを0.5 mlのメタノールと約0.5 mlの酢酸エチルに溶解し、トリメチルシリルジアゾメタンの10% n-ヘキサン溶液0.5 mlを加えてメチルエステルとした。溶媒を減圧濃縮し、n-ヘキサン:2−プロパノール=9:1溶液1 mlに溶解した。この溶液を以下の条件のHPLCにて分析した。L体で92%eeであった。 分析条件:カラム:ダイセル社製CHIRALCEL-OD(4.6×250 mm)カラム温度:40℃移動相:n−ヘキサン/2−プロパノール=9/1流速:1 ml/分220 nm検出器【0034】実施例2:3−フルオロ−α−アセチルアミノ桂皮酸の不斉水素化によるN−α−アセチル−3−フルオロ−D−フェニルアラニンの合成配位子として(2S,4S)−N−フェニルカルバモイル−2−ジフェニルホスフィノメチル−4−ジフェニルホスフィノピロリジンを用いる以外は、実施例1と全く同様にして不斉水素化を行った。実施例1と同様にして、HPLC分析を行ったところD体は92%eeであった。 【0035】実施例3〜12:α−アセチルアミノ桂皮酸化合物の不斉水素化によるL−フェニルアラニン化合物の合成実施例3〜12では、実施例1の方法で不斉水素化を行い、L−フェニルアラニン化合物を得た。反応条件は特に明記しない限り、実施例1と同じである。表中、置換基R1, R2は一般式(II)で表される化合物のフェニル基上の置換基を示す。%eeは実施例1と同様にHPLCにより決定した。 【0036】 【表1】
【0037】実施例16:4−ブロモ−L−フェニルアラニンの合成実施例4の方法で得られたN−α−アセチル−4−ブロモ−L−フェニルアラニン 20.1 g (70.4 mmol、L体 93%ee)に3N-塩酸100 mlを加え、攪拌しながら2時間加熱還流した。室温付近まで冷却後、析出した結晶を濾取、水洗、減圧乾燥し、4−ブロモ−L−フェニルアラニン13.5 g(収率79%)を得た。以下の分析条件でHPLC分析した結果、L体は99%eeであった。 分析条件カラム:ダイセル工業社製CROWNPACK-CR(+) 0.4×15 cmカラム温度:40℃移動相:10%メタノール水溶液(pH=2.0 HClO4) 流速 0.7 ml/分220nm検出器【0038】実施例17〜29:L−フェニルアラニン化合物の合成実施例17〜29では、不斉水素化により得られたN−α−アセチル−L−フェニルアラニン化合物の加水分解を行い、L−フェニルアラニン化合物を得た。反応条件は特に明記しない限り、実施例16と同じである。表中、置換基R1, R2は一般式(IV)で表される化合物のフェニル基上の置換基を示す。%eeは実施例16と同様にHPLCにより決定した。 【0039】 【表2】
【0040】 【発明の効果】本発明の方法によれば、フェニルアラニン骨格を有する光学活性化合物を高収率かつ安価に製造することができ、得られる目的物は高い光学純度を有する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390010205 【氏名又は名称】第一ファインケミカル株式会社 【住所又は居所】富山県高岡市長慶寺530番地
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| 【出願日】 |
平成14年3月8日(2002.3.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】110000109 【氏名又は名称】特許業務法人特許事務所サイクス (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−261522(P2003−261522A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月19日(2003.9.19) |
| 【出願番号】 |
特願2002−63145(P2002−63145) |
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