トップ :: C 化学 冶金 :: C07 有機化学




【発明の名称】 新規ジブロモニトロ化合物及びその用途
【発明者】 【氏名】森田 昌宏
【住所又は居所】静岡県磐田郡福田町塩新田浜野328番地 ケイ・アイ化成株式会社内

【氏名】福山 昇治
【住所又は居所】静岡県磐田郡福田町塩新田浜野328番地 ケイ・アイ化成株式会社内

【氏名】中田 俊昭
【住所又は居所】静岡県磐田郡福田町塩新田浜野328番地 ケイ・アイ化成株式会社内

【要約】 【課題】新規なジブロモニトロ化合物、それを含む殺菌及び殺藻剤、並びに殺菌及び殺藻方法を提供する。

【解決手段】2,2−ジブロモ−2−ニトロエチル=ホルメート。該化合物を有効成分として含有することを特徴とする殺菌及び殺藻剤。前記化合物を菌類若しくは藻類又はこれらの棲息する場所に加えることを特徴とする殺菌及び殺藻方法。他の殺菌剤と併用してもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 2,2−ジブロモ−2−ニトロエチル=ホルメート。
【請求項2】 2,2−ジブロモ−2−ニトロエチル=ホルメートを有効成分として含有することを特徴とする殺菌及び殺藻剤。
【請求項3】 2,2−ジブロモ−2−ニトロエチル=ホルメートと他の殺菌剤を含む請求項2記載の殺菌及び殺藻剤。
【請求項4】 他の殺菌剤がハロゲン置換ヒダントイン系化合物である請求項3記載の殺菌及び殺藻剤。
【請求項5】 2,2−ジブロモ−2−ニトロエチル=ホルメートを菌類若しくは藻類又はこれらの棲息する場所に加えることを特徴とする殺菌及び殺藻方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なジブロモニトロ化合物、及びこれを有効成分として含む殺菌、殺藻剤並びに殺菌及び殺藻方法に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、多くのブロモニトロ系化合物が殺菌防腐剤などの活性成分として知られている。例えば、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−エタノールや2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール(特公昭40−8917号公報記載)、2,2−ジブロモ−2−ニトロエチル=ステアレート(特公昭43−16460号公報記載)及び2,2−ジブロモ−2−エチル=アセテート(特開昭3−167101号公報記載)が知られており、これらのブロモニトロ化合物のうち数種のものは、殺菌防腐剤の活性成分として、製紙工程水や工業用冷却水でのスライムコントロール用途や製紙塗工液、澱粉スラリー、塗料、合成高分子エマルション、接着剤などの水性組成物の防腐用途、空調用冷却水の殺菌殺藻用途に使用されている。
【0003】しかしながら、これら既知の抗菌活性を有するブロモニトロ化合物は、その生物活性において、真菌類、例えば酵母や糸状菌類に対する効力や防腐効果の長期持続性が低く、またスライムコントロール剤として必要な速効的な殺菌効力も低いという弱点を有しており、必ずしも満足のいくものではなかった。これらの欠点を補う目的で他の殺菌防腐成分との組合せも多く提案されている。例えば、2,2−ジブロモ−2−エチル=アセテートは、N,4−ジヒドロキシ−α−オキソベンゼンエタンイミドイルクロリドと混合して工業用殺菌剤として提案されている(特開昭3−167101号公報記載)。
【0004】一般的に殺菌剤には、細菌及び酵母や糸状菌などの真菌類に幅広く、かつ安定して発揮される抗菌スペクトラムや速効的な殺菌効力が求められ、かつ少量で長期にその効力が発揮されるものが望まれている。更には藻類までも広く有効なものも求められている。しかし、これらの既知の薬剤には、これらの特性を十分に満足させるものが知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記各課題を解決するために、新規なジブロモニトロ化合物、それを含む殺菌及び殺藻剤、並びに殺菌及び殺藻方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本発明の第1の発明は、2,2−ジブロモ−2−ニトロエチル=ホルメート、(以下、DBNEFと略記する)に関する。本発明の第2の発明は、該DBNEFを有効成分として含有することを特徴とする殺菌及び殺藻剤に関する。本発明の第3の発明は、前記DBNEFを菌類若しくは藻類又はこれらの棲息する場所に加えることを特徴とする殺菌及び殺藻方法に関する。
【0007】本発明者らは、これら課題を解決すべく鋭意研究した結果、これまで、文献に記載されたことのない新規のジブロモニトロ系化合物が前述の問題点を解決し、しかも既知の化合物に比べ優れた抗微生物活性を有することを見出し、本発明をなすに至った。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明する。本発明の化合物であるDBNEFは、下記の構造式(化1)で表される。
【0009】
【化1】

【0010】本化合物は、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノールにホルミル基を導入することにより得られる。ホルミル基の導入は、あらかじめギ酸と無水酢酸とを等モル比で反応させて無水物の交換反応を行い、その後2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノールと反応させることで可能である。反応は、溶媒中で行うことが好ましく、溶媒としては、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、エーテル、プロピレンカーボネートなどが使用できる。また、ピリジン、トリエチルアミンなどの塩基を触媒として使用するのが好ましい。反応温度は、原料となる2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノールの熱安定性を考慮し、室温からおよそ90℃の範囲が好ましく、特に好ましくは室温からおよそ70℃までの範囲で行う。生成物は、常法により精製するが殺菌及び殺藻剤として使用するには生成物をそのまま用いることもできる。
【0011】本発明の化合物は、各種の微生物に活性を有し、殺菌及び殺藻剤として使用することができる。本発明の化合物を殺菌及び殺藻対象物や対象系に用いるには、化合物単体又は組成物の形態で使用することができる。
【0012】例えば、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、ベントナイト、カルボキシメチルセルロースなどの固体希釈剤、界面活性剤、分散剤などで混合した粉剤、顆粒剤、錠剤などの固形剤として製剤し、そのまま又は希釈して殺菌殺藻対象系又は対象物に適用する。
【0013】また水、有機溶剤、界面活性剤、増粘剤、その他助剤に懸濁又は溶解させ水溶性液剤、乳化性液剤、フロアブル剤などの液剤として製剤し、対象系、対象物に適用することもできる。特に空調用冷却水、製紙白水、金属加工油剤、繊維油剤などの水系、あるいはラテックスなどの合成高分子エマルション、水性塗料、炭酸カルシウムスラリー、製紙用塗工液、澱粉スラリーなどの水性の組成物の場合には、本発明の化合物の溶解、分散性を考慮して界面活性剤や親水性の有機溶剤を配合した水溶性液剤が好ましい。更に、必要に応じて防錆剤なども配合することもできる。
【0014】この水溶性液剤に好適な溶剤として、例えばジエチレングリコール、ポリエチレングリコール200、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリジノン、2−ピロリジノン、ジメチルスルホキシド、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、マレイン酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチルなどの非プロトン性極性溶媒、その他アルコール類、水が挙げられる。これら溶剤は、単品での適用の他に、液剤の安定性や殺菌殺藻対象への溶解性を考慮して2種類以上を混合して使用することもできる。特に非プロトン性溶剤であるプロピレンカーボネートやアジピン酸ジメチル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチルの混合物が好ましい。
【0015】好適な界面活性剤は、殺菌殺藻対象物ごとに異なり特に限定されないが、一般的には高級アルコールエチレンオキシド付加物、高級アルキルアミン付加物、多価アルコール脂肪酸エステル付加物、プロピレンオキシド共重合体、多価アルコールアルキルエステルなどが挙げられる。
【0016】これら溶剤、界面活性剤、固体希釈剤、分散剤、増粘剤、防錆剤、その他の助剤などの本発明の化合物以外の成分は、有効成分10質量部に対して、2〜250質量部、好ましくは5〜100質量部とすることが、作業時の取扱いの点や製剤の長期保存性の点で好ましい。
【0017】各殺菌殺藻対象物への有効成分の最適な適用量は、対象物1kgに対して0.5〜200mg、好ましくは5〜50mgである。なお適用量が0.5mg未満の場合には有効な効果が得られず、200mg超の投入は経済的ではない。
【0018】これらの使用で各種の微生物を殺滅できる。本発明の化合物が作用しうる微生物類としては、細菌、酵母、糸状菌、藻類が挙げられる。例えばエシェリキア(Escherichia)属、エンテロバクター(Enterobacter)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、バシラス(Bacillus)属、スタフィロコッカス(Staphylococcus)属、アエロモナス(Aeromonas)属、ビブリオ(Vibrio)属、クレブシエラ(Klebsiella)属、サルモネラ(Salmonella)属、セラチア(Serratia)属、レジオネラ(Legionella)属などの細菌類、サッカロマイセス(Saccharomyces)属、カンジダ(Candida)属、ゲオトリクム(Geotrichum)属、ハンセヌラ(Hansenula)属、ロドトルラ(Rhodotrula)属、クリベロマイセス(Kluyveromyces)属、ピキア(Pichia)属などの酵母類、アスペルギルス(Aspergillus)属、ペニシリウム(Penicillum)属、トリコデルマ(Trichoderma)属、ムコール(Mucor)属、リゾプス(Rhizopus)属、フザリウム(Fusarium)属、クラドスポリウム(Cladosporium)属、アルテルナリア(Alternaria)属などの糸状菌類、クロレラ(Chlorella)属、オシラトリア(Oscillatoria)属、アナベナ(Anabaena)属、セネデスムス(Scenedesmus)属、ミカヅキモ(Clostetium)属などの藻類が挙げられる。
【0019】また、本発明の化合物は、必要に応じて他の殺菌剤と併用することもできる。なお、溶剤や界面活性剤、その他助剤を使用して混合製剤とすることもできる。他の殺菌剤として、例えば、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(以下、DBDMHという)、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン及びブロモ−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン等のハロゲン置換ヒダントイン系化合物、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−ブチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−オクチル−イソチアゾリン−3−オン及び1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン等のイソチアゾリン系化合物、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジアセチルオキシプロパン、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジホルミルオキシプロパン、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジプロピオノイルオキシプロパン、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール及び2,2−ジブロモ−2−ニトロアセチルオキシエタン等のブロモニトロアルコール誘導体、1,4−ビス(ブロモアセトキシ)−2−ブテン及び1,2−ビス(ブロモアセトキシ)エタン等のブロモ酢酸エステル系化合物、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、2,4,5,6−テトラフルオロイソフタロニトリル、5−クロロ−2,4,6−トリフルオロイソフタロニトリル、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、メチレンビスチオシアネート、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン、オルトフタルアルデヒド、グルタルアルデヒド、ジ−n−デシルジメチルアンモニウムクロリド、ベンザルコニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、グルコン酸クロルヘキシジン、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロリド]、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド、4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オン、2−(p−ヒドロキシフェニル)グリオキシロヒドロキシモイルクロリド、α−クロロベンズアルドキシム、4−クロロ−α−クロロベンズアルドキシム、α−クロロベンズアルドキシムアセテート、ジクロログリオキシム、ソジウムピリチオン、ジンクピリチオン、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N-ブロモアミン、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、次亜臭素酸ナトリウム、二酸化塩素などが挙げられる。
【0020】更に、他の公知の殺菌防腐成分と併用し、殺菌殺藻対象物に使用することもできる。なお、溶剤や界面活性剤、あるいはその他助剤を使用して混合剤として製剤することもできる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を製造例、試験例等により更に具体的に説明する。しかし、本発明は、これら例に限定されない。
【0022】次に本発明の化合物の製造例を挙げる。
製造例1無水酢酸27.7gに、ギ酸12.1gを室温に保ちながら45分間で滴下し、その後室温で2時間攪拌した。次にピリジン0.4gを加えた後、直ちに2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール70.4g(純度93%)を15分間かけて滴下した。滴下に伴い20℃の発熱が認められた。その後40〜45℃で2時間攪拌して室温まで冷却した。次に水200mlを加えてクエンチし、下層のオイル分を分液、水100mlで2回水洗し、硫酸ナトリウム上で乾燥後、真空下で濃縮して淡黄色液体の2,2−ジブロモ−2−ニトロエチル=ホルメート(DBNEF)を58.8g得た(収率77.1%)。
【0023】得られた本発明の化合物は次の物性を有する。
H−NMR(CDCl)、δ(ppm):8.15(1H,s,−CHO)、5.15(2H,s,−CH−)
IR(フィルム)(cm−1):2954,1728,1574,1460,1439,1322【0024】次に、本発明の化合物の製剤の配合例を表1に挙げる。なお、表1中、%は、質量百分率を示す。
【0025】
【表1】

【0026】次に、試験例を挙げて、本発明の化合物の効果を説明する。
試験例1 細菌類及び酵母類に対する生育抑制試験ブイヨン液体培地で一晩前培養し、生理食塩水で洗浄し、再懸濁した細菌類及び酵母類の各菌株を、所定濃度の本発明の化合物を含有する標準寒天平板培地(日水製薬株式会社製)に白金耳で塗布した。30℃で2日間の静置培養の後、菌の生育の状況を目視観察した。結果を表2に示す。表2中、Aは、菌の生育が認められなかった区を、Bは、わずかに生育が認められた区を、Cは、明らかに生育が認められた区を表示する。
【0027】なお、試験には対照として次の化合物を用いた。
DBNE :2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノールDBNEA:2,2−ジブロモ−2−ニトロエチル=アセテートDBNES:2,2−ジブロモ−2−ニトロエチル=ステアレートBNPD :2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール以下の試験例においても同様である。
【0028】また、以下の菌株を供試し、表2には次の通り略称で示した。
Ea:エンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes) IAM1102Ec:エシェリキア・コリ(Escherichia coli) NIHJPa:シュードモナス・アエルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa) IAM1054Sa:スタフィロコッカス・アウレウス(Staphyloccocus aureus) ATCC6538pBs:バシラス・スブチリス(Bacillus subtilis) IAM1069Sc:サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae) TK−2Cu:カンジダ・ウチリス(Candida utilis) IFO0396【0029】
【表2】

【0030】試験例2 糸状菌類に対する生育抑制試験寒天平板培地上で7日間前培養した各糸状菌を、寒天培地ごと直径8mmのコルクボーラーで円柱形に打ち抜き(菌プラグ)、これを本発明の化合物を含有する標準寒天平板培地(日水製薬)に移植した。30℃で3日間の静置培養の後、菌の生育の状況を目視観察した。結果を表3に示す。菌プラグ上の菌糸が標準寒天平板培地上に全く広がっていない区をA、わずかに広がった区をB、明らかに広がった区をCと表示した。
【0031】以下の糸状菌類を供試し、表3には次の通り略称で示した。
Gc:ゲオトリクム・カンジダム(Geotrichum candidum)IFO6454An:アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger) ATCC6275Ps:ペニシリウム・ステッキー(Penicillum steckii)IAM7048Pc:ペニシリウム・シトリナム(Penicillum citrinum)ATCC9849Rn:リゾプス・ニグリカンス(Rhizopus nigricans) SN32Tr:トリコデルマ(Trichoderma)属糸状菌【0032】
【表3】

【0033】試験例3 藻類に対する防除効果試験緑藻2株及び藍藻2株について、それぞれのMDM培地による前培養液を10倍に希釈し、HEPS(N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N’-2-エタンスルホン酸)を50mMになるように加え、攪拌して溶解させ、更に苛性ソーダでpH8.5に調整した。この希釈液10mlをL字型試験管に分注し、任意量の本発明の化合物を添加した。25℃、10KLx(明:12時間、暗:12時間)の条件で振とう培養し、3日後に生育状況を目視観察した。結果を表4に示す。表4中、Aは、藻が明らかに白化(死滅)した区を、Bは、緑色が退色した区を、Cは、緑色のまま(殺藻効果なし)である区を意味する。
【0034】以下の藻類を供試し、表4には次の通り略称で示す。
Cv:クロレラ・ブルガリス(Chlorella vulgaris)C−135So:スケナデスムス・オブリクス(Scenedesmus obliqqus)C−538On:オシラトリア・ネグレクタ(Oscillatoria neglecta)M−58Av:アナベナ・バリアビリス(Anabaena variabilis)M−82【0035】
【表4】

【0036】試験例4 レジオネラ属細菌に対する防除効果試験B−CYEα培地において35℃で3日間の前培養を行った細菌レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)GIFU9134を培地表面から掻き取り、pH8.5りん酸緩衝液に懸濁し、菌体の洗浄を行った後、同緩衝液に再懸濁し、生菌数を10〜10CFU/mlとするために660nmにおける吸光度が約2.0になるように濃度調整した。この菌体懸濁液を同緩衝液に1%相当量添加し、更にSCDLP液体培地を1%添加して試験液とした。この試験液10mlをL字型試験管に分注し、製剤例1に従って製剤した各化合物を所定濃度になるように添加し、30℃で30分間、6時間、24時間及び96時間の振とう培養を行い、各々の所定経過時間後における生菌数を平板塗抹培養法(35℃、7日間)で測定した。結果を表5に示す。
【0037】
【表5】

【0038】試験例1及び試験例2から本発明の化合物は、細菌類、酵母類及び糸状菌類に対して優れた生育抑制能を示す。更に試験例3から藻類に対する殺藻効力や試験例4からレジオネラ属細菌に対する優れた殺菌効力をも有することが判る。
【0039】試験例5 製紙白水に対する殺菌効果試験細菌が107CFU/mlの割合で存在する某製紙工場から採取した白水(pH7.2)10mlをL字型試験管に分注し、製剤例1に従って製剤した各化合物を所定濃度になるように添加し、、30分間又は90分間の振とうを行った。各々の所定経過時間後における生菌数を平板塗抹培養法(35℃、3日間)で測定した。結果を表6に示す。
【0040】
【表6】

【0041】試験例6 SBR系ラテックスに対する防腐効果試験薬剤無添加の某社SBR系ラテックス(pH7.5)にシュードモナス属細菌、アエロモナス属細菌、スタフィロコッカス属細菌及びカンジダ属酵母を接種し、30℃で2週間静置し、腐敗ラテックスを事前に調製した。腐敗していない某社SBR系ラテックス(pH7.5)にこの腐敗ラテックスを1%接種し、プラスチック容器に30mlずつ小分けし、製剤例1に従って製剤した各化合物を所定濃度になるように添加し、よく混和させた後、30℃の恒温槽に静置させた。試験開始1日後、3日後、7日後、14日後に生菌数を平板塗抹培養法(35℃、3日間)で測定した。なお各々の生菌数測定の後に腐敗ラテックスを1%分添加した。結果を表7に示す。
【0042】
【表7】

【0043】試験例5及び試験例6から実際の使用場面でもある製紙白水系の殺菌用途やラテックスの防腐用途においても優れた殺菌防腐効果を示すことが判る。
【0044】
【発明の効果】本発明の抗微生物活性を有する新規ブロモニトロ化合物は、文献に記載された従来のブロモニトロ化合物に比べ優れた殺菌力を有し、しかも広い殺菌スペクトラム、速効的な殺菌効力、長期の防腐効力が少量で発揮されるものであり、殺菌、防腐、防黴、殺藻の用途に化合物単体、あるいは組成物の形態で用いる微生物防除に使用できる。
【出願人】 【識別番号】390034348
【氏名又は名称】ケイ・アイ化成株式会社
【住所又は居所】静岡県磐田郡福田町塩新田浜野328
【出願日】 平成14年3月11日(2002.3.11)
【代理人】 【識別番号】100087022
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 昭 (外2名)
【公開番号】 特開2003−261517(P2003−261517A)
【公開日】 平成15年9月19日(2003.9.19)
【出願番号】 特願2002−64703(P2002−64703)