| 【発明の名称】 |
ニトロ置換芳香族類、ニトロソ置換芳香族類またはアゾキシ置換芳香族類の製造方法とその触媒 |
| 【発明者】 |
【氏名】萩谷 弘寿 【住所又は居所】大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化学工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】アミノ置換芳香族類と過酸化水素とから、より工業的に有利にニトロ置換芳香族類、ニトロソ置換芳香族類またはアゾキシ置換芳香族類を製造する方法を提供すること。
【解決手段】タングステン金属、モリブデン金属、タングステンと第IIIb族、第IVb族、第Vb族または酸素を除く第VIb族元素とからなるタングステン化合物およびモリブデンと第IIIb族、第IVb族、第Vb族または酸素を除く第VIb族元素とからなるモリブデン化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種と過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化物触媒の存在下に、アミノ置換芳香族類と過酸化水素とを反応させることを特徴とするニトロ置換芳香族類、ニトロソ置換芳香族類またはアゾキシ置換芳香族類の製造方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】タングステン金属、モリブデン金属、タングステンと第IIIb族、第IVb族、第Vb族または酸素を除く第VIb族元素とからなるタングステン化合物およびモリブデンと第IIIb族、第IVb族、第Vb族または酸素を除く第VIb族元素とからなるモリブデン化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種と過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化物触媒の存在下に、アミノ置換芳香族類と過酸化水素とを反応させることを特徴とするニトロ置換芳香族類、ニトロソ置換芳香族類またはアゾキシ置換芳香族類の製造方法。 【請求項2】第IIIb族元素が、ホウ素である請求項1に記載のニトロ置換芳香族類、ニトロソ置換芳香族類またはアゾキシ置換芳香族類の製造方法。 【請求項3】第IVb族元素が、炭素である請求項1に記載のニトロ置換芳香族類、ニトロソ置換芳香族類またはアゾキシ置換芳香族類の製造方法。 【請求項4】第Vb族元素が、チッ素またはリンである請求項1に記載のニトロ置換芳香族類、ニトロソ置換芳香族類またはアゾキシ置換芳香族類の製造方法。 【請求項5】酸素を除く第VIb族元素が、硫黄である請求項1に記載のニトロ置換芳香族類、ニトロソ置換芳香族類またはアゾキシ置換芳香族類の製造方法。 【請求項6】過酸化水素水を用いる請求項1に記載のニトロ置換芳香族類、ニトロソ置換芳香族類またはアゾキシ置換芳香族類の製造方法。 【請求項7】タングステン金属、モリブデン金属、タングステンと第IIIb族、第IVb族、第Vb族または酸素を除く第VIb族元素とからなるタングステン化合物およびモリブデンと第IIIb族、第IVb族、第Vb族または酸素を除く第VIb族元素とからなるモリブデン化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種と過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化物触媒の存在下、アミノ置換芳香族類と過酸化水素とを、アルコール溶媒またはアルコール系溶媒と水との混合溶媒中、反応温度50℃以上で反応させることを特徴とするニトロ置換芳香族類の製造方法。 【請求項8】タングステン金属、モリブデン金属、タングステンと第IIIb族、第IVb族、第Vb族または酸素を除く第VIb族元素とからなるタングステン化合物およびモリブデンと第IIIb族、第IVb族、第Vb族または酸素を除く第VIb族元素とからなるモリブデン化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種と過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化物触媒の存在下、アミノ置換芳香族類と過酸化水素とを、脂肪族炭化水素系溶媒または脂肪族炭化水素系溶媒と水との混合溶媒中、反応温度30℃以下で反応させることを特徴とするニトロソ置換芳香族類の製造方法。 【請求項9】タングステン金属、モリブデン金属、タングステンと第IIIb族、第IVb族、第Vb族または酸素を除く第VIb族元素とからなるタングステン化合物およびモリブデンと第IIIb族、第IVb族、第Vb族または酸素を除く第VIb族元素とからなるモリブデン化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種と過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化物触媒の存在下、アミノ置換芳香族類と過酸化水素とを、水溶媒中、反応温度30℃以下で反応させることを特徴とするアゾキシ置換芳香族類の製造方法。 【請求項10】タングステン金属、モリブデン金属、タングステンと第IIIb族、第IVb族、第Vb族または酸素を除く第VIb族元素とからなるタングステン化合物およびモリブデンと第IIIb族、第IVb族、第Vb族または酸素を除く第VIb族元素とからなるモリブデン化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種と過酸化水素とを反応せしめてなる、アミノ置換芳香族類を酸化してニトロ置換芳香族類、ニトロソ置換芳香族類またはアゾキシ置換芳香族類を製造するための金属酸化物触媒。 【請求項11】タングステン金属、モリブデン金属、タングステンと第IIIb族、第IVb族、第Vb族または酸素を除く第VIb族元素とからなるタングステン化合物およびモリブデンと第IIIb族、第IVb族、第Vb族または酸素を除く第VIb族元素とからなるモリブデン化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種と過酸化水素とを、水中で反応せしめてなる、アミノ置換芳香族類を酸化してニトロ置換芳香族類、ニトロソ置換芳香族類またはアゾキシ置換芳香族類を製造するための金属酸化物触媒水溶液。 【請求項12】請求項11に記載の金属酸化物触媒水溶液と有機溶媒とからなる、アミノ置換芳香族類を酸化してニトロ置換芳香族類、ニトロソ置換芳香族類またはアゾキシ置換芳香族類を製造するための金属酸化物触媒溶液。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ニトロ置換芳香族類、ニトロソ置換芳香族類またはアゾキシ置換芳香族類の製造方法とその触媒に関する。 【0002】 【従来の技術】ニトロ置換芳香族類、ニトロソ置換芳香族類およびアゾキシ置換芳香族類は、各種化学製品およびその合成中間体等として極めて重要な化合物であり、その製造方法として、安価で、取扱いが容易で、しかも反応後には無害な水となる、クリーンで優れた酸化剤として近年注目を集めている過酸化水素と対応するアミノ置換芳香族類を反応させる方法が知られている(例えば非特許文献1参照。)。しかしながら、かかる方法は、調製が煩雑なペルオキソタングストリン酸触媒を用いる方法であり、ニトロソ置換芳香族類やニトロ置換芳香族類を収率よく得るためには、労働安全・衛生上問題のあるクロロホルム溶媒を用いる必要があること、アゾキシ置換芳香族類を得るには、アミノ置換芳香族類とともに、アルキルアミンを用いる必要があり、しかもアゾキシ置換芳香族類の収率および選択率も低いこと等工業的な観点からは、必ずしも十分満足し得るものではなかった。 【0003】 【非特許文献1】J.Org.Chem.,1993,58,3633【0004】 【発明が解決しようとする課題】このような状況のもと、本発明者は、アミノ置換芳香族類と過酸化水素とから、より工業的に有利にニトロ置換芳香族類、ニトロソ置換芳香族類またはアゾキシ置換芳香族類を製造する方法について鋭意検討したところ、入手が容易なタングステン金属等と過酸化水素とから容易に調製できる金属酸化物が、アミノ置換芳香族類と過酸化水素との反応において、良好な酸化触媒活性を示し、アミノ置換芳香族類のアミノ基がニトロ基、ニトロソ基等に変換されたニトロ置換芳香族類、ニトロソ置換芳香族類またはアゾキシ置換芳香族類が生成すること、反応条件を選ぶことにより、ニトロ置換芳香族類、ニトロソ置換芳香族類またはアゾキシ置換芳香族類を選択的に得ることができることを見出し、本発明に至った。 【0005】 【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、タングステン金属、モリブデン金属、タングステンと第IIIb族、第IVb族、第Vb族または酸素を除く第VIb族元素とからなるタングステン化合物およびモリブデンと第IIIb族、第IVb族、第Vb族または酸素を除く第VIb族元素とからなるモリブデン化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種と過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化物触媒の存在下に、アミノ置換芳香族類と過酸化水素とを反応させることを特徴とするニトロ置換芳香族類、ニトロソ置換芳香族類またはアゾキシ置換芳香族類の製造方法とその触媒を提供するものである。 【0006】 【発明の実施の形態】まず、アミノ置換芳香族類と過酸化水素とを反応させる際に用いる触媒について説明する。触媒としては、タングステン金属、モリブデン金属、タングステンと第IIIb族、第IVb族、第Vb族または酸素を除く第VIb族元素とからなるタングステン化合物およびモリブデンと第IIIb族、第IVb族、第Vb族または酸素を除く第VIb族元素とからなるモリブデン化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種(以下、金属化合物と略記する。)と過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化物が用いられる。 【0007】タングステンと第IIIb族元素とからなるタングステン化合物としては、例えばホウ化タングステン等が、タングステンと第IVb族元素とからなるタングステン化合物としては、例えば炭化タングステン、ケイ化タングステン等が、タングステンと第Vb族元素とからなるタングステン化合物としては、例えばチッ化タングステン、リン化タングステン等が、タングステンと酸素を除く第VIb族元素とからなるタングステン化合物としては、例えば硫化タングステン等がそれぞれ挙げられる。 【0008】モリブデンと第IIIb族元素とからなるモリブデン化合物としては、例えばホウ化モリブデン等が、モリブデンと第IVb族元素とからなるモリブデン化合物としては、例えば炭化モリブデン、ケイ化モリブデン等が、モリブデンと第Vb族元素とからなるモリブデン化合物としては、例えばチッ化モリブデン、リン化モリブデン等が、モリブデンと酸素を除く第VIb族元素とからなるモリブデン化合物としては、例えば硫化モリブデン等がそれぞれ挙げられる。 【0009】かかる金属化合物のなかでも、タングステン金属、ホウ化タングステン、硫化タングステン、モリブデン金属が好ましい。また、かかる金属化合物は単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。 【0010】金属酸化物触媒を調製する際に用いる過酸化水素としては、通常水溶液が用いられる。もちろん過酸化水素の有機溶媒溶液を用いてもよいが、取扱いが容易という点で、過酸化水素水を用いることが好ましい。過酸化水素水もしくは過酸化水素の有機溶媒溶液中の過酸化水素濃度は特に制限されないが、容積効率、安全面等を考慮すると、実用的には1〜60重量%である。過酸化水素水を用いる場合は、通常市販のものをそのままもしくは必要に応じて希釈、濃縮等により濃度調整を行なったものを用いればよい。また過酸化水素の有機溶媒溶液は、例えば過酸化水素水を有機溶媒で抽出処理する、有機溶媒の存在下に過酸化水素水を蒸留処理する等の手段により調製することができる。 【0011】金属酸化物触媒を調製する際に用いる過酸化水素の使用量は、金属化合物に対して、通常1モル倍以上であり、その上限は特に制限されない。 【0012】触媒の調製操作は、通常水中で実施される。もちろん例えばジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、例えば酢酸エチル等のエステル系溶媒、例えばメタノール、エタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒等の有機溶媒中または該有機溶媒と水との混合溶媒中で実施してもよい。かかる溶媒の使用量は特に制限されない。 【0013】触媒の調製操作は、通常金属化合物と過酸化水素とを接触、混合することにより実施され、接触効率をより向上させるため、金属酸化物触媒調製液中で、金属化合物が十分分散するよう攪拌しながら行うことが好ましい。また、金属化合物と過酸化水素との接触効率を高め、金属酸化物触媒調製時の制御をより容易にするという点で、例えば粉末状の金属化合物等粒径の小さな金属化合物を用いることが好ましい。 【0014】金属酸化物触媒調製時の調製温度は、通常−10〜100℃である。 【0015】金属化合物と過酸化水素とを水中、有機溶媒中もしくは水と有機溶媒との混合溶媒中で反応させることにより、金属化合物の全部もしくは一部が溶解して、金属酸化物を含む均一溶液もしくは懸濁液を調製することができるが、該金属酸化物を、例えば濃縮処理等により該調製液から取り出して、触媒として用いてもよいし、該調製液をそのまま触媒として用いてもよい。 【0016】続いて、上記で得られた金属酸化物触媒の存在下に、アミノ置換芳香族類と過酸化水素とを反応させて、ニトロ置換芳香族類、ニトロソ置換芳香族類またはアゾキシ置換芳香族類を製造する方法について説明する。 【0017】アミノ置換芳香族類としては、芳香環に1つまたは2つ以上のアミノ基が結合したものであればよく、芳香環上にアミノ基以外の置換基を有していてもよい。 【0018】置換基としては、例えばハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアリールオキシ基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアラルキルオキシ基、置換されていてもよいアシル基、置換されていてもよいカルボアルコキシ基、置換されていてもよいカルボアリールオキシ基、置換されていてもよいカルボアラルキルオキシ基、カルボキシル基、スルホ基、シアノ基、水酸基、ニトロ基等が挙げられる。なお、これら置換基のうち、隣接する置換基同士が一緒になって、環構造の一部を形成してもよい。 【0019】ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。 【0020】置換されていてもよいアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−デシル基、シクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メンチル基等の直鎖状、分枝鎖状または環状の炭素数1〜20のアルキル基およびこれらアルキル基が、前記ハロゲン原子、後述する置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリールオキシ基、置換されていてもよいアラルキルオキシ基、置換されていてもよいアシル基、置換されていてもよいカルボアルコキシ基、置換されていてもよいカルボアリールオキシ基、置換されていてもよいカルボアラルキルオキシ基、カルボキシル基等の置換基で置換された、例えばクロロメチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、カルボメトキシメチル基等が挙げられる。 【0021】置換されていてもよいアルコキシ基としては、前記置換されていてもよいアルキル基と酸素原子とから構成されるものが挙げられ、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−デシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、メンチルオキシ基等の直鎖状、分枝鎖状または環状の炭素数1〜20のアルコキシ基およびこれらアルコキシ基が、例えば前記ハロゲン原子、アルコキシ基、後述する置換されていてもよいアリールオキシ基、置換されていてもよいアラルキルオキシ基、置換されていてもよいアシル基、置換されていてもよいカルボアルコキシ基、置換されていてもよいカルボアリールオキシ基、置換されていてもよいカルボアラルキルオキシ基、カルボキシル基等の置換基で置換された、例えばクロロメトキシ基、フルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基等が挙げられる。 【0022】置換されていてもよいアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等およびこれらフェニル基、ナフチル基等を構成する芳香環が、前記ハロゲン原子、前記置換されていてもよいアルキル基、前記置換されていてもよいアルコキシ基、アリール基、後述する置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアリールオキシ基、置換されていてもよいアラルキルオキシ基、置換されていてもよいアシル基、置換されていてもよいカルボアルコキシ基、置換されていてもよいカルボアリールオキシ基、置換されていてもよいカルボアラルキルオキシ基、カルボキシル基等の置換基で置換された、例えば2−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−フェノキシフェニル基等が挙げられる。 【0023】置換されていてもよいアリールオキシ基としては、前記置換されていてもよいアリール基と酸素原子とから構成されるものが挙げられ、例えばフェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、3−フェノキシフェノキシ基等が挙げられる。 【0024】置換されていてもよいアラルキル基としては、前記置換されていてもよいアルキル基と前記置換されていてもよいアリール基とから構成されるものが挙げられ、例えばベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。置換されていてもよいアラルキルオキシ基としては、前記置換されていてもよいアルコキシ基と前記置換されていてもよいアリール基とから構成されるものが挙げられ、例えばベンジルオキシ基等が挙げられる。 【0025】置換されていてもよいアシル基としては、カルボニル基と前記置換されていてもよいアルキル基、カルボニル基と前記置換されていてもよいアリール基およびカルボニル基と前記置換されていてもよいアラルキル基とから構成されるものが挙げられ、例えばカルボメチル基、カルボエチル基、カルボフェニル基、カルボベンジル基等が挙げられる。 【0026】置換されていてもよいカルボアルコキシ基としては、カルボニル基と前記置換されていてもよいアルコキシ基とから構成されるものが、置換されていてもよいカルボアリールオキシ基としては、カルボニル基と前記置換されていてもよいアリールオキシ基とから構成されるものが、置換されていてもよいカルボアラルキルオキシ基としては、カルボニル基と前記置換されていてもよいアラルキルオキシ基とから構成されるものがそれぞれ挙げられ、例えばカルボメトキシ基、カルボエトキシ基、カルボフェノキシ基、カルボベンジルオキシ基等が挙げられる。 【0027】かかるアミノ置換芳香族類としては、例えばアニリン、2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2−クロロアニリン、3−クロロアニリン、4−クロロアニリン、2−ブロモアニリン、3−ブロモアニリン、4−ブロモアニリン、2−シアノアニリン、3−シアノアニリン、4−シアノアニリン、2−カルボメトキシアニリン、3−カルボメトキシアニリン、4−カルボメトキシアニリン、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、o−アニシジン、m−アニシジン、p−アニシジン、【0028】2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、2−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸、2−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸、2,3−ジメチルアニリン、3,5−ジメチルアニリン、2,6−ジエチルアニリン、2,5−ジフルオロアニリン、3,4−ジフルオロアニリン、2−クロロ−4−アミノトルエン、2−アミノ−3−クロロ安息香酸、4−アミノ−2−クロロベンゾニトリル、2,3,5−トリクロロアニリン、3,4,5−トリクロロアニリン、2,4−ジフルオロ−5−ニトロアニリン、2,3,5,6−テトラフルオロアニリン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロアニリン、2−ベンジルアニリン、3−ベンジルオキシアニリン、4−ベンジルオキシアニリン、o−ジアミノベンゼン、m−ジアミノベンゼン、p−ジアミノベンゼン、1−アミノナフタレン、2−アミノナフタレン、4−アミノ−1,8−ナフタル酸無水物等が挙げられる。 【0029】かかるアミノ置換芳香族類は、例えば塩酸、硫酸等の酸との付加塩であってもよい。 【0030】本反応は、前記した金属酸化物触媒の存在下に、アミノ置換芳香族類と過酸化水素とを反応させるものであり、ニトロ置換芳香族類、ニトロソ置換芳香族類またはアゾキシ置換芳香族類が得られる。後述するように、反応条件を選択することにより、ニトロ置換芳香族類、ニトロソ置換芳香族類またはアゾキシ置換芳香族類のいずれかを選択的に得ることができる。例えばアミノ置換芳香族類として、アニリンを用いた場合には、ニトロ置換芳香族類として、ニトロベンゼンが、ニトロソ置換芳香族類として、ニトロソベンゼンが、アゾキシ置換芳香族類として、アゾキシベンゼンがそれぞれ得られる。また、例えばアミノ置換芳香族類として、4−クロロアニリンを用いた場合には、ニトロ置換芳香族類として、4−クロロニトロベンゼンが、ニトロソ置換芳香族類として、4−クロロニトロソベンゼンが、アゾキシ置換芳香族類として、4,4’−ジクロロアゾキシベンゼンがそれぞれ得られる。 【0031】アミノ置換芳香族類と過酸化水素との反応における金属酸化物触媒の使用量は、アミノ置換芳香族類に対して、通常0.001モル倍以上であり、その上限は特にないが、経済的な面を考慮すると、実用的には、アミノ置換芳香族類に対して、1モル倍以下である。 【0032】過酸化水素は、通常水溶液として用いられる。もちろん過酸化水素の有機溶媒溶液を用いてもよい。過酸化水素水もしくは有機溶媒溶液中の過酸化水素濃度は特に制限されないが、容積効率、安全面等を考慮すると、実用的には1〜60重量%である。過酸化水素水は、通常市販のものをそのままもしくは必要に応じて希釈、濃縮等により濃度調整を行なった後用いられる。過酸化水素の有機溶媒溶液は、例えば過酸化水素水を有機溶媒で抽出処理する、もしくは有機溶媒の存在下に過酸化水素水を蒸留処理する等の手段により、調製することができる。 【0033】過酸化水素の使用量は、アミノ置換芳香族類中のアミノ基に対して、通常2モル倍以上であり、その使用量の上限は特にないが、経済的な面も考慮すると、実用的には、アミノ置換芳香族類に対して、10モル倍以下である。なお、触媒として、金属酸化物を含む調製液を用いる場合は、該調製液中の過酸化水素量を含めて、過酸化水素の使用量を設定してもよい。 【0034】本反応は、通常水溶媒、有機溶媒または有機溶媒と水の混合溶媒中で実施される。有機溶媒としては、例えばジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、例えば酢酸エチル等のエステル系溶媒、例えばメタノール、エタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶媒、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、例えばヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒等の単独もしくは混合溶媒が挙げられる。水または有機溶媒の使用量は特に制限されないが、容積効率等を考慮すると、実用的には、アミノ置換芳香族類に対して、100重量倍以下である。 【0035】反応温度があまり低いと反応が進行しにくく、また反応温度があまり高いと、原料のアミノ置換芳香族類の分解等副反応が進行する恐れがあるため、実用的な反応温度は、0〜200℃の範囲である。 【0036】アルコール系溶媒またはアルコール系溶媒と水との混合溶媒中、反応温度50℃以上で反応を実施することにより、ニトロ置換芳香族類を選択的に製造することができる。また、脂肪族炭化水素系溶媒または脂肪族炭化水素系溶媒と水との混合溶媒中、反応温度30℃以下で反応を実施することにより、ニトロソ置換芳香族類が選択的に得られる。また、水溶媒中、反応温度30℃以下で反応を実施することにより、アゾキシ置換芳香族類を選択的に得ることができる。 【0037】本反応は、通常アミノ置換芳香族類、過酸化水素および金属酸化物触媒を接触、混合することにより実施されるが、その混合順序は特に制限されない。また、例えば金属化合物、過酸化水素およびアミノ置換芳香族類を接触、混合させて、金属酸化物触媒の調製操作と、アミノ置換芳香族類と過酸化水素との反応を、同時に行ってもよい。 【0038】本反応は、常圧条件下で実施してもよいし、加圧条件下で実施してもよい。また、反応の進行は、例えばガスクロマトグラフィ、高速液体クロマトグラフィ、薄層クロマトグラフィ、NMR、IR等の通常の分析手段により確認することができる。 【0039】反応終了後、反応液をそのままもしくは必要に応じて残存する過酸化水素を、例えばチオ硫酸ナトリウム等の還元剤で分解した後、濃縮処理、晶析処理等することにより、ニトロ置換芳香族類、ニトロソ置換芳香族類またはアゾキシ置換芳香族類を取り出すことができる。また、反応液に、必要に応じて水および/または水に不溶の有機溶媒を加え、抽出処理し、得られる有機層を濃縮処理することにより、ニトロ置換芳香族類を取り出すこともできる。取り出したニトロ置換芳香族類、ニトロソ置換芳香族類またはアゾキシ置換芳香族類は、例えば蒸留、カラムクロマトグラフィ等の通常の精製手段によりさらに精製してもよい。 【0040】水に不溶の有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えばジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、例えばジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、例えば酢酸エチル等のエステル系溶媒等が挙げられ、その使用量は特に制限されない。 【0041】また、目的とするニトロ置換芳香族類、ニトロソ置換芳香族類またはアゾキシ置換芳香族類を晶析処理により取り出した後の濾液や反応液を抽出処理して得られる水層は、本反応の金属酸化物触媒を含んでおり、そのままもしくは必要に応じて濃縮処理等を行った後、再度本反応に使用することができる。 【0042】かくして得られるニトロ置換芳香族類としては、例えばニトロベンゼン、2−フルオロニトロベンゼン、3−フルオロニトロベンゼン、4−フルオロニトロベンゼン、2−クロロニトロベンゼン、3−クロロニトロベンゼン、4−クロロニトロベンゼン、2−ブロモニトロベンゼン、3−ブロモニトロベンゼン、4−ブロモニトロベンゼン、2−シアノニトロベンゼン、3−シアノニトロベンゼン、4−シアノニトロベンゼン、2−カルボメトキシニトロベンゼン、3−カルボメトキシニトロベンゼン、4−カルボメトキシニトロベンゼン、2−メチルニトロベンゼン、3−メチルニトロベンゼン、4−メチルニトロベンゼン、2−メトキシニトロベンゼン、3−メトキシニトロベンゼン、4−メトキシニトロベンゼン、【0043】2−ニトロフェノール、3−ニトロフェノール、4−ニトロフェノール、2−ニトロ安息香酸、3−ニトロ安息香酸、4−ニトロ安息香酸、2−ニトロベンゼンスルホン酸、3−ニトロベンゼンスルホン酸、4−ニトロベンゼンスルホン酸、2,3−ジメチルニトロベンゼン、3,5−ジメチルニトロベンゼン、2,6−ジエチルニトロベンゼン、2,5−ジフルオロニトロベンゼン、3,4−ジフルオロニトロベンゼン、2−クロロ−4−ニトロトルエン、2−ニトロ−3−クロロ安息香酸、4−ニトロ−2−クロロベンゾニトリル、2,3,5−トリクロロニトロベンゼン、3,4,5−トリクロロニトロベンゼン、2,4−ジフルオロ−5−ニトロベンゼン、2,3,5,6−テトラフルオロニトロベンゼン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロニトロベンゼン、2−ベンジルニトロベンゼン、3−ベンジルオキシニトロベンゼン、4−ベンジルオキシニトロベンゼン、2−ニトロアニリン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、p−ジニトロベンゼン、1−ニトロナフタレン、2−ニトロナフタレン、4−ニトロ−1,8−ナフタル酸無水物等が挙げられる。 【0044】ニトロソ置換芳香族類としては、例えばニトロソベンゼン、2−フルオロニトロソベンゼン、3−フルオロニトロソベンゼン、4−フルオロニトロソベンゼン、2−クロロニトロソベンゼン、3−クロロニトロソベンゼン、4−クロロニトロソベンゼン、2−ブロモニトロソベンゼン、3−ブロモニトロソベンゼン、4−ブロモニトロソベンゼン、2−シアノニトロソベンゼン、3−シアノニトロソベンゼン、4−シアノニトロソベンゼン、2−カルボメトキシニトロソベンゼン、3−カルボメトキシニトロソベンゼン、4−カルボメトキシニトロソベンゼン、2−メチルニトロソベンゼン、3−メチルニトロソベンゼン、4−メチルニトロソベンゼン、2−メトキシニトロソベンゼン、3−メトキシニトロソベンゼン、4−メトキシニトロソベンゼン、【0045】2−ニトロソフェノール、3−ニトロソフェノール、4−ニトロソフェノール、2−ニトロソ安息香酸、3−ニトロソ安息香酸、4−ニトロソ安息香酸、2−ニトロソベンゼンスルホン酸、3−ニトロソベンゼンスルホン酸、4−ニトロソベンゼンスルホン酸、2,3−ジメチルニトロソベンゼン、3,5−ジメチルニトロソベンゼン、2,6−ジエチルニトロソベンゼン、2,5−ジフルオロニトロソベンゼン、3,4−ジフルオロニトロソベンゼン、2−クロロ−4−ニトロソトルエン、2−ニトロソ−3−クロロ安息香酸、4−ニトロソ−2−クロロベンゾニトリル、2,3,5−トリクロロニトロソベンゼン、3,4,5−トリクロロニトロソベンゼン、2,4−ジフルオロ−5−ニトロソベンゼン、2,3,5,6−テトラフルオロニトロソベンゼン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロニトロソベンゼン、2−ベンジルニトロソベンゼン、3−ベンジルオキシニトロソベンゼン、4−ベンジルオキシニトロソベンゼン、2−ニトロソアニリン、o−ジニトロソベンゼン、m−ジニトロソベンゼン、p−ジニトロソベンゼン、1−ニトロソナフタレン、2−ニトロソナフタレン、4−ニトロソ−1,8−ナフタル酸無水物等が挙げられる。 【0046】また、アゾキシ置換芳香族類としては、例えばアゾキシベンゼン、2,2’−ジフルオロアゾキシベンゼン、3,3’−ジフルオロアゾキシベンゼン、4、4’−ジフルオロアゾキシベンゼン、2,2’−ジクロロアゾキシベンゼン、3,3’−ジクロロアゾキシベンゼン、4、4’−ジクロロアゾキシベンゼン、2,2’−ジブロモアゾキシベンゼン、3,3’−ジブロモアゾキシベンゼン、4,4’−ジブロモアゾキシベンゼン、2,2’−ジシアノアゾキシベンゼン、3,3’−ジシアノアゾキシベンゼン、4,4’−ジシアノアゾキシベンゼン、2,2’−ビス(カルボメトキシ)アゾキシベンゼン、3,3’−ビス(カルボメトキシ)アゾキシベンゼン、4,4’−ビス(カルボメトキシ)アゾキシベンゼン、2,2’−ジニトロアゾキシベンゼン、3,3’−ジニトロアゾキシベンゼン、4,4’−ジニトロアゾキシベンゼン、2,2’−ジメチルアゾキシベンゼン、3,3’−ジメチルアゾキシベンゼン、4,4’−ジメチルアゾキシベンゼン、2,2’−ジメトキシアゾキシベンゼン、3,3’−ジメトキシアゾキシベンゼン、4,4’−ジメトキシアゾキシベンゼン、【0047】2,2’−ジヒドロキシアゾキシベンゼン、3,3’−ジヒドロキシアゾキシベンゼン、4,4’−ジヒドロキシアゾキシベンゼン、2,2’−ジカルボキシアゾキシベンゼン、3,3’−ジカルボキシアゾキシベンゼン、4,4’−ジカルボキシアゾキシベンゼン、2,2’−ジスルホアゾキシベンゼン、3,3’−ジスルホアゾキシベンゼン、4,4’−ジスルホアゾキシベンゼン、2,2’,3,3’−テトラメチルアゾキシベンゼン、3,3’,5,5’−テトラメチルアゾキシベンゼン、2,2’,6,6’−テトラエチルアゾキシベンゼン、2,2’,5,5’−テトラフルオロアゾキシベンゼン、3,3’,4,4’−テトラフルオロアゾキシベンゼン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジクロロアゾキシベンゼン、2,2’−ジクロロ−6,6’−ジカルボキシアゾキシベンゼン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジシアノアゾキシベンゼン、【0048】2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサクロロアゾキシベンゼン、3,3’,4,4’,5,5’−ヘキサクロロアゾキシベンゼン、2,2’,4,4’−テトラフルオロ−5,5’−ジニトロアゾキシベンゼン、2,2’,3,3’,5,5’,6,6’−オクタフルオロアゾキシベンゼン、2,2’,3,3’,4,4’,5,5’,6,6’−デカフルオロアゾキシベンゼン、2,2’−ジベンジルアゾキシベンゼン、3,3’−ジ(ベンジルオキシ)アゾキシベンゼン、4,4’−ジ(ベンジルオキシ)アゾキシベンゼン、1,1−アゾキシナフタレン、2,2−アゾキシナフタレン等が挙げられる。 【0049】 【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。 【0050】実施例150mLフラスコに、タングステン金属20mgおよび30重量%過酸化水素水250mgを仕込み、内温40℃に昇温し、同温度で0.5時間攪拌、保持し、タングステン酸化物触媒水溶液を調製した。該調製液を内温30℃に冷却し、tert−ブタノール3gを仕込み、次いでアニリン190mgを仕込んだ。30重量%過酸化水素水900mgを5分かけて滴下した後、内温70℃に昇温し、同温度で4時間攪拌、保持し、反応させた。室温まで冷却し、メチルtert−ブチルエーテル10gおよび水10gを加え、室温で終夜攪拌した後、静置、分液し、ニトロベンゼンを含む有機層を得た。該有機層をガスクロマトグラフィにより分析したところ、ニトロベンゼンの収率は、97%であった。 【0051】実施例2実施例1において、アニリン190mgに代えて4−クロロアニリン255mgを用いた以外は実施例1と同様に実施して、4−クロロニトロベンゼンを、収率95%で得た。 【0052】実施例3実施例1において、アニリン190mgに代えて4−フルオロアニリン222mgを用いた以外は実施例1と同様に実施して、4−フルオロニトロベンゼンを、収率68%で得た。 【0053】実施例4実施例1において、アニリン190mgに代えて3−シアノアニリン240mgを用い、タングステン金属20mgに代えてホウ化タングステン24mgを用いた以外は実施例1と同様に実施して、3−シアノニトロベンゼンを、収率53%で得た。 【0054】実施例5実施例1において、アニリン190mgに代えて2−カルボメトキシアニリン302mgを用い、タングステン金属20mgに代えて炭化タングステン24mgを用いた以外は実施例1と同様に実施して、2−カルボメトキシニトロベンゼンを、収率17%で得た。 【0055】実施例6実施例4において、ホウ化タングステン24mgに代えて硫化タングステン25mgを用いた以外は実施例4と同様に実施して、3−シアノニトロベンゼンを、収率57%で得た。 【0056】実施例7実施例1において、タングステン金属20mgに代えてモリブデン金属10mgを用いた以外は実施例1と同様に実施して、ニトロベンゼンを、収率97%で得た。 【0057】実施例850mLフラスコに、タングステン金属40mgおよび30重量%過酸化水素水250mgを仕込み、内温40℃に昇温し、同温度で0.5時間攪拌、保持し、タングステン酸化物触媒水溶液を調製した。該調製液を内温30℃に冷却し、tert−ブタノール3gを仕込み、次いでo−フェニレンジアミン216mgを仕込んだ。30重量%過酸化水素水1.8gを5分かけて滴下した後、内温70℃に昇温し、同温度で4時間攪拌、保持し、反応させた。室温まで冷却し、メチルtert−ブチルエーテル10gおよび水10gを加え、室温で終夜攪拌した後、静置、分液し、o−ジニトロベンゼンと2−ニトロアニリンを含む有機層を得た。該有機層をガスクロマトグラフィにより分析したところ、o−ジニトロベンゼンの収率は17%、2−ニトロアニリンの収率は19%であった。 【0058】実施例950mLフラスコに、タングステン金属10mgおよび30重量%過酸化水素水250mgを仕込み、内温40℃に昇温し、同温度で0.5時間攪拌、保持し、タングステン酸化物触媒水溶液を調製した。該調製液を内温20℃に冷却し、シクロヘキサン5gおよび30重量%過酸化水素水1350mgを仕込み、次いでアニリン372mgとシクロヘキサン5gからなる混合液を1時間かけて滴下した。その後、内温20℃で5時間攪拌、保持し、反応させた。反応終了後、メチルtert−ブチルエーテル10gおよび水10gを加え、室温で終夜攪拌した後、静置、分液し、ニトロソベンゼンを含む有機層を得た。該有機層をガスクロマトグラフィにより分析したところ、ニトロソベンゼンの収率は93%であった。 【0059】実施例10100mLフラスコに、タングステン金属10mgおよび30重量%過酸化水素水250mgを仕込み、内温40℃に昇温し、同温度で0.5時間攪拌、保持し、タングステン酸化物触媒水溶液を調製した。該調製液を内温20℃に冷却し、30重量%過酸化水素水16gを仕込み、次いでアニリン5.06gを2時間かけて滴下した後、内温20℃で6時間攪拌、保持し、反応させた。反応終了後、メチルtert−ブチルエーテル30gおよび水30gを加え、室温で終夜攪拌した後、静置、分液し、アゾキシベンゼンを含む有機層を得た。該有機層をガスクロマトグラフィにより分析したところ、アゾキシベンゼンの収率は89%であった。 【0060】実施例11実施例1において、tert−ブタノール3gに代えて水4.5gを用い、内温50℃で2時間反応させた以外は実施例1と同様に実施して、ニトロベンゼン、ニトロソベンゼンおよびアゾキシベンゼンの混合物を得た。ニトロベンゼンの収率は17%、ニトロソベンゼンの収率は36%、アゾキシベンゼンの収率は26%であった。 【0061】 【発明の効果】本発明によれば、入手が容易なタングステン金属やホウ化タングステン等のタングステン化合物、モリブデン金属等のモリブデン化合物と過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化物触媒の存在下に、安価で、クリーンな酸化剤である過酸化水素とアミノ置換芳香族類とを反応させることにより、ニトロ置換芳香族類、ニトロソ置換芳香族類またはアゾキシ置換芳香族類を製造することができ、しかも反応条件を適宜選択することにより、そのいずれかを選択的に製造することができるため、工業的に有利である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002093 【氏名又は名称】住友化学工業株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号
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| 【出願日】 |
平成14年12月27日(2002.12.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100093285 【弁理士】 【氏名又は名称】久保山 隆 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−261516(P2003−261516A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月19日(2003.9.19) |
| 【出願番号】 |
特願2002−378878(P2002−378878) |
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