| 【発明の名称】 |
重合可能な単環式化合物 |
| 【発明者】 |
【氏名】マティアス・ブレメール
【氏名】メラニー・クラーゼン−メマー
【氏名】ダグマール・クレメント
【氏名】シュテファン・デロー
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| 【要約】 |
【課題】配向したLCポリマー膜の調製に使用でき、低分子量LC媒体との混合物として切り替え可能なLCデバイスの活性層での使用に適し、およびLC媒体に適合する特性を有し、LC媒体に良好な溶解性を示す、低融点の重合可能な化合物を提供する。
【解決手段】本発明は、重合可能な単環式化合物、それらの液晶混合物、ポリマーおよびポリマー膜への使用、ならびに化合物、混合物、ポリマーおよびポリマー膜の装飾的およびセキュリティー用の光学、電子光学および電子デバイスへの使用に関する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 式I【化1】
式中、Pは、重合可能な基であり、Spは、スペーサー基または単結合であり、Xは、−O−、−S−、−OCH2−、−CH2O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−CO−NR0−、−NR0−CO−、−OCH2−、−CH2O−、−SCH2−、−CH2S−、−CH=CH−COO−、−OOC−CH=CH−または単結合であり、Rは、H、F、Cl、Br、I、CN、SCN、SF5H、NO2または炭素原子を1〜20個有する直鎖状、分枝状または環状アルキルであって、無置換またはF、Cl、Br、IまたはCNで単置換または多置換されていてもよく、1または2個以上の隣接しないCH2基が、それぞれ相互に独立して、Oおよび/またはS原子が相互に直接に連結しないものとして、−O−、−S−、−NH−、−NR0−、−SiR0R00−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−CH=CH−または−CH≡CH−で置き換えられていてもよく、またはP−Sp−Xを意味し、R0およびR00は、相互に独立して、Hまたは炭素原子1〜4個を有するアルキルであり、Lは、F、Cl、Br、I、CN、NO2、または炭素原子1〜7個を有するアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニルまたはアルキルカルボニルオキシであって、1または2個以上のH原子がFまたはClにより置換されていてもよく、およびrは、0、1、2、3または4である、で表される重合可能な化合物。 【請求項2】 RがP−Sp−Xである、請求項1に記載の重合可能な化合物。 【請求項3】 rが、0、1、2、3または4であり、およびLが、F、Cl、CN、OH、NO2、CH3、C2H5、OCH3、OC2H5、COCH3、COC2H5、COOCH3、COOC2H5、CF3、OCF3、OCHF2またはOC2F5である、請求項1または2に記載の重合可能な化合物。 【請求項4】 Pが、アクリレート、メタクリレート、ビニル、ビニルオキシ、プロペニルエーテルまたはエポキシ基である、請求項1〜3のいずれかに記載の重合可能な化合物。 【請求項5】 SpおよびXが単結合を意味する、請求項1〜4のいずれかに記載の重合可能な化合物。 【請求項6】 SpがFにより任意に単置換または多置換される、炭素原子1〜12個を有するアルキレンであり、この基中の1または2個以上の隣接しないCH2基が、それぞれ相互に独立して、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく、およびXが−O−、−COO−、−OCO−、−OCOO−または単結合である、請求項1〜4のいずれかに記載の重合可能な化合物。 【請求項7】 以下の式【化2】
式中、Pは式Iで定義されているとおりであり、L1−4は相互に独立してHを意味するか、またはL1−4の少なくとの1つはHとは異なるものとして、式Iで与えられるLの意味の1つを有し、mおよびnは0〜12の同一または異なる整数であり、ならびにpおよびqは相互に独立して0または1であり、ただしmが0のときpは0であり、nが0のときはqが0である、で表されるものから選択される、請求項1〜4のいずれかに記載の重合可能な化合物。 【請求項8】 以下の式【化3】
式中、P、m、n、pおよびqは請求項7に定義されるとおりである、で表されるものから選択される、請求項7に記載の重合可能な化合物。 【請求項9】 m、n、pおよびqが0であることを特徴とする、請求項8に記載の重合可能な化合物。 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の化合物を少なくとも1種含む、液晶混合物。 【請求項11】 重合可能なメソゲンまたは少なくとも1個の重合可能な基を有する非メソゲン化合物の、少なくとも1種をさらに含む、請求項10に記載の液晶混合物。 【請求項12】 請求項10または11の液晶混合物から得られる、異方性ポリマーまたはポリマー膜。 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかに記載の化合物、混合物、ポリマーまたはポリマー膜の、液晶ディスプレイ、光学膜、偏向板、補償板、ビームスプリッター、反射膜、配向層、カラーフィルター、ホログラフィック素子、ホットスタンピングホイル、カラー画像、装飾的またはセキュリティのマーキング、液晶顔料、接着剤、異方性機械特性を有する合成樹脂、化粧品、診断薬、非線形光学材、光学的情報蓄積、キラルドーパントとしての使用、あるいはたとえば集積回路部品、またはフラットパネルディスプレイ用または電波方式認識(RFID)タグ用の薄膜トランジスタとしての電界トランジスタ(FET)などの電子デバイス分野、またはエレクトロルミネッセントディスプレイまたはたとえば液晶ディスプレイのバックライトなどの有機発光ダイオード(OLED)用の半導体部品、光電池またはセンサーデバイス用、バッテリーの電極材料、光導電体または電子写真記録などの電子写真用途への使用。 【請求項14】 請求項1〜12のいずれかに記載の化合物、混合物、ポリマーまたはポリマー膜の少なくとも1種をその活性層に含む、液晶ディスプレイ。 【請求項15】 TN、STN、AMD−TN、ECB、VA、IPS、PSCTまたはPDLCモードのディスプレイである、請求項14に記載の液晶ディスプレイ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、重合可能な単環式化合物、これらから調製された液晶混合物、ポリマーおよびポリマー膜、および液晶ディスプレイまたは光学膜などの光学および電子光学的デバイス、接着剤、異方性の機械特性を有する合成樹脂、化粧品、診断薬(diagnostics)、液晶顔料、装飾的およびセキュリティの用途、非線形光学材、光学的情報蓄積、有機電界トランジスタ(FETまたはOFET)などの電子デバイス、エレクトロルミネッセントデバイス、またはキラルドーパントへの該化合物、混合物、ポリマーおよびポリマー膜の使用に関する。 【0002】 【従来の技術】重合可能な化合物は、種々の目的のための先行技術に記載されている。たとえば、それらは、それらの液晶相に配列した後、直線または高品質の均一配向を有する架橋した液晶ポリマーを与えるようインサイチュで重合する、重合可能な液晶混合物に使用することができる。これらの膜は、たとえば以下の文献に記載されるような、フラットパネルディスプレイ用の偏向板または補償板などの光学素子として使用することもできる(たとえば、特許文献1、2、3、4、5および6参照)。 【0003】重合可能な化合物は、重合したコレステリック液晶膜または可視光の選択的反射を示すコーティングの用途にもまた提案されており、および、たとえば以下の文献記載されている光学フィルムおよび液晶顔料の調製に適している(たとえば、特許文献7参照)。使用の他の重要な分野としては、以下の文献に記載されるセキュリティマーキングまたはホットスタンピングホイルである(たとえば、特許文献8及び9参照)。 【0004】上記の用途において、それらは単一の化合物よりも低い融点を有するので、通常2または3種以上の重合可能な化合物の混合物を使用する。低温で配向および重合を実行することができるよう、液晶相、好ましくは室温でネマティックまたはキラルネマティック相で存在できる重合可能な混合物を有することが、殊に要求される。したがって、重合可能な化合物が混合物の液晶相の挙動を抑制しないか、または理想的な場合強調することは、有利となる。 【0005】ディスプレイ用の光学膜への使用に加え、重合可能な化合物は、液晶ディスプレイの活性で切替え可能な層への使用が提案されている。たとえば、透明および散乱状態の間で切り替わり、およびたとえば以下の文献に記載されるPLDC(ポリマー分散液晶)ディスプレイ、ポリマーゲルまたは散乱型のポリマーネットワークディスプレイなどの低分子量液晶(LC)媒体および相分離したポリマー化液晶材料を含むディスプレイが既知である(たとえば、特許文献10、11、12および13)。 【0006】さらにまた、ディスプレイは、たとえばTNまたはSTN(ツイストネマティック、スーパーツイストネマティック)、ECB(電気制御複屈折)、VA(垂直配列)またはIPS(インプレーンスイッチング)モードなどの慣用のディスプレイのように、低分子量LC媒体が2つの非散乱状態の間で切り替わるものとして、および広い視野角でコントラストを改善するマルチドメイン構造を作り出すため、または駆動電圧および切り替え時間の低減のために、異なる切り替え状態を安定化するために、ポリマー化液晶材料をさらに含むことが既知である。そのようなディスプレイは、以下の文献に記載されている(たとえば、特許文献14、15、16および非特許文献1参照)。 【0007】LCディスプレイの切り替え層で使用するために重合可能な化合物が、低分子量LC媒体を典型的には混合される。したがって、重合可能な化合物には、LC媒体の液晶層範囲および複屈折率などの特性に否定的に影響しないことが要求される。散乱型ではない切り替え可能なディスプレイでの使用のために、ポリマー化物質が低分子量のLC媒体から巨視的に相が分離しないよう、重合可能な化合物はさらにLC媒体に良好な混和性を示すべきである。 【0008】 【特許文献1】欧州特許第0397263号明細書【特許文献2】欧州特許第0606940号明細書【特許文献3】国際公開第97/35219号パンフレット【特許文献4】国際公開第98/00475号パンフレット【特許文献5】国際公開第98/04651号パンフレット【特許文献6】国際公開第98/12584号パンフレット【特許文献7】国際公開第97/30136号パンフレット【特許文献8】米国特許第5678863号明細書【特許文献9】英国特許第2357061号明細書【特許文献10】国際公開第93/22397号パンフレット【特許文献11】米国特許第5538768号明細書【特許文献12】米国特許第5543075号明細書【特許文献13】欧州特許第0451905号明細書【特許文献14】米国特許第5189540号明細書【特許文献15】米国特許第6177972号明細書【特許文献16】欧州特許第0903392号明細書【非特許文献1】ハセベらによる(Hasebe et al.)、「ジャパニーズ ジャーナルオブ アプライド フィジクス(Jpn. J. Appl. Phys.)」、1994年、33、6245【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来技術で記載された重合可能なメソゲン化合物は、しばしば高い融点を示し、低分子量LC媒体への低溶解性を示し、またはLC媒体の液晶特性に否定的な影響を与えがちである。したがって、配向したLCポリマー膜の調製に使用でき、低分子量LC媒体との混合物として切り替え可能なLCデバイスの活性層での使用に適し、およびLC媒体に適合する特性を有し、LC媒体に良好な溶解性を示す、低融点の重合可能な化合物の需要がある。 【0010】 【課題を解決するための手段】さらにまた、重合可能な化合物が広い用途範囲であることに関し、当業者には合成が容易でかつ上記に記載した種々の要求を満たすこの型の、利用可能なさらなる化合物が望まれる。本発明の目的は、上記に説明した有利な特性を有する重合可能な化合物を供給すること、しかるに当業者に利用可能な重合可能な化合物のプールを拡大することであった。本発明の他の目的は、以下の詳細な説明から当業者には、瞬時に明白なものである。これらの目的は、本発明による重合可能な単環式の化合物を供給することにより達成できることが見いだされた。 【0011】本発明は式I【化4】
式中、Pは、重合可能な基であり、Spは、スペーサー基または単結合であり、Xは、−O−、−S−、−OCH2−、−CH2O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−CO−NR0−、−NR0−CO−、−OCH2−、−CH2O−、−SCH2−、−CH2S−、−CH=CH−COO−、−OOC−CH=CH−または単結合であり、【0012】Rは、H、F、Cl、Br、I、CN、SCN、SF5H、NO2または炭素原子を1〜20個有する直鎖状、分枝状または環状アルキルであって、無置換またはF、Cl、Br、IまたはCNで単置換、または多置換されていてもよく、1または2以上の隣接しないCH2基が、それぞれ相互に独立して、Oおよび/またはS原子が相互に直接に連結しないものとして、−O−、−S−、−NH−、−NR0−、−SiR0R00−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく、またはP−Sp−Xを意味し、R0およびR00は、相互に独立して、Hまたは炭素原子1〜4個のアルキルであり、Lは、F、Cl、Br、I、CN、NO2、または炭素原子を1〜7個有するアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニルまたはアルキルカルボニルオキシであって、基中の1または2個以上のH原子がFまたはClにより置換されていてもよく、およびrは、0、1、2、3または4である、で表される重合可能な化合物に関する。 【0013】本発明はさらに、式Iの化合物を少なくとも1種含む液晶混合物に関する。本発明はさらに、式Iの化合物を少なくとも1種含み、およびさらに少なくとも1種の重合可能なメソゲン、または重合可能な基を少なくとも1個有する非メソゲン化合物を含む液晶混合物に関する。本発明はさらに、異方性ポリマーまたは1または2種以上の式Iの化合物または少なくとも1種の式Iの化合物を含む液晶混合物から調製されたポリマー膜に関する。 【0014】本発明はさらに、式Iの化合物または式Iの化合物を少なくとも1種含む混合物、ポリマーもしくはポリマー膜の、液晶ディスプレイ、光学膜、偏向板、補償板、ビームスプリッター、反射膜、配向層、カラーフィルター、ホログラフィック素子、ホットスタンピングホイル(hot stamping foils)、カラー画像(coloured images)、装飾的または警備上のマーキング、液晶顔料、接着剤、異方性機械特性を有する合成樹脂、化粧品、診断薬、非線形光学材、光学的情報蓄積、キラルドーパントとしての使用、あるいはたとえば集積回路部品、またはフラットパネルディスプレイ用または電波方式認識(RFID)タグ用の薄膜トランジスタとしての電界トランジスタ(FET)などの電子デバイス分野、またはエレクトロルミネッセントディスプレイまたはたとえば液晶ディスプレイのバックライトなどの有機発光ダイオード(OLED)用の半導体部品、光電池またはセンサーデバイス用、バッテリーの電極材料、光導電体または電子写真記録などの電子写真用途への使用に関する。 【0015】さらに本発明は、活性層に少なくとも1種の式Iの化合物または少なくとも1種の式Iの化合物を含む混合物、ポリマーまたはポリマー膜、を含む液晶ディスプレイに関する。本発明はさらに、TNまたはSTNディスプレイ、アクティブマトリックスディスプレイ、IPS(インプレーンスイッチング)、VA(垂直配向)、VAN(垂直配向ネマティック)、VAC(垂直配向コレステリック)、ECB(電気制御複屈折率)、DAP(配列相変形)モード、CSH(カラースーパーホメオトロピック)またはASM(軸対称ミクロセル)モードディスプレイ、相変化、ゲスト−ホスト、フレキソエレクトリックもしくは強誘電性ディスプレイ、双安定(bistable)ネマティックまたはコレステリックディスプレイ、PSCT(ポリマー安定化コレステリック組織)、PDLC、ポリマーゲルまたはポリマーネットワークディスプレイから選択される液晶ディスプレイ、特にTN、STN、AMD−TN、ECB、VA、IPS、PSCTまたはPDLCモードの液晶ディスプレイに関する。 【0016】本明細書で使用する「膜」という語は、自立の、すなわち、幾分明白な機械的安定性および柔軟性、ならびに支持する基板または2つの基板の間のコーティングまたは層を示す、独立の膜を含む。上記または下記に使用する「メソゲン化合物」という語は、ロッド形状、ラス(lath)形状またはディスク形状のメソゲン基、すなわち中間相(mesophase)挙動を誘発する能力を有する基を備えた化合物を意味するものである。これらの化合物は、必ずしもそれら自身で中間相挙動を示さなければならないものではない。これらの化合物が他の化合物との混合物中、またはメソゲン化合物もしくはそれらを含む混合物が重合したときのみ中間相挙動を示すこともできる。ロッド形状およびラス形状のメソゲン基は、殊に好ましい。簡単にするために、「液晶材料」という語は、以下液晶材料およびメソゲン材料の両方に使用し、および「メソゲン」という語は、材料のメソゲン基に使用する。 【0017】特に好ましいのは、式Iの化合物であり、式中、− Rは、P−Sp−Xであり、− Rは、F、Cl、CNまたは炭素原子1〜12個を有し、任意にFにより単置換もしくは多置換される、アルキル、アルコキシまたはアルケニルであり、− rは、1、2、3または4、非常に好ましくは1、2または3であり、− rは、1、2または3およびLはFであり、− SpおよびXは、単結合を意味し、− Spは、任意にFにより単置換または多置換される、炭素原子1〜12個を有するアルキレンであり、ここで1または2個以上の隣接しないCH2基は、それぞれ相互に独立して、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置換されていてもよく、− Xは、−O−、−COO−、−OCO−、−OCOO−または単結合である。 【0018】式IのLは、好ましくは、F、Cl、CN、OH、NO2、CH3、C2H5、OCH3、OC2H5、COCH3、COC2H5、COOCH3、COOC2H5、CF3、OCF3、OCHF2またはOC2F5であり、特にF、Cl、CN、CH3、C2H5、OCH3、COCH3またはOCF3であり、もっとも好ましくはF、Cl、CH3、OCH3またはCOCH3である。式IのRがアルキルまたはアルコキシ基、すなわち、末端CH2基が−O−により置き換えられている場合、直鎖または分枝状であってもよい。好ましくは炭素原子を2、3、4、5、6、7または8個有する直鎖状であり、およびその結果、たとえば、好ましくはエチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシ、またはオクトキシ、さらにまたメチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ノノキシ、デコキシ、ウンデコキシ、ドデコキシ、トリデコキシまたはテトラデコキシである。 【0019】オキサアルキル、すなわち、1個のCH2基が−O−により置き換えられているものは、たとえば、好ましくは直鎖状の2−オキサプロピル(=メトキシメチル)、2−(=エトキシメチル)または3−オキサブチル(=2−メトキシエチル)、2−、3−または4−オキサペンチル、2−、3−、4−または5−オキサヘキシル、2−、3−、4−、5−または6−オキサヘプチル、2−、3−、4−、5−、6−または7−オキサオクチル、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−オキサノニルまたは2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−または9−オキサデシルである。 【0020】式Iの化合物において、Rは、アキラルまたはキラルであってもよい。キラル基である場合、以下の式III【化5】
【0021】式中、X1は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−または単結合であり、Q1は、炭素原子1〜10個を有するアルキレンもしくはアルキレン−オキシ基または単結合であり、Q2は、未置換、またはハロゲンまたはCNで単置換または多置換されていてもよい、炭素原子1〜10個を有するアルキルまたはアルコキシ基であって、この基中の1または2個以上の隣接しないCH2基が、それぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接に連結しないものとして、−C≡C−、−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−または−CO−S−で置換されていてもよく、Q3は、ハロゲン、シアノ基またはQ2とは異なる炭素原子1〜4個を有するアルキルまたはアルコキシ基である、により好ましく選択される。 【0022】式IIIのQ1がアルキレン−オキシ基である場合、O原子は好ましくはキラルC原子に隣接する。好ましいキラル基Rは、たとえば2−ブチル(=1−メチルプロピル)、2−メチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、2−オクチル、特に2−メチルブチル、2−メチルブトキシ、2−メチルペントキシ、3−メチルペントキシ、2−エチルヘキソキシ、1−メチルヘキソキシ、2−オクチルオキシ、2−オキサ−3−メチルブチル、3−オキサ−4−メチルペンチル、4−メチルヘキシル、2−ノニル、2−デシル、2−ドデシル、6−メトキシオクトキシ、6−メチルオクトキシ、6−メチルオクタノイルオキシ、5−メチルヘプチルオキシカルボニル、2−メチルブチリルオキシ、3−メチルバレロイルオキシ、4−メチルヘキサノイルオキシ、2−クロロプロピオニルオキシ、2−クロロ−3メチルブチリルオキシ、2−クロロ−4−メチルバレリルオキシ、2−クロロ−3−メチルバレリルオキシ、2−メチル−3−オキサペンチル、2−メチル−3−オキサヘキシル、1−メトキシプロピル−2−オキシ、1−エトキシプロピル−2−オキシ、1−プロポキシプロピル−2−オキシ、1−ブトキシプロピル−2−オキシ、2−フルオロオクチルオキシ、2−フルオロデシルオキシである。 【0023】加えて、アキラルな側鎖基Rを含む式Iの化合物は、たとえば、ときに結晶化する傾向を減少させるために重要であってもよい。この型の側鎖基は、一般的に1以上の側鎖を含まない。好ましいアキラルな側鎖基は、イソプロピル、イソブチル(=メチルプロピル)、イソペンチル(=3−メチルブチル)、イソプロポキシ、2−メチループロポキシおよび3−メチルブトキシである。ハロゲンは、好ましくはFまたはClである。 【0024】重合可能な基Pは、好ましくはCH2=CW1−COO−、【化6】
、【化7】
、CH2=CW2−(O)k1−、CH3−CH=CH−O−、HO−CW2W3−、HS−CW2W3−、HW2N−、HO−CW2W3−NH−、CH2=CW1−CO−NH−、CH2=CH−(COO)k1−Phe−(O)k2−、Phe−CH=CH−、HOOC−、OCN−およびW4W5W6Siから選択される。ここで、W1はH、Cl、CN、フェニルまたは炭素原子1〜5個を有するアルキルであり、特にH、ClまたはCH3であり、W2およびW3は相互に独立して、Hまたは炭素原子1〜5個を有するアルキルであり、特にメチル、エチルまたはn−プロピルであり、W4、W5およびW6は、相互に独立してCl、炭素原子1〜5個を有するオキサアルキルまたはオキサカルボニルアルキルであり、Pheは1,4−フェニレンであり、およびk1およびk2は相互に独立して0または1である。 【0025】殊に好ましいPは、アクリレート基、メタクリレート基、ビニルまたはビニルオキシ基、プロペニルエーテル基またはエポキシ基であり、殊に好ましくはアクリレートまたはメタクリレート基である。スペーサー基Spとしては、当業者にこの目的のために知られているすべての基を使用することができる。スペーサー基Spは、好ましくは炭素原子1〜20個を有する直線上のまたは分枝状のアルキレン基であり、特に1〜12個のものであり、加えて、この基中の1または2個以上の隣接しないCH2基が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−O−CO−、−S−CO−、−O−COO−、−CO−S−、−CO−O−、−CH(ハロゲン)−、−C(ハロゲン)2−、−CH(CN)−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく、またはシロキサン基である。 【0026】典型的なスペーサー基は、たとえば、−(CH2)p−、−(CH2CH2O)r−CH2CH2−、−CH2CH2−S−CH2CH2−または−CH2CH2−NH−CH2CH2−または−(SiR0R00−O)p−であり、ここでpは2〜12の整数であり、rは1〜3の整数であり、そしてR0およびR00は式Iで与えられる意味を有する。好ましいスペーサー基は、たとえばエチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、オクタデシレン、エチレンオキシエチレン、メチレンオキシブチレン、エチレン−チオエチレン、エチレン−N−メチル−イミノエチレン、1−メチルアルキレン、エテニレン、プロペニレンおよびブテニレンである。 【0027】さらに好ましくは、Spおよび/またはXが単結合である、1または2個以上のP−Sp−X基を有する化合物である。2個のP−Sp−X基を有する化合物の場合、2個の重合可能な基P、2個のプペーサー基Spおよび2個の連結基Xのそれぞれは、同一または異なることができる。 【0028】本発明の他の好ましい態様において、式Iのキラル化合物は、式IV【化8】
式中、Q1およびQ3は、式IIIで与えられた意味を有し、およびQ4は、Q1とは異なって、炭素原子1〜10個を有するアルキレンまたはアルキレン−オキシ基または単結合である、で表されるキラルな基であるスペーサー基Spを少なくとも1個含む。 【0029】式Iの化合物は、以下の式【化9】
式中、Pは式Iで定義されているとおりであり、L1−4は相互に独立して、HまたはL1−4の少なくとも1つはHとは異なるものであって、式Iで与えられるLの意味の1つを有し、mおよびnは、0〜12の同一または異なる整数であり、およびpおよびqは相互に独立して0または1であり、ただしmが0のときpは0であり、nが0のときはqが0である、から好ましく選択される。 【0030】殊に好ましいのは、以下の式【化10】
式中、Pは式Iで定義されているとおりであり、mおよびnは、0〜12の同一または異なる整数であり、およびpおよびqは相互に独立して0または1であり、ただしmが0のときpは0であり、nが0のときはqは0である、から選択される化合物である。 【0031】殊に好ましいのは、m、n、pおよびqが0である式I1およびI1a−I1cの化合物である。さらに好ましいのは、Pがアクリレート、メタクリレート、ビニル、ビニルオキシまたはエポキシ基である式I1および式I1a−I1cの化合物である。さらに好ましいのは、mおよびnが1〜12の特に1〜8の同一または異なる整数であり、pおよびqが1である式I1および式I1a−I1cの化合物である。 【0032】式Iの化合物は、それ自体既知の方法および、たとえばHouben-Weyl, Methoden der organischen Chemie, Thime-Verlag, Stuttgartなどの有機化学の標準的学術書に記載されている方法またはそれと類似の方法により、合成することができる。調製のいくつかの特定の方法は、例から選択することができる。式Iの化合物は、一価および二価の反応性のフッ素化ビフェニル化合物についての、US5645760およびUS5702642に記載されるのと類似の方法により合成することもできる。さらにまた、式Iの化合物は以下の反応式により、または類似の方法により合成することができる:【0033】図式1:【化11】
図式2:【化12】
【0034】式Iの化合物は、たとえば、TNまたはSTNディスプレイ、アクティブマトリックスディスプレイ、IPS、VA、VAN、VAC、ECB、DAP、CSHまたはASMモードのディスプレイ、相変化、ゲスト−ホスト、フレキソエレクトリックもしくは強誘電ディスプレイ、PSCT(ポリマー安定化コレステリック組織)などの双安定ネマティックおよびコレステリックディスプレイ、またはPDLC、ポリマーゲルまたはポリマーネットワークディスプレイなどのディスプレイ用の液晶混合物に使用することができる。 【0035】特に式Iの重合可能な化合物およびそれらを含む混合物は、配向を支援し、中間相の安定性および/または電子光学的特性の向上の目的、特により早い応答時間の達成、および/またはより低いしきい値電圧、または広い視野角での向上したコントラストを達成するためのマルチドメイン構造を創作する目的のための、ポリマーまたはポリマーネットワーク成分を含む液晶ディスプレイに有効である。そのようなディスプレイは、たとえば、TN、STN、ECB、VA、IPS、マルチドメインまたはハイブリッドモードであり、およびたとえば、US5189540、US6177972、EP0903392およびHasebeらによるJpn. J. Appl. Phys. 1994, 33,6245に記載されている。 【0036】さらにまた、式Iの化合物は、この明細書に参照として組み入れられて全体が開示される、たとえばH. GuillardおよびP. Sixou, Liq. Cryst. (2001) 28(6),933に記載される、アクティブブロードバンドポリマー安定化液晶ディスプレイ中の重合可能な成分としても適している。これらのディスプレイは、平面反射、散乱およびホメオトロピック透明な状態の間で切り替え可能な、広げられた反射波長域を有する活性コレステリック層を含む。 【0037】式Iの化合物は、双安定PSCT(ポリマー安定化コレステリック組織)ディスプレイ、またはPDLCまたは散乱型のポリマーゲルディスプレイなどのポリマー安定化ディスプレイ中での、ポリマー成分としても適している。異方性ポリマーゲルおよびそれらを含むディスプレイは、たとえばDE19504224、GB2279659、WO93/22397、US5538768、US5543075およびEP0451905で開示されている。 【0038】したがって、本発明の他の特徴は、液晶混合物、特に式Iの化合物を少なくとも1種含むネマティック液晶混合物に関する。本発明の他の特徴は、式Iの化合物を少なくとも1種含む液晶媒体を含む液晶ディスプレイに関する。上記に記載の用途では、液晶混合物は好ましくは式Iの化合物の少なくとも1種、および1または2種以上のネマティックまたはネマトゲニック(nematogenic)化合物を含むネマティックホスト混合物を含む。 【0039】液晶混合物は、少なくとも式Iの化合物を1種含む好ましくは2〜25、好ましくは3〜15の化合物からなる。ネマティックホスト混合物を形成する他の化合物は、好ましくはネマティックまたはネマトゲニック物質から選択される低分子量液晶化合物、たとえばアゾキシベンゼン類、ベンジリデン−アニリン類、ビフェニル類、ターフェニル類、安息香酸フェニルまたはシクロヘキシル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステルまたはシクロヘキシルエステル類、シクロヘキシル安息香酸フェニルエステルまたはシクロヘキシルエステル類、シクロヘキシルシクロヘキサンカルボン酸フェニルエステルまたはシクロヘキシルエステル類、安息香酸の、シクロヘキサンカルボン酸のおよびシクロヘキシルシクロヘキサンカルボン酸のシクロヘキシルフェニルエステル類、フェニルシクロヘキサン類、シクロヘキシルビフェニル類、フェニルシクロヘキシルシクロヘキサン類、シクロヘキシルシクロヘキサン類、シクロヘキシルシクロヘキセン類、シクロヘキシルシクロヘキシルシクロヘキセン類、1,4−ビス−シクロヘキシルベンゼン類、4,4’−ビス−シクロヘキシルビフェニル類、フェニル−またはシクロヘキシルピリミジン類、フェニル−またはシクロヘキシルピリジン類、フェニル−またはシクロヘキシルピリダジン類、フェニル−またはシクロヘキシルジオキサン類、フェニル−またはシクロヘキシル−1,3−ジチアン類、1,2−ジフェニル−エタン類、1,2−ジシクロヘキシルエタン類、1−フェニル−2−シクロヘキシルエタン類、1−シクロヘキシル−2−(4−フェニルシクロヘキシル)−エタン類、1−シクロヘキシル−2−ビフェニル−エタン類、1−フェニル−2−シクロヘキシル−フェニルエタン類の既知の種類のものであり、任意にハロゲン化スチルベン類、ベンジルフェニルエーテル、トラン類、置換された桂皮酸類、およびさらにネマティックまたはネマトゲニック物質の種類である。これらの化合物中の1,4−フェニレン基類は、ラテラルにフッ素で単または2置換されていてもよい。 【0040】これらの好ましい態様の液晶混合物は、この型のアキラル化合物に基づく。これらの液晶混合物の成分として可能である最も重要な化合物は、以下の式で特徴づけることができるものである。 【化13】
【0041】式中、L’およびEは、同一または異なっていてもよく、それぞれ相互に独立して、−Phe−、−Cyc−、−Phe−Phe−、−Phe−Cyc−、−Cyc−Cyc−、−Pyr−、−Dio−、−B−Phe−および−B−Cyc−およびこれらの鏡像体から形成される群から選択される二価の基であり、ここでPheは、無置換またはフッ素で置換された1,4−フェニレンであり、Cycはトランス−1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−シクロヘキセニレンであり、Pyrはピリミジン−2,5−ジイルまたはピリジン−2,5−ジイルであり、Dioは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり、およびBは2−(トランス−1,4−シクロヘキシル)エチル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイルまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルである。 【0042】この化合物でG’は、以下の二価の基、−CH=CH−、−N(O)N−、−CH=CY−、−CH=N(O)−、−C≡C−、−CH2−CH2−、−CO−O−、−CH2−O−、−CO−S−、−CH2−S−、−CH=N−、−COO−Phe−COO−または単結合から選択されるものであり、ここでYはハロゲン、好ましくは塩素であり、または−CNである。R’およびR’’は、それぞれ相互に独立して、炭素原子1〜18個好ましくは3〜12個を有するアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルカノイルオキシ、アルコキシカルボニルまたはアルコキシカルボニルオキシであり、またはその代わりに、R’およびR’’のうちの1つがF、CF3、OCF3、Cl、NCSまたはCNである。 【0043】これらの化合物の大部分においてR’およびR’’は、それぞれ相互に独立して、ネマティック媒体の炭素原子の合計が一般的に2〜9の間であり、好ましくは2〜7であり、異なる鎖長のアルキル、アルケニルまたはアルコキシである。これらの化合物およびその混合物の多くは、市場で入手可能である。これらの化合物のすべては、既知であるかまたはそれ自体既知の文献(たとえば、Houben-Weyl, Methoden der organischen Chemie[有機化学の方法], Georg-Thime-Verlag, Stuttgartなどの有機化学の標準的学術書)に記載の、既知で上記の反応に適する反応条件下で適合する方法のいずれかで調製することができる。使用は、本明細書では説明しないが、それ自体既知の変法で作ることもできる。 【0044】式Iの化合物およびそれらを含む重合可能な液晶混合物は、異方性ポリマー膜またはコーティングの調製にさらに有効である。異方性ポリマーゲルまたはポリマー膜の調製において、液晶混合物は、式Iの化合物または追加の重合可能なメソゲンまたは液晶化合物であることができる、少なくとも1種の重合可能な化合物を含むべきである。 【0045】重合可能な液晶混合物中で、式Iの化合物とともにコモノマーとして使用することができる適当な重合可能なメソゲン化合物の例は、たとえば、WO93/22397、EP0261712、DE19504224、WO95/22586およびWO97/00600に記載されている。しかしながら、これらの文書中に開示されている化合物は、本発明の範囲に制限されない例として、単に見なすべきである。重合可能な液晶混合物は、好ましくは1つの重合可能な官能基を有する重合可能なメソゲン化合物の少なくとも1種、および2またはそれ以上の重合可能な官能基を有する重合可能なメソゲン化合物の少なくとも1種を含む。 【0046】殊に有効なキラルおよびアキラルの重合可能なメソゲン化合物の例は、以下のリストに示す。しかしながらこのリストは、単に実例として解すべきものであり、本発明の説明に用いるものであって、何ら本発明を制限するものでない。 【化14】
【0047】 【化15】
【0048】式中、Pは式Iで与える意味の1つを有しおよび上記で説明したようにそれは好ましい意味であり、xおよびyは1〜12の同一または異なる整数であり、AおよびDは、1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり、vは0または1であり、Yは極性基であり、R0は非極性のアルキルまたはアルコキシ基であり、Terは、たとえばメンチルなどのテルペノイドであり、Cholはコレステリル基であり、ならびにL1およびL2は、それぞれ独立して、H、F、Cl、OH、CN、NO2または任意に炭素原子1〜7個を有するアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニルまたはアルコキシカルボニルである。 【0049】これに関連して、「極性基」という語は、F、Cl、CN、NO2、OH、OCH3、OCN、SCN、任意にフッ素化された炭素原子を4個まで有するカルボニルまたはカルボキシ基、または炭素原子を4個まで有するモノ−、オリゴ−またはポリフッ素化アルキルまたはアルコキシ基から選択される基を意味する。「非極性基」という語は、炭素原子1またはそれ以上、好ましくは1〜12個有するアルキル基、または炭素原子を2またはそれ以上、好ましくは2〜12個有するアルコキシ基を意味する。 【0050】重合可能な液晶混合物は、キラルで重合可能なメソゲン化合物に追加的にまたは代替する物として、1または2種以上の非反応性キラルドーパントも含んでいてもよい。典型的に使用されるキラルドーパントは、たとえば、RまたはS811、RまたはS1011、RまたはS2011またはCB15が商業的に利用可能である(Merck KGaA, Darmstadt, Germany製造)。 【0051】非常に好ましいのは、高いら旋ねじれ力(HTP)を有するキラルドーパントであり、特にWO98/00428に記載されるソルビトール基を含むドーパント、GB2328207に記載されるヒドロベンゾイン基を含むドーパント、EP01111954.2に記載されるキラルビナフチル誘導体、EP01104842.8に記載されるキラルビナフトールアセタール誘導体、WO02/06265に記載されるキラルTADDOL誘導体、およびWO02/06196およびWO02/06195に記載される少なくとも1種のフッ素結合基および末端または中心キラル基を有するキラルドーパントである。 【0052】異方性ポリマー膜を調製するために、重合可能な液晶は、好ましくは基板状にコーティングされ、配向され、およびたとえば加熱または化学線に暴露することにより、インサイチュで重合され、液晶分子の配向を固定する。配向および硬化は、混合物の液晶相で行われる。 【0053】基板は、たとえばガラスまたは石英シートまたはプラスチック膜もしくはシートであり、および重合後または重合しないで除去することができる。適当なプラスチック基板は、たとえばポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカーボネート(PC)またはトリアセチルセルロース(TAC)である。重合可能なキラルLC材料は、重合前または重合中に蒸発する、有機溶剤に溶解または分散してもよい。 【0054】液晶材料の配向は、たとえば材料がコートされた基板の処理、コーティング中またはコーティング後の材料の剪断、コートされた材料の磁界または電界の適用、または液晶材料への表面活性化合物の添加により、達成することができる。配向技術の論評には、たとえばI. Sage著「サーモトロピック液晶」、G. W. Gray,Jhon Wiley & Sons編集, 1987, 75-77ページ、およびT. UchidaおよびH. Seki著「液晶−用途および使用Vol 3」, B. Bahadur, World Scientific Publishing編集, Singapore 1992, 1-63ページがある。配向材料および技術の論評には、J.Cognard, Mol. Cryst. Liq. Cryst. 78, Supplement 1 (1981), 1-77ページがある。 【0055】重合は、加熱または化学線の暴露により達成することができる。化学線は、UV光、IR光または可視光などの光の照射、X線またはガンマ線の照射、またはイオンまたは電子などの高エネルギー粒子の照射を意味する。好ましい重合は、吸収されない波長でのUV照射により行われる。化学線の発生源としては、たとえば単一UVランプまたはUVランプセットを使用することができる。高ランプ力を使用したとき、硬化時間を減少することができる。化学線の他の可能な発生源としては、UVレーザー、IRレーザーまたは可視光レーザーなどのレーザーがある。 【0056】重合は、化学線の波長で吸収する開始剤の存在下で行う。たとえば、UV光の方法により重合するときは、重合反応を開始するフリーラジカルまたはイオンを製造するために、UV光下で分解する光開始剤を使用することができる。重合可能なメソゲンをアクリレートまたはメタクリレート基で硬化するときは、好ましくはラジカル光開始剤を使用し、重合可能なメソゲンをビニルまたはエポキシド基で硬化するときは、好ましくはカチオン光開始剤を使用する。重合を開始するフリーラジカルまたはイオンを製造するために、加熱したとき分解する重合開始剤もまた使用することができる。ラジカル重合のための光開始剤、たとえば商業的に入手可能なイルガキュア(Irgacure)651、イルガキュア184、ダロキュア(Darocure)1173またはダロキュア4205(すべてチバガイキーAG製造)を使用することができ、カチオン光重合の場合は、商業的に入手可能なUVI6974(ユニオンカーバイド)を使用することができる。 【0057】重合可能な材料は、さらに触媒、感光剤、安定剤、抑制剤、連鎖移動剤、コ−リアクティング(co-reacting)モノマー、表面活性化合物、潤滑剤、湿潤剤、分散剤、疎水剤、接着剤、流動性向上剤(flow improvers)、消泡剤、脱気剤、希釈剤、反応性希釈剤、オーグジリアリーズ(auxiliaries)、着色剤、染色剤または顔料などの1または2種以上の他の適当な成分を含むことができる。キラルな基を含む式Iの化合物は、キラルドーパントとしても適する。 【0058】さらにまた、式Iの化合物は、集積回路部品の電解トランジスタ(FET)、フラットパネルディスプレイ用または電波方式認識(RFID)タグの薄膜トランジスタ、あるいは、エレクトロルミネッセントディスプレイまたは、たとえば液晶ディスプレイのバックライトなどの有機発光ダイオード(OLED)用の半導体部品、光起電またはセンサーデバイス、光導電体、または電子写真記録デバイスなどの電子写真用途等、電子デバイスに使用することができ、半導体または電荷移動特性を有する液晶材料のコモノマーとして適している。 【0059】たとえば、重合可能な液晶化合物を含む半導体は、WO00/79617、JP-A-2000-347432、JP-A-11-209761、SirringhausらによるAppl. Phys. Lett., 77 (3)(2000)406-408, およびGrellらによるJ. Korean Phys. Soc. 2000, 36(6), 331に開示されている。液晶材料を使用したエレクトロルミネッセントデバイスは、たとえば、WO95/17018およびWO95/04306に開示されている。液晶特性を有する有機光導電体は、たとえばEP0563768およびEP0527376に開示されている。 【0060】さらなる詳細な記載なしでも、当業者は従前の記載を用いて十分に広い範囲の本発明の利用を可能とすることができるものである。したがって、以下の例は、単なる説明と解釈されるものであり、いかなるものであろうとその開示に制限されるものではない。前記のおよび下記の例において、たとえ別の指示がなくても、すべての温度は摂氏度で無修正され、およびすべての部分およびパーセンテージは質量により示すものである。 【0061】以下の略語は、化合物の液晶相挙動の説明に用いられる:K=結晶;N=ネマティック;S=スメクティック;Ch=コレステリック;I=等方性。記号の間の数は、相転移温度を摂氏度で指示する。さらにまた、cls.は透明点の摂氏度、△nは20度および589nmで測定された光学異方性であり、△εは20度および1KHzの誘電異方性である。DCMはジクロロメタンである。DCClはジシクロヘキシルカルボジイミドである。DMAPは、4−ジメチルアミノピリジンである。 【0062】「慣用的な作業」は、必要であれば水を加え、混合物をジクロロメタン、ジエチルエーテルまたはトルエンで抽出し、相を分離し、有機相を乾燥および蒸発により濃縮し、および製造物を結晶化および/またはクロマトグラフィーで精製することを意味する。 【0063】例1化合物(1)は図式1の反応により調整する。 【化16】
【0064】2,3−ジフルオロヒドロキノンの調整132ml(0.21mol)のブチルリチウム(n−ヘキサン中に15%)を、−70度で500mlのTHFに31.6g(0.2mol)の1−エトキシ−2,3−ジフルオロベンゼンを加えた溶液中に、滴下する。1時間攪拌後、21.8g(0.21mol)のホウ酸トリエチルを加える。−15度で25mlの氷酢酸および35mlの水の混合物を加える。混合物を30度に加熱し、および68g(0.6mol)の過酸化水素(30%)を加える。慣用の作業後、粗生成物を160mlの氷酢酸に溶解し、160mlの濃臭化水素酸を加え、および混合物を一晩還流させながら加熱する。 【0065】(1)の調整116.5ml(0.84mol)のトリエチルアミンを24.5g(0.168mol)の2,3−ジフルオロ−ヒドロキノン、34ml(0.353mol)の3−クロロプロピオン酸クロライドおよび250mlのDCMジクロロメタンの混合物に、冷却しながら滴下し、および混合物を一晩攪拌する。慣用の作業後、(1)を42g(98.4%)の収率で、粗生成物として得た。さらにn−ヘキサン/酢酸エチル3:1のクロマトグラフィーおよびn−ヘキサンからの再結晶化により白色結晶を得た。 【0066】化合物(1)は58度の融点を有する。 比較:従来技術で既知である対応するフッ素化されていない化合物であるヒドロキノンビスアクリレートは、87度の著しく大きい融点を有する。 【0067】例2化合物(2)は、以下の記載のように調整する。 【化17】
250mlのTHF中の53.6g(0.26mol)のDDClの溶液を、500mlのトルエン中の14.6g(0.1mol)の2,3−ジフルオロ−ヒドロキノン、21.5g(0.25mol)のメタクリル酸および1gのDMAPの溶液に10℃で加え、一晩攪拌する。1.5gのシュウ酸を添加および慣用の作業後、(2)を無色の結晶として得た。化合物(2)は、59度の融点を有する。 比較:従来技術で既知である対応するフッ素化されていない化合物であるヒドロキノンジメタクリレートは、90度の著しく大きい融点を有する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591032596 【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング 【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung 【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
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| 【出願日】 |
平成14年12月27日(2002.12.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100102842 【弁理士】 【氏名又は名称】葛和 清司
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| 【公開番号】 |
特開2003−261511(P2003−261511A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月19日(2003.9.19) |
| 【出願番号】 |
特願2002−381295(P2002−381295) |
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