| 【発明の名称】 |
(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン類の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】田村 公夫 【住所又は居所】広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨン株式会社中央技術研究所内
【氏名】土居 純一 【住所又は居所】広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨン株式会社中央技術研究所内
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| 【要約】 |
【課題】一般的な反応装置を用いても腐食の問題なく、工業的規模で(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン類を製造できる方法を提供する。
【解決手段】本発明では、下記式(1)で表されるヒドロキシベンゾフェノン類と(メタ)アクリル酸無水物とを塩基性物質存在下で反応させ、下記式(2)で表される(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン類を製造する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記式(1)で表されるヒドロキシベンゾフェノン類と(メタ)アクリル酸無水物とを塩基性物質存在下で反応させ、下記式(2)で表される(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン類を製造する方法。 【化1】
(式(1)中、R1、R2は独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、炭素数1〜10のアルキル基、または、炭素数1〜10のアルコキシ基を示す。) 【化2】
(式(2)中、R1、R2は独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、炭素数1〜10のアルキル基、または、炭素数1〜10のアルコキシ基を示す。R3は水素原子またはメチル基を示す。) 【請求項2】 前記塩基性物質が、トリエチルアミン、ピリジンまたは2,6−ジメチルアミノピリジンのいずれか1種以上である請求項1に記載の式(2)で表される(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン類の製造方法。 【請求項3】 前記塩基性物質の使用量が、式(1)で表されるヒドロキシベンゾフェノン類1モルに対して0.01〜5モルである請求項1または2に記載の式(2)で表される(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン類の製造方法。 【請求項4】 前記(メタ)アクリル酸無水物の使用量が、式(1)で表されるヒドロキシベンゾフェノン類1モルに対して1〜5モルである請求項1〜3のいずれかに記載の式(2)で表される(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン類の製造方法。 【請求項5】 式(1)で表されるヒドロキシベンゾフェノン類と(メタ)アクリル酸無水物とを塩基性物質存在下で反応させた後、反応液にアルコールを添加して残存する(メタ)アクリル酸無水物を分解する工程を有する請求項1〜4のいずれかに記載の式(2)で表される(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン類の製造方法。 【請求項6】 前記アルコールが、低級脂肪族系アルコールである請求項5に記載の式(2)で表される(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン類の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン類の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】4−(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン等の(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン類は、ポリマーの原料モノマーとして有用な物質である。例えば、特開平2−273751号公報では、4−(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノンを感光用記録素子の組成物として用いた例が、J.Appl.Polym.Sci.,51(13),2139(1994)では、アクリロニトリルの光重合への使用例が報告されている。また、J.Appl.Polym.Sci.,57(8),997(1995)では、スチレンなどの重合に用いることでグラフト重合を可能にすることが報告されている。また、ヨーロッパ特許第1026182号(1990年)では、コンタクトレンズ用の親水性ポリマーの原料としても報告されている。 【0003】4−(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノンは、一般に、4−ヒドロキシベンゾフェノンを(メタ)アクリル酸クロライドによってエステル化して製造される。例えば、■クロロホルム溶媒中、ピリジン存在下で反応させる方法(J.Appl.Polym.Sci.,51(13),2139(1994))、■無水アセトン中、トリエチルアミン存在下で反応させる方法(J.Appl.Polym.Sci.,57(8),997(1995))、■溶媒としてピリジンを用いて反応させる方法(米国特許第4683241号(1984))などが知られている。 【0004】しかしながら、いずれの方法でも、原料として腐食性が高い(メタ)アクリル酸クロライドを用いるため、工業的規模での製造に際しては耐腐食性の特殊な製造装置が必要となる。(メタ)アクリル酸クロライドのような腐食の問題を生じる原料を用いず、一般的なステンレスや鉄製の反応装置を用いて(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン類を製造する方法が望まれる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、一般的な反応装置を用いても腐食の問題なく、工業的規模で(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン類を製造できる方法を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、以下の本発明により解決できる。 ■下記式(1)で表されるヒドロキシベンゾフェノン類と(メタ)アクリル酸無水物とを塩基性物質存在下で反応させ、下記式(2)で表される(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン類を製造する方法。 【0007】 【化3】
【0008】(式(1)中、R1、R2は独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、炭素数1〜10のアルキル基、または、炭素数1〜10のアルコキシ基を示す。) 【0009】 【化4】
【0010】(式(2)中、R1、R2は独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、炭素数1〜10のアルキル基、または、炭素数1〜10のアルコキシ基を示す。R3は水素原子またはメチル基を示す。) ■前記塩基性物質が、トリエチルアミン、ピリジンまたは2,6−ジメチルアミノピリジンのいずれか1種以上である前記■の式(2)で表される(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン類の製造方法。 ■前記塩基性物質の使用量が、式(1)で表されるヒドロキシベンゾフェノン類1モルに対して0.01〜5モルである前記■または■の式(2)で表される(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン類の製造方法。 ■前記(メタ)アクリル酸無水物の使用量が、式(1)で表されるヒドロキシベンゾフェノン類1モルに対して1〜5モルである前記■〜■のいずれかの式(2)で表される(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン類の製造方法。 ■式(1)で表されるヒドロキシベンゾフェノン類と(メタ)アクリル酸無水物とを塩基性物質存在下で反応させた後、反応液にアルコールを添加して残存する(メタ)アクリル酸無水物を分解する工程を有する前記■〜■のいずれかの式(2)で表される(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン類の製造方法。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明では、前記式(1)で表されるヒドロキシベンゾフェノン類(以下、単にヒドロキシベンゾフェノン類という。)と(メタ)アクリル酸無水物とを塩基性物質存在下で反応させ、前記式(2)で表される(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン類(以下、単に(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン類という)を製造する。この反応は穏和な条件で進行し、(メタ)アクリル酸クロライドを用いる従来の方法と同程度の高収率で(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン類が得られる。しかも、原料の(メタ)アクリル酸無水物は、従来用いられていた(メタ)アクリル酸クロライドとは違い、反応釜の材質として一般的なステンレスや鉄への腐食性が低い。そのため、本発明によれば、一般的な反応装置を用いても腐食の問題なく、工業的規模で(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン類を製造できる。 【0012】本発明においては、ヒドロキシベンゾフェノン類と(メタ)アクリル酸無水物とを塩基性物質存在下で反応させた後、反応液にアルコールを添加することが好ましい。反応後に残存した(メタ)アクリル酸無水物は、製品に混入した場合、重合性不純物となり得る。反応後にアルコール、好ましくは低級脂肪族系アルコールを添加することで、残存した(メタ)アクリル酸無水物を容易に分解して(メタ)アクリル酸エステルとし、除去することができる。 【0013】以下、本発明を詳しく説明する。 【0014】原料として使用するヒドロキシベンゾフェノン類は前記式(1)で表されるものである。具体的には、4−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−4’−ニトロベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−2’−ニトロベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2’−ニトロベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ニトロベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−2−ニトロベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−4’−アミノベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−2’−アミノベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2’−アミノベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−アミノベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−2−アミノベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−4’−クロロベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−2’−クロロベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2’−クロロベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−クロロベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−2−クロロベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−4’−メチルベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−2’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メチルベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−2−メチルベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−4’−メトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−2’−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2’−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−2−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。 【0015】製造される(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン類は前記式(2)で表されるものである。具体的には、4−(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン、2−(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−4’−ニトロベンゾフェノン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2’−ニトロベンゾフェノン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2’−ニトロベンゾフェノン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−4−ニトロベンゾフェノン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ニトロベンゾフェノン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−4’−アミノベンゾフェノン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2’−アミノベンゾフェノン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2’−アミノベンゾフェノン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−4−アミノベンゾフェノン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2−アミノベンゾフェノン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−4’−クロロベンゾフェノン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2’−クロロベンゾフェノン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2’−クロロベンゾフェノン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−4−クロロベンゾフェノン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2−クロロベンゾフェノン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−4’−メチルベンゾフェノン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2’−メチルベンゾフェノン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2’−メチルベンゾフェノン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−4−メチルベンゾフェノン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2−メチルベンゾフェノン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−4’−メトキシベンゾフェノン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2’−メトキシベンゾフェノン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2’−メトキシベンゾフェノン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−4−メトキシベンゾフェノン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。 【0016】原料の(メタ)アクリル酸無水物の使用量は特に限定されないが、原料のヒドロキシベンゾフェノン類が高価であり、これを有効に利用することが経済的であることから、ヒドロキシベンゾフェノン類1モルに対して1モル以上が好ましい。また、原料の(メタ)アクリル酸無水物の使用量は、大過剰では経済的に不利であることから、ヒドロキシベンゾフェノン類1モルに対して5モル以下が好ましく、1.5モル以下がより好ましい。 【0017】本発明で用いる塩基性物質としては特に限定されず、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、2,6−ジメチルアミノピリジン等のアミン類やピリジン類、塩基性イオン交換樹脂、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物などを用いることができる。塩基性物質は、1種を用いても、2種以上を併用してもよい。塩基性物質としてはアミン類やピリジン類、特に3級アミンやピリジン類を用いることが好ましく、中でも、トリエチルアミン、ピリジンまたは2,6−ジメチルアミノピリジンのいずれか1種以上を用いることが好ましい。塩基性物質としてこれらを用いると、原料のヒドロキシベンゾフェノン類が溶解均一化し、反応が良好に進行する。 【0018】塩基性物質の使用量は特に限定されないが、より充分な反応速度を得るためには、ヒドロキシベンゾフェノン類1モルに対して0.01モル以上が好ましく、0.1モル以上がより好ましい。また、塩基性物質の使用量は、大過剰では経済的に不利であることから、ヒドロキシベンゾフェノン類1モルに対して5モル以下が好ましく、1.5モル以下がより好ましい。 【0019】本発明で用いる溶媒としては(メタ)アクリル酸無水物と反応しなければ特に限定されず、一般の溶媒、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、酢酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどを用いることができる。溶媒は、1種を用いても、2種以上を混合して用いてもよい。溶媒の使用量は適宜決めればよく、また、場合によっては溶媒を用いずに反応を行うことも可能である。溶媒の使用量は、通常、ヒドロキシベンゾフェノン類1モルに対して0.5L以上が好ましく、また、2L以下が好ましい。 【0020】反応温度は特に限定されないが、0℃以上が好ましく、20℃以上がより好ましい。また、反応温度は、100℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましい。 【0021】原料の添加順序は特に限定されないが、多くのヒドロキシベンゾフェノン類は固体であるため、例えば、最初に反応溶媒を仕込み、反応溶媒にヒドロキシベンゾフェノン類を懸濁させ、塩基性物質を添加した後に(メタ)アクリル酸無水物(溶液でもよい)を添加する方法を用いることができる。 【0022】このようにしてヒドロキシベンゾフェノン類と(メタ)アクリル酸無水物とを塩基性物質存在下で反応させた後、反応液に原料の(メタ)アクリル酸無水物が若干残存する場合がある。その場合、反応液にアルコールを添加して残存する(メタ)アクリル酸無水物を分解除去することが好ましい。 【0023】添加するアルコールとしては特に限定されないが、コストの面から低級脂肪族系アルコールが好ましい。低級脂肪族系アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールなどが挙げられる。中でも、メタノールおよび/またはエタノールを用いることが好ましい。アルコールは、1種を用いても、2種以上を混合して用いてもよい。 【0024】アルコールの使用量は特に限定されないが、(メタ)アクリル酸無水物が残存すると重合性の不純物となるのでこれをできるだけ低減するために、残存する(メタ)アクリル酸無水物1モルに対して1モル以上が好ましい。また、アルコールの使用量は、大過剰では経済的に不利であることから、残存する(メタ)アクリル酸無水物1モルに対して5モル以下が好ましい。 【0025】アルコールを添加した反応液は、通常、0℃〜100℃程度で0.5時間〜12時間程度保持することで、残存する(メタ)アクリル酸無水物を分解除去することができる。 【0026】このようにして得られた反応液を水などで洗浄し、濃縮して(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン類が得られる。そして、通常、得られた(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン類は、例えば、適当な溶媒(ジイソプロピルエーテルとn−ヘキサンとの混合系、エタノール単独、または酢酸エチル、エタノールおよび水の混合系など)による再結晶や蒸留によって精製する。 【0027】 【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 【0028】実施例において、分析はガスクロマトグラフィー(以下、GCという)により行った。 【0029】生成物の純度は、GCのピーク面積から次式により算出した。 【0030】純度(%)=(A/B)×100ここで、Aは目的生成物である(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン類のピーク面積、Bは希釈溶媒以外の全ピークの面積の合計を表す。 【0031】生成物の収率は、すべて、原料のヒドロキシベンゾフェノンベース類で算出した。 【0032】(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン類中の(メタ)アクリル酸無水物含有率は、GCのピーク面積から次式により算出した。 【0033】(メタ)アクリル酸無水物含有率(%)={C/(C+D)}×100ここで、Cは(メタ)アクリル酸無水物のピーク面積、Dは目的生成物である(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン類のピーク面積を表す。なお、反応液を分析した場合も同様にして(メタ)アクリル酸無水物含有率を求めた。 【0034】[実施例1]攪拌機、等圧滴下漏斗2個、温度計、塩化カルシウム乾燥管を備えたSUS製500mLセパラブルフラスコに、4−ヒドロキシベンゾフェノン218.0g(1.10mol)、トルエン1Lを仕込んだ。そして、一方の滴下漏斗にトリエチルアミン122.4g(1.21mol)を仕込み、他方の滴下漏斗に55質量%メタクリル酸無水物のトルエン溶液339.4g(メタクリル酸無水物1.21mol)を仕込んだ。 【0035】温水浴中で4−ヒドロキシベンゾフェノンとトルエンの懸濁液を攪拌しながら、内温30℃でトリエチルアミンを滴下し、次いで、内温30℃でメタクリル酸無水物のトルエン溶液を滴下した。そして、内温30℃で6時間反応を行った。反応終了後の反応液中のメタクリル酸無水物含有率は5.4%であった。 【0036】反応終了後、反応液にメタノール3.5g(0.11mol)を添加し、内温30℃で3時間保持した。3時間後の反応液中のメタクリル酸無水物含有率は0.3%であった。なお、添加したメタノールの量は、残存するメタクリル酸無水物1モルに対して1モルであった。 【0037】次いで、反応液を水1.1Lで2回洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。そして、ろ過した後、ろ液を減圧下に濃縮し、粗4−メタクリロイルオキシベンゾフェノン331.9gを得た。得られた粗4−メタクリロイルオキシベンゾフェノン中のメタクリル酸無水物含有率は0.2%であった。 【0038】得られた粗4−メタクリロイルオキシベンゾフェノンは、ジイソプロピルエーテル550mLとn−ヘキサン440mLにより再結晶を行い、ろ別し、減圧乾燥して精製4−メタクリロイルオキシベンゾフェノン203.0gを得た。得られた精製4−メタクリロイルオキシベンゾフェノンの純度は99.5%、メタクリル酸無水物含有率は0.1%以下であった。得られた結晶の融点は69.0−70.0℃であった。収率は69.0%であった。 【0039】反応後にSUS製セパラブルフラスコの内側を目視により観察したところ、腐食は見られなかった。 【0040】また、同じSUS製セパラブルフラスコを用いて10回繰り返し4−メタクリロイルオキシベンゾフェノンを合成した後でも、SUS製セパラブルフラスコの腐食は見られなかった。 【0041】[実施例2]反応終了後にメタノールの添加操作(反応液にメタノールを添加して内温30℃で3時間保持)を行わなかった以外は実施例1と同様にして4−メタクリロイルオキシベンゾフェノンを得た。 【0042】その結果、粗4−メタクリロイルオキシベンゾフェノン335.2gを得、粗4−メタクリロイルオキシベンゾフェノン中のメタクリル酸無水物含有率は5.1%であった。そして、これを実施例1と同様に精製して精製4−メタクリロイルオキシベンゾフェノン204.2gを得た。得られた精製4−メタクリロイルオキシベンゾフェノンの純度は98.3%、メタクリル酸無水物含有率は1.3%であった。収率は68.5%であった。 【0043】反応後にSUS製セパラブルフラスコの内側を目視により観察したところ、腐食は見られなかった。 【0044】また、同じSUS製セパラブルフラスコを用いて10回繰り返し4−メタクリロイルオキシベンゾフェノンを合成した後でも、SUS製セパラブルフラスコの腐食は見られなかった。 【0045】[比較例1]攪拌機、等圧滴下漏斗2個、温度計、塩化カルシウム乾燥管を備えたSUS製500mLセパラブルフラスコに、4−ヒドロキシベンゾフェノン218.0g(1.10mol)、トルエン1.1Lを仕込んだ。そして、一方の滴下漏斗にトリエチルアミン122.4g(1.21mol)を仕込み、他方の滴下漏斗にメタクリル酸クロライド126.5g(1.21mol)を仕込んだ。 【0046】温水浴中で4−ヒドロキシベンゾフェノンとトルエンの懸濁液を攪拌しながら、内温30℃でトリエチルアミンを滴下し、次いで、内温30℃でメタクリル酸クロライドを滴下した。そして、内温30℃で6時間反応を行った。 【0047】反応終了後、反応液にメタノール3.5g(0.11mol)を添加し、内温30℃で3時間保持した。そして、実施例1と同様に反応液を水で2回洗浄し、有機層を乾燥させ、ろ液を濃縮して粗4−メタクリロイルオキシベンゾフェノン325.4gを得た。 【0048】反応後にSUS製セパラブルフラスコの内側を目視により観察したところ、腐食が見られた。 【0049】 【発明の効果】本発明によれば、一般的な反応装置を用いても腐食の問題なく、工業的規模で(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン類を製造できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006035 【氏名又は名称】三菱レイヨン株式会社 【住所又は居所】東京都港区港南一丁目6番41号
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| 【出願日】 |
平成14年3月6日(2002.3.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088328 【弁理士】 【氏名又は名称】金田 暢之 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−261506(P2003−261506A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月19日(2003.9.19) |
| 【出願番号】 |
特願2002−60463(P2002−60463) |
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