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【発明の名称】 合わせガラス、およびこれを用いた送受信装置
【発明者】 【氏名】小林 史敏
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜四丁目7番28号 日本板硝子株式会社内

【氏名】仲間 健一
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜四丁目7番28号 日本板硝子株式会社内

【氏名】常友 啓司
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜四丁目7番28号 日本板硝子株式会社内

【要約】 【課題】受発光素子を内蔵した合わせガラスを提供する。例えば、視認性に優れ、意匠性にも富むハイマウントストップランプやウインドシールドガラスに適用される。

【解決手段】少なくとも2枚の単一ガラス板が中間膜を介して接着された合わせガラスにおいて、前記中間膜には、膜厚の薄い部分または切り欠き部分が設けられており、前記部分に発光素子および/または受光素子が封入されており、さらに前記合わせガラス内部に設けられた配線と、前記発光素子および/または受光素子が接続されていること特徴とする合わせガラスである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも2枚の単一ガラス板が中間膜を介して接着された合わせガラスにおいて、前記中間膜には、膜厚の薄い部分または切り欠き部分が設けられており、前記部分に発光素子および/または受光素子が封入されており、さらに前記合わせガラス内部に設けられた配線と、前記発光素子および/または受光素子が接続されていること特徴とする合わせガラス。
【請求項2】 請求項1に記載の合わせガラスにおいて、前記合わせガラスは、車両の後部開口部に装着されており、前記発光素子が車両の警告灯の配線に接続されていることを特徴とする合わせガラス。
【請求項3】 請求項1に記載の合わせガラスにおいて、前記発光素子は複数個からなり、前記複数の発光素子は、文字の形状および/または図形の形状に配設されている合わせガラス。
【請求項4】 少なくとも2枚の単一ガラス板が中間膜を介して接着された合わせガラスであって、前記中間膜には、膜厚の薄い部分または切り欠き部分が設けられており、前記部分に発光素子および/または受光素子が封入されており、さらに前記合わせガラス内部に設けられた配線と、前記発光素子および/または受光素子が接続され、前記発光素子および受光素子が送受信回路に接続されていることを特徴とする合わせガラスを用いた送受信装置。
【請求項5】 請求項4に記載の合わせガラスを用いた送受信装置が、車両の前部開口部に設けられ、道路に設けられたITS送受信装置と交信可能とした合わせガラスを用いた送受信装置。
【請求項6】 請求項4に記載の合わせガラスを用いた送受信装置が、建物の開口部に設けられ、他の建物に設けられた送受信装置と、無線LANを構築している合わせガラスを用いた送受信装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばLEDやPDなどの受発光素子を内蔵した合わせガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば自動車の分野においては、後続車両の運転者に、ブレーキの操作を知らせる装置として、ハイマウントストップランプが使用されている。そのほとんどは、自動車の後部ガラスの車内側にランプを設置した形態や、自動車トランク上部のスポイラーやルーフに取り付けられたスポイラーにLEDを組み込んだ形態、またはトランクの後部側の一部にランプを取り付けた形態である。
【0003】またVICS等の受信機や、高速道路における自動料金収受システム(ETC)の通信装置は、自動車のダッシュボ−ドに設置されているに内蔵されたりしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来技術で述べたように、ハイマウントストップランプを自動車後部ガラスの車内側に取り付ける場合は、車内のスペースを犠牲にする問題がある。セダンタイプの自動車では特に問題はないものの、ワゴンタイプの自動車の場合では、ランプ部の出っ張りが邪魔になり、外観的にもよくない。特にガラスハッチタイプの自動車では、それが顕著である。
【0005】また近年、自動車用後部ガラスとして、プライバシーガラス等の濃色ガラスが使用されることが多くなってきている。濃色ガラスの車内側にハイマウントストップランプを設置する場合は、濃色ガラスによってハイマウントストップランプの光が減じられてしまうために、該当部分の膜を取り除いた膜付きガラスを使用することも多い(例えば、特開平11−157882号)。
【0006】以上のほか、自動車のトランク上部のスポイラーやトランク後部に、ハイマウントストップランプを組み込んだ場合は、取り付け位置が低くなり、視認性の点で、その効果が下がる嫌いがある。また走行中の泥の跳ね上げによって、汚れやすいというデメリットもある。
【0007】さらには、上記従来技術のハイマウントランプのデザインは、車内設置タイプでは矩形形状が多く、スポイラー取付の場合は一直線形状が多い。このようにそのデザインは限られており、意匠性に乏しい。
【0008】一方、VICS等のITS関連の送受信装置は、ダッシュボードに設置される場合が多い。自動車のフロントガラスの反射の影響により、発光素子からの信号が直接受光素子に入ることによる混信を避けるために、両者の間隔を空ける必要がある。このため、装置をコンパクトに製造できない問題がある。また、ダッシュボード上に物が置かれて光が遮蔽された場合は、信号を受発信できなくなる問題が発生する。
【0009】そこで本発明は、受発光素子を内蔵した、新規な合わせガラスを提供するものである。本発明による合わせガラスは、例えば、視認性に優れ、意匠性にも富むハイマウントストップランプやウインドシールドガラスに適用される。
【0010】さらに本発明による合わせガラスを用いた送受信装置は、建物の間での無線LANの構築に適用することができる。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、請求項1に記載の発明として、少なくとも2枚の単一ガラス板が中間膜を介して接着された合わせガラスにおいて、前記中間膜には、膜厚の薄い部分または切り欠き部分が設けられており、前記部分に発光素子および/または受光素子が封入されており、さらに前記合わせガラス内部に設けられた配線と、前記発光素子および/または受光素子が接続されていること特徴とする合わせガラスである。
【0012】請求項2として、請求項1に記載の合わせガラスにおいて、前記合わせガラスは、車両の後部開口部に装着されており、前記発光素子が車両の警告灯の配線に接続されていることを特徴とする合わせガラスである。
【0013】請求項3として、請求項1に記載の合わせガラスであって、前記発光素子は複数個からなり、前記複数の発光素子は、文字の形状および/または図形の形状に配設されている合わせガラスである。
【0014】請求項4として、少なくとも2枚の単一ガラス板が中間膜を介して接着された合わせガラスであって、前記中間膜には、膜厚の薄い部分または切り欠き部分が設けられており、前記部分に発光素子および/または受光素子が封入されており、さらに前記合わせガラス内部に設けられた配線と、前記発光素子および/または受光素子が接続され、前記発光素子および受光素子が送受信回路に接続されていることを特徴とする合わせガラスを用いた送受信装置である。
【0015】請求項5として、請求項4に記載の合わせガラスを用いた送受信装置が、車両の前部開口部に設けられ、道路に設けられたITS送受信装置と交信可能とした合わせガラスを用いた送受信装置である。
【0016】請求項6として、請求項4に記載の合わせガラスを用いた送受信装置が、建物の開口部に設けられ、他の建物に設けられた送受信装置と、無線LANを構築している合わせガラスを用いた送受信装置である。
【0017】本発明による受発光素子を内蔵した合わせガラスは、以下の種々の用途に適用することが可能である。自動車用のハイマウントストップランプ付き合わせガラスや、ITSの通信に用いられる通信用受発光素子を設けた自動車用ウインドシールドガラス、無線LANを構築する受発光素子を内蔵した建築用合わせガラスなどである。
【0018】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)まず、本発明による受発光素子を内蔵した合わせガラスの一例として、ハイマウントストップランプ付きガラス板の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0019】(実施例1)図1は、合わせガラス1にLED2を封入した様子を示した断面図である。以下に、受発光素子を内蔵した合わせガラスの製造方法の一例を説明する。まず、合わせガラスを構成する中間膜5を、部分的に薄くするか切り抜いておく。その部分に例えば赤色発光のLEDチップのパッケージを填め込み、このLEDチップを細い銅線で配線しておく。このようにした中間膜を2枚のガラス板で挟み込み、通常の合わせガラスの製法にしたがい、オートクレーブ内で圧着して合わせガラスを得る。
【0020】図2は、この合わせガラスをハイマウントストップランプ付きリアウインドウ13とした例であり、複数個のLEDチップのパッケージ2を内蔵させている。なお図2の例では、複数個のLEDチップは直列に接続されている。また配線31には細い銅線を用い、目立たなくしている。
【0021】合わせガラスの周辺に設けられた段差部には、給電用の端子33が設けられている(図3参照)。前記銅線31の端部はこの給電用端子33に接続され、さらに図示しない電源にスイッチ手段を介して接続されている。このスイッチ手段は、ブレーキランプのスイッチ手段に連動しており、ブレーキペダルを踏むことによって、合わせガラスに内蔵されたLEDを点灯させることができる。
【0022】LEDパッケージの概略を図4、図5に示す。本LEDパッケージは、その厚みを中間膜の厚みである0.7mmとし、5×5mmサイズの黒色耐熱樹脂ケース26を用いて製作した。LEDチップ21のカソード側をベース電極22側に、アノード側をワイヤーボンディング24によりアノード電極23接続し、エポキシ樹脂25によりパッケージに封入した。
【0023】このLEDパッケージの大きさは5mm角なので、バックミラーを通して後方を見る、あるいは後退時に直接リアウインドウを見たとしても、特に目障りになることがない。
【0024】また、LEDは発光方向を車外側に向けているために、夜間においても運転者がバックミラーを見た際にLED光が運転者の目に入ることがなく、後方視界に大きな影響をおよぼさない。
【0025】この実施例1では、パッケージの大きさを5×5mmとしたが、LEDチップサイズは0.3×0.3mm以下であるため、パッケージサイズをさらに小さくすることが可能である。
【0026】なお薄型のLEDを用いると、中間膜に予め特別な加工を施すことなく、合わせガラスとすることができる。
【0027】なお、リアガラスを濃色ガラスにする場合は、車内側のガラスを濃色ガラス、車外側のガラスを透明ガラスとするとよい。こうすると、LEDの光量を大きく減少させることなく、濃色のリアガラスとすることができる。
【0028】(実施例2)上述の実施例1では、銅線を用いて配線を行ったが、透明電導膜をパターン印刷してもよい。まずパターン化された透明電導膜を配線したガラス板に、高輝度LEDチップ(同和鉱業製N:R4A23)を取り付けた。LEDの出射面を車外側として、中間膜(例えば、ポリビニルブチラール膜)を介して、もう一枚のガラス板で挟んで、図6に示すような自動車用合わせガラスを製作した。前記透明導電膜の端部には、電源端子を設けてブレーキランプの配線に接続した。なお、LED2と透明電導膜32との接続は、ワイヤーボンディングにて行った。
【0029】(実施例3)また図7に示すように“STOP”の文字メッセージを表示するように、LED2を配置した合わせガラスを、自動車用リアウィンドウ13に適用することも可能である。この場合は、配線の取り回しが複雑になるので、透明電導膜を用いた配線とすることが好ましい。もちろん、“STOP”以外の文字や図形を入れることは、何ら困難なことではない。
【0030】(実施例4)さらに橙色のLED2を用い、それを例えば矢印の形状に配置するなどして、方向指示器の機能を持たせることも可能である(図8参照のこと)。
【0031】(実施例5)受発光素子を内蔵した合わせガラスにおいて、防曇機能を持たせるために、合わせガラスの車内側の面に、熱線群6を設けてよい(図9参照)。その際に、運転者からみて形成した熱線の陰となる位置に、LED2を配置するようにするとよい。LEDチップの大きさは、0.3×0.3×0.2mmと小さいので、バックミラーを通して見ても、特に目障りになることがない。また透明導電膜をほぼ視界に関する部分に形成して、この透明導電膜を防曇用としてもよい。
【0032】(実施例6)またさらに、本発明による合わせガラスを、はめ殺しのサイドガラスに適用することも可能である。例えば、白色LEDを使用しLEDの出射面は車内側として、ルームランプの代わりとして用いることも可能である。
【0033】(第2実施形態)この実施形態は、実施例1で説明したハイマウントストップランプを内蔵した合わせガラスを、小型のLEDモジュールとした例である。図10に示したように、この合わせガラスモジュール1は、強化された単板ガラスで構成されている自動車のリアガラス13の内側に取り付けられている。このモジュールは、透明板としてガラス以外の、例えばアクリル板を用いて構成することもできる。
【0034】(実施例9)さらには、フロントウィンドウにLED2をマトリクス状に配置した合わせガラス1として、ヘッドアップディスプレイのように、速度表示をさせることも可能である(図11参照)。なおこの場合は、LEDの出射面は運転者側を向いている。
【0035】(実施例10)さらに自動車の窓ガラスに車内側に発光面を向けるように設置することでルームランプとして使用することや、多数のLEDを組み合わせて、面状照明体とし、ルームランプとして使用することも可能である。
【0036】(実施例11)以上の実施例では、自動車への適用例を述べてきた。しかしこれに限られることなく、LEDを合わせガラスに挟み込んだガラス板は、店舗用の窓ガラス(ショーウィンドウ)やショーケース(図12参照)、看板などにも使用することができる。なお、LEDの配線を透明導電膜にて行うことで、ガラス板の表裏両方に光を発せさせることも可能である。
【0037】また、合わせガラスの一方のガラスを鏡として構成し、さらにLEDをガラスの周囲に挟み込んで配設することで、照明を備えた鏡15を製作することもできる(図13参照)。
【0038】(第3実施形態)また、ITS関連の通信素子であるLEDやPDを自動車の窓ガラスに設けることも可能である。例えば、ウインドシールドの視界の妨げにならない部分(ぼかしの入っている部分やセラミックプリントの部分)や、後部ガラス板やサンルーフのガラス板に、LEDやPDを設けるとよい。
【0039】この場合、受発光素子であるLEDやPDは、これらの素子を制御する送受信装置に接続されていることが好ましい。
【0040】図14にITS関連のVICS通信用のLED2とPD4を自動車のフロント合わせガラス12に挟み込んだ例を示す。
【0041】本実施例においてはVICS送受信に使用されるLED2とPD4を0.7mm厚み、10mm×20mmのモジュールとして製作し、合わせガラスの中間膜を切り抜いた部分にはめ込んで自動車用フロントガラスを製作した。本受発光素子からのリード線は合わせガラス端面よりより取り出して図示しないVICS装置に接続した。
【0042】本実施例においてはVICSモジュールをフロントガラスの運転席側下側に配置したが、例えば視野の妨げにならない部分(ぼかしの入っている部分やセラミックプリントの部分)やリアガラスやサンルーフのガラス板に設けることも可能である。
【0043】また、本実施例においては発信素子であるLEDと受信素子であるPDを一つのモジュールとしたが、別体にすることは勿論可能である。
【0044】なお、本実施例は自動車用ITS関連の通信モジュールとして使用する例を示したが、それ以外の通信用途、例えば室内の光通信装置や建物間の光通信を目的として、窓ガラスに本発明の受発信モジュールを封入した合わせガラスを使用することも可能である(図15参照)。この場合、2つの建物は道路を隔てて建てられており、約十数メートルの距離とした場合である。
【0045】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明におけるガラス板は、ガラス板に形成された透明導電膜を配線とし、この配線にLEDを接続している。このため、ガラス板上におけるLEDの配置に制限がなく、意匠性に富んだガラス板とすることができる。
【0046】また本発明によるガラス板は、複数のLEDを配列して、文字形状や図形を表現することも可能である。
【0047】以上に説明したように、本発明はLED等の発光体やPD等の受光体を合わせガラスに封入して自動車用のハイマウントランプやVICS等の受発信モジュールとすることにより、ハイマウントストップランプやVICS装置の設置によるスペースを犠牲にすることや、設置による外観を損ねることがなくなる。
【0048】本発明による合わせガラスをハイマウントストップランプとして使用する場合は、リアウィンドウの任意の位置に光源を配置することが可能であるために、これまでのライン形状の他に任意の文字や図柄で点灯させることが可能になることで意匠性が高くなる。また、ストップランプ以外のウィンカー等の警告灯として使用することも可能である。
【0049】本発明による合わせガラスにおいて、ハイマウントストップランプ等の警告灯やVICS送受信装置を自動車用ガラスのワイパーによる払拭範囲内に設置することにより、泥等で汚れた場合に清掃が可能となるため、汚れによる機能低下がなくなる。
【0050】また、近年採用が増えているプライバシーガラスなどの濃色ガラスを使用したリアウィンドウに対しては、車内側のガラスを濃色ガラス、車外側のガラスを透明ガラスとすることにより、ハイマウントストップランプの光量を減少させることなく適用することができる。
【0051】商店のショーウィンドウやショーケース、看板等に使用した場合は、外からの視界を妨げることなく、LEDの点灯によるメッセージを表示することができるため、非常に意匠性の高いものになる。また、表面はガラスであるため、清掃が容易である特徴がある。
【出願人】 【識別番号】000004008
【氏名又は名称】日本板硝子株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜四丁目7番28号
【出願日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【代理人】 【識別番号】100069084
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 精市
【公開番号】 特開2003−34560(P2003−34560A)
【公開日】 平成15年2月7日(2003.2.7)
【出願番号】 特願2001−219002(P2001−219002)