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【発明の名称】 改質装置
【発明者】 【氏名】吉田 一彦
【住所又は居所】愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会社日本自動車部品総合研究所内

【氏名】永見 哲夫
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内

【要約】 【課題】簡易な構成で、改質ガス中のCO濃度を所定値以下とするに十分な触媒性能を維持しつつ、水性ガスシフト部の小型化を可能にし、車載用として好適な実用性に優れる改質装置を提供する。

【解決手段】炭化水素改質部1と、水性ガスシフト部2と、選択酸化反応部3を有する改質装置において、水性ガスシフト部2の触媒を、前段部シフト触媒C1と後段部シフト触媒C2に分割して、その間に熱交換器5を設ける。前段部シフト触媒C1に導入する改質ガス温度を高くしてCO反応量を増大させ、後段部シフト触媒C2に導入されるガスを、熱交換器5を流通するエアーまたは水によって冷却することで、平衡を変化させて、CO濃度をさらに低減することができ、小型化が可能になる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 改質原料ガスから水素を生成する改質装置であって、上記改質原料ガスに改質反応を生起して水素を含む改質ガスを生成する改質反応部と、上記改質反応部の下流側に設けられ、上記改質ガス中の一酸化炭素を水性ガスシフト反応によって低減する水性ガスシフト部を有し、上記水性ガスシフト部が、容器体内に、上記改質ガスに水性ガスシフト反応を生起するシフト触媒を収容してなり、かつ上記シフト触媒のガス流れ方向の中間部に、ガス温度を低下させるための冷却手段を設けたことを特徴とする改質装置。
【請求項2】 上記冷却手段が、冷媒と上記改質ガスとの間で熱交換を行うことにより上記ガス温度を低下させる熱交換器である請求項1記載の改質装置。
【請求項3】 上記冷却手段が、水を噴霧することにより上記ガス温度を低下させるインジェクターである請求項1記載の改質装置。
【請求項4】 上記冷却手段が、通電により熱を吸収して上記ガス温度を低下させるペルチェ素子である請求項1記載の改質装置。
【請求項5】 上記水性ガスシフト部の上記シフト触媒を、ガス流れ方向に複数段に分割して間隔をおいて配置し、分割された触媒間に上記冷却手段を配置した請求項1ないし4のいずれか記載の改質装置。
【請求項6】 改質原料ガスから水素を生成する改質装置であって、上記改質原料ガスに改質反応を生起して水素を含む改質ガスを生成する改質反応部と、上記改質反応部の下流側に設けられ、上記改質ガス中の一酸化炭素を水性ガスシフト反応によって低減する水性ガスシフト部を有し、上記水性ガスシフト部が、容器体内に、上記改質ガスに水性ガスシフト反応を生起するシフト触媒を収容してなり、かつ上記シフト触媒をガス流れ方向に複数段に分割して、その上段側触媒にセラミックス担体を、後段側触媒にメタル担体を用いたことを特徴とする改質装置。
【請求項7】 上記改質原料ガスが炭化水素系燃料と水蒸気を含む請求項1ないし6のいずれか記載の改質装置。
【請求項8】 上記水性ガスシフト部の下流側に設けられ、上記改質ガス中の一酸化炭素を酸素と反応させて二酸化炭素を生成する選択酸化反応部を有する請求項1ないし7のいずれか記載の改質装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池自動車等に用いられる燃料電池システムにおいて、燃料となる水素を生成するための改質装置に関し、詳しくは改質装置の水性ガスシフト部の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用燃料電池システムでは、燃料電池に供給する水素を得るために、改質装置を用いる方式が一般的である。改質装置は、天然ガス系燃料(メタンガス)または石油系燃料(ガソリン)等の炭化水素系燃料やメタノール等のアルコール系燃料を原燃料とし、水蒸気を用いて改質することにより水素を生成している。ただし、改質反応で生成する改質ガス中には、水素とともに、燃料電池の電極触媒を被毒させる一酸化炭素(CO)が含まれることから、このCO濃度を十分低減してから、燃料電池に供給することが重要となる。
【0003】特に、炭化水素系燃料は、アルコール系燃料に比べて改質反応温度が高く、熱平衡からCOが高濃度となるために、改質ガス中のCO処理が大きな課題となっている。そこで、CO低減機能を備えた種々の改質装置が提案されており、例えば、特開2000−203804号公報、特開平11−43303号公報等には、改質反応部で生成した改質ガスを、水性ガスシフト反応を行う水性ガスシフト部と、CO選択酸化反応を行う選択酸化反応部に順次導入して、二段階処理する改質装置が開示されている。水性ガスシフト部では、改質ガス中のCOを水蒸気と反応させてCO2 とH2 に変換させる水性ガスシフト反応によりCO濃度を低減し、CO選択酸化部では、酸素を含むガス(通常、空気)を供給することにより、水性ガスシフト部で反応しなかったCOをCO2 に変換するCO選択酸化反応によって、さらにCO濃度を低減することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、スペースに制約がある自動車用燃料電池では、実用化に際して改質装置の小型化が必須であるが、上記従来の改質装置構成では、改質反応部の他に、水性ガスシフト部やCO選択酸化部を設ける必要があり、しかも目標とするCO濃度によって各部の体格が決まってくるために、小型化が難しい。すなわち、改質ガス中のCO濃度は、燃料電池本体のアノード電極材質によって許容上限値が決まっており、一方、改質ガス量によって改質反応部(触媒)の体格が、改質ガス量および改質条件によって改質ガス中のCO濃度が決まるため、CO濃度が上限値を越えないようにすると、水性ガスシフト部(触媒)やCO選択酸化部(触媒)の体格も決まってしまう、という不具合があった。
【0005】特開2000−203804号公報には、水性ガスシフト部の最大能力を改質反応部の40%程度とし、最大能力を超える改質ガスが導入された時には、ブロワから空気を供給して選択酸化反応を併用することにより、CO濃度低減と小型化を両立させることが開示されている。しかしながら、この装置では、CO濃度を検出して、水性ガスシフト部の最大能力を超えているかどうかを判断し、ブロワによる空気の混入を制御する制御手段を設ける必要があり、構成が複雑になりやすい。
【0006】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、その目的は、簡易な構成で、改質ガス中のCO濃度を所定値以下とするに十分な触媒性能を維持しつつ、水性ガスシフト部の小型化を可能にし、車載用として好適な実用性に優れる改質装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための本発明請求項1の発明は、改質原料ガスから水素を生成する改質装置であって、上記改質原料ガスに改質反応を生起して水素を含む改質ガスを生成する改質反応部と、上記改質反応部の下流側に設けられ、上記改質ガス中の一酸化炭素を水性ガスシフト反応によって低減する水性ガスシフト部を有している。上記水性ガスシフト部は、容器体内に、上記改質ガスに水性ガスシフト反応を生起するシフト触媒を収容してなり、かつ上記シフト触媒のガス流れ方向の中間部に、ガス温度を低下させるための冷却手段を設けたことを特徴とする。
【0008】水性ガスシフト反応は、発熱反応かつ平衡反応であるため、一酸化炭素(CO)濃度を1%程度以下まで低減させるには、シフト触媒温度(改質ガス温度)を低くする必要がある。ところが、低温では触媒活性が低くCO反応量が少ないため、上記シフト触媒の体格が大きくならざるを得ない。そこで、本発明では、上記シフト触媒の出ガス温度を低下させるために、ガス流れ方向の中間部に上記冷却手段を設ける。このようにすると、上記シフト触媒の前段部への導入ガス温度を高くして触媒活性を高くし、CO反応量を多くして、小さい触媒体格で平衡状態までCO濃度を低減することができ、次いで、上記冷却手段で改質ガスを冷却してから、上記シフト触媒の後段部に導入することで、CO濃度をさらに低減することができる。よって、従来より小さな触媒体格で、所望のCO濃度を実現でき、小型で高性能な改質装置を実現することができる。
【0009】請求項2のように、具体的には、上記冷却供給手段として、冷媒と上記改質ガスとの間で熱交換を行うことにより上記ガス温度を低下させる熱交換器を設置することができる。あるいは、請求項3のように、上記冷却手段を、水を噴霧することにより上記ガス温度を低下させるインジェクターや、請求項4のように、通電により熱を吸収して上記ガス温度を低下させるペルチェ素子とすることもでき、いずれも同様の効果が得られる。
【0010】また、請求項5のように、上記水性ガスシフト部は、具体的には、上記シフト触媒を、ガス流れ方向に複数段に分割し、間隔をおいて配置した構成とするとよい。そして、分割された触媒間に、上記熱交換器、インジェクター、またはペルチェ素子等の冷却手段を配設することで、容易に上記効果が得られる。
【0011】請求項6は上記課題を解決するための他の構成を示すもので、改質原料ガスから水素を生成する改質装置は、上記改質原料ガスに改質反応を生起して水素を含む改質ガスを生成する改質反応部と、上記改質反応部の下流側に設けられ、上記改質ガス中の一酸化炭素を水性ガスシフト反応によって低減する水性ガスシフト部を有し、上記水性ガスシフト部が、容器体内に、上記改質ガスに水性ガスシフト反応を生起するシフト触媒を収容してなる。そして、上記シフト触媒をガス流れ方向に複数段に分割して、その上段側触媒にセラミックス担体を、後段側触媒にメタル担体を用いたことを特徴とする。
【0012】上記構成の改質装置によれば、上記水性ガスシフト部の上段側触媒に、熱容量の大きいセラミックス担体を用いているので、外部への放熱を少なくすることにより、小さい触媒体格でCO反応量を大きくする効果がある。また、後段側触媒では、メタル担体を用いることで熱伝導を良くし、自然放熱により冷却効果を高めることで小型化が可能である。よって、従来より小さな触媒体格で、所望のCO濃度を実現でき、小型で高性能な改質装置を実現する同様の効果が得られる。。
【0013】請求項7のように、本発明の改質装置は、上記改質原料ガスが炭化水素系燃料と水蒸気を含む場合に好適に用いられる。炭化水素系燃料が原燃料であると、改質温度が高くなることから、CO低減が難しいので、本発明による効果が高い。
【0014】請求項8のように、好適には、上記水性ガスシフト部の下流側に、上記改質ガス中の一酸化炭素を酸素と反応させて二酸化炭素を生成する選択酸化反応部を設ける、CO低減がより効果的に行われる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の第1の実施の形態について説明する。図1(a)は、本発明の改質装置の概略構造を示す図で、燃料電池システムの一部を構成している。改質装置は、燃料電池の燃料ガスとなる水素を生成するもので、炭化水素を水蒸気改質する炭化水素改質反応部(以下、改質反応部と称する)1と、改質ガス中のCOを水性ガスシフト反応によりCO2 に変換する水性ガスシフト部2と、残るCOを酸化してCO2 とする選択酸化反応部3を備えている。改質反応部1と水性ガスシフト部2の間には、熱交換器4が配設されている。
【0016】改質反応部1は、容器体内に、改質触媒を充填してなり、外部から改質原料ガスとなる炭化水素燃料(例えば、メタン(CH4 ))と水蒸気(H2 O)を導入して、下記式(1)に示す改質反応を生起する。
CH4 +2H2 O→3H2 +CO2 ・・・(1)
また、素反応として下記式(2)、(3)に示す反応が生じることにより、改質反応部1で発生する改質ガスは、H2 とCO2 、少量のCOを含むものとなる。この時、改質反応部1は、改質反応が可能な所定の温度以上、例えば約600℃に保たれ、高温であるため、熱平衡により、改質反応部1で発生する改質ガス中には、通常、約4.5%程度、最大で約10%のCOが残留する。
CH4 +H2 O→3H2 +CO・・・(2)
CO+H2 O→H2 +CO2 ・・・(3)
【0017】なお、水蒸気は、通常、図示しない気化器に水を供給して気化させることにより得られる。原燃料となる炭化水素燃料としては、メタンガス(CH4 )を主成分とする天然ガス系燃料や、ガソリン等の石油系燃料が挙げられる。その他、メタノール等のアルコール系燃料を用いることもできる。この炭化水素燃料を上記気化器に導入して、水蒸気と混合するとともに、所定の温度に昇温したものを、改質原料ガスとすることができる。また、液体燃料を用いる場合には、上記気化器に導入することで容易に気化できる。さらに、改質反応は吸熱反応であるため、例えば、燃焼器等を併設して必要な熱を供給することもできる。
【0018】水性ガスシフト部2では、改質反応部1で生成する改質ガス中のCOを低減するために、COに水蒸気(H2 O)を導入する。そして、銅−亜鉛系触媒、白金等の貴金属系触媒といったシフト触媒を用いて、水性ガスシフト反応させることによりH2 とCO2 に変換する。下記式(4)に水性ガスシフト反応の反応式を示す。
CO+H2 O⇔H2 +CO2 +41.2KJ/mol・・・(4)
【0019】図1(b)、(c)は、水性ガスシフト部2の詳細構成を示す図で、円筒状の容器体21内に、複数のシフト触媒C1、C2を充填してなる。容器体21は、一端側をガス導入口22、他端側をガス導出口23として、その内部をガス流路としており、このガス流路に、シフト触媒C1、C2をガス流れ方向に間隔をおいて、配設している。シフト触媒C1、C2としては、例えば、セラミックスやメタル製の担体をハニカム状に成形し、触媒金属を担持したものが好適に用いられる。なお、担体形状は特に制限させるものではなく、他の形状とすることもできる。
【0020】ガス導入口22側の前段部シフト触媒C1と、ガス導出口23側の後段部シフト触媒C2の間には、冷却手段としての熱交換器5が配設されている。熱交換器5は、筒状容器体内に、渦巻き状のエアーまたは水の配管53を収容し、容器中心側にエアーまたは水の導入管51を、外周側にエアーまたは水の導出管52を接続して、容器中心から外側へ向けて流れるエアー6または水7と、改質ガスの間で熱交換を行う。配管53の外周には、多数のフィン54が設けられており、改質ガスとの接触面積やエアー6または水7の流量を適宜調整することにより、効率よく熱交換を行って所定温度までガスを冷却する。本実施の形態では、熱交換器5を、このようにガス温度の高い中心付近に、低温のエアー6または水7が導入される構成としたので、熱交換効率を高めることができる。なお、熱交換器5は、図示の構造に限定されるものではなく、他の構成とすることもできる。
【0021】水性ガスシフト反応は、発熱反応かつ平衡反応であるため、反応により水性ガスシフト部2の温度が上昇して、平衡に達すると反応は見かけ上、停止する。つまり、シフト触媒C1、C2の活性を高くするには、高温であるほどよいが(ただしシフト触媒C1、C2の耐熱温度以下)、温度が高くなると、高いCO濃度で平衡に達してしまうために、CO濃度を十分低減することが困難になる。一方、触媒温度を低く設定すると、活性が低くCO反応量が少ないために、CO濃度を所望の低濃度とするために必要な触媒容量が大きくなってしまう。このため、従来は、図2(a)、(b)に示すように、水性ガスシフト部2への導入温度を比較的低い温度、例えば約250℃に設定し、かつ、触媒容量を大きくして所望の低濃度まで低下させていた。
【0022】これに対し、本発明では、複数のシフト触媒C1、C2の間に、熱交換器5を配設した構成としたので、触媒容量を小さくし、かつCO濃度を所望の低濃度とすることができる。すなわち、前段部シフト触媒C1には、従来より高い温度、例えば約300℃程度とした改質ガスを導入して、小さい触媒容量でCO濃度を平衡に達する濃度まで低下させる。触媒温度が高いため、CO反応量が増加し、平衡状態のCO濃度(約1%程度)に低減するための触媒容量を小さくできる。ただし、水性ガスシフト反応は、発熱反応であるため、前段部シフト触媒C1内のガス温度は、約330〜360℃程度に上昇する。そこで、熱交換器5を通過させて改質ガスを冷却し、その後、後段部シフト触媒C2に導入することで、出ガス温度を従来と同程度(約150℃)に低くすることができる。改質ガス温度が低くなると、平衡が変化し、水性ガスシフトが進むので、CO濃度を%オーダー以下の低濃度(例えば、約0.5%)にすることができる。また、前段部シフト触媒C1の処理能力が向上することによって、後段部シフト触媒C2のCO処理量が小さくなるので、発熱量も少なく、ガス温度の上昇も小さいために、後段部シフト触媒C2の触媒容量を小さくできる。
【0023】前段部シフト触媒C1への導入ガス温度は、触媒活性を高くするには、温度が高い方がよいが、CO濃度が十分低下しない。また、350〜400℃以上では、メタン化反応が起きて水素が消費される。このことから、導入ガス温度の上限は350℃以下の範囲でCO濃度の目標値に応じて決定され、通常、約300℃程度とするのがよい。改質反応部1で発生する改質ガスの温度は、約600℃であるため、水性ガスシフト部2の前段に設けられる熱交換器4で冷却し、所望の導入ガス温度とする。熱交換器4は、通常公知の構成のものを用いることができ、上記熱交換器5と同様の構成としてもよい。
【0024】選択酸化反応部3は、容器体内に、白金、白金−ルテニウムといった貴金属系触媒を選択酸化触媒として充填してなる。選択酸化反応部3では、改質ガスに酸素(O2 )を含むガス(通常、エアー)を導入して、下記式(5)に示す選択酸化反応を生起する。これにより、改質ガス中のCOが酸化されて、CO濃度をさらに低減することができる(例えば、約50ppm以下)。
CO+1/2O2 →CO2 ・・・(5)
【0025】図3は、本発明の効果を説明するための図で、図2の従来構成では、水性ガスシフト部2へのガス導入温度が低いために(例えば250℃)、図3に示すように、CO濃度を目標値まで低減するための触媒長さが長くなる。CO処理量を増すには、高温でガス導入すればよく、図示するように触媒前段部でCO濃度が急減するが、目標値より高い濃度でCO濃度が平衡に達してしまい、それ以降CO濃度が変化しない。本発明では、前段部シフト触媒C1には、従来より高い温度で改質ガスを導入するので、図3の(高温でガス導入した場合)の曲線に沿ってCO濃度が急減し、さらに、熱交換器5でガス温度を低下させた改質ガスを、後段部シフト触媒C2に導入することで、(低温でガス導入した場合)の曲線に沿ってさらにCO濃度を低減することができる。このように、分割されたシフト触媒C1、C2間でガス冷却を行うことで、図に(不要部)として示す分だけ触媒長さを縮めることができ、小型かつ高性能な改質装置を実現できる。
【0026】図4(a)、(b)は、本発明の第2の実施の形態を示すもので、第1の実施の形態の熱交換器5に代えて、水性ガスシフト部2の前段部シフト触媒C1と後段部シフト触媒C2の間に、冷却手段として複数のインジェクター8を設置する。インジェクター8は、容器体21の側壁に固定されて、中心方向へ向けて水を噴霧することにより、後段部シフト触媒C2に導入される改質ガスを冷却する。このようにしても、ガス温度を低下させる効果と化学平衡を変化させる効果により、小さな触媒体格でCO濃度を目標値まで低減することができる。
【0027】この方式では水(水蒸気)の添加により、上記式(4)の水性ガスシフト反応の平衡が、CO濃度低減側に変化するため、後段部シフト触媒C2へ導入するガス温度を第1の実施の形態より高くできる。よって、触媒活性が高まるので、後段部シフト触媒C2の体格をより小さくすることができる。なお、本実施の形態では、インジェクター8を、容器体21側壁の3ヵ所に設置したが、インジェクター8の数は任意に設定することができる。また、インジェクター8の代わりに、通電により熱を吸収して上記ガス温度を低下させるペルチェ素子を設置することもできる。
【0028】さらに、第1の実施の形態の熱交換器5や、第2の実施の形態のインジェクター8を設けず、水性ガスシフト部2の前段部シフト触媒C1と後段部シフト触媒C2の材質および構造を変更することにより、小型化を図ることもできる。すなわち、ガス導入口22側の前段部シフト触媒C1は、改質ガスが高温で導入されるので、セラミックス担体としセル数を多くすると、外部への放熱を少なくするとともに、改質ガスとの接触面積を大きくすることにより、小さい触媒体格でCO反応量を大きくする効果がある。また、ガス導出口23側の後段部シフト触媒C2は、メタル担体を用いて熱伝導を良くし、さらに触媒径を小さくして放熱面積を増すことにより、自然放熱により冷却を図り、小型化できる。このようにすると、前段部シフト触媒C1からの出ガスを強制的に温度を低下させる手段を設けずに、同様の効果が得られる。なお、この構成において、上記第1、第2の実施の形態の冷却手段を用いることももちろんできる。
【出願人】 【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社日本自動車部品総合研究所
【住所又は居所】愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地
【出願日】 平成13年9月10日(2001.9.10)
【代理人】 【識別番号】100067596
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 求馬
【公開番号】 特開2003−81610(P2003−81610A)
【公開日】 平成15年3月19日(2003.3.19)
【出願番号】 特願2001−273159(P2001−273159)