| 【発明の名称】 |
水素生成装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】荻野 温 【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内
【氏名】服部 響 【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内
【氏名】吉柳 考二 【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内
【氏名】工匠 厚至 【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内
【氏名】大和田 聡 【住所又は居所】愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシン精機株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】水素生成装置において起動性向上、運転効率向上の両立を図る。
【解決手段】アルコール等の原料を改質して水素リッチなガスを生成する装置を次の通り構成する。噴霧器11で原料を噴霧し、部分酸化反応によって水素を生成する部分酸化反応器10を設ける。気化室14では、部分酸化反応で生じる熱を利用して原料を気化する。気化された原料は、部分酸化反応器10と並列に設けられたオートサーマル反応器20での反応に供される。起動性に優れる部分酸化反応器10と、運転効率に優れるオートサーマル反応器20を並列に設けることにより、両者の利点を活かし、起動性向上、運転効率向上の両立を図ることが可能となる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定の原料の改質により水素リッチなガスを生成する水素生成装置であって、前記原料の部分酸化反応により水素を生成する部分酸化反応器と、前記部分酸化反応器に、前記原料を噴霧する噴霧器と、前記原料の少なくとも一部を水蒸気改質して水素を生成する水蒸気改質反応器と、前記部分酸化反応器で生じる熱によって前記原料および水を気化して前記水蒸気改質反応器に供給する気化供給部と、前記部分酸化反応器および水蒸気改質反応器を並列に接続するとともに、両者で生成された水素を合流して排出する水素排出管とを備える水素生成装置。 【請求項2】 請求項1記載の水素生成装置であって、前記部分酸化反応器と前記水蒸気改質反応器は、一方を内管、他方を外管とする二重管状に配置されている水素生成装置。 【請求項3】 請求項1または2記載の水素生成装置であって、前記水素排出管は、前記部分酸化反応器と前記水蒸気改質反応器の双方から排出される一酸化炭素の濃度をまとめて低減する一酸化炭素浄化部を備える水素生成装置。 【請求項4】 請求項1記載の水素生成装置であって、前記水素排出管は、前記部分酸化型反応器から排出されるガスを、前記水蒸気改質反応器からのガスとの合流側と、非合流側に切り替え可能な切替機構を備える水素生成装置。 【請求項5】 請求項4記載の水素生成装置であって、前記水素排出管は、水素消費系としての燃料電池の水素極に前記水素を供給可能であり、前記部分酸化反応器に、該水素極の排出ガスを供給する排出ガス供給管を備える水素生成装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、水素を含有する所定の原料から、水素リッチなガスを生成する水素生成装置に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、水素と空気の電気化学反応によって発電する燃料電池がエネルギ源として注目されている。燃料電池の燃料となる水素は、例えば、所定の原料の改質によって生成される。改質の原料として、一般には、ガソリンその他の炭化水素、アルコール、エーテル、アルデヒドなどが用いられる。改質反応を生じさせるためには、原料を気化させ250〜300℃に加熱させるとともに、触媒を数百℃にまで昇温させる必要がある。改質器では、従来、この昇温時間を短縮し、起動性を向上することが課題の一つされてきた。 【0003】改質器において、起動性を向上する技術として、例えば、特開2000−191304記載の技術が挙げられる。図4は従来技術としての水素生成装置の概略構成を示す説明図である。特開2000−191304記載の装置を模式的に示した。この装置では、改質器6に供される原料および水の蒸気を、触媒燃焼器1で生成する。触媒燃焼器1には、通気性触媒5が備えられており、ここで原料と空気の酸化反応、即ち触媒燃焼を生じさせる。触媒燃焼の熱により、別途供給される水および余剰の原料が気化される。原料、水、空気は、それぞれ噴霧器2,3および空気供給口4から供給される。 【0004】また、別の技術として特開平7−335238記載の技術がある。ここでは、発熱反応である部分酸化反応部と吸熱反応である水蒸気改質を行う改質反応部とを積層した構造の改質器が開示されている。部分酸化反応部の熱によって改質反応部の反応を促進させることができる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】特開平7−335238記載の装置では、原料を熱交換機によって予め気化しておく必要がある。一般に熱交換機による原料の気化には時間がかかることが知られている。例えば、装置全体が低温となっている状況下での起動時には、気化するために10分〜30分程度かかる場合がある。気化に要する時間は、水素要求量の変動に対する応答性にも影響を与える。従って、特開平7−335238は起動性、応答性が不十分であった。 【0006】一方、特開2000−191304記載の装置は、原料の噴霧による触媒燃焼を利用することにより、起動性、応答性が比較的高い特徴を有する。しかし、触媒燃焼によって原料の一部は水素の生成に利用されることなく消費されるため、原料の無駄が生じ、運転効率が低かった。また、触媒燃焼による熱を利用して原料および水を気化するとともに、この原料および水を利用して水蒸気改質を行うため、要求された水素を得るための原料、水、空気量の制御が比較的困難であるという課題もあった。 【0007】本発明は、これらの課題を解決するためになされたものであり、水素生成装置の起動性、応答性の向上と、運転効率の向上との両立を図ることを目的とする。また、要求された水素量を比較的簡易な制御で安定して供給可能とすることを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上記課題の少なくとも一部を解決するために、所定の原料の改質により水素リッチなガスを生成する水素生成装置において、次の構成を適用した。まず、水素生成装置は、原料の部分酸化反応により水素を生成する部分酸化反応器、およびこの部分酸化反応器に原料を噴霧する噴霧器を備える。部分酸化反応とは、原料と空気から、水素と二酸化炭素、一酸化炭素を生成する発熱反応をいう。ここで、原料としては、例えば、ガソリンその他の炭化水素、アルコール、エーテル、アルデヒドなどが挙げられる。部分酸化反応部には、この反応に適した触媒を担持することが好ましい。かかる触媒としては、白金、パラジウムなどの貴金属系触媒、銅−亜鉛などの卑金属系触媒などが知られている。原料の噴霧による部分酸化反応は、起動性および応答性に優れる反応である。 【0009】この部分酸化反応器とは別に、水素生成装置は、原料の少なくとも一部を水蒸気改質して水素を生成する水蒸気改質反応器を備える。水蒸気改質とは、原料と水蒸気から水素と二酸化炭素、一酸化炭素を生成する吸熱反応をいう。水素生成装置は、部分酸化反応器で生じる熱によって原料および水を気化して水蒸気改質反応器に供給する気化供給部を併せて備える。水蒸気改質は、原料から水素を高効率で生成可能な反応である。また、気化供給部は、部分酸化反応で生じる熱を利用して効率的に原料の気化を行うことができる。水蒸気改質反応器は、水蒸気改質と部分酸化反応を併用する、いわゆるオートサーマル型の反応器として構成してもよい。 【0010】本発明の水素生成装置は、この部分酸化反応器および水蒸気改質反応器を並列に接続するとともに、両者で生成された水素を合流して排出する水素排出管を備える。部分酸化反応器と水蒸気改質反応器を並列に接続することにより、両者の利点を活かして水素を生成することができる。つまり、部分酸化反応器により、起動性および応答性を確保し、水蒸気改質反応器により、高効率を確保することができる。また、両者が並列されているため、水素生成装置の運転状態に応じて、部分酸化反応器と水蒸気改質反応器の運転状態を柔軟に調整することができる。例えば、装置が未暖機状態にある場合には、部分酸化反応を主として行うようにして、水素を生成しつつ水蒸気改質反応器を暖機することができる。装置の暖機が完了した後は、原料の気化に必要な熱量を供給できる範囲で部分酸化反応を行い、主として水蒸気改質で水素を生成することができる。 【0011】本発明の水素生成装置において、部分酸化反応器と水蒸気改質反応器の並列接続は、種々の構造を適用可能であるが、例えば、両者のうち一方を内管、他方を外管とする二重管状の配置を適用することができる。こうすることにより、部分酸化反応器の熱を効率的に利用できるとともに、装置の小型化を図ることが可能となる。 【0012】本発明の水素生成装置では、部分酸化反応器および水蒸気改質反応器のそれぞれにおいて一酸化炭素が生成される。従って、これらの下流側には、一酸化炭素の濃度を低減する一酸化炭素浄化部を設けることが好ましい。一酸化炭素浄化部としては、例えば、一酸化炭素を選択的に酸化する触媒を担持した反応器が適用可能である。この一酸化炭素浄化部は、部分酸化反応器の下流、および水蒸気改質反応器の下流に個別に設けるものとしてもよいが、双方から排出される一酸化炭素の濃度をまとめて低減する構成とすることが好ましい。つまり、部分酸化反応器および水蒸気改質反応器で一酸化炭素浄化部を共有する構成することが好ましい。一般に一酸化炭素の選択酸化反応は、反応速度を遅くすることによって一酸化炭素の選択度を向上することができる。一酸化炭素の可処理量を確保しつつ、反応速度を遅くするためには、反応器の容積を大きくする必要がある。一酸化炭素浄化部を、部分酸化反応器および水蒸気改質反応器で共有する構成とすれば、装置全体の大型化を招くことなく、一酸化炭素浄化部の容積を確保することができる。 【0013】本発明の水素生成装置においては、水素排出管は、部分酸化型反応器から排出されるガスを、水蒸気改質反応器からのガスとの合流側と、非合流側に切り替え可能な切替機構を備えることが望ましい。切替機構を非合流側に切り替えることにより、部分酸化型反応器と水蒸気改質反応器とが分離された構成を実現することができる。かかる構成では、水蒸気改質反応器で生成された水素に部分酸化型反応器の排気が混入することを回避できるから、部分酸化型反応器において、原料と空気とにより二酸化炭素と水を生成する完全酸化反応を生じさせることができる。完全酸化反応は、部分酸化反応よりもエネルギ効率に優れるため、水蒸気改質に必要な気化を少ない原料で実行することができる。 【0014】本発明の水素生成装置は、種々の水素消費系に水素リッチなガスを供給することができる。かかる水素消費系としては、例えば、燃料電池が挙げられる。本発明の水素生成装置が燃料電池に水素を供給する場合において、上述の切替機構を備える場合には、燃料電池の水素極の排出ガスを部分酸化反応器に供給する排出ガス供給管を備えることが望ましい。水素極の排出ガス中には、燃料電池で消費されなかった残留水素が含まれている。この水素を部分酸化反応器に供給することにより、水素を燃焼させることができ、原料の消費を抑制しつつ、水蒸気改質に必要な気化を行うことができる。 【0015】 【発明の実施の形態】A.第1実施例:図1は第1実施例としての水素生成装置を備える燃料電池システムの概略構成を示す説明図である。水素生成装置は、タンク40に備えられた原料を改質して水素リッチなガスを生成する。生成されたガスは、燃料電池30の水素極31に供給される。燃料電池30の酸素極32には、空気が供給される。燃料電池30は、両極に供給された水素と酸素の電気化学反応によって発電する。 【0016】水素生成装置で利用される原料としては、一般には、ガソリンその他の炭化水素、メタノール等のアルコール、エーテル、アルデヒドなどが用いられる。本実施例では、メタノールと水の混合液を用いるものとした。原料と水とは、別のタンクに貯蔵するものとしても構わない。 【0017】水素生成装置は、主として部分酸化反応によって水素を生成する部分酸化反応器10と、水蒸気改質および部分酸化反応を併用して水素を生成するオートサーマル反応器20とを並列して構成される。ここで、部分酸化反応とは、原料と空気とから水素および二酸化炭素、一酸化炭素を含有するガスを生成する発熱反応をいう。水蒸気改質とは、原料と水蒸気とから水素および二酸化炭素、一酸化炭素を含有するガスを生成する吸熱反応をいう。オートサーマル反応器20では、熱量収支がとれるように、部分酸化反応と水蒸気改質反応とを併用することにより、外部から加熱等する必要なく反応を促進可能な反応器である。オートサーマル反応器20に代えて、水蒸気改質反応を起こさせる反応器を用いてもよい。 【0018】部分酸化反応器10での反応は、燃焼部13で行われる。燃焼部13は、部分酸化反応に適した触媒を担持している。かかる触媒としては、例えば、白金およびパラジウムなどを用いることができる。触媒の担持は、ハニカムなど種々の担体を用いることができるが、特に、通電可能な金属担体を用いることが好ましい。低温時に金属担体に通電することにより、触媒の昇温を助けることができる。 【0019】燃焼部13への原料の供給は、噴霧器11によって行われる。燃焼部13の上流側には、霧化室12が設けられている。噴霧器11は、タンク40から原料供給管41を介して供給された原料および水を、霧化室12に対して噴霧する。噴霧器11は、併せて部分酸化に必要な空気を供給する。 【0020】燃焼部13では、原料の部分酸化反応が主として生じるが、この他、生成された水素の燃焼反応、生成された一酸化炭素の燃焼反応、一酸化炭素と水蒸気から二酸化炭素と水素を生成するシフト反応などが並行して生じる。噴霧器11から供給する空気量が多い場合には、原料から水と二酸化炭素を生成する完全酸化反応が生じる。本実施例では、完全酸化反応ではなく、部分酸化反応が生じる程度に空気量を抑制するものとした。燃焼部13の反応では、約500〜600℃のガスが生成される。 【0021】燃焼部13の下流側には、気化室14およびCO浄化部15が設けられている。CO浄化部15は、燃料電池30の電極を被毒する一酸化炭素を選択的に酸化し、その濃度を低減するための反応器である。CO浄化部15では、この反応に適した触媒が担体に担持されている。例えば、プラチナ、ルテニウムなどの金属触媒を金属担体に担持させた構造を適用することができる。CO浄化部15には、一酸化炭素を酸化するための空気を導入する空気口16が設けられている。一酸化炭素の濃度が低減されたガスは、排出口17から水素供給管44を介して燃料電池30に供給される。なお、この経路中には、切替弁45が設けられているが、この機能については、後述する。 【0022】CO浄化部15は、100〜200℃の範囲に温度制御される。反応温度が極端に高いと、一酸化炭素以外に水素の酸化が生じるため好ましくない。逆に反応温度が極端に低いと、活性が下がり、反応速度が低下するため好ましくない。CO浄化部15の反応温度は、これらの条件を考慮して、一酸化炭素を高い割合で効率的に酸化するよう制御される。 【0023】本実施例では、CO浄化部15について上述の反応温度を実現するため、燃焼部13から排出されるガスを、原料および水の混合液で冷却する。図示する通り、CO浄化部15および気化室14には、原料導入管42が設けられており、原料および水がこの管内を通過することにより、燃焼部13から排出されるガス、およびCO浄化部15を冷却する。逆に、これらの熱を利用して、原料および水は、原料導入管42の内部で気化される。気化室14は、燃焼部13から排出されるガスによって原料等を気化する熱交換器として機能する。なお、気化室14に、一酸化炭素を低減するための触媒、例えば、Pt,Pd,Ni,Co,Cu,Znなどを担持させるものとしてもよい。こうすれば、CO浄化部15での負荷を低減することができる。 【0024】原料導入管42は、電磁バルブ43を介してオートサーマル反応器20に接続されている。オートサーマル反応器20は、上流側に改質器21が設けられている。原料導入管42で気化された原料および水は、この改質器21に供給される。一方、改質器21には、空気口23から外気も導入される。 【0025】改質器21は、水蒸気改質および部分酸化反応を並行して生じさせる反応器であり、かかる反応に適した触媒が担持されている。触媒としては白金、パラジウムなどの貴金属系触媒、銅−亜鉛などの卑金属系触媒などが知られている。水蒸気改質を安定して生じさせるためには、気化された原料および水の上記温度が200℃以上であることが好ましい。従って、電磁バルブ43は、原料等の温度を検出し、その温度が200℃に達した時に、開かれるよう制御される。この制御は、専用の制御回路を用いるものとしてもよいし、CPUによってソフトウェア的に実行してもよい。 【0026】改質器21では、水蒸気改質および部分酸化反応によって、水素と一酸化炭素を含有したガスが生成される。改質器21の下流側には、CO浄化部22が設けられている。CO浄化部22の構成は、部分酸化反応器10に備えられたCO浄化部15と同じである。CO浄化部22では、空気口24から導入された空気によって、改質器21で生成された一酸化炭素の選択酸化反応が行われる。こうして、一酸化炭素濃度が低減されたガスは、排出口25から水素供給管44を介して燃料電池30に供給される。 【0027】ここで、本実施例のシステムに備えられている切替弁45、46の動作について説明する。切替弁45は、部分酸化反応器10からのガスを水素供給管44側と、排気側に切り替えることができる。切替弁46は、燃料電池30の水素極31から排出されるガス(以下、アノードオフガスと呼ぶ)を、排気側と、オフガス供給管47側に切り替えることができる。オフガス供給管47に切り替えた場合には、アノードオフガスを部分酸化反応器10に供給することができる。 【0028】起動時など水素生成装置が比較的低温である場合を考える。部分酸化反応器10は、発熱反応としての部分酸化反応を利用するため、噴霧器11からの噴霧開始によって即座に水素の生成が開始される。一方、オートサーマル反応器20では、改質器21の触媒および原料等の暖機が完了するまで、十分に反応を行うことができない。この状態では、切替弁45を水素供給管44側に切り替え、切替弁46を排気側に切り替える。こうすることにより、部分酸化反応器10で生成された水素を燃料電池30に供給して発電することができる。 【0029】オートサーマル反応器20の暖機が完了した場合を考える。水蒸気改質の方が部分酸化反応よりも原料を効率的に使用して水素を生成可能である。従って、暖機完了後は、必要な水素を主としてオートサーマル反応器20で生成するように装置の運転状態を切り替える。このとき、部分酸化反応器10は、原料消費をできるだけ抑えつつ、原料および水を気化することが好ましい。そこで、燃焼部13に供給する空気量を増大し、完全酸化反応を生じさせる。一般に部分酸化反応よりも完全酸化反応の方が、熱効率が高いため、気化に必要な熱量を少量の原料で賄うことが可能となる。完全酸化反応では、水素は生成されないため、切替弁45を排気側に切り替え、反応後のガスは排気する。これと併せて切替弁46をオフガス供給管47側に切り替え、アノードオフガスを燃焼部13に供給する。アノードオフガス中には、燃料電池30で消費されなかった残留水素が含まれるため、この残留水素の燃焼を燃焼部13で併せて行うことができ、原料の消費量を一層抑制することができる。 【0030】以上で説明した第1実施例の水素生成装置によれば、部分酸化反応器10とオートサーマル反応器20とを並列に設けることにより、両者の特性を活かした運転を実現することができる。部分酸化反応器10では、起動時などの条件下でも原料の噴霧を開始した後、直ちに水素を生成することができるから、水素生成の起動性、応答性を向上することができる。一方、オートサーマル反応器20では、水蒸気改質によって、反応の効率向上を図ることができる。本実施例の装置では、両者を並列に設けているため、運転状態に応じて、それぞれの反応を個別に制御することができる。例えば、未暖機時には主として部分酸化反応器10で水素を生成し、暖機後は主としてオートサーマル反応器20で水素を生成するよう、各反応器の反応を制御することができる。 【0031】本実施例では、部分酸化反応器10の反応を切り替えることができる。つまり、オートサーマル反応器20の未暖機時には、部分酸化反応器10で部分酸化反応を行わせ、暖機後は完全酸化反応を行わせることができる。こうすることにより、原料をより効率的に使用することが可能となる。また、部分酸化反応器10へのアノードオフガスの供給により、原料を更に効率的に使用可能となる。なお、切替弁45、46およびオフガス供給管47は、本実施例のシステムに必須の構成ではなく、省略しても差し支えない。切替弁45を省略した場合には、部分酸化反応器10は常に部分酸化反応で水素を生じさせ、生成された水素を水素供給管44から燃料電池30に供給すればよい。 【0032】B.第2実施例:図2は第2実施例としての燃料電池システムの概略構成を示す説明図である。第1実施例と同一の番号を付した要素は、第1実施例と同じ構成を有しているため、説明を省略する。 【0033】第2実施例の反応器10Aでは、部分酸化反応を行う燃焼部13と、水蒸気改質および部分酸化反応を行う改質器21Aとが並列されている点では、第1実施例と同じである。また、燃焼部13の下流に設けられた気化室14Aで、原料および水の気化を行う点も第1実施例と同じである。第2実施例では、気化室14Aおよび改質器21Aが、共通のCO浄化部22Aに接続されている点で第1実施例と相違する。気化室14A、改質器21Aは、接続先を除けば、それぞれ第1実施例における気化室14、改質器21と同じ構成である。水素供給管44Aは、このCO浄化部22Aに設けられた排出口25Aから排出されるガスを燃料電池30の水素極31に供給する。 【0034】CO浄化部22Aでは、空気口24から導入される空気を用いて、燃焼部13および改質器21Aの双方から排出された一酸化炭素を選択的に酸化する。CO浄化部22Aは、第1実施例と同様、選択酸化反応に適した触媒を担持している。また、CO浄化部22Aには、原料導入管42が貫通しており、反応温度の制御、および原料の気化が行われる。CO浄化部22Aの容積が大きいため、原料導入管42のみでは温度制御を十分に行うことができない場合を考慮し、第2実施例では、別途冷却管26を備えるものとした。冷却管26には、原料とは異なる冷却液を流し、CO浄化部22Aの反応温度を制御する。もちろん、原料導入管42によって反応温度を十分制御可能である場合には、冷却管26を省略しても構わない。 【0035】第2実施例によれば、燃焼部13と改質器21Aを並列に設ける点で第1実施例と同様の利点がある。また、CO浄化部22Aを燃焼部13と改質器21Aに共通としたことにより、次の利点がある。第1に、燃焼部13および改質器21Aのいずれか一方の運転により、CO浄化部22Aの暖機を行うことができる利点がある。例えば、起動時には、燃焼部13からの高温ガスによって、CO浄化部22Aの暖機を行うことができるから、改質器21Aは原料および水の昇温が完了した時点で速やかに運転を開始することができる。第2に、第1実施例の構成に比較して、一酸化炭素の排出量に対するCO浄化部22Aの容積を大きくすることができる。燃焼部13および改質器21Aのいずれか一方で主として反応が行われている場合でも、大容積の反応器で一酸化炭素の選択酸化反応を行うことができる。一般に、選択酸化反応では、反応速度が低い程、一酸化炭素の選択率が向上し、水素の酸化が抑制される。大容積の反応器は、一酸化炭素の処理量を確保しつつ、反応速度を低減させることができるため、水素の酸化を抑制することができる。 【0036】C.第3実施例:図3は第3実施例としての水素生成装置10Bの構成を示す説明図である。水素生成装置10Bは、部分酸化反応器とオートサーマル反応器を並列に備え、かつ両者に共通のCO浄化部を有する点で第2実施例と基本的には同じ構成である。但し、第3実施例では、二重管構造を採り、両者の小型化を図った。 【0037】つまり、水素生成装置10Bでは、上流側から噴霧器11B、霧化室12B、燃焼部13B、気化室14B、CO浄化部15B、排出口17Bが設けられており、この部分だけを採れば、第1実施例における部分酸化反応器10と同様の構成となっている。燃焼部13BおよびCO浄化部15Bには、第1実施例と同様、各反応に適した触媒が担持されている。 【0038】水素生成装置10Bでは、気化室14Bが二重管構造となっており、内筒には、改質器21Bが備えられている。改質器21Bは、水蒸気改質および部分酸化反応を並行して行う反応器である。部分酸化反応に必要な空気は、空気口23Bから供給される。原料および水は、CO浄化部15Bおよび気化室14Bを通過する原料導入管42Bから供給される。原料導入管42Bは、気化室14B内で、改質器21Bの周囲を螺旋状にとりまく配置とした。かかる配置により、原料導入管42Bの長さを確保することができ、熱交換を効率的に行うことができる。原料導入管42Bは、第1実施例、第2実施例等と同様、気化室14Bを直線状に通過させてもよい。逆に、第1実施例、第2実施例等において、原料導入館42,42Aを気化室内で屈曲させても構わない。 【0039】燃焼部13Bで生成され、気化室14Bを通過したガス、および改質器21Bで生成されたガスは、共にCO浄化部15Bに供給され、一酸化炭素の選択酸化が行われる。 【0040】第3実施例は、基本的には第2実施例と同じ構成であるため、第2実施例と同様の効果を得ることができる。第3実施例の装置では、二重管構造を適用することにより、装置の小型化を図ることができる。また、燃焼部13Bの高温ガスによって、改質器21Bを暖機することができ、装置の起動性、応答性を更に向上することができる利点がある。 【0041】第3実施例においては、CO浄化部15Bを二重管構造とし、燃焼部13Bおよび改質器21Bのガス中の一酸化炭素を個別に浄化するものとしてもよい。第3実施例では、部分酸化反応器の気化室14Bを改質器21の外側に配置したが、逆の配置としてもよい。 【0042】以上、本発明の種々の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採ることができることはいうまでもない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003207 【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社 【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地
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| 【出願日】 |
平成13年7月23日(2001.7.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】110000028 【氏名又は名称】特許業務法人 明成国際特許事務所
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| 【公開番号】 |
特開2003−34504(P2003−34504A) |
| 【公開日】 |
平成15年2月7日(2003.2.7) |
| 【出願番号】 |
特願2001−222150(P2001−222150) |
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