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【発明の名称】 |
ブーム作業車の点検装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】水口 裕朗 【住所又は居所】埼玉県上尾市大字領家字山下1152番地の10 株式会社アイチコーポレーション上尾工場内 |
【課題】ブームの起伏角度、旋回角度等を検出する検出器の出力が正常であるかどうかの点検を、ブーム操作に不慣れな初心者であっても容易にかつ短時間で行えるようにする。
【解決手段】ブーム30の起伏角度、長さ及び旋回角度を検出する各検出器71,72,73と、予め定めたプログラムに従ってブーム30を動作させ、上記検出器71,72,73により検出されたブーム30の起伏角度、長さ及び旋回角度の組み合わせが、予め設定した所定のブーム姿勢(点検用ブーム姿勢)に対応するブーム30の起伏角度、長さ及び旋回角度の組み合わせと一致した時点でブーム30の動作を停止させる制御を行うコントローラ80の点検動作制御部83と、この点検動作制御部83により停止された状態のブーム30の姿勢が上記所定のブーム姿勢となっているか否かを目視により確認可能な確認手段とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行体と、前記走行体上に設けられて起伏、旋回等の動作を行うブームとを有して構成されるブーム作業車の点検装置であって、前記ブームの起伏角度、旋回角度等を検出する起伏角度等検出手段と、予め定めたプログラムに従って前記ブームを動作させ、前記起伏角度等検出手段により検出された前記ブームの起伏角度、旋回角度等の組み合わせが、予め設定した所定のブーム姿勢に対応する前記ブームの起伏角度、旋回角度等の組み合わせと一致した時点で前記ブームの動作を停止させる制御を行う点検動作制御手段と、前記点検動作制御手段により停止された状態の前記ブームの姿勢が前記所定のブーム姿勢となっているか否かを目視により確認可能な確認手段とを備えたことを特徴とするブーム作業車の点検装置。 【請求項2】 外部操作される点検動作継続指令手段を備え、前記点検動作制御手段は、前記点検動作継続指令手段が操作されるごとに前記一連の制御を複数種継続して行うようになっていることを特徴とする請求項1記載のブーム作業車の点検装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、走行体上に起伏、旋回動等が自在なブームを有して構成されるブーム作業車に関し、更に詳しくは、ブームの起伏角度や旋回角度等を検出する検出器の出力が正常であるかどうかを作業に取り掛かる前に点検するための点検装置に関する。 【0002】 【従来の技術】ブーム作業車は、トラック式、クローラ式或いはホイール式の走行体上に水平旋回自在な旋回台(旋回体)を有し、その上に伸縮(或いは屈伸)自在なブームが起伏可能に設けられた構成となっている。このようなブーム作業車としてはブームの先端部に吊り上げ装置が設けられてなるクレーン車のほか、ブームの先端部に作業者搭乗用の作業台が首振り自在に取り付けられてなる高所作業車が良く知られている。この高所作業車においては、旋回台の旋回動作やブームの起伏、伸縮(或いは屈伸)動作の制御は作業台に搭乗した作業者自らが作業台上に設けられた操作装置から行うことができ、作業台を所望に移動させて任意の位置での高所作業、例えば架線された電線の補修作業や電柱上部に設置されたトランスの交換作業、或いは建物壁面や大型船舶船体の塗装作業等を行うことが可能である。 【0003】このようなブーム作業車においてはブームの姿勢に応じた転倒モーメント(走行体を転倒させる方向に作用するモーメント)が走行体に作用するが、この転倒モーメントが過大になって走行体を転倒に至らしめる事態を防止するため、ブームの取り得る姿勢に一定の制限を設けるようにしている。具体的にはブームの起伏角度、旋回角度等を検出器により検出して得られるブーム姿勢に基づいて走行体に対するブーム先端部の位置を算出し、このブーム先端部の位置がブームの旋回姿勢(旋回角度)ごとに定めた作業範囲内から逸脱しないようにブームの動作を規制するようにしている。そして、算出されたブーム先端部の位置が、この作業範囲の外側限界線上に至ったときには、ブームの動作は強制的に停止されるようになっている。 【0004】ブーム作業車に備えられたこのような安全装置が正しく機能するためには、上記検出器の出力が常時正常であることを要し、その点検作業は欠かすことができない。したがってこれら検出器の点検は実際の作業に取り掛かる前に必ず行われるのであるが、これら検出器の点検を含むその他の点検作業は一般に始業前点検と呼ばれている。 【0005】このような始業前点検をはじめとする検出器の点検作業においては、従来、ブームの起伏角度を検出する起伏角度検出器についてであれば、ブームの基端部に設けられてブームの実際の起伏角度を外部から読み取れるようにした起伏角度指示器の値が規定の値になるようにブームを動作させたときに、起伏角度検出器の出力値がその規定値と一致するかどうかで判断していた。また、複数のブーム部材を入れ子にして構成した伸縮ブームの長さを検出する長さ検出器についてであれば、ブームを規定の長さにした(これには入れ子になったブーム部材のうちの内方側ブーム部材側面に設けたマークと外方側ブーム部材の先端に設けたマークとを一致させる)ときに、長さ検出器の出力値がその規定の値と一致するかどうかで判断していた。また同様に、旋回台の(ブームの)旋回角度を検出する旋回角度検出器についてであれば、旋回台を規定の旋回角度にした(これには旋回台側に設けたマークと走行体側に設けたマークとを一致させる)ときに、旋回角度検出器の出力値がその規定の値と一致するかどうかで判断していた。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述のようにブームの起伏角度や長さがそれぞれ規定の値になるようにし、或いは旋回台の旋回角度が規定の値になるようにするブームの作動操作(動作制御)には熟練を要し、初心者にとっては難しいものであった。このため点検作業に多くの時間が割かれてしまって実際の作業に取り掛かるのが遅くなり、作業効率が低下するという問題が生じていた。 【0007】本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、ブームの起伏角度、旋回角度等を検出する検出器の出力が正常であるかどうかの点検を、ブームの作動操作に不慣れな初心者であっても容易にかつ短時間で行うことができ、作業効率を向上させることが可能なブーム作業車の点検装置を提供することを目的としている。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明に係るブーム作業車の点検装置は、走行体と、走行体上に設けられて起伏、旋回等の動作を行うブームとを有して構成されるブーム作業車の点検装置であって、ブームの起伏角度、旋回角度等を検出する起伏角度等検出手段(例えば、実施形態における起伏角度検出器71、長さ検出器72及び旋回角度検出器73)と、予め定めたプログラムに従ってブームを動作させ、起伏角度等検出手段により検出されたブームの起伏角度、旋回角度等の組み合わせが、予め設定した所定のブーム姿勢に対応するブームの起伏角度、旋回角度等の組み合わせと一致した時点でブームの動作を停止させる制御を行う点検動作制御手段(例えば、実施形態におけるコントローラ80の点検動作制御部83)と、点検動作制御手段により停止された状態のブームの姿勢が上記所定のブーム姿勢となっているか否かを目視により確認可能な確認手段(例えば、実施形態における起伏角度指示器100、長さ確認マーク110及び旋回角度確認マーク120)とを備える。 【0009】本発明に係るブーム作業車の点検装置においては、ブームを予め定めたプログラムに従って動作させ、起伏角度等検出手段により検出されたブームの起伏角度、旋回角度等の組み合わせが、予め設定した所定のブーム姿勢に対応するブームの起伏角度、旋回角度等の組み合わせと一致した時点でこれ(ブーム)を停止させるようになっているので、この停止した状態におけるブームの姿勢が、予め設定した所定のブーム姿勢となっているか否かを目視で確認することにより、起伏角度等検出手段の出力が正常であるかどうかを判断することができる。これにより、起伏角度等検出手段の出力の正常異常を判断するために作業者自らの技量でブームを所定の姿勢にする必要があった従来に比べてブームの操作に不慣れな初心者等であっても容易に且つ短時間で起伏角度等検出手段の点検作業を行えるようになるので、作業効率は格段に向上する。 【0010】また、この点検装置においては、外部操作される点検動作継続指令手段(例えば、実施形態における点検動作継続スイッチ92)が備えられ、上記点検動作制御手段は、点検動作継続指令手段が操作されるごとに上記一連の制御を複数種継続して行うようになっていることが好ましい。このような構成であれば、精度の高い点検作業を効率よく行うことが可能となる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。図2は本発明に係る点検装置を備えた高所作業車の側面図である。本高所作業車1は、タイヤ車輪11,11,…を備えて運転台12から走行運転操作が可能なトラック式の走行体10と、走行体10上に設けられた旋回台20と、この旋回台20に上方に延びて設けられた支柱21の上部にフートピン22により上下揺動自在に取り付けられた伸縮式のブーム30と、このブーム30の先端部に取り付けられた作業者搭乗用の作業台40とを有して構成されている。 【0012】旋回台20は走行体10の後部に上下軸まわり360度回動自在に取り付けられており、走行体10に内蔵された旋回モータ53を油圧駆動することにより水平旋回作動させることができる。ブーム30は基端ブーム30aと、中間ブーム30bと、先端ブーム30cとが入れ子に組み立てられた構成となっており、内蔵された伸縮シリンダ52を油圧駆動することにより長手方向(軸方向)に伸縮作動させることができる。また、ブーム30は基端ブーム30aと支柱21との間に跨設された起伏シリンダ51を油圧駆動することにより上下面内で起伏作動させることができる。 【0013】作業台40は、先端ブーム30cの先端部において常時垂直姿勢に保持される垂直ポスト31に回動自在に取り付けられており、内蔵された首振りモータ54を油圧駆動することにより垂直ポスト31まわりに水平旋回(首振り)させることが可能である。ここで、垂直ポスト31は上記のように常時垂直姿勢が保たれるため、作業台40の床面はブーム30の姿勢(起伏角度)によらず常時水平状態が保持される。 【0014】走行体10の側方前後左右各箇所にはアウトリガジャッキ13,13,…が上下方向に延びて設けられている。これらアウトリガジャッキ13,13,…は作業中の走行体10を安定状態に保持するためのものであり、下端部にパッド13bが取り付けられたピストンロッド13aを下方に張り出させて走行体10を持ち上げ状態に支持させることができる。なお、各アウトリガジャッキ13は走行体10の側方に張り出させた状態で使用することが可能である。 【0015】作業台40に設けられた操作装置60には、ブーム30の起伏指令を行うための起伏レバー61と、ブーム30の伸縮指令を行うための伸縮レバー62と、旋回台20の(ブーム30の)旋回指令を行うための旋回レバー63と、作業台40の首振り指令を行うための首振りレバー64とが設けられている(図1参照)。起伏レバー61を傾動操作するとこれに応じて起伏シリンダ51を伸縮動作させる指令信号が出力され、伸縮レバー62を傾動操作するとこれに応じて伸縮シリンダ52を伸縮動作させる指令信号が出力される。また、旋回レバー63を傾動操作するとこれに応じて旋回モータ53を順逆方向に回転動作させる指令信号が出力され、首振りレバー64を傾動操作するとこれに応じて首振りモータ54を順逆方向に回転動作させる指令信号が出力される。 【0016】図1は本高所作業車1の制御系統の一部を示すブロック図である。この図に示すように、上記レバー61〜64の操作により出力された各指令信号は走行体10上に設けられた(図2には図示せず)コントローラ80のバルブ制御部81に入力される。ブーム30を起伏、伸縮、旋回動作させるアクチュエータである起伏シリンダ51、伸縮シリンダ52、旋回モータ53と作業台40を首振り動作させるアクチュエータである首振りモータ54には、エンジンEにより駆動される油圧ポンプPからの吐出油が制御バルブV1,V2,V3,V4を介して供給される。 【0017】コントローラ80のバルブ制御部81は、作業台40に搭乗した作業者が行うレバー61〜64の操作により出力された各指令信号に応じて制御バルブV1〜V4を電磁駆動し、各アクチュエータ(起伏シリンダ51、伸縮シリンダ52、旋回モータ53及び首振りモータ54)に作動油供給を行う。このため作業台40に搭乗した作業者は、操作装置60から行うレバー操作によりブーム30の起伏、伸縮、旋回動作と作業台40の首振り動作の制御を自在に行うことができ、作業台40を所望の位置に移動させて必要な作業を行うことができる。 【0018】また、図2に示すように基端ブーム30aにはブーム30の起伏角度を検出する起伏角度検出器71とブーム30の長さを検出する長さ検出器72とが設けられており、走行体10内における旋回モータ53の近傍位置には旋回台20の旋回角度(すなわちブーム30の旋回角度)を検出する旋回角度検出器73が設けられている。図1に示すコントローラ80のブーム動作規制部82は、これら検出器71,72,73により検出されたブーム30の起伏角度、長さ及び旋回角度の組み合わせに基づいて得られるブーム姿勢に基づいて走行体10に対するブーム30の先端部(以下、「ブーム先端部」と称する)の位置を算出し、このブーム先端部の位置が予め定めた作業範囲から逸脱しないようにブーム30の動作を規制する制御(以下、「作業範囲規制制御」と称する)を行う。 【0019】ここで作業範囲とは、走行体10を転倒させることなく位置させることができるブーム先端部位置を集合させてなる領域のことであり、ブーム30の旋回姿勢(旋回角度)ごとに定められる。ブーム30の旋回姿勢ごとに定められる各作業範囲はブーム30の中心軸を通る垂直面内に分布し、作業半径と地上揚程との関係として表すことができる。なお、この作業範囲のデータは、ブーム動作規制部82内の記憶部82aに予め記憶されている。 【0020】図3は、ブーム30の先端部が走行体10の右方を向くように旋回台20を位置させた状態における作業範囲S(斜線で縁取りした領域)の一例を示している。なお、この図ではブーム30の起伏中心(フートピン22)から右に向かう方向が作業半径の増大する方向、ブーム30の起伏中心から上に向かう方向が地上揚程の増大する方向に相当する。この作業範囲Sの外側限界線(点Aと点Bとを結ぶ線)Mはその旋回角度において許容されるブーム先端部の外側移動限界を示しており、この外側限界線Mを超えてブーム先端部が移動することは走行体10を転倒に至らしめる虞があるために禁止される。 【0021】コントローラ80のブーム動作規制部82は、起伏角度検出器71、長さ検出器72及び旋回角度検出器73により検出されたブーム30の起伏角度、長さ及び旋回角度の組み合わせより求められるブーム先端部の位置が、この外側限界線M上に至ったことを検知したときには規制信号を出力する。そして、この規制信号を受けたバルブ制御部81は、レバー61〜63の操作により各指令信号が出力されていてもこれを無視し、制御バルブV1〜V3の各スプール(図示せず)を中立位置に位置させてブーム30の動作を停止させる。このためブーム先端部は作業範囲の外側限界線Mを超えて移動することはなく、作業者は走行体10を転倒に至らしめる心配をすることなくブーム30の動作制御(レバー61〜63の操作)を行うことができる。なお、図3中に示す作業範囲Sの外側限界線(点Aと点Cとを結ぶ線)N1及び内側限界線(点Dと点Eとを結ぶ線)N2は、それぞれブーム30を全伸状態及び全縮状態で動作させたときのブーム先端部の軌跡に等しく、これら外側限界線N1若しくは内側限界線N2を超えてブーム先端部を移動させることは物理的に不可能であるので、ブーム動作の規制対象とはされない。 【0022】図4に示す線Kは、旋回姿勢ごとに定められる作業範囲の外側限界線うち、共通する高さの部分を走行体10の周囲に連ねて(全旋回姿勢に亘って)示した包絡線である。この図から分かるように、外側限界線に対応する作業半径は走行体10の前後領域において大きく側方領域において小さくなるのであるが、これは、アウトリガジャッキ13,13,…の前後間隔が左右間隔よりも大きく設定されている関係上、ブーム30の起伏角度と長さが同じである(転倒モーメントが同じである)場合には、ブーム30が走行体10の前後領域に位置している場合の方が、ブーム30が走行体10の側方領域に位置している場合よりも大きい抵抗モーメント(転倒モーメントに対抗するモーメント)を発揮できるからである。但し、アウトリガジャッキ13,13,…を走行体10の側方に張り出すことにより、ブーム30を走行体10の側方領域に位置させた場合に発揮される抵抗モーメントを大きくすることができ、より大きい作業半径を得ることは可能である。 【0023】次に、上記図1〜図4に図5,図6及び図7を加えて本高所作業車1に備えられた点検装置の構成について説明する。この点検装置は、上記作業範囲規制制御が正常に行われるための前提条件となる、起伏角度検出器71、長さ検出器72及び旋回角度検出器73の出力が正常であることの点検(確認)作業を実際の作業に取り掛かる前に行うために用いられるものであり、被検対象となる起伏角度検出器71、長さ検出器72、旋回角度検出器73と、後述するコントローラ80の点検動作制御部83及び確認手段とを備えて構成されている。 【0024】コントローラ80の点検動作制御部83(図1参照)は、予め定めたプログラム(これは点検動作制御部83内の記憶部83aに記憶されている)に従ってブーム30を動作させ、起伏角度検出器71、長さ検出器72及び旋回角度検出器73により検出されたブーム30の起伏角度、長さ及び旋回角度の組み合わせが、予め設定した所定のブーム姿勢(以下、「点検用ブーム姿勢」と称する)に対応するブーム30の起伏角度、長さ及び旋回角度の組み合わせと一致した時点でブーム30の動作を停止させる制御を行う。確認手段は、この点検動作制御部83により停止された状態のブーム30の姿勢が、その点検用ブーム姿勢となっているか否かを目視確認可能にするためのものであり、起伏角度指示器100と、長さ確認マーク110と、旋回角度確認マーク120とから構成される。 【0025】確認手段を構成する起伏角度指示器100は、ブーム30の起伏角度を直接作業者が読み取ることができるようにしたものであり、図5に示すように基端ブーム30aの側面部に設けられている。この起伏角度指示器100は、基端ブーム30aに固定された扇形形状の指示板101と、この指示板101の扇形の要より下方に垂下された指示棒102とからなり、ブーム30の起伏に応じて移動する指示板101に記された目盛り101a上で指示棒102が示す値がブーム30の実際の起伏角度として読み取られる。ここで、例えば上記点検用ブーム姿勢が、ブーム30の起伏角度、長さ及び旋回角度の組み合わせがθ1,L1,φ1であるブーム姿勢をいうものであるときには、点検動作制御部83により制御されてブーム30が起伏角度θ1、長さL1、旋回角度φ1の姿勢で停止した際に、起伏角度指示器100において読み取られる実際の起伏角度がθ1であった場合には、起伏角度検出器71の出力は正常であると判断することができる。 【0026】長さ確認マーク110は、図6に示すように基端ブーム30aの側面に設けられる基端ブーム側マーク111と、中間ブーム30bの側面に設けられる中間ブーム側マーク112とからなる。これらマーク111,112はブーム30が点検用ブーム姿勢となっている状態で一致する位置に設けられる。ここで、例えば点検用ブーム姿勢が、上記のようにブーム30の起伏角度、長さ及び旋回角度の組み合わせがθ1,L1,φ1であるブーム姿勢をいうものであるときには、長さ確認マーク110を構成する基端ブーム側マーク111と中間ブーム側マーク112は、それぞれブーム30の長さがL1になった状態で一致するように描かれ、点検動作制御部83により制御されてブーム30が起伏角度θ1、長さL1、旋回角度φ1の姿勢で停止した際に、これら両マーク111,112が一致している場合には、長さ検出器72の出力は正常であると判断することができる。 【0027】また、旋回姿勢確認マーク120は、図7に示すように旋回台20側に設けられる旋回台側マーク121と、走行体10側に設けられる走行体側マーク122とからなる。これらマーク121,122はブーム30が点検用ブーム姿勢となっている状態で一致する位置に設けられる。ここで、例えば点検用ブーム姿勢が、上記のようにブーム30の起伏角度、長さ及び旋回角度の組み合わせがθ1,L1,φ1であるブーム姿勢をいうものであるときには、旋回角度確認マーク120を構成する旋回台側マーク121と走行体側マーク122は、それぞれ旋回台20の(ブーム30)の旋回角度がφ1になった状態で一致するように描かれ、点検動作制御部83により制御されてブーム30が起伏角度θ1、長さL1、旋回角度φ1の姿勢で停止した際に、これら両マーク121,12が一致している場合には、旋回角度検出器73の出力は正常であると判断することができる。 【0028】点検動作制御部83は、コントローラ80の近傍に設けられた点検動作開始スイッチ91(図1参照)が操作されると、予め定めたプログラムに従ってブーム30を所定の手順で動作させていく。この動作手順は任意であるが、点検用ブーム姿勢が、ブーム30の起伏角度、長さ及び旋回角度の組み合わせがθ1,L1,φ1であるブーム姿勢をいうものであるしてその一例を示すと以下のようになる。 【0029】先ず、■長さ検出器72の出力Lが所定の長さL0以下になるまでブーム30を収縮動作させる。このとき、長さ検出器72の出力Lが既にL0以下であればブーム30の収縮動作は行わない。続いて、■旋回角度検出器73の出力φが「点検用ブーム姿勢」に対応する旋回角度φ1となるまで旋回台20を動作させる。そして、■起伏角度検出器71の出力θが「点検用ブーム姿勢」に対応する起伏角度θ1になるまでブーム30を起伏動作させ、最後に■長さ検出器72の出力Lが「点検用ブーム姿勢」に対応する長さL1となるまでブーム30を伸長動作させる。 【0030】このような点検動作制御部83によるブーム30の動作及び停止制御により、ブーム30は起伏角度検出器71、長さ検出器72及び旋回角度検出器73の出力θ,L,φがそれぞれθ1,L1,φ1となる姿勢で停止した状態となる。ここで、起伏角度指示器100から読み取ったブーム30の起伏角度の値がθ1を示していることが確認できれば、起伏角度検出器71の出力は正常であると判断でき、基端ブーム側マーク111と中間ブーム側マーク112とが一致していることが確認できれば、長さ検出器72の出力は正常であると判断できる。また、旋回台側マーク121と走行体側マーク122とが一致していることが確認できれば、旋回角度検出器73の出力は正常であると判断できる。 【0031】このように本点検装置においては、ブーム30を予め定めたプログラムに従って動作させ、起伏角度検出器71、長さ検出器72及び旋回角度検出器73により検出されたブーム30の起伏角度、旋回角度等の組み合わせが、予め設定した所定のブーム姿勢(点検用ブーム姿勢)に対応するブーム30の起伏角度、旋回角度等の組み合わせと一致した時点でこれ(ブーム30)を停止させるようになっているので、この停止した状態におけるブーム30の姿勢が、予め設定したブーム姿勢(点検用ブーム姿勢)となっているか否かを目視で確認することにより、起伏角度検出器71、長さ検出器72及び旋回角度検出器73の出力が正常であるかどうかを判断することができる。これにより、これら各検出器71,72,73の出力の正常異常を判断するために作業者自らの技量でブーム30を所定の姿勢にする必要があった従来に比べてブーム30の操作に不慣れな初心者等であっても容易に且つ短時間で起伏角度検出器71等の点検作業を行えるようになるので、作業効率は格段に向上する。 【0032】また、図1に示すように、外部から操作される点検動作継続スイッチ92を備え、コントローラ80の点検動作制御部83が、この点検動作継続スイッチ92が操作されるごとに、ブーム30を点検用ブーム姿勢にさせて停止させる上記一連の制御を複数種継続して行うようになっていてもよく、このような構成であれば、精度の高い点検作業を効率よく行うことが可能となる。これは例えば、ブーム30の起伏角度、長さ及び旋回角度の組み合わせがθ1,L1,φ1である「第1の点検用ブーム姿勢」になるようにブーム30を動作させる一連の制御が行われた後、点検動作継続スイッチ92が操作されるのを待って引き続き、起伏角度、長さ及び旋回角度の組み合わせがθ2,L2,φ2である「第2の点検用ブーム姿勢」になるようにブーム30を動作させる一連の制御が行われるようにするものである。 【0033】このような内容のプログラムが記憶部83aに記憶されているものとすると、点検動作開始スイッチ91の操作を受けた点検動作制御部83は、先ず上記■〜■の手順でブーム30を動作させてブーム30を「第1の点検用ブーム姿勢」にする。このときプログラムの進行は一時停止し、点検動作継続スイッチ92の操作待ちの状態となる。そして、「第1の点検用ブーム姿勢」についての確認作業を行った作業者が点検動作継続スイッチ92を押すとプログラムの進行が再開し、点検動作制御部83は上記■〜■と同様の手順でブーム30を動作させてブーム30を「第2の点検用ブーム姿勢」にし、プログラムは終了する。ここで、点検動作開始スイッチ91若しくは別途設けた点検動作中断スイッチ(図示せず)を押圧することにより、上記プログラムの進行を強制的に中断することができる構成にしておくことが好ましい。 【0034】また、起伏角度検出器71、長さ検出器72及び旋回角度検出器73により検出されたブーム30の起伏角度、長さ及び旋回角度の組み合わせが、予め設定した所定のブーム姿勢(点検用ブーム姿勢)に対応するブーム30の起伏角度、長さ及び旋回角度の組み合わせと一致した時点でブーム30の動作を停止させる制御に、コントローラ80のブーム動作規制部82において行われる上述の作業範囲規制制御を利用するようにしてもよい。この場合には、ブーム先端部が作業範囲の外側限界線上に位置したブーム姿勢のうちから任意のものを選択してこれを「点検用ブーム姿勢」とし、このときのブーム30の起伏角度、長さ及び旋回角度を上述のθ1,L1,φ1と同様なものとして扱えばよい。この場合の具体的制御例を示せば以下のようになる。 【0035】先ず、長さ検出器72の出力Lが所定の長さL0以下になるまでブーム30を収縮動作させ、続いて旋回角度検出器73の出力φが「点検用ブーム姿勢」に対応する旋回角度φ1となるまで旋回台20を動作させる。ここで、旋回角度φ1はブーム30が走行体10の側方を向く角度とする。これは、コントローラ80のブーム動作規制部82によるブーム30の動作規制が行われるのは、主にブーム30が側方を向いている場合であるからである(図4参照)。次に、起伏角度検出器71の出力θが「点検用ブーム姿勢」に対応する起伏角度θ1になるまでブーム30を起伏動作させる。そして、ブーム30の伸長動作が強制的に停止されるまで(ブーム先端部が外側限界線上に至るまで)ブーム30を伸長動作させる。このような点検動作制御部83によるブーム30の動作及びブーム動作規制部82によるブーム動作の停止制御により、起伏角度検出器71、長さ検出器72及び旋回角度検出器73の出力θ,L,φはそれぞれθ1,L1,φ1となり、ブーム30は「点検用ブーム姿勢」となる(図3中に示すブーム30の軸線ラインBL1参照。同じく図3中に示す二点鎖線Lはブーム30の起伏角度の基準ライン)。ここで、基端ブーム側マーク111と中間ブーム側マーク112とが一致していることが確認できれば、長さ検出器72の出力は正常であると判断できる。 【0036】次に、点検動作継続スイッチ92を操作すると、点検動作制御部83は、起伏角度検出器71の出力θが所定の起伏角度θ0になるまでブーム30を起仰動作させた後(図3中に示すブーム30の軸線ラインBL2参照)、ブーム30の倒伏動作が強制的に停止されるまで(ブーム先端部が外側限界線上に至るまで)ブーム30を倒伏動作させる。このような点検動作制御部83によるブーム30の動作及びブーム動作規制部82によるブーム動作の停止制御により、起伏角度検出器71、長さ検出器72及び旋回角度検出器73の出力θ,L,φはそれぞれθ1,L1,φ1となり、ブーム30は「点検用ブーム姿勢」となる(図3中に示すブーム30の軸線ラインBL1参照)。ここで、起伏角度指示器100から読み取ったブーム30の起伏角度の値がθ1を示していることが確認できれば、起伏角度検出器71の出力は正常であると判断できる。 【0037】続いて点検動作継続スイッチ92を操作すると、点検動作制御部83は、旋回角度検出器73の出力φが、ブーム30が走行体10の前方(若しくは後方)を向く値φ0となるように旋回台20を動作させた後(図4中に示すブーム30の軸線ラインBL3参照。同じく図4中に示す二点鎖線Fはブーム30の旋回角度の基準ライン)、旋回台20の旋回動作が強制的に停止されるまで(ブーム先端部が外側限界線上に至るまで)旋回台20を反対方向(ブーム30が走行体10の側方を向く方向)に旋回動作させる。このような点検動作制御部83によるブーム30の動作及びブーム動作規制部82によるブーム動作の停止制御により、起伏角度検出器71、長さ検出器72及び旋回角度検出器73の出力θ,L,φはそれぞれθ1,L1,φ1となり、ブーム30は「点検用ブーム姿勢」となる(図3中に示すブーム30の軸線ラインBL1参照)。ここで、旋回台側マーク121と走行体側マーク122とが一致していることが確認できれば、旋回角度検出器73の出力は正常であると判断できる。 【0038】このような構成によっても上述の構成と同様に起伏角度検出器71、長さ検出器72及び旋回角度検出器73の出力の正常異常を判断することができるが、本構成によれば、コントローラ80のブーム動作規制部82による作業範囲規制制御が正常に行われるかどうかも併せて判断することができるという利点がある。なお、点検動作制御部83が予め定めた(記憶部83aに記憶された)プログラムに従ってブーム30を動作させ、起伏角度検出器71、長さ検出器72及び旋回角度検出器73により検出されたブーム30の起伏角度、長さ及び旋回角度の組み合わせが、予め設定した所定のブーム姿勢に対応するブーム30の起伏角度、長さ及び旋回角度の組み合わせと一致した時点でブームの動作を停止させる制御を行うのは、先述の構成ではコントローラ80の点検動作制御部83のみであったが、後述の構成ではこれにブーム動作規制部82を加えたものとなる。 【0039】これまで本発明の好ましい実施形態について説明してきたが、本発明の範囲は上述のものに限定されない。例えば上述の実施形態では、ブームは複数のブーム部材が入れ子式の構成された伸縮式のブームであったが、これは複数のブーム部材がピン結合されてなる屈伸式のブーム等であってもよい。この屈伸式のブームの場合、ブームの姿勢を検出する検出器としては、ブーム全体の旋回角度を検出する旋回角度検出器の他、ブーム部材それぞれの起伏角度を検出する複数の起伏角度検出器とから構成されることとなる。 【0040】また、上述の実施形態では、本発明が適用される対象としてブームの先端部に作業台を有する高所作業車を示したが、本発明はこのような高所作業車に限られず、ブームの先端部に吊り上げ装置を有するクレーン車等、他のブーム作業車にも適用することが可能である。また、走行体の形式は上述のトラック式に限られず、その他クローラ式やホイール式であってもよい。 【0041】また、確認手段は、コントローラ80の点検動作制御部83により停止された状態のブーム30の姿勢が、予め設定した所定のブーム姿勢(点検用ブーム姿勢)となっているか否かを目視により確認できるようになっているものであれば、必ずしも上述の構成(起伏角度指示器100と、長さ確認マーク110と、旋回角度確認マーク120)でなくてもよい。 【0042】また、上述の実施形態では、走行体の転倒を防止するブーム動作の規制制御として、ブームの取り得る姿勢に一定の制限を設ける方法(作業範囲規制制御)が用いられる場合の例を示したが、ブームの先端部に作用する荷重と、ブーム先端部の位置との関係から走行体に作用する転倒モーメントを求め、この転倒モーメントが許容値を逸脱しないようにブームの動作を制御する方法(モーメントリミッタ制御)が用いられる場合であっても同様に本発明を適用することができる。 【0043】 【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るブーム作業車の点検装置においては、ブームを予め定めたプログラムに従って動作させ、起伏角度等検出手段により検出されたブームの起伏角度、旋回角度等の組み合わせが、予め設定した所定のブーム姿勢に対応するブームの起伏角度、旋回角度等の組み合わせと一致した時点でこれ(ブーム)を停止させるようになっているので、この停止した状態におけるブームの姿勢が、予め設定した所定のブーム姿勢となっているか否かを目視で確認することにより、起伏角度等検出手段の出力が正常であるかどうかを判断することができる。これにより、起伏角度等検出手段の出力の正常異常を判断するために作業者自らの技量でブームを所定の姿勢にする必要があった従来に比べてブームの操作に不慣れな初心者等であっても容易に且つ短時間で起伏角度等検出手段の点検作業を行えるようになるので、作業効率は格段に向上する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000116644 【氏名又は名称】株式会社アイチコーポレーション 【住所又は居所】愛知県名古屋市中区千代田2丁目15番18号
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| 【出願日】 |
平成13年6月25日(2001.6.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100092897 【弁理士】 【氏名又は名称】大西 正悟
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| 【公開番号】 |
特開2003−2597(P2003−2597A) |
| 【公開日】 |
平成15年1月8日(2003.1.8) |
| 【出願番号】 |
特願2001−190733(P2001−190733) |
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