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【発明の名称】 |
張力制御システム |
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【氏名】發田 学 【住所又は居所】静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写真フイルム株式会社内 |
【課題】ブライドルセクションの前後の張力比をテンションカット可能な範囲内に制御することにより、安定したウエブ走行を実現することができる張力制御システムを提供することを課題とする。
【解決手段】第2ブライドルセクション14の入口側の張力T2を測定する張力計50をPS版製造ラインに設ける。また、ウエブの張力を制御する張力制御手段18を設ける。張力制御手段18は、T2と、第2ブライドルセクション14の出口側の設定張力値T3との比を算出し、T2/T3の値が第2ブライドルセクション14のテンションカット能力範囲内になるように、第1ダンサ30の設定張力値T1の増減を制御する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 入口側または出口側でウエブに張力偏差が生じるブライドルセクションのウエブ張力を制御する張力制御システムであって、前記ブライドルセクションの入口側と出口側との張力を測定してその比を算出する張力比算出手段と、前記張力比算出手段で算出された張力比に基づいて、前記ブライドルローラの前後の少なくとも一方の張力を調整する調整手段と、を備え、前記張力比が前記ブライドルセクションのテンションカット能力を超えると、前記調整手段がウエブの張力補正を行って、前記張力比を前記ブライドルセクションのテンションカット能力内に復帰させることを特徴とする張力制御システム。 【請求項2】 前記ブライドルセクションの入口側または出口側にダンサが設けられ、前記調整手段が前記ダンサによる張力を増減させることにより前記張力補正が行われることを特徴とする請求項1に記載の張力制御システム。 【請求項3】 前記張力補正が行われる際、前記調整手段が前記ダンサによる張力を段階的に増大又は減少させることを特徴とする請求項2に記載の張力制御システム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、PS版などの平版印刷版を製造するウエブハンドリングラインで張力を制御する張力制御システムに関し、更に詳細には、張力偏差を発生する工程の前後のウエブ張力を補正し、安定したウエブ走行を可能にする張力制御システムに関する。 【0002】 【従来の技術】PS版を製造するライン(PS版製造ライン)では、長尺のアルミ支持体(アルミウエブ)を搬送しながら表面処理工程などの各種の処理工程を行っている。これらの処理工程には、一般に、アルミウエブの張力カット(テンションカット)を行うブライドルローラと、このブライドルローラの入口側または出口側の張力を調整するダンサと、を有するブライドルセクションが設けられている。 【0003】ところで、PS版製造ラインのダンサ張力、すなわちダンサによって設定されるアルミウエブの張力は、製造するPS版の品種、及び、アルミウエブの幅、厚みによりー定の値に設定していた。 【0004】しかしながら、ブラシグレイニング等の張力偏差を発生させる工程の前後にブライドルセクションが設けられている場合、この工程での張力偏差が変化し易いので、ブライドルセクションの入口側もしくは出口側でのウエブ張力が安定しない。このため、ブライドルセクション前後のウエブ張力比がテンションカット可能な範囲を超えてしまって、適切なテンションカットが行われないことがあり、このため、安定したウエブハンドリングができないという問題が生じていた。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事実を考慮して、ブライドルセクションの前後の張力比をテンションカット可能な範囲内に制御することにより、安定したウエブ走行を行うことができる張力制御システムを提供することを課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明では、入口側または出口側でウエブに張力偏差が生じるブライドルセクションのウエブ張力を制御する張力制御システムであって、前記ブライドルセクションの入口側と出口側との張力を測定してその比を算出する張力比算出手段と、前記張力比算出手段で算出された張力比に基づいて、前記ブライドルローラの前後の少なくとも一方の張力を調整する調整手段と、を備え、前記張力比が前記ブライドルセクションのテンションカット能力を超えると、前記調整手段がウエブの張力補正を行って、前記張力比を前記ブライドルセクションのテンションカット能力内に復帰させることを特徴とする。 【0007】張力比算出手段は、張力偏差が発生する箇所に設置された張力計を備えていることが多い。 【0008】請求項1に記載の発明により、ブライドルセクションの入口側もしくは出口側の張力偏差が発生しても、ブライドルセクションでテンションカットが不可能な状態になることが自動的に回避され、ブライドルセクションで常に良好にテンションカットできる。 【0009】請求項2に記載の発明では、前記ブライドルセクションの入口側または出口側にダンサが設けられ、前記調整手段が前記ダンサによる張力を増減させることにより前記張力補正が行われることを特徴とする。 【0010】請求項2に記載の発明により、簡易な構成で、請求項1に記載の発明の効果を奏することができる。 【0011】この場合、ブライドルセクションの一方の側であって張力偏差が発生し難い箇所にダンサを、ブライドルセクションの他方の側(もう一方の側)であって張力偏差が発生し易い箇所に張力計を、それぞれ設け、ダンサによる設定張力値と、張力計による測定張力値と、を読み込んでブライドルセクション前後のテンションカット比率を計算し、安定したテンションカットが不可能な状態になった時、安定したテンションカットが可能な状態に自動的に復帰させるようにダンサの設定張力値を調整してもよい。 【0012】これにより、設置する計測機器の個数を減らすことができ、張力比算出手段の構成を簡素にすることができる。 【0013】請求項3に記載の発明では、前記張力補正が行われる際、前記調整手段が前記ダンサによる張力を段階的に増大又は減少させることを特徴とする。 【0014】これにより、制御方式を簡易にすることができる。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら実施形態を挙げ、本発明の実施の形態について説明する。 【0016】本発明の一実施形態で説明するPS版製造ラインは、図1に示すように、第1ブライドルセクション12と、第1ブライドルセクション12の下流側に設けられ、アルミウエブW(長尺のアルミ支持体であり、以下単にウエブWという)の張力偏差を発生させる工程を行う処理部38と、処理部38の下流側に設けられた第2ブライドルセクション14と、を備えており、本形態に係る張力制御システム10は、処理部38によってウエブWの張力が変動しても、すなわちウエブWに張力偏差が生じても、第2ブライドルセクション14で常に良好にテンションカットできるようにウエブWの張力を調整するシステムである。 【0017】以下、処理部38として、複数本のブラシ40A〜Cを備えてブラシグレイニング工程を行うブラシグレイニングセクション38が設けられている例を挙げて説明する。なお、このブラシグレイニング工程が行われたウエブは、更にその他の表面処理が行われた後、感光液が塗布され、更に乾燥されて感光層が形成されることが多い。 【0018】第1ブライドルセクション12は、2本のブライドルローラ20、22と第1ダンサ30とで構成されており、同様に、第2ブライドルセクション14は、2本のブライドルローラ24、26と第2ダンサ32とで構成される。 【0019】第1ダンサ30の設定張力値T1(第1ダンサ30の出口張力)は、本形態のPS版製造ラインに設けられた第1張力設定手段16により設定される。第2ダンサ32の設定張力値T3(第2ダンサ32の入口張力)も、同様に、本形態のPS版製造ラインに設けられた第2張力設定手段17により設定される。 【0020】また、本形態のPS版製造ラインには、第2ブライドルセクション14の入口張力T2を計測する張力計50が設けられている。更に、本形態のPS版製造ラインには、この張力計50の測定張力値と、第2ダンサ32の設定張力値T3と、に基づいて、第1ダンサ30の設定張力値T1の増減量を第1張力設定手段16に指令する張力制御手段18が設けられている。 【0021】ブラシグレイニング工程では、各々のブラシが所定の電力を出力するように制御される。ブラシ40が電力を出力することにより、ブラシグレイニング工程の出口張力T2(すなわち第2ブライドルセクション14の入口張力T2)は、ブラシグレイニング工程の入口張力T1よりも低くなる。 【0022】通常は、ブラシグレイニング工程による張力低下分△Tを考慮し、第1ダンサ30の設定張力値T1を予め高い値に設定しておき、第2ブライドルセクション14の入口張力T2(=T1−△T)と、第2ブライドルセクション14の出口張力T3と、の比(T2/T3)が、第2ブライドルセクション14でテンションカット可能な範囲に収まるように、T1及びT3の値を設定する。 【0023】ここで、ブラシグレイニング工程のブラシの状態、ウエブWの表面の状態等により、第2ブライドルセクション14の入口張力T2が低すぎる値になり、第2ブライドルセクション14でテンションカットすることが不可能となる状態が発生することがある。本形態では、このような状態が発生した際、第1ダンサ30の設定張力値T1を自動的に上昇させることによりブラシグレイニング工程の出口張力T2(すなわち第2ブライドルセクション14の入口張力T2)を上昇させ、第2ブライドルセクション14でのテンションカットが可能となる状態に復帰させる機能を与える。 【0024】また、ブラシグレイニング工程のブラシの状態、ウエブWの表面の状態等により、第2ブライドルセクション14の入口張力T2が高すぎる値になり、第2ブライドルセクション14でテンションカットすることが不可能となる状態が発生することがある。本形態では、このような状態が発生した際、第1ダンサ30の設定張力値T1を自動的に低減させることによりブラシグレイニング工程の出口張力T2を低減させ、第2ブライドルセクション14でのテンションカットが可能となる状態に復帰させる機能を与える。 【0025】[実施例]以下、具体的な一実施例を、便宜上、上記実施形態で説明した図1と、フローチャート図である図2と、を用いて説明する。 【0026】本実施例では、基準張力値を発信する第1張力基準発生器52と、第1張力基準発生器52からの基準張力値を受信し、張力制御手段18からの信号に基づいてこの基準張力値に一定値を加算する加算器66と、加算器66からの信号を受信し、第1ダンサ30に所定の空気圧を与える第1電空変換器68と、が第1張力設定手段16として設けられている。 【0027】また、基準張力値を発信する第2張力基準発生器54と、第2張力基準発生器54からの基準張力値を受信し、第2ダンサ32に所定の空気圧を与える第2電空変換器70と、が第2張力設定手段17として設けられている。 【0028】また、張力制御手段18には、第2張力基準発生器54からの信号、及び、張力計50からの信号を受信し、張力計50で計測された測定張力値を、第2張力基準発生器54からの基準張力値で除算した除算値(比)を算出する比較器62と、除算値に基づいて張力補正信号を加算器66へ送信する張力補正信号発生器64と、が設けられている。 【0029】本実施例では、上記の機器を備えたPS版製造ラインを用い、以下の条件で実施する。 【0030】ウエブ材質:アルミウエブ巾 :1300mmウエブ厚み:0.24mmウエブ走行速度:50m/分第1ダンサ30の設定張力=T1:4000[N] 第2ダンサ32の設定張力=T3:2000[N] 第2ブライドルセクションでテンションカット可能なテンション比率:0.5≦T2/T3≦2.0上記の条件にてウエブ走行中、通常では、第1ブライドルセクション12の出口張力T2は1000[N]以上となり、第2ブライドルセクション14でテンションカット可能なテンション比率の条件:T2/T3≧0.5を満たす(図2のステップS1)。 【0031】しかしながら、ブラシ40A〜Cの状態、及びウエブWの状態によりT2<1000[N]となる事態、すなわち、T2/T3<0.5となる事態が発生し得る。この場合、比較器62は張力計50の測定張力値と第2張力基準発生器54の基準張力値との比を算出して比較し、第2ブライドルセクション14でテンションカット可能なテンション比率:0.5≦T2/T3を下回る状態になっていることを検出する(ステップS1)。 【0032】この結果、比較器62は、張力補正信号発生器64に対し、第1ダンサ30の設定張力値を上昇させるための信号を出力する。この結果、張力補正信号発生器64は、補正張力(例:50[N])を加算器66に出力する。加算器66は、第1張力基準発生器52からの設定張力値4000[N]と、張力補正信号発生器64からの補正張力50[N]とを加算し、4000+50=4050[N]の張力設定信号を第1電空変換器68に出力する(ステップS2)。この結果、第1電空変換器68は、第1ダンサ30が4050[N]の張力を発生させるように(すなわち第1ダンサ30の設定張力値T1が4050[N]となるように)、所定の空気圧を第1ダンサ30の空圧シリンダに与える。 【0033】比較器62は、再度T2/T3の比率を計算し、第2ブライドルセクション14でテンションカット可能な比率か否かを判定する。依然T2<1000〔N〕の場合、比較器62は、第2ブライドルセクション14でテンションカット可能なテンション比率:0.5≦T2/T3を下回る状態であることを検出する(ステップS1)。 【0034】この結果、比較器62は、再度、張力補正信号発生器64に対し、第1ダンサ30の設定張力値T1を上昇させるための信号を出力する。この結果、張力補正信号発生器64は、先に出力した補正張力50[N]に対しさらに50[N]加え、合計100[N]の張力補正値を加算器66に出力する。加算器66は第1張力基準発生器52からの設定張力値4000[N]と、張力補正信号発生器64からの補正張力100[N]を加算し、4000+100=4100[N]の張力設定信号を第1電空変換器68に出力する(ステップS2)。第1電空変換器68は、第1ダンサ30が4100[N]の張力を発生させるように所定の空気圧を第1ダンサ30の空圧シリンダに与える。 【0035】上記動作を、第2ブライドルセクション14でテンションカット可能な比率:0.5≦T2/T3の状態になるまで、自動的に繰り返す。これにより、第1ブライドルセクション12を安定したテンションカットができる状態にすることができる。 【0036】以上は、第1ブライドルセクション12から第2ブライドルセクション14にかけて張力が減少する場合の例であるが、逆に張力が上昇し、T2/T3>2.0となる工程については、補正張力をマイナスの値(例:−50[N])とし、T2/T3≦2.0となる状態にまで制御を繰り返せば(ステップS3、ステップS4)、同様に、第2ブライドルセクション14を安定したテンションカットができる状態にすることができる。 【0037】なお、以上の説明では第1ダンサ30の設定張力値T1を調整する例を挙げたが、第1ブライドルセクション12の入口張力T0や、第2ブライドルセクション14よりも下流側に設けられたブライドルセクションの入口張力を考慮して、第1ダンサ30及び第2ダンサ32の両者の張力を調整するようにしてもよい。 【0038】このように、本形態によれば、張力偏差を発生させる工程(ブラシグレイニング工程等)に接するブライドルセクションであっても、ダンサの設定張力値を自動的に補正することにより張力偏差量を減少させ、ブライドルセクションでテンションカット可能な張力比となる状態にすることにより、安定したウエブ搬送を実現することができる。 【0039】以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、上記実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。 【0040】 【発明の効果】本発明は上記構成としたので、ブライドルセクションの前後の張力比をテンションカット可能な範囲内に自動的に制御することにより、安定したウエブ走行を行うことができる張力制御システムが得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005201 【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社 【住所又は居所】神奈川県南足柄市中沼210番地
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| 【出願日】 |
平成14年2月8日(2002.2.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079049 【弁理士】 【氏名又は名称】中島 淳 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−238000(P2003−238000A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月27日(2003.8.27) |
| 【出願番号】 |
特願2002−31698(P2002−31698) |
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