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【発明の名称】 ジッパ袋及びその製造方法
【発明者】 【氏名】市川 徹

【氏名】呉 江

【要約】 【課題】内容物の注出時の取り扱いを容易にでき、しかも、目詰まりの起こりにくいジッパ袋及びジッパ袋の製造方法を提供する。

【解決手段】袋本体部を構成する一対の平面部2の内面に前記袋本体部の口部を開閉自在とするジッパ20を備えたジッパ袋1において、前記ジッパ20を、前記ジッパ袋の幅方向の片側にて、その延びる方向が前記袋本体部の上縁8及び側縁5のいずれとも斜めに交差するように配する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 袋本体部を構成する一対の平面部の内面に前記袋本体部の口部を開閉自在とするジッパを備えたジッパ袋において、前記ジッパは、前記ジッパ袋の幅方向の片側にて、その延びる方向が前記袋本体部の上縁及び側縁のいずれとも斜めに交差するように配されていることを特徴とするジッパ袋。
【請求項2】 前記ジッパを構成する雄型部材及び雌型部材は、射出成形によって前記平面部の内面にそれぞれ形成されたことを特徴とする請求項1記載のジッパ袋。
【請求項3】 前記ジッパを構成する雄型部材及び雌型部材は、これらの長手方向において、前記袋本体部の上縁及び側縁と交わる部分の肉厚が相対的に薄く形成されていることを特徴とする請求項1記載のジッパ袋。
【請求項4】 前記袋本体部の口部には、前記ジッパの外側に前記ジッパと平行をなす開封案内部が取り付けられていることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のジッパ袋。
【請求項5】 袋本体部を構成する一対の平面部の内面に前記袋本体部の口部を開閉自在とするジッパを備えたジッパ袋の製造方法において、フィルム材を二つ折りして一対の平面部として構成される部分を形成し、次いで、前記平面部をその上端から所定の長さの位置を基線として互いに内面が露出されるように折り曲げて開き面を形成し、次いで、前記平面部の重なり合っている両側縁同士をヒートシールし、次いで、前記ジッパを構成する雄型部材と雌型部材とを前記開き面の内面の片側部に、開き面の側縁及び上縁のいずれとも斜めに交わる方向に延びるように射出成形することでそれぞれ成形し、その後、前記開き面の上縁の中で、前記ジッパの成形されていない側の側縁から前記ジッパの端部が交わる位置までの区間に未シール部が形成されるように、当該開き面の周縁同士をヒートシールし、そして、前記未シール部から内容物を充填した後にこの未シール部をヒートシールすることを特徴とするジッパ袋の製造方法。
【請求項6】 袋本体部を構成する一対の平面部の内面に前記袋本体部の口部を開閉自在とするジッパを備えたジッパ袋の製造方法において、帯状のフィルム材をその長手方向に搬送させつつ、線状のジッパを、このフィルム材の長手方向に送り出してこのフィルム材の側縁より内側部分に取り付け、前記ジッパが袋本体部の片側部にて袋本体部の上縁及び側縁のいずれもと斜めに交わるように前記フィルム材に袋本体部の上下方向を前記フィルム材の側縁に対して斜めに傾けて、前記フィルム材の長手方向に前記袋本体部を複数形成する工程を有することを特徴とするジッパ袋の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、袋本体部の口部を自在に開閉可能とするジッパを備えたジッパ袋及びジッパ袋の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スタンディングパウチや平袋において、これらの袋本体部の口部を自在に開閉させるためのジッパが、袋本体部の口部に設けられたものが知られている。かかる袋体に取り付けられるジッパは、係脱自在な雄型部材と雌型部材とから構成されており、これら部材が袋本体部を構成する一対の平面部にそれぞれ対向するようにして袋本体部の幅方向に延びるようにして装着されている。そして、ジッパは袋本体部の幅方向のほぼ全域にわたって延びていて、このジッパを開くことにより袋本体部は幅方向の全域において口部が開かれるように構成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来から使用されていた上記袋体に粉体や粒体を充填した場合、この袋体を傾け、口部を容器等の開口部に軽く打ち付けて、内容物を直に容器等に移し代えようとすると、予想外に大量の内容物が飛び出してしまうことがあり、取り扱いに不便な点があった。
【0004】また、ジッパが袋本体部の幅方向全域について取り付けられているので、内容物が雌型部材の溝部等に目詰まりしてしまう確率が、その全長が長い分だけ大きい。特に、細かい粒の粉体を充填した場合にかかる目詰まりの起きるおそれが高い。粉体等が目詰まりするとジッパを完全に閉鎖させることができず、内容物の品質保持を十分に図ることが困難となってしまう。
【0005】本発明はかかる問題点に鑑みなされたものであり、内容物の注出時の取り扱いを容易にでき、しかも、目詰まりの起こりにくいジッパ袋及びジッパ袋の製造方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解決するために、袋本体部を構成する一対の平面部の内面に前記袋本体部の口部を開閉自在とするジッパを備えたジッパ袋において、前記ジッパを、前記ジッパ袋の幅方向の片側にて、その延びる方向が前記袋本体部の上縁及び側縁のいずれとも斜めに交差するように配した。
【0007】本発明によれば、ジッパ袋の口部を袋本体部の上縁の片隅に設けることができ、口部の大きさを小さく設けることができる。このため、内容物として粉体や粒体を充填した場合、極めて容器に注出しやすいジッパ袋とすることができる。
【0008】また、口部を小さくすることができることに伴い、短いジッパによってジッパ袋の口部を自在に開閉することが可能となる。したがって、粉体等を充填した場合、この粉体が目詰まりする確率を低くできるばかりか、たとえ目詰まりした場合でも容易に除去することできる。
【0009】また本発明では、上記ジッパ袋において、前記ジッパを構成する雄型部材及び雌型部材は、射出成形によって前記平面部の内面にそれぞれ形成されたことを特徴とする。射出成形でジッパを成形することにより、線状のジッパ部材を取り付けるのに困難な部分でも容易にジッパを設けることができる。また、上縁及び側縁のいずれとも斜めに交わる方向に延びるようにジッパを設けることが容易となる。また、袋本体部を構成するフィルム材を無駄なく使用することができる。
【0010】また、本発明では上記ジッパ袋において、前記ジッパを構成する雄型部材及び雌型部材は、これらの長手方向において、前記袋本体部の上縁及び側縁と交わる部分の肉厚が相対的に薄く形成されていることを特徴とする。
【0011】袋本体部の上縁及び側縁は平面部材同士がヒートシールされて形成されるが、この際、ヒートシール部とジッパの端部との間に隙間が形成されたいようにジッパの長手方向における両端を挟み込んでヒートする。しかし、このようにしてシールするとシール不良が形成されるおそれがある。
【0012】本発明によれば、シール不良を発生させることを防止すると共に、ジッパの両端とヒートシール部との間に隙間が形成されることを確実に防止できる。
【0013】また、本発明では上記ジッパ袋において、前記袋本体部の口部には、前記ジッパの外側に前記ジッパと平行をなす開封案内部が取り付けられていることを特徴とする。
【0014】本発明によれば、単に開封容易部としての切り込みを形成した場合よりさらに口部を容易に開封することができる。また、その切り口も直線的にきれいな切り口とすることができる。
【0015】なお、当該開封案内部をジッパの長手方向の中央部で分割し、この部分で対象となるように設ければ、この開封案内部が開口補助部材として機能する。
【0016】また、本発明では上記課題を解決するために、袋本体部を構成する一対の平面部の内面に前記袋本体部の口部を開閉自在とするジッパを備えたジッパ袋の製造方法において、フィルム材を二つ折りして一対の平面部として構成される部分を形成し、次いで、前記平面部をその上端から所定の長さの位置を基線として互いに内面が露出されるように折り曲げて開き面を形成し、次いで、前記平面部の重なり合っている両側縁同士をヒートシールし、次いで、前記ジッパを構成する雄型部材と雌型部材とを前記開き面の内面の片側部に、開き面の側縁及び上縁のいずれとも斜めに交わる方向に延びるように射出成形することでそれぞれ成形し、その後、前記開き面の上縁の中で、前記ジッパの成形されていない側の側縁から前記ジッパの端部が交わる位置までの区間に未シール部が形成されるように、当該開き面の周縁同士をヒートシールし、そして、前記未シール部から内容物を充填した後にこの未シール部をヒートシールするジッパ袋の製造方法を採用した。
【0017】かかる方法でジッパ袋を製造すれば、ジッパ袋の口部を袋本体部の上縁の片隅に設けることができ、口部の大きさを小さく設けることができる。このため、内容物として粉体や粒体を充填した場合、極めて容器に注出しやすいジッパ袋とすることができる。また、口部を小さくすることができることに伴い、短いジッパによってジッパ袋の口部を自在に開閉することが可能となる。したがって、粉体等を充填した場合、この粉体が目詰まりする確率を低くできるばかりか、たとえ目詰まりした場合でも容易に除去することできる。
【0018】また、射出成形でジッパを成形することで、上縁及び側縁に対して斜めに延びる方向に容易にジッパを配置できる。
【0019】また、袋本体部を形成する際に上縁に開口部を形成するので、内容物を容易に充填することができる。
【0020】さらに、本発明では上記課題を解決するために、袋本体部を構成する一対の平面部の内面に前記袋本体部の口部を開閉自在とするジッパを備えたジッパ袋の製造方法において、帯状のフィルム材をその長手方向に搬送させつつ、線状のジッパを、このフィルム材の長手方向に送り出してこのフィルム材の側縁より内側部分に取り付け、前記ジッパが袋本体部の片側部にて袋本体部の上縁及び側縁のいずれもと斜めに交わるように前記フィルム材に袋本体部の上下方向を前記フィルム材の側縁に対して斜めに傾けて、前記フィルム材の長手方向に前記袋本体部を複数形成する工程を有するジッパ袋の製造方法を採用した。
【0021】かかる製造方法を採用することで、射出成形によらず、従来から一般に使用されている押し出し成形で成形される線状のジッパを使用することができる。このため、製造工程中に射出成形機を備え付けることなくジッパ袋を製造できる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0023】図1は、本発明の一実施形態にかかるジッパ袋の正面図であり、図2はジッパ袋の口部10が開封された状態における斜視図をそれぞれ示している。このジッパ袋はスタンディングパウチ1であり、一対の平面部2,2と湾曲した底面部3とから構成されている。平面部2,2はその側縁5,6及び上縁8がヒートシールされており、底面部3は、下側に向けて凸状になるように湾曲してこれら平面部2,2の下部にて平面部2,2の内面にヒートシールされて構成されている。
【0024】また、このスタンディングパウチ1の上部には、平面部2,2の内面にスタンディングパウチ1の口部10を開閉自在とするジッパ20が設けられている。ジッパ20は、平面部2,2の片側部にて、袋本体部1Aの上縁5及び側縁5のいずれとも斜めに交わるように配置されている。このスタンディングパウチ1において、口部10は当該ジッパ20の設けられた袋本体部1Aの上隅の部分である。この口部10には、ジッパ20の長手方向の両端に対応する袋本体部1Aの上縁8並びに側縁5の位置に、切り込み11,11が形成されている。この切り込み11,11はスタンディングパウチ1の口部10の開封容易部としての機能を果たしている。口部10を開封するには、当該切り込み11,11のいずれか一方を起点としてジッパ20の外側部分をジッパ20の延びる方向に沿って切り裂くことで行われる。
【0025】このスタンディングパウチ1を構成する平面部2,2並びに底面部3の材質としては、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン又はポリエチレン等の樹脂、若しくはこれらの樹脂から選ばれる2以上の樹脂シートの積層体を用いることができる。
【0026】積層体で透明なスタンディングパウチ1を形成する場合には、例えば、次の積層体が使用される。
【0027】2軸延伸ポリエステル(PET)または2軸延伸ナイロン/印刷/ドライラミネートの接着剤(DL)/未延伸ポリプロピレン(CCP)
【0028】あるいは、2軸延伸ポリエステル(PET)または2軸延伸ナイロン/印刷/ドライラミネートの接着剤(DL)/直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)
【0029】一方、アルミ箔層を有する積層体で不透明なスタンディングパウチ1を形成する場合には、例えば次の積層体が使用される。
【0030】2軸延伸ポリエステル(PET)または2軸延伸ナイロン/印刷/ドライラミネートの接着剤(DL)/アルミ箔(AL)/ドライラミネートの接着剤(DL)/未延伸ポリプロピレン(CCP)
【0031】あるいは、/2軸延伸ポリエステル(PET)または2軸延伸ナイロン/印刷/ドライラミネートの接着剤(DL)/アルミ箔(AL)/ドライラミネートの接着剤(DL)/直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)
【0032】口部10に設けられたジッパ20は、図3に示すように、相互に係脱自在な雄型部材21と雌型部材24とから構成されている。雄型部材21は、平面部2,2の内面に密着された帯状の基部22と、この基部22の幅方向における中央部において、雌型部材24に向けて突出する係合突起23とから構成されている。係合突起23は雄型部材21のほぼ全長にわたって設けられており、横断面の形状が円弧状に形成されている。一方、雌型部材24は帯状の基部25と、その幅方向の中央部から雄型部材21に向けて突出するように設けられた係合部26と、基部25と係合部26とを一体に連結している連結部27とから構成されている。係合部26はその内部に形成された溝28に雄型部材21の係合突起23を係合させるたものである。係合部26はその横断面が円弧状に形成された部材であり、雌型部材24の長手方向のほぼ全域にわたり形成されている。また、これに形成された溝28についてもその横断面の形状が円弧状に形成されている。
【0033】これら雄型部材21及び雌型部材24は、その長手方向の両端部21a,24aが中央部から端部に向けて漸次薄肉になるように形成されている。これらの部材21,24における両端部21a,24aは、平面部2,2同士が相互にヒートシールされる平面部2,2の上縁部8と側縁5とに対応する部分である。両端部21a,24aの肉厚が薄くなるように雄型部材21及び雌型部材24を構成することで、この部分においてシール不良を起こすことなく平面部2,2同士のヒートシールが確実に行われる。また、漸次薄肉になるように構成することによって、平面部2,2同士のヒートシール部5,8とジッパ20の両端部との間に隙間が形成されることを防止している。
【0034】なお、これら雄型部材21及び雌型部材24は、後述するように、熱可塑性の樹脂が射出成形によって平面部2,2の内面にそれぞれ成形されたものである。
【0035】このスタンディングパウチ1は、以下に説明するようにして製造される。
【0036】まず、図5に示すように、帯状のフィルム材30をその長手方向に搬送させながら、その幅方向のほぼ中央部において折り込み部32が形成されるようにして、両側縁を上方に向けて二つ折りにする。折り込み部32は、フィルム材30の幅方向の中心線が折り線となるように上側に凸となるようにして形成する。次いで、フィルム材30の両側部を内面が露出するようにして、側縁から所定幅だけ外側に折り広げて、開き面33,33を形成する。
【0037】次いで、このフィルム材30の開き面33,33より下側の部分31,31について、フィルム材30の長手方向の所定幅毎に当該フィルム材30を上下方向に順次ヒートシールする。このヒートシール部35…35の間が1つのスタンディングパウチ1として形成される部分であり、ヒートシール部35…35がスタンディングパウチ1の側縁5,6として構成される。この上下方向に延びるヒートシール部35…35を形成した後、平面部2,2を構成する部分31,31と折り込み部32とをヒートシールして、底面部3として構成される部分を形成する。各平面部を構成する部分31,31の下部と、これらにそれぞれ対向する折り込み部32の面とを下向きに凸となるように円弧状にそれぞれヒートシールして順次底面部3を形成する。
【0038】スタンディングパウチ1の側縁5,6及び底面部3に対応する部分を形成した後、フィルム材30は射出成形機40に搬送される。この射出成形機40は開き面33,33の内面にスタンディングパウチ1の口部10を自在に開閉するジッパ20を成形する装置である。
【0039】射出成形機40に搬送されたフィルム材30は、図6に示すように、開き面33,33の内面に雄型部材21又は雌型部材24がそれぞれ射出成形される。射出成形機40の金型41は、一方の開き面33に対応する位置に雄型部材21を成形する雄型部材成形部42を、他方の開き面33に対応する位置に雌型部材24を成形する雌型部材成形部43を開き面33,33の上側にそれぞれ備えている。一方、射出成形機40は、開き面33,33の下側にこれら開き面33,33を下から水平に支持する支持台45,45を備えている。
【0040】両成形部42,43は、熱で融かされて流動性ある樹脂が充填されたシリンダ(不図示)と通路46でそれぞれ連通されており、流動性の樹脂が通路46を介してシリンダから流し込まれる。両成形部42,43に流し込まれた樹脂はこれら成形部42,43で冷却されて硬化し、雄型部材21及び雌型部材24として成形される。
【0041】この射出成形によって雄型部材21及び雌型部材24は、図7に示すように、進行方向前方に向けて先細りとなる配置にそれぞれ成形される。すなわち、これら雄型部材21及び雌型部材24は、各スタンディングパウチ1の上縁8を構成する辺8a…8a、及び進行方向前側の側縁5に対応する辺5a…5aのいずれとも斜めに交わる方向に延びるように配置される。その後、フィルム材30はスタンディングパウチ1の側縁5,6を構成するヒートシール部35…35でそれぞれ切断され、上部の開放されたスタンディングパウチ1の半製品が形成される。
【0042】その後、図8(a)〜図8(c)に示す工程を経て内容物の充填されたスタンディングパウチ1が完成される。
【0043】図8(a)に示す工程では、まず、折り曲げられていた開き面33,33を上方に向けて延ばし、開き面33,33同士を重ね合わせる。そして、重ね合わされた開き面33,33の両側縁同士33a,33a、並びに上縁のうち右端縁からジッパ20の端部と上縁8とが交わる位置までの区間33bをヒートシールする。これにより、半製品1Bの上縁の左端縁からジッパの端部までの区間に開口部8Aを形成する。その後、上縁8及び側縁5のジッパ20の両端部に対応する部分に開封容易部としての切り込み11,11が形成される。次いで、図8(b)に示すように、上縁に形成された開口部8Aから粉体又は粒体を内部に充填する。その後、図8(c)に示すように開口部8Aとして機能していた上縁部をヒートシールして、密封されたスタンディングパウチ1を完成させる。
【0044】かかる工程を経て、図1及び図2に示したジッパ袋としてのスタンディングパウチ1は形成される。なお、本発明は、以上に説明したスタンディングパウチ1の他に、平袋について適用しても構わない。
【0045】以上に説明したジッパ袋は、その口部をなす部分にジッパ以外に特別な部材を備えないスタンダードなものであるが、図9及び図10に示すように、口部に開封案内部材を設けると、さらに便利なジッパ袋とすることができる。
【0046】このジッパ袋50では、図9に示すように、ジッパ20の外側にジッパ20と平行に袋体を開封させるための開封案内部材51,52が設けられている。開封案内部材51,52はジッパ20の外側において所定の幅に形成された2つの台形状の開封案内部材51,51と、これら台形状の開封案内部材51,51のさらに外側に設けられた2つの三角状の開封案内部材52,52とから構成されている。これら両開封案内部材51,52はジッパ袋50の頂部Pと、ジッパ20の長手方向の中心部Qを結ぶ線Lを境に対象にそれぞれ1つずつ配されている。さらに、台形状の開封案内部材51,51と三角状の開封案内部材52,52とは、一定の隙間を隔てて配されている。
【0047】また、ジッパ袋50の上縁58と側縁55とには、台形状の開封案内部材51,51と三角状の開封案内部材52,52との間に形成された隙間に対応する部分に開封容易部としての切り込み61,61がそれぞれ形成されている。すなわち、このジッパ袋50では台形状の開封案内部材51,51と三角状の開封案内部材52,52との間に形成された隙間の部分がこれら両部材51,52に案内されながら開封されるように構成されている。
【0048】台形状の開封案内部51,51は、口部60が開封されされた後は、図10に示すように、開口補助部材としての機能を果たす。すなわち、ジッパ20の長手方向における中央部Q,Qは開封案内部材51,51が存在しないため、この部分は剛性が低く折れ曲がりやすい。一方、開封案内部材51,51が設けられた部分は剛性が高くこの部分で折れ曲がることがなく、開封案内部材51,51が、いわゆる「つかえ棒」の役割を果たす。このため、ジッパ20を長手方向に圧縮するようにして口部60を押し広げると、口部60は、ジッパ20の長手方向の中央部Q,Qで折れ曲がり、この折れ曲がった部分が開封案内部材51,51によりジッパ袋50の厚さ方向に押し広げられることになる。
【0049】また、かかる開封案内部材51,51の作用により、口部60の両端部60a,60a、及び中央部Q,Qの折れ曲がり部分に明確な角が形成される。このため、ジッパ袋50を傾けて口部60を容器等に軽くたたいて内容物を取り出す際、この角となる部分が注出案内部としての役割を果たす。内容物が粉体や粒体である場合、容器の周辺に内容物を飛散させることなく的確に容器に注ぎ込むことができる。
【0050】なお、これら台形状の開封案内部材51,51及び三角状の開封案内部材52,52は、共に射出成形によって成形されたものである。特に図示していないが、これら開封案内部材51,52は、ジッパ20を構成する雄型部材21及び雌型部材24が上記開き面33,33に成形される射出成形の工程で、これら両部材21,24と共に射出成形されることで設けられている。
【0051】以上、ジッパを構成する雄型部材と雌型部材とを射出成形により成形したジッパ袋について説明したが、これに限定されるものではなく、図11に示すように、押し出し成形により予め成形した線状のジッパをフィルム材に装着してジッパ袋を形成しても構わない。
【0052】この図11に示す実施の形態では、帯状のフィルム材70,70をその長手方向に搬送させつつ、線状のジッパ71,72をこれと同方向に送り出して、ジッパ袋を製造する方法を示している。この図11では、2枚のフィルム材70,70が平行になるようにしてこれらの長手方向に搬送させており、これら2枚のフィルム材70,70同士の間に線状の雄型部材71と雌型部材72とをそれぞれ送り出している。雄型部材71と雌型部材72とは、ドラム80,80にそれぞれ巻き付けられており、これらドラム80,80から送り出され、フィルム材70,70が互いに対向している面においてフィルム材70,70の側縁70a,70aのやや内側の部分に側縁70a,70aと平行をなすようにしてそれぞれ装着される。
【0053】ジッパ71,72が装着された後、これら2枚のフィルム材70,70は波線の矢印に示すように重ね合わされる。この際、各フィルム材70,70に装着された雄型部材71と雌型部材72とが互いに係合するように、これら2枚のフィルム材70,70は正確に位置合わせされて重ね合わされる。
【0054】その後、製造される袋本体部の幅方向における片側部にて、ジッパ71,72が袋本体部の上縁及び側縁のいずれもと斜めに交わるようにこのフィルム材70,70に複数の袋本体部が型取られる。すなわち、この図11において二点鎖線で示すように、袋本体部75…75の上下方向がこのフィルム材70,70の側縁70a,70aに対して斜めに傾けられるようにして、袋本体部75…75は型取られる。これによりフィルム材70,70に装着されたジッパ71,72は袋本体部75…75の側縁76a…76a及び上縁77…77のいずれとも斜めに傾く方向に配置される。この場合、製造されるジッパ袋がフィルム材70,70の長手方向に複数連なるようにして、袋本体部75…75の両側縁76a,76b、底縁78並びに上縁77の一部分77aがヒートシールされる。その後、ジッパ袋毎に切断されて、図12に示すように、上縁77に開口部77bの形成された半製品90が形成される。そして、半製品90の上縁77に形成された開口部77bから内容物が充填され、充填後に開口部77bがヒートシールされることでジッパ袋が完成される。
【0055】なお、平袋の他、スタンディングパウチを押し出し成形で予め成形された線状のジッパをフィルム材に装着せしめる方法で製造しても構わない。
【0056】
【発明の効果】以上、本発明によれば、内容物を容器の周囲に飛散させることなく注出することが容易に行えるジッパ袋を得ることができる。特に内容物として粉体や粒体が充填される袋に適用することで、極めて大きな効果を得ることができる。
【0057】また、従来品に比べジッパの全長を短くすることができるため、ジッパへ内容物が目詰まりする確率を小さくすると共に、目詰まりした場合でも、容易に内容物を除去できる袋体とすることができる。
【出願人】 【識別番号】000143880
【氏名又は名称】株式会社細川洋行
【出願日】 平成13年7月23日(2001.7.23)
【代理人】 【識別番号】100083839
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 泰男
【公開番号】 特開2003−34338(P2003−34338A)
【公開日】 平成15年2月4日(2003.2.4)
【出願番号】 特願2001−221935(P2001−221935)