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【発明の名称】 発泡緩衝材の梱包体及び梱包方法
【発明者】 【氏名】北原 國弘
【住所又は居所】神奈川県川崎市中原区苅宿335番地 株式会社エコロパック内
【課題】運送費が低減でき、保管容積を削減できる発泡緩衝材の梱包体及び梱包方法を提供することを目的とする。

【解決手段】複数個の発泡緩衝材を袋に梱包する梱包方法において、複数個の発泡緩衝材1を内袋2に入れる工程と、内袋2内の空気を排気手段(排気ノズル4)により排気して内袋2の体積を小さくする工程と、体積を小さくした内袋2を内袋2の横断面積と略同一又は若干大きい横断面積の外袋3内に挿入する工程を具備する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数個の発泡緩衝材を袋に梱包する梱包方法において、前記複数個の発泡緩衝材を内袋に入れる工程と、前記内袋内の空気を排気手段により排気して内袋の体積を小さくする工程と、前記体積を小さくした内袋を内袋の横断面積と略同一又は若干大きい横断面積の外袋内に挿入する工程を具備することを特徴とする発泡緩衝材の梱包方法。
【請求項2】 前記排気手段による排気は、前記内袋内の空気を内袋の底部から上方に向かって段階的に排気していくことで行うことを特徴とする請求項1記載の発泡緩衝材の梱包方法。
【請求項3】 複数個の発泡緩衝材を袋に梱包した梱包体において、前記複数個の発泡緩衝材が入れられ内部の空気を排気手段により排気して体積を小さくした内袋を、この体積を小さくした内袋の横断面積と略同一又は若干大きい横断面積の外袋内に挿入したことを特徴とする発泡緩衝材の梱包体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は発泡緩衝材の梱包体及び梱包方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、各種製品の梱包時に各種製品とダンボールの箱等の隙間を埋めるために発泡緩衝材が使用されている。この種の発泡緩衝材は、例えば、市場において0.4m3単位で包装袋に梱包した梱包体で取引されている。そして上記容積0.4m3の包装袋に、直径が約25mm、長さ約55mmの発泡緩衝材は平均約8200個入れることができる。ここで、8200個の発泡緩衝材全体の容積は約0.22m3となり、包装袋内で発泡緩衝材が占める割合(容積率)は約55%となる。従って、残りの約45%はこの8200個の発泡緩衝材の間にある空隙ということになる。
【0003】ところで、上記発泡緩衝材の梱包体を運送する場合は、重量は軽いが容積が大きいのでトラック等に積み込むことができる数が少なく、このため容積に比例した運送費がかかり、この梱包体の運送費が高くなってしまう(例えば、販売価格の20〜50%)という問題がある。また、取引先によっては保管場所が小さく一度に大量に納品することができず、この点からも一度に大量に梱包体を運送できず、結局運送費が高くなってしまうという問題もあった。
【0004】なお、上記問題点を解決するため、梱包体を機械等で押圧して容積を小さくしたうえで運送するという方法も考えられるが、梱包体内部全体を均一に圧縮することはむずかしく、また押圧する機械等が必要になりコストがかかる結果販売価格が上昇するという問題が考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、運送費が低減でき、保管容積を削減できる発泡緩衝材の梱包体及び梱包方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するため本発明は、複数個の発泡緩衝材を袋に梱包する梱包方法において、複数個の発泡緩衝材を内袋に入れる工程と、内袋内の空気を排気手段により排気して内袋の体積を小さくする工程と、体積を小さくした内袋を内袋の横断面積と略同一又は若干大きい横断面積の外袋内に挿入する工程を具備することを特徴とする。
【0007】また、排気手段による排気は、内袋内の空気を内袋の底部から上方に向かって段階的に排気していくことで行うことが好ましい。
【0008】また、複数個の発泡緩衝材を袋に梱包した梱包体において、複数個の発泡緩衝材が入れられ内部の空気を排気手段により排気して体積を小さくした内袋を、この体積を小さくした内袋の横断面積と略同一又は若干大きい横断面積の外袋内に挿入したことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態にかかる梱包体及び梱包方法に使用する発泡緩衝材1の概略斜視図である。この発泡緩衝材1は、少なくとも植物自体又はその加工材を主成分とする粉末と、ポリオレフィン系樹脂及び/又は生分解性樹脂とを所定の配合割合にて混合せしめたものを発泡して形成されたものである。
【0010】次に上記発泡緩衝材1の製造方法を説明する。図2は発泡緩衝材1の製造工程フローを示す図である。また、図3は発泡緩衝材1の製造装置の概略構成図である。まず植物自体又はその加工材の粉末10と、ポリオレフィン系樹脂及び/又は生分解性樹脂の粉末11とを用意し(ステップ1)、これらを混合攪拌し(ステップ2)、次に混合された混合物を混練且つ加熱溶融し(ステップ3)、水発泡させる(ステップ4)ことによって行われる。以下各工程について説明する。
【0011】〔ステップ1〕ここでまず植物自体又はその加工材の粉末10としては例えば、コーヒー粕又はビール粕又はふすま又は大豆殻又はおから又は醤油の絞り粕又は米ぬか等の植物残渣物、又は紙又は竹又は木又はそれらの内何れか同士を混合したものの粉末を用いる。
【0012】なお、植物残渣物の場合は、食品加工工程で粉粒状に粉砕されていることからそのまま使用することができるが、場合に応じてさらに微粉末化して使用しても良い。また紙としては新聞、雑誌等の古紙を用い、また木としては廃材等を用いるが、それ以外の紙又は木であっても良い。
【0013】次にポリオレフィン系樹脂及び/又は生分解性樹脂の粉末11の内のポレオレフィン系樹脂としては例えばポリプロピレン樹脂を用いるが、他のポリオレフィン系樹脂(例えば高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリブテン等)を用いても良い。また生分解性樹脂とは微生物あるいはその他の生物の代謝作用によって分解可能なポリマーのことであり、例えば天然高分子系、微生物生産ポリエステル、脂肪族ポリエステル、ポリ乳酸等、又はこれらの混合物をいう。
【0014】各粉末10,11の混合割合は、配合する材料によって変化する。ここで、ポリオレフィン系樹脂は石油製品であり、また生分解性樹脂は高価なため粉末11はなるべく使用したくないが、成形品にする際の接着剤となるため粉末11は20重量部程度以上ないと成形品の強度を維持しにくい。なお、導電性の粉末を加えることにより静電気の発生を防止して良い。
【0015】〔ステップ2〕次に上記各粉末10、11の混合攪拌は、植物自体又はその加工材の粉末10とポリオレフィン系樹脂及び/又は生分解性樹脂の粉末11とを混合攪拌機20に投入して攪拌部材21によって攪拌混合する。
【0016】〔ステップ3〕次に混合攪拌機20によって混合された混合物を加熱押出し機30に導入して螺旋状の突条33を設けたスクリュー35をシリンダ31内で回転することで混連しながらヒータ37で加熱溶融し、ノズル機構40内に押し出す。
【0017】〔ステップ4〕ノズル機構40は、先に行くほどその内径が小さくなる溶融物通過孔41と、その先端に設けられるノズル42とを具備して構成されている。
【0018】従って、ノズル機構40の溶融物通過孔41内に圧入された溶融物は加圧されながらノズル42から円柱状に吐き出される。その際圧力が下がるので水を含有している植物自体又はその加工材の粉末10が発泡体の核剤をなって働き、多孔質が形成されて円柱状の発泡体Aとなる。なお、発泡倍率を調整した場合は別途加熱押出し機30に所定量の水を添加する。そして、この発泡体Aをカットすることで発泡緩衝材1(図1参照)を得る。
【0019】上記発泡緩衝材1は、十分な強度とクッション性があり、しかも通気性を有し吸湿性、吸着性、呼吸性に優れている。
【0020】図4は本発明にかかる発泡緩衝材1の梱包体の概略構成図である。この梱包体は、発泡緩衝材1を内袋2及び外袋3の2つの袋で梱包した構成である。なお、内袋2及び外袋3は、合成樹脂からなるシート材で構成されている。
【0021】次に発泡緩衝材1を包装袋に梱包する方法について説明する。図5は本発明にかかる発泡緩衝材1の梱包方法を説明するための図である。
【0022】〔工程1〕まず、直径60cm、高さ200cmの内袋2に発泡緩衝材1を高さ140cmまで入れる(図5(a)参照)。
【0023】〔工程2〕次に排気ポンプなどに連結されている排気ノズル4を発泡緩衝材1が入った内袋2の中央底部まで挿入する(図5(b)参照)。なお、排気中に発泡緩衝材1が排気ノズル4内に侵入することを防ぐため、排気ノズル4の先端の排気口の大きさは発泡緩衝材1よりも小さいものを使用する。
【0024】〔工程3〕次に排気ポンプを駆動し内袋2内の空気の排気を開始する。このとき、内袋2の開口部2aは外部から空気が流入することを防ぐため密閉する(図5(b)参照)。例えば、手によって開口部2aをしっかりと押さえる。
【0025】〔工程4〕次に排気をしている排気ノズル4を内袋2の底部から上方に向かって段階的に引き出していく(図5(c)参照)。これは、排気ノズル4の位置を内袋2の中央底部に固定したまま排気を行うと、排気ノズル4近傍の発泡緩衝材1間の空隙にある空気は排気され内袋2の底部は圧縮されるが、内袋2の上部の発泡緩衝材1間の空隙にある空気は、排気ノズル4までの流れが悪いため排気されにくくなり、内袋2の上部は圧縮されにくくなるからである。従って、排気ノズル4の位置を上方に向かって段階的に変えていくことにより、内袋2の底部から徐々に均一に圧縮することができ、内袋2の容積を全体的に均一に圧縮することができる。
【0026】〔工程5〕次に内袋2の開口部2a近傍まで排気ノズル4を引き上げ(図5(d)参照)、排気ポンプ等の駆動を停止して排気ノズル4を引き抜く(図5(e)参照)。このとき、内袋2の直径及び高さは排気をする前の状態と比較して直径が80〜85%、高さが70〜75%に圧縮されている。なお、排気ノズル4を引き抜いた時に、内袋2の開口部2aを押さえて外部からの空気の流入により内袋2が膨張しないようにする。
【0027】〔工程6〕次に容積が小さくなった内袋2の横断面積と略同一又は若干大きい横断面積の外袋である直径50cm、高さ170cmの外袋3内に上記容積が小さくなった内袋2を開口部2aを押さえながら入れる(図5(f)参照)。なお、このとき内袋2の開口部2aは縛っても縛らなくても良い。これは、内袋2の膨張は、容積が小さくなった内袋2の直径と略同一又は若干大きい直径の外袋3にこの容積が小さくなった内袋2を入れることで横方向に膨張することが抑えられ、また縦方向の膨張は後に外袋を縛ることで抑えられるからである。
【0028】〔工程7〕次にこの外袋を高さ110cmの位置で縛る(図5(g)参照)。以上により発泡緩衝材1の梱包体が完成する。なお、この完成した梱包体は、容積が小さくなった内袋2をその容積が小さくなった内袋2の横断面積と略同一又は若干大きい横断面積の外袋3に入れているので、内袋2は膨張することができず圧縮された状態を維持することができる。
【0029】上記完成した梱包体に入っている発泡緩衝材1の個数は、容積0.4m3の包装袋に圧縮しないで入っている発泡緩衝材1の個数と同じであるが、その容積は直径で80〜85%、高さで70〜75%に圧縮されたので、圧縮前の内袋2の容積と比較して圧縮後の完成された梱包体の容積は約60%に圧縮されている。従って、運送費が低減でき、保管容積を削減できる。
【0030】また、例えば排気ノズル4を内袋2内の所定位置に固定して排気を行った場合は内袋2の排気ノズル4の周囲の部分のみが強く圧縮され、その部分の発泡緩衝材1のみが大きく変形することとなるが、本実施形態では、排気ノズル4を内袋2の底部から上方に向かって段階的に徐々に引き出すようにしたので、内袋2内を均一に排気・圧縮でき、全体の発泡緩衝材1を均一に圧縮できるのでその変形を極力抑えることができる。
【0031】なお、たとえ全体を均一に排気・圧縮したとしても内袋2を排気・圧縮し過ぎると、内袋2内の発泡緩衝材1全体が強く圧縮され、膨張時に元の状態に戻らない状態(永久ひずみ)まで変形してしまうので、圧縮し過ぎないようにする必要がある。そのためには、内袋2の圧縮は、圧縮前の内袋2の容積に対する発泡緩衝材1全体の容積率を超えないことが好ましい。即ち、発泡緩衝材1全体の容積率まで圧縮するということは、内袋2内の発泡緩衝材1の間にある空気全部を抜くことを意味し、その程度の圧縮であれば発泡緩衝材1の変形の程度は小さく永久ひずみを生じることはないからである。例えば、内袋2の容積に対して発泡緩衝材1全体の容積率が55%である場合は、内袋2の圧縮は、圧縮後の容積が55%以下にならないように行うことが好ましい。
【0032】以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、発泡緩衝材1の材質は上記実施形態に記載されたものに限定されず、ウレタン発泡体などの柔軟性がある発泡材料であればいずれであっても良い。
【0033】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれば、以下のような優れた効果を有する。
■複数個の発泡緩衝材が入れられ内部の空気を排気手段により排気して体積を小さくした内袋を、この体積を小さくした内袋の横断面積と略同一又は若干大きい横断面積の外袋内に挿入したので、発泡緩衝材の梱包体の体積を小さくでき、従って運送費が低減でき、保管容積を削減できる。
【0034】■また、内袋内の空気を内袋の底部から上方に向かって段階的に排気していくので、内袋内を均一に排気・圧縮でき、発泡緩衝材の変形を極力抑えることができる。
【出願人】 【識別番号】000215833
【氏名又は名称】帝国通信工業株式会社
【住所又は居所】神奈川県川崎市中原区苅宿335番地
【識別番号】597117134
【氏名又は名称】株式会社 エコロパック
【住所又は居所】神奈川県川崎市中原区苅宿335番地
【出願日】 平成13年6月26日(2001.6.26)
【代理人】 【識別番号】100087066
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 隆 (外1名)
【公開番号】 特開2003−12073(P2003−12073A)
【公開日】 平成15年1月15日(2003.1.15)
【出願番号】 特願2001−193279(P2001−193279)