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【発明の名称】 フロントアンダランプロテクタ
【発明者】 【氏名】飯田 和樹
【住所又は居所】東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車工業株式会社内

【氏名】臼井 敏浩
【住所又は居所】東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車工業株式会社内

【氏名】栗田 靖之
【住所又は居所】神奈川県藤沢市遠藤2003番地の1 プレス工業株式会社内

【要約】 【課題】本発明は、安価なコストで、小形軽量化を保ちつつ、求められる剛性強度が確保できるフロントアンダランプロテクタを提供する。

【解決手段】本発明のフロントアンダランプロテクタ5は、断面が略コ字形をなす一対の鋼板製のプロテクタ片8,9を閉断面となるよう嵌め合わせて取着してなる中空のプロテクタ本体7と、車体フレーム1に取付く部位に対応して車体前側のプロテクタ片8の縦壁内面部分に設けた、車体後側のプロテクタ片9の縦壁へ向かって延びるスティフナ24とを組合わせる構造を用いて、スティフナ24による局所的な補強する構造を実現して、安価なコストで、小形軽量化を損なわずに、簡単かつ効果的に、求められる曲げに対する剛性強度が確保されるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車体フレームに支持され、フロントバンパの下方の地点に車幅方向に沿って取付けられるフロントアンダランプロテクタであって、車幅方向に沿って延びる断面が略コ字形をなす一対の鋼板製のプロテクタ片を有し、それらプロテクタ片の開口を車体前後方向で向き合わせ閉断面となるよう相互を嵌め合わせて取着してなる中空のプロテクタ本体と、前記各プロテクタ片のうち車体後側のプロテクタ片に形成され、前記車体フレームと取付可能な取付座と、前記車体前側のプロテクタ片の縦壁内面のうち前記取付座と対応した内面部分に車幅方向に沿って設けられた、当該内面部分から他方のプロテクタ片の縦壁へ向かって延びるスティフナとを具備するフロントアンダランプロテクタ。
【請求項2】 前記スティフナは、車体前側のプロテクタ片の縦壁内面に沿って取着される取着座と、該取着座の上下部から車体後側のプロテクタ片の縦壁内面と触れる地点まで延びる一対の横壁部とを有したコ字形の部材から構成される請求項1に記載のフロントアンダランプロテクタ。
【請求項3】 前記各プロテクタ片は、車体前側のプロテクタ片の開口縁に形成されている上下一対の横壁に対し、車体後側のプロテクタ片の開口縁に形成されている上下一対の横壁が内側に配置されるように互い嵌まり合って両者が固着されるとともに、車体前側のプロテクタ片の横壁の張り出し寸法を長く、車体後側のプロテクタ片の横壁の張り出し寸法を短くして嵌合部分を片側に寄せて、車体前側のプロテクタ片の横壁の壁面部分に車両艤装品取付座を形成してなる請求項1又は請求項2に記載のフロントアンダランプロテクタ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フロントバンパの下方に装備されるフロントアンダランプロテクタに関する。
【0002】
【従来の技術】トラックは、乗用車と前面からの衝突の際、乗用車がトラックのフロントバンパの下側へ潜り込むおそれがある。
【0003】このような潜り込みを防ぐためにトラックでは、フロントアンダランプロテクタを設ける提案がなされている。フロントアンダンランプロテクタは、車体フレームの前部分に固定されて、フロントバンパ下方に配置される部品で、フロントバンパの下方へ潜り込もうとする車体の阻止を行なう。
【0004】フロントアンダランプロテクタは、トラックの車幅方向全体に配置される大形部品のために、重量的な面でトラックに負担を与える。
【0005】そのため、フロントアンダランプロテクタには、リヤバンパで実施されている構造と同様、アルミ部材の押出成形から全体を成形した角形の閉断面をもつ中空部品を採用して、小形軽量化を図ることが行われている。
【0006】ところで、トラックの車体フレームは、大きな操舵角を確保するのために車幅寸法は狭くなっているのに対し、フロントアンダランプロテクタは車体の全幅寸法に合わせて長さ寸法が長くしてある。
【0007】このため、フロントアンダランプロテクタは、端部が車体フレームからの張り出すように車体に組付いた状態から、前方からの衝撃力に耐える強度が求められる。特にフロントアンダランプロテクタのうち車体フレームから張り出した車幅方向両端部側は、片持ち梁となるので、車体フレームに支持される地点は、車幅方向端部に衝撃が加わると大きな曲げモーメントを発生しやすく、その曲げモーメントに耐える剛性強度が求められる。
【0008】ところが、上述したようなアルミ部材の押出成形で成形された一体部品は、自身の剛性強度がスチール製に対して低いため、当該部品だけでは満足する剛性強度の確保が難しい。そのため、アルミ製のフロントアンダランプロテクタに補強を施すことが求められる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アルミ製のフロントアンダランプロテクタは、全体が閉断面の一体成形品なので、内部に必要な箇所だけに補強部材を設けるような補強は行なえない。
【0010】そのため、例えば特開平9−263198号公報に示されるようなフロントアンダランプロテクタの全体を車幅方向左側、中央部分、車幅方向右側の3つに分割し、これら3つの部分を入れ子式の接続構造で接続するといったプロテクタ全体を刷新するような複雑なアルミ構造でないと、求められる剛性強度の確保が行なえず、剛性強度の補強に際し、かなりコスト的な負担が強いられる。
【0011】本発明は上記事情に着目してなされたものでその目的とするところは、安価なコストで、小形軽量化を保ちつつ、求められる剛性強度が確保できるフロントアンダランプロテクタを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために請求項1に記載のフロントアンダランプロテクタは、断面が略コ字形をなす一対の鋼板製のプロテクタ片を閉断面となるよう嵌め合わせて取着してなる中空のプロテクタ本体と、車体フレームに取付く部位に対応して車体前側のプロテクタ片の縦壁内面部分に車幅方向に沿って設けた、当該内面部分から車体後側のプロテクタ片の縦壁へ向かって延びるスティフナとを組合わせた構造を採用した。
【0013】同フロントアンダランプロテクタによれば、略コ字形の鋼板を組合わせた閉断面構造のプロテクタ本体によって、軽量かつ安価にして高い剛性強度がもたらされるうえ、ステフィフナが、プロテクタ本体の取付座と対応した内部に収まり、引張り方向に変形する部位の厚み寸法を厚くする。
【0014】それ故、高い剛性強度をもたらす鋼板による閉断面構造と、スティフナによる簡単な局所的な補強とにより、小形化を損なわずに簡単な構造でかつ効果的に、求められる曲げに対する剛性強度が確保される。
【0015】請求項2に記載の発明は、上記目的に加え、さらに大きな曲げモーメントが作用する部位の補強が効果的に行なえるよう、スティフナには、車体前側のプロテクタ片の縦壁内面に取着される取着座と、該取着座の上下部から車体後側のプロテクタ片の縦壁内面と触れる地点まで延びる一対の横壁部とを有した略コ字形の部材を採用した。
【0016】請求項3に記載の発明は、上記目的に加え、さらにプロテクタ本体を活用して、車体下側から前方を照射するランプ等の車両艤装品の取付けが行なえるよう、各プロテクタ片を、車体前側のプロテクタ片の開口縁の上下一対の横壁に対し、車体後側のプロテクタ片の開口縁の上下一対の横壁が内側に配置されるように互い嵌めて両者を固着する構造とするとともに、車体前側プロテクタ片の横壁の張り出し寸法を長く、車体後側プロテクタ片の横壁の張り出し寸法を短くして嵌合部分を片側に寄せ、車体前側のプロテクタ片の横壁に車両艤装品取付座を形成した。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図1ないし図7に示す一実施形態にもとづいて説明する。
【0018】図1は、車両、例えばトラックのシャシ前部分の斜視図、図2はその側面図を示していて、図中1は、サイドフレーム1aとクロスメンバ1bとを梯子型に接合して構成される車体フレーム、2はその車体フレーム1の前部両側で懸架される前輪(操舵輪)である。
【0019】車体フレーム1の前端部には、車幅方向に沿ってフロントバンパ3(二点鎖線で図示)が設けられている。またフロントバンパ3の下方には、車幅方向に沿ってフロントアンダランプロテクタ5が配設されている。フロントアンダランプロテクタ5は、フロントバンパ3から前輪2側へ退避した前輪寄りの地点に配置されている。このフロントアンダランプロテクタ5は、車体の全幅寸法に合わせた幅寸法を有している。そして、その中央部分の車幅方向2個所が、サイドフレーム1aの前部下側から突き出た一対のブラケット6の先端部に固定してある。
【0020】このフロントアンダランプロテクタ5には、コスト的に安価な鋼板を組合わせた構造が用いられている。このフロントアンダランプロテクタ5の全体が図5に示され、その分解した構造が図6に示され、その各部の構造が図3および図4に示されている。
【0021】フロントアンダランプロテクタ5の構造について説明すると、図5中、7は中空のプロテクタ本体、8は該プロテクタ本体7の車体前部側を構成するプロテクタ片、9は同じく車体後部側を構成するプロテクタ片である。プロテクタ片8,9には、いずれも図6に示されるように断面が略コ字形に形成され車幅方向に延びる薄肉の鋼板が用いられている。プロテクタ片8,9は、いずれも車体(図示しない)の全幅寸法に対応した長さ寸法をもつ。そして、プロテクタ本体7は、図6に示されるように各プロテクタ片8,9の開口8a,9a同士(図6に図示)を矩形状の閉断面が形成されるように車体前後方向から嵌め合わせて相互を取着して構成される。具体的には、図3および図4に示されるようにプロテクタ本体6は、プロテクタ片8(車体前部側)の開口両側に形成されている上下一対の横壁10が外側に、プロテクタ片9(車体後部側)の開口両側に形成されている上下一対の横壁11が内側になるようにして閉断面形状が形成されるよう互いに嵌め合わせ、外側の各横壁10の端部全体を内側の横壁11の外面に溶接して、両者を固着してなる。また図3および図4に示されるように外側の横壁10の張り出し寸法は長く、内側の横壁11の張り出し寸法は短くして、嵌合部分を車体後方側へ寄せてあり、横壁10だけで形成される一重の壁部分を広くとっている。また一重の壁部分のうち、上部の壁部分における車幅方向両側の地点には、図6に示されるように複数の通孔12が形成されている。さらに各通孔12の裏面側にはナット13が溶接で固定されていて、同部分にランプなどの車両艤装品を取付ける車両車両艤装品取付座、例えばフォグランプ14の取付座14aがボルト止めされるランプ取付座15を形成している。なお、27はそのフォグランプ14を固定するボルトを示している。
【0022】またプロテクタ片9の縦壁17(車両後部側に配置される壁)の中央部、具体的には車体フレーム1を挟む両側の地点には、図5および図6に示されるように複数の通孔18がそれぞれ形成されている。さらに各通孔18の裏面側にはナット19が溶接で固定されていて、中央両側に一対の取付座21を形成している。そして、図2、図5および図7に示されるように一対の取付座21と、各ブラケット6,6の先端部に形成されている平板状の固定部6a,6aとが、ナット19へ向かって螺挿されるボルト22によって締結され、角形閉断面のプロテクタ本体7を車幅方向に沿う姿勢に固定している。なお、プロテクタ本体7の車幅方向両側は、車体(図示しない)にならう形状にするために略くの字状に曲げてある。
【0023】またプロテクタ本体7の内腔には、衝突時、最も大きな曲げモーメントが作用する地点にそれぞれ補強材、例えばスティフナ24が収めてある。具体的には、図5および図6に示されるようにスティフナ24は、取付座21が有る縦壁17部分とそれと対向する縦壁16部分との間にそれぞれ収めてある。スティフナ24には、いずれも略コ字形の断面をもつ車幅方向に延びる小部材が用いられている。具体的には、スティフナ24は、プロテクタ片8の縦壁16の内面にならって配置される縦壁状の取着座25と、この取着座25の上下端部からプロテクタ片9の縦壁17に向かって突き出る上下一対の横壁部26とを有する略コ字形の細長部品が用いられる。このスティフナ24が車幅方向に沿って配置される。そして、スティフナ24の一端側となる取着座25が、取付座21,21と対向するプロテクタ片9の縦壁内面に溶接、例えば栓溶接により取着される。またスティフナ24の他端側となる水平な一対の横壁部26の先端は、プロテクタ片9の内面と接する地点まで延びている。なお、25aは、栓溶接で用いる、取着座25の複数箇所(3個所)に形成された円形の通孔を示す。つまり、スティフナ24は、曲げモーメントが加わる際、引張り方向(伸び)に変形が生じるプロテクタ片8(車体前側)の部位に取着させてある。このスティフナ24の取付けにより、曲げモーメントが最も大きく作用する部位だけプロテクタ片8の厚み寸法を局所的に最大限に大きくさせて、張り出したフロントアンダランプロテクタ5の曲げに耐える剛性を確保している。
【0024】すなわち、図7に示されるように衝突により車体前方から、例えばフロントアンダランプロテクタ5の端側に衝撃Fが加わったとする。
【0025】ここで、車体フレーム1から張り出したプロテクタ部分は、片持ち状態なので、加わる衝撃力が取付座21に集中し、該取付座21を支点として曲がる(曲げ変形)。
【0026】このとき、フロントアンダランプロテクタ5の主要部となるプロテクタ本体7は、略コ字形の鋼板を組合わせた閉断面構造により、高い強度剛性がもたらされるうえ、曲げの伸び側となる部位、すなわち取付座21と対向する車体前側のプロテクタ片8の縦壁16部分は、スティフナ24の取着により厚み寸法を増しているから(補強)、取付座21を支点としたフロントアンダプロテクタ5の曲げ変形は抑えられる。
【0027】したがって、鋼板製のプロテクタ本体7自身がもたらす剛性強度、加えてプロテクタ本体7を2体(分割)構造としたことにより、曲げモーメントが最も大きく作用する部位へのスティフナ24の収納、曲げ変形で伸び側となる部位にスティフナ24が取着したことなどによる合理的な補強により、局所的な剛性強度の補強だけで、小形化を損なわずに効果的に、求められる曲げに対する剛性強度、すなわち車体フレーム1から張り出したフロントアンダランプロテクタ5の端部から加わる衝撃に耐える剛性強度が確保できる。特にスティフナ24は、略コ字形の部材を用いたことで、大きな曲げモーメントが作用する部位を効果的に補強できる。
【0028】しかも、主要部となるプロテクタ本体7は、鋼板を用いた開断面の組み合わせによる閉断面構造なので、コスト的に安価なうえ軽量であり、アルミ製のフロントアンダランプロテクタに比べ、コスト的な面、軽量化の面、剛性強度の面で優れるフロントアンダランプロテクタが実現できる。
【0029】そのうえ、スティフナ24の内蔵は、図6に示されるように車体前部側をなすプロテクタ片8の内面にスティフナ24を溶接で取着してから、スティフナ24をストッパとして、当該プロテクタ片8の開口内側に、車体後部側をなすプロテクタ片9の開口を嵌め込んで、両者を溶接で取着するだけなので、簡単である。
【0030】さらにプロテクタ片8,9の嵌まり合う嵌合部分を車体後側に寄せてランプ取付座15を形成したので、フロントバンパ3より下方に配置されるフロントアンダランプロテクタ5を活用して、車体下側からの車体前方を照射するのに適したランプなどの車両艤装品、例えばフォグランプ14の取付けができる。特にランプ取付座15は、外側に配置される車体前側の横壁10を広くして形成したので、どのような大きさや形状の取付座14aをもつフォグランプ14などの車両艤装品でも、嵌合部分の段差に干渉せずに据え付けることができる。
【0031】なお、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施しても構わない。例えば一実施形態では、断面が略コ字形の部材をスティフナとして用いたが、これに限らず、伸び側の厚み寸法を増すような構造のスティフナを用いてもよい。また本実施形態では、ランプ取付座を形成したが、当該位置に車両前方を走行する他の車両との距離を計測する機器を取付けても良い。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によれば、略コ字形の鋼板を組合わせた閉断面構造、該閉断面構造の内部にスティフナを収める構造、さらにはスティフナが伸び側の厚み寸法を厚くする構造により、軽量かつ安価な鋼板製のプロテクタ本体に対し局所的に補強する構造が実現され、安価なコストで、小形軽量化を損なわずに、簡単かつ効果的に、求められる曲げに対する剛性強度を確保することができる。
【0033】請求項2の発明によれば、さらに大きな曲げモーメントが作用する部位における補強を効果的に行なうことができる。
【0034】請求項3の発明によれば、さらにフロントバンパの下方に配置されるプロテクタ本体を活用して、車両艤装品の取付けができる。
【出願人】 【識別番号】390001579
【氏名又は名称】プレス工業株式会社
【住所又は居所】神奈川県川崎市川崎区塩浜1丁目1番1号
【識別番号】303002158
【氏名又は名称】三菱ふそうトラック・バス株式会社
【住所又は居所】東京都港区港南二丁目16番4号
【出願日】 平成14年3月22日(2002.3.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−276536(P2003−276536A)
【公開日】 平成15年10月2日(2003.10.2)
【出願番号】 特願2002−81840(P2002−81840)