| 【発明の名称】 |
シートベルト巻取装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】松井 智二 【住所又は居所】東京都港区六本木一丁目4番30号 タカタ株式会社内
【氏名】田中 康二 【住所又は居所】東京都港区六本木一丁目4番30号 タカタ株式会社内
【氏名】丹治 寛雅 【住所又は居所】東京都港区六本木一丁目4番30号 タカタ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】非常事態の発生がなかった場合に、非常事態の発生がなかった場合に、巻取装置に不必要なロック作用が発生することがないシートベルト巻取装置を提供する。
【解決手段】駆動制御部の出力A,Dが立ち上がっている時間の間、トランジスタTr1とTr4がオンとなり、モータMがシートベルト巻き取り方向に回転する。駆動制御部の出力B,Cが立ち上がっている時間の間、トランジスタTr2とTr3がオンとなり、モータMがシートベルト巻き取り方向と逆方向に回転する。出力A,Dのデューティ比は、B,Cのデューティ比よりも小さくされている。これにより、モータMは、シートベルト巻き取り方向には高速で、シートベルト巻き取り方向と逆方向には低速で回転する。よって、シートベルト巻き取り方向と逆方向の回転の際に、ウェビングセンサが動作することを防止することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 モータによりシートベルトを巻き取る機能を有するシートベルト巻取装置であって、シートベルト巻き取り方向と逆方向にモータを駆動するときにモータに流す電流を、シートベルト巻き取り方向にモータを駆動するときにモータに流す電流よりも小さくしたことを特徴とするシートベルト巻取装置。 【請求項2】 請求項1に記載のシートベルト巻取装置であって、シートベルト巻き取り方向と逆方向にモータを駆動するときにモータに流す電流の回路の抵抗値が、シートベルト巻き取り方向にモータを駆動するときにモータに流す電流の回路の抵抗値よりも大きくされていることを特徴とするシートベルト巻取装置。 【請求項3】 モータによりシートベルトを巻き取る機能を有するシートベルト巻取装置であって、シートベルト巻き取り方向と逆方向にモータを駆動するときにモータに流すパルス状の電流のデューティー比が、シートベルト巻き取り方向にモータを駆動するときにモータに流すパルス状の電流のデューティー比よりも小さくされていることを特徴とするシートベルト巻取装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、モータによりシートベルトを巻き取る機能を有するシートベルト巻取装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、シートベルト巻取装置において、スプリングによる巻取方式に加えて、モータによりシートベルトを巻き取る機能を有するものが用いられるようになってきている。その目的はいろいろあるが、特に重要なものは、衝突等の非常事態が予知された段階で、いち早くシートベルトを急速に巻取り、シートベルトの弛みを取って、乗員をシートに拘束し、実際に非常事態が発生したときに乗員の安全を確保することである。 【0003】このような目的のために、モータによるシートベルトの巻取は、急速に、かつ乗員をシートに拘束するのに十分な力で行う必要があり、モータは高トルクで高速回転するように設計されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】このようなシートベルト巻取装置において、衝突等の非常事態の発生が予知されたが、実際には、非常事態が回避されたような場合、乗員がシートに拘束されている状態から解放してやる必要がある。そのため、モータをシートベルト巻き取り方向と逆方向に回転させ、モータとスプールの連結を解除することが行われている。 【0005】従来は、モータの駆動回路を簡単にするために、モータをシートベルト巻取方向に回転させる回路と、シートベルト巻き取り方向と逆方向に回転させる回路を、同種の回路としていた。そのため、モータは回転方向によらず同一の速度とトルクで回転し、シートベルト巻き取り方向のモータの回転も、シートベルト巻き取り方向と逆方向のモータの回転も高速回転とされていた。 【0006】ところが、モータをシートベルト巻き取り方向と逆方向に高速で駆動すると、以下のような問題点が発生する。すなわち、シートベルト巻き取り装置に付属している通称ウェビングセンサと呼ばれるシートベルトロック機構が働く。ウェビングセンサは、衝突等の発生の際に、シートベルトが急速に引き出されようとすると、シートベルト巻取機構の回転を機械的にロックし、シートベルトが引き出せないようにすることにより、乗員の安全を確保するもので、シートベルト巻取装置が有する最も基本的な機構である。 【0007】モータとシートベルトが巻かれているスプールとが連結された状態で、モータがートベルトを巻き取り方向と逆方向に回転しようとすると、このウェビングセンサが作動し、シートベルトの引き出しをロックするため、引き出しができなくなってしまう。このことにより安全が阻害されることはないが、一時的とはいえ乗員に不快感を与えるという問題点がある。 【0008】本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、非常事態の発生がなかった場合に、巻取装置に不必要なロック作用が発生することがないシートベルト巻取装置を提供することを課題とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するための第1の手段は、モータによりシートベルトを巻き取る機能を有するシートベルト巻取装置であって、シートベルト巻き取り方向と逆方向にモータを駆動するときにモータに流す電流を、シートベルト巻き取り方向にモータを駆動するときにモータに流す電流よりも小さくしたことを特徴とするシートベルト巻取装置(請求項1)である。 【0010】本手段においては、シートベルトを巻き取るときは、モータには大きな電流を流し、高速、高トルクでシートベルトを巻き取る。そして、シートベルト巻き取り方向と逆方向にモータを駆動するときには、モータには小さな電流を流し、モータの回転速度とトルクを小さくする。この小さな電流は、シートベルト巻き取り方向と逆方向にモータを駆動するときに、ウェビングセンサが作動しない程度の速度でシートベルトが引き出されるような程度の電流とする。よって、ウェビングセンサが作動しないので、確実にシートベルトの引き出しを行うことができる。 【0011】前記課題を解決するための第2の手段は、前記第1の手段であって、シートベルト巻き取り方向と逆方向にモータを駆動するときにモータに流す電流の回路の抵抗値が、シートベルト巻き取り方向にモータを駆動するときにモータに流す電流の回路の抵抗値よりも大きくされていることを特徴とするもの(請求項2)である。 【0012】本手段においては、シートベルト巻き取り方向と逆方向にモータを駆動するときにモータに流す電流の回路の抵抗値が、シートベルト巻き取り方向にモータを駆動するときにモータに流す電流の回路の抵抗値よりも大きくされているので、同じ駆動電圧をかけたときに、シートベルト巻き取り方向と逆方向にモータを駆動するときにモータに流す電流を、シートベルト巻き取り方向にモータを駆動するときにモータに流す電流よりも小さくすることができる。よって、簡単な回路により前記第1の手段を実現することができる。 【0013】前記課題を解決するための第3の手段は、モータによりシートベルトを巻き取る機能を有するシートベルト巻取装置であって、シートベルト巻き取り方向と逆方向にモータを駆動するときにモータに流すパルス状の電流のデューティー比が、シートベルト巻き取り方向にモータを駆動するときにモータに流すパルス状の電流のデューティー比よりも小さくされていることを特徴とするシートベルト巻取装置(請求項3)である。 【0014】本手段は、モータをパルス駆動することにより回転速度を制御する方式のシートベルト巻取装置に適用されるものであり、シートベルト巻き取り方向と逆方向にモータを駆動するときにモータに流すパルス状の電流のデューティー比が、シートベルト巻き取り方向にモータを駆動するときにモータに流すパルス状の電流のデューティー比よりも小さくされているので、シートベルト巻き取り方向と逆方向へのモータの回転を、シートベルト巻き取り方向へのモータの回転より遅くすることができる。よって、前記第1の手段と同様にウェビングセンサが働かないようにすることができ、確実にシートベルトの引き出しができる。なお、シートベルト巻き取り方向にモータを駆動する場合のパルス電流のデューティー比は100%であっても差し支えない。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。図1(a)は、本発明の実施の形態であるシートベルト巻取装置に使用されるモータの制御回路を示す図である。モータMは直流モータであり、4つのトランジスタTr1〜Tr4のオンオフにより、回転の向きと速度を制御されるようになっている。 【0016】トランジスタTr1とTr4がオンとなると、モータMはシートベルト巻き取り方向に回転する。トランジスタTr2とTr3がオンとなると、モータMはシートベルト巻き取り方向と逆方向に回転する。モータMの回転速度は、これらのトランジスタがオンとなっている時間の比率、即ちデューティ比で決定される。 【0017】衝突等の発生が予測される場合、駆動制御部から、モータMをシートベルト巻き取り方向に回転させる指令が与えられる。この指令は図1(b)に示すように、駆動制御部の出力A,Dを同時にオンオフすることによって与えられる。図でパルスが立ち上がっている時間の間、トランジスタTr1とTr4がオンとなり、モータMがシートベルト巻き取り方向に回転する。なお、この例ではトランジスタTr1とTr4を同時にオンオフしているが、例えばトランジスタTr1をオンにしたままにしておいて、トランジスタTr4をオンオフさせてもよい。 【0018】衝突等の発生の予想が解除された場合、駆動制御部から、モータMをシートベルト巻き取り方向と逆方向に回転させる指令が与えられる。この指令は図1(b)に示すように、駆動制御部の出力B,Cを同時にオンオフすることによって与えられる。図でパルスが立ち上がっている時間の間、トランジスタTr2とTr3がオンとなり、モータMがシートベルト巻き取り方向と逆方向に回転する。なお、この例ではトランジスタTr2とTr3を同時にオンオフしているが、例えばトランジスタTr2をオンにしたままにしておいて、トランジスタTr3をオンオフさせてもよい。 【0019】図に示すように、出力パルスA,Dがオンとなっている時間は、出力パルスB,Cがオンとなっている時間より長くされている。すなわち、モータMをシートベルト巻き取り方向と逆方向に回転させるパルス電流のデューティー比は、シートベルト巻き取り方向に回転させるパルス電流のデューティー比よりも小さくされている。これにより、モータMは、シートベルト巻き取り方向には高速で、シートベルト巻き取り方向と逆方向には低速で回転する。 【0020】図1(a)に示す制御回路において、出力A、B、C、Dをパルスでなく直流電流として与え、出力B,Cのレベルを出力A,Bのレベルより小さくするようにしてもよい。このようにすると、トランジスタTr2、Tr3を流れる電流を、トランジスタTr1、Tr4を流れる電流より小さくすることができ、これにより、モータMは、シートベルト巻き取り方向には高速で、シートベルト巻き取り方向と逆方向には低速で回転する。すなわち、この場合は、各トランジスタをスイッチングトランジスタとしてではなく、電流制御用トランジスタとして使用している。 【0021】図2は、本発明の他の実施の形態であるシートベルト巻取装置に使用されるモータの制御回路を示す図である。この制御回路は、抵抗R1、R2が付属されている他は、図1(a)に示した回路と同じであるので、同じ構成要素には同じ符号を付してその説明を省略する。 【0022】この制御回路においては、駆動制御部からはパルス状の出力でなく、直流出力が与えられる。すなわち、モータMをシートベルト巻き取り方向に回転させるときは出力A,Dが正の電圧となり、モータMをシートベルト巻き取り方向と逆方向に回転させるときは出力B,Cが正の電圧となる。 【0023】よって、各トランジスタは単なるスイッチングトランジスタとして働くが、モータMをシートベルト巻き取り方向と逆方向に駆動する電流が流れる回路には、抵抗R1、R2が設けられているため、モータMをシートベルト巻き取り方向と逆方向に駆動する電流は、巻き取り方向に駆動する電流よりも小さくなる。これにより、モータMは、シートベルト巻き取り方向には高速で、シートベルト巻き取り方向と逆方向には低速で回転する。なお、この回路において、抵抗R1とR2の一方を省略することができることはいうまでもない。 【0024】以上述べたいずれの場合も、モータMのシートベルト巻き取り方向と逆方向への回転速度が、ウェビングセンサが作動しない範囲にするように、モータMに流れる電流値や、電流のデューティー比を調整するようにすればよい。 【0025】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、非常事態の発生がなかった場合に、巻取装置に不必要なロック作用が発生することがないシートベルト巻取装置を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000108591 【氏名又は名称】タカタ株式会社 【住所又は居所】東京都港区六本木1丁目4番30号
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| 【出願日】 |
平成14年1月22日(2002.1.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100094846 【弁理士】 【氏名又は名称】細江 利昭
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| 【公開番号】 |
特開2003−212090(P2003−212090A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月30日(2003.7.30) |
| 【出願番号】 |
特願2002−12313(P2002−12313) |
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