| 【発明の名称】 |
摩擦防止ローラ部材を備えた上下動サスペンション装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】大竹 茂和 【住所又は居所】静岡県浜北市善地358番地 テイ・エス テック株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】本発明の目的は、サスペンション装置の機構部分の高さを低く、且つコンパクトにするために、捩りコイルばねを弾性力付与手段として用いたサスペンション装置において、捩りコイルばねと他部材との間で発生する摩擦を防止するための、摩擦防止ローラ部材を備えた上下動サスペンション装置を提供する。
【解決手段】摩擦防止ローラ部材14を備えた上下動サスペンション装置は、車両用シートと車体との間に配設され、回動支点回りに傾倒および起立して車両用シートを上下方向に可動可能に支持する支持部11aと、支持部11aから車両用シートの前縁部または後縁部の少なくとも一方に沿って延出して設けられたシャフト12aと、シャフト12aに係合されると共にコイル部から支持部11a側の端部へ向け支持部11aの回動方向へ巻回された捩りコイルばね13とを備えた上下動サスペンション装置であって、シャフト12aの、捩りコイルばね13の支持部11a側の端部と、この端部に隣接するコイル部との間には、摩擦防止ローラ部材14が回動可能に配設される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両用シートと車体との間に配設され、回動支点回りに傾倒および起立して前記車両用シートを上下方向に可動可能に支持する支持部と、該支持部から前記車両用シートの前縁部または後縁部の少なくとも一方に沿って延出して設けられたシャフトと、該シャフトに係合されると共にコイル部から前記支持部側の端部へ向け前記支持部の回動方向へ巻回された捩りコイルばねと、を備えた上下動サスペンション装置であって、前記シャフトの、前記捩りコイルばねの支持部側の端部と該端部に隣接するコイル部との間には、摩擦防止ローラ部材が回動可能に配設されたことを特徴とする摩擦防止ローラ部材を備えた上下動サスペンション装置。 【請求項2】 前記シャフトには前記コイル部を保持する筒状部材と、前記捩りコイルばねの支持部側の端部を保持する鍔部とが設けられ、前記筒状部材の前記鍔部側の端面と前記鍔部との間に前記摩擦防止ローラ部材が配設されたことを特徴とする請求項1記載の摩擦防止ローラ部材を備えた上下動サスペンション装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は車両用シートの上下動サスペンション装置に係り、特に、捩りコイルばねを使用した上下動サスペンション装置において、捩りコイルばねと、捩りコイルばねに接触する部材との間に、摩擦防止ローラ部材を配設した上下動サスペンション装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から車両用シートの上下動サスペンション装置に関しては、各種の技術が提案されている。例えば、特開平10−129323号公報に提示されているハイト機構付のサスペンション装置を有する車両用シートを図13に示す。図中(170)はアッパーフレーム(102)の前部を上方に付勢する圧縮コイルバネ、(171)は操作ハンドル(171A)と一体で圧縮コイルバネ(170)の弾性を調節する調節カム、(172)は調節カム(171)を回動自在に支持する固定筒を夫々示す。 【0003】サスペンション装置を構成するリンクA(130)、リンクB(131)、リンクC(132)、リンクD(図示せず)は、ロアフレーム(101)に対する枢着部を回転中心に起立状に回転してアッパーフレーム(102)が上昇し、夫々前方に倒伏することによりアッパーフレーム(102)が下降する。そして、アッパーフレーム(102)に加わる上下方向の衝撃は、ショックアブソーバ(図示せず)と前記圧縮コイルバネ(170)によって吸収される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記提案技術においては、コイルスプリングを垂直に(または斜めに)設けているから、機構的に高さが必要となり、装置が大型化するという不都合があった。 【0005】或いは、車両用シートの下方において、コイルスプリングを水平に配設したサスペンション装置も知られている。サスペンション装置は、車両用シートの下方から前後方向または左右方向へ大きく突出することがないように、車両用シートの下方中央部に配置される。 【0006】上記構成のサスペンション装置とすることにより、機構部分の高さを低減することは可能となったが、サスペンション装置が車両用シートの下方中央部に配置されるため、サスペンション装置の配置空間のために車両用シートのクッション材が薄肉化され、良好な着座感を得ることができなくなるという問題があった。また、引張りコイルばねが使用されている場合は、ばね自体の動きのためのスペースが必要であり、結果として装置が大型化してしまうという問題があった。 【0007】本発明の目的は、サスペンション装置の機構部分の高さを低く、且つコンパクトにするために、捩りコイルばねを弾性力付与手段として用いたサスペンション装置において、捩りコイルばねと他部材との間で発生する摩擦を防止するための、摩擦防止ローラ部材を備えた上下動サスペンション装置を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明に係る摩擦防止ローラ部材を備えた上下動サスペンション装置は、車両用シートと車体との間に配設され、回動支点回りに傾倒および起立して前記車両用シートを上下方向に可動可能に支持する支持部と、該支持部から前記車両用シートの前縁部または後縁部の少なくとも一方に沿って延出して設けられたシャフトと、該シャフトに係合されると共にコイル部から前記支持部側の端部へ向け前記支持部の回動方向へ巻回された捩りコイルばねと、を備えた上下動サスペンション装置であって、前記シャフトの、前記捩りコイルばねの支持部側の端部と該端部に隣接するコイル部との間には、摩擦防止ローラ部材が回動可能に配設されたことを特徴とする。 【0009】本発明の上下動サスペンション装置は、機構部分の高さを低く且つコンパクトにするために、捩りコイルばねを付勢手段として用いている。捩りコイルばねは車両用シートの支持部に設けられたシャフトに配設され、このシャフトには、捩りコイルばねとシャフトとの間の摩擦低減を図るために、摩擦防止ローラ部材が回動可能に配設されている。 【0010】そして、上記摩擦防止ローラ部材は、車両に衝撃,振動が発生したり、或いは乗員の着座により車両用シートに荷重がかかり、捩りコイルばねがこの荷重を受けて形状変化したとき、捩りコイルばねとシャフトとの間に介在して回動するように構成されているので、捩りコイルばねとシャフトとの間に発生する摩擦を防止することが可能となる。 【0011】なお、摩擦防止ローラ部材の配設位置をより具体的に述べると、前記シャフトには前記コイル部を保持する筒状部材と、前記捩りコイルばねの支持部側の端部を保持する鍔部とが設けられている。そして、摩擦防止ローラ部材は、前記筒状部材の前記鍔部側の端面と前記鍔部との間に配設されている。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。 【0013】図1乃至図12は本発明の一実施例を示すものであり、図1は車両用シートの斜視図、図2は車両用シートの断面図、図3は上下動サスペンション装置の説明図、図4乃至図8は上下動サスペンション装置の要部端面図、図9は緩衝部材を示す説明図、図10は上下動サスペンション装置の側面図、図11は上下動サスペンション装置の要部斜視図、図12は表示部を示す説明図である。 【0014】車両用シート1は、図1に示すように、例えば産業用車両に用いられるシートである。車両用シート1は、図2に示すように、ボトムプレート2上にクッション材3を配設し、このクッション材3を表皮材4で被覆することにより形成されている。ボトムプレート2の車体前方側の下方には、上下動サスペンション装置Sを配設するための空間Kが設けられている。 【0015】ボトムプレート2は、例えばポリプロピレン等の樹脂から形成されている。クッション材3は、例えばポリウレタンフォームから形成されている。また、表皮材4としては、例えばポリ塩化ビニル樹脂レザーや人工樹脂レザー等の素材が用いられる。なお、ボトムプレート2、クッション材3、表皮材4は上記素材に限らず、他の素材を使用しても良いことは勿論である。 【0016】本例の上下動サスペンション装置Sは、車両用シート1と車体(図示せず)との間に設けられており、サスペンション手段10と、ショックアブソーバ20と、サスペンション手段10の調整手段30と、緩衝部材40と、から構成されている。本例の上下動サスペンション装置Sは、比較的ローストローク(50mm以下)のサスペンション性能を有するように構成されている。 【0017】サスペンション手段10は、車両用シート1を上方へ付勢するものであり、上部フレーム15、下部フレーム16と、この上部フレーム15,下部フレーム16の間に配設される支持片11と、支持片11に連結されたシャフト12と、シャフト12に取着された捩りコイルばね13と、を主な構成要素としている。 【0018】支持片11は、車両用シート1の前方に配設される一対の前側支持片11aと、車両用シート1の後方に配設される一対の後側支持片11bとから構成されている。前側支持片11aは、図10に示すように、下方側がアール状に突き出た形状に形成されている。 【0019】前側支持片11aは、車両用シートに荷重がかかったときに、捩りコイルばね13を巻回させながら傾倒し、その後捩りコイルばね13の弾性力によって復元して起立するように構成されている。 【0020】また、前側支持片11aは、図7に示すように、下部フレーム16に接続されている。前側支持片11aと下部フレーム16との間には、カラー63が配設されており、前側支持片11aは下部フレーム16との連結部を回動支点11dとして回動するように構成されている。さらに、前側支持片11aは、図10に示すように、長尺の連結部材11cを介して、後側支持片11bと連結されている。 【0021】後側支持片11bは、図10に示すように、略V字状の部材であり、後側シャフト(図示せず)に連結されている。後側支持片11bは、前側支持片11aの動きに合わせて、傾倒または起立するように構成されている。 【0022】すなわち、前側支持片11aが傾倒または起立したとき、連結部材11cは前方または後方に移動する。そして、この連結部材11cの動きにより、後側支持片11bも傾倒または起立するものである。 【0023】前側支持片11aは、図3に示すように、シャフト12a及びシャフト12bに連結されている。シャフト12a,シャフト12bは前側支持片11aが動くときに共に上下方向に移動する。シャフト12aと上部フレーム15との連結部にはドライ軸受65が介在されている。 【0024】シャフト12aは捩りコイルばね13の第1の保持部を構成するものであり、捩りコイルばね13のコイル部13cが配設される。捩りコイルばね13のコイル部13cは、コイル部13cから前側支持片11a側の端部13aへ向けた巻回方向が、前側支持片11aの回動方向と同じになるように配設されている。 【0025】図11に示すように、シャフト12a,シャフト12bには、これらシャフト12a,シャフト12bを繋ぐように、第2の保持部としての鍔部12cが設けられており、この鍔部12cに捩りコイルばね13の前側支持片11a側の端部13aが連結される。 【0026】また、捩りコイルばね13の他端部13bは、ブラケット31の張り出し部31aに保持されている。ブラケット31は、後述するように、サスペンション手段10の調整手段30を構成するものであり、車両用シート1に対して前後方向に移動可能に配設されている。 【0027】捩りコイルばね13の端部13aは、前側支持片11aが回動支点11d回りに傾倒したときに、前記コイル部13cの巻回方向に移動する位置で保持されている。 【0028】前側支持片11aが傾倒したとき、コイル部13cが配設されたシャフト12aは、車体前方に向けて下降する。このとき、端部13aが保持された鍔部12cは、コイル部13cが配設されたシャフト12aに対し、車体後方側から前方側へ回り込むような状態で位置変更される。これにより、捩りコイルばね13は巻回する方向に力が付加され、弾性力が発生する。 【0029】捩りコイルばね13は、上記のように、通常状態より巻回する状態となった後、この状態から元に復元しようとする。このときの復元力で、前側支持片11aは傾倒した状態から再び起立する。 【0030】上記のように構成されているので、車両に発生した衝撃,振動または乗員の着座により車両用シート1に荷重がかかったとき、前側支持片11aが捩りコイルばね13により弾性を付与されながら傾倒し、車両用シート1が所定量沈み込んだところで、捩りコイルばね13の復元力により、再び前側支持片11aが弾性を付与されながら起立する。 【0031】このとき、前側支持片11aは連結部材11cを介して後側支持片11bに接続されているので、後側支持片11bは前側支持片11aの動きに合わせて、傾倒および起立する。このようにして、車両用シート1にクッション性が付与され、車両に発生した衝撃,振動を緩和して、乗員の乗り心地を向上させるようにしている。 【0032】なお、本例の捩りコイルばね13は、コイル間に予め0.5mm以上の隙間が設けられている。これは、前側支持片11aが傾倒して、コイル部13cがさらに巻回する状態になったときに、コイル同士が接触することによる異音発生を防止するためである。 【0033】また、上記のように捩りコイルばね13がさらに巻回する状態になったときに、捩りコイルばね13とシャフト12aとの間の摩擦抵抗を削減するために、図6に示すように、捩りコイルばね13の作用ポイント側では、シャフト12aとの間に、摩擦防止ローラ部材としてのガイドローラ14が配設されている。 【0034】ガイドローラ14は、図6に示すように、シャフト12aの鍔部12cと、シャフト12aに係合する筒状部材35との間に位置し、シャフト12aの回りに回動可能に配設されている。ガイドローラ14は、鍔部12cに保持された端部13aと、この端部13aに連続するコイル部13cの間に介在するように配設されており、本例では2本のコイルと係合するように配設されている。ガイドローラ14は捩りコイルばね13が動いて接触したときに、シャフト12a回りに回動するので、捩りコイルばね13とシャフト12a間の摩擦発生が防止される。 【0035】本例のガイドローラ14は、ポリアセタール樹脂から形成されている。ガイドローラ14の素材としては、他に、ナイロン,フッ素樹脂等、耐摩擦性,耐摩耗性のある素材が使用される。 【0036】ショックアブソーバ20は、車両用シート1の背部に沿って、左右に配設されている。ショックアブソーバ20は、上記サスペンション手段10とともに、車両に発生する衝撃,振動を減衰するとともに、後側支持片11bに加わる荷重を吸収するように構成されている。 【0037】ショックアブソーバ20は、図10に示すように、相対的に移動可能な同心のピストンロッド21、シリンダ22を備え、シリンダ22のチャンバ内での作動媒体(オイル)の流れの制限のもとで、ピストンスピードを抑制することにより緩衝力を発生させて、衝撃,振動を減衰するように構成されている。 【0038】このように、本例の上下動サスペンション装置Sは、車両用シート1の前側にサスペンション手段10を備え、車両用シートの後側にはショックアブソーバ20を備えているので、サスペンション手段10とショックアブソーバ20により、車両用シート1に伝達される上下方向の衝撃、振動が効果的に緩和される。なお、サスペンション手段10を車両用シート1の後側に設けた構成としても良い。 【0039】次に、サスペンション手段10の調整手段30について説明する。サスペンション手段10の調整手段30は、捩りコイルばね13の巻回方向への張力を変動させることにより、乗員の体重に応じたサスペンション性を確保可能とするものである。 【0040】サスペンション手段10の調整手段30は、捩りコイルばね13の端部13bに係合される係合部材としてのブラケット31と、ブラケット31に連結される第1の部材としての継ぎ手部材32と、継ぎ手部材32に連結される第2の部材としてのアーム部材33と、アーム部材33が螺合される軸部34bを備えた操作部34と、捩りコイルばね13が配設される筒状部材35と、から構成されている。 【0041】ブラケット31は、上部フレーム15に連結されずに、車体前後方向に移動可能に設けられている。ブラケット31は、継ぎ手部材32に連結されている。継ぎ手部材32は略L字状に形成された部材であり、L字の折曲部分で上部フレーム15に連結されている。 【0042】継ぎ手部材32と上部フレーム15とは、継ぎ手部材32側にドライ軸受65を介して連結され、継ぎ手部材32が上部フレーム15に対して回動可能となるように連結される。 【0043】継ぎ手部材32は、アーム部33に連結されている。アーム部33の継ぎ手部材32側の端部は、図4に示すように、溶接等により張り合わされて平板状になっており、ビス64により継ぎ手部材32に回動可能に連結される。 【0044】アーム部33は、図3及び図5に示すように、連結部33a及びステー33cと、ステー33cに回動可能に係合されたアーム部材33bとから構成されている。アーム部33は、連結部33aを介して操作部34の軸部34bに螺合され、軸部34b上を移動するように構成されている。 【0045】アーム部材33bは、中空の長尺部材であり、図5に示すように、一方の端部がステー33cを挟持するようにして係合している。アーム部材33bとステー33cとは、ボルト61とナット62で連結されるが、アーム部材33bとボルト61との間にはカラー63が配設され、アーム部材33bがボルト61回りに回動可能となるように構成されている。 【0046】なお、アーム部材33bは、図3に示すように、操作部34の軸部34bに対して、所定角度ずれるようにして配設される。このため、アーム部材33bの側面(図示せず)には、少なくとも軸部34bが出入り可能な切り欠き(図示せず)が設けられている。 【0047】操作部34は、図3及び図5に示すように、ダイヤル部34aと軸部34bを備えており、ダイヤル部34aと上部フレーム15との間には、ころがり軸受34cが配設されている。操作部34は、ダイヤル部34aを回動させることにより、軸部34bが回動するように構成されている。そして、操作部34のダイヤル部34aを回動させることにより、アーム部33が軸部34b上を移動するように構成されている。 【0048】本例では、軸部34bの先端にクリップ部材34dを設け、このクリップ部材34dを上部フレーム15から延出するフランジ部(図示せず)に係合させて、軸部34bの抜け止めが図られている。 【0049】筒状部材35の周囲には、図6に示すように、捩りコイルばね13が配設されている。捩りコイルばね13は、車体下方側で筒状部材35との間に隙間を設けて配設されており、コイル部13cの変形に対して対応できるように構成されている。 【0050】また、筒状部材35は、シャフト12aと係合されている。筒状部材35は、図6に示すように、上部フレーム15に固定されたガイドばね35aに溶接等により接続され、上部フレーム15に弾性をもって保持されている。そして、ブラケット31と捩りコイルばね13が車体前方側に引っ張られるように動いたときに、所定範囲で車体前方側に移動可能に構成されている。 【0051】ここで、本発明の上下動サスペンション装置Sの調整動作について説明する。はじめに、体重の重い乗員が着座する場合、すなわちサスペンションを硬めにするケースについて述べる。乗員が操作部34のダイヤル部34aを所定方向に回転させると、操作部34の軸部34bが回転する。軸部34bが回転すると、軸部34bに螺合されたアーム部33が軸部34b上を、ダイヤル部34aの方へ向かって移動する。 【0052】アーム部33が移動すると、アーム部33に連結された継ぎ手部材32がアーム部33側に引っ張られる。上記のように、アーム部33が、操作部34のダイヤル部34a側に向かうようにして移動している場合は、継ぎ手部材32もダイヤル部34a側に引っ張られるように移動する。 【0053】継ぎ手部材32はL字状に形成されているので、継ぎ手部材32のアーム部33に連結された側が引っ張られることにより、継ぎ手部材32はL字の折曲部において上部フレーム15に対して回動し、ブラケット31に固定されている側の端部が、車体前方側に向かうように移動する。これにより、ブラケット31が車体前方側に引っ張られるように移動する。 【0054】ブラケット31が車体前方側に引っ張られると、ブラケット31に固着された捩りコイルばね13の端部が前方に引かれる。捩りコイルばね13は筒状部材35と一緒に前方側に引き伸ばされるとともに、コイル部13cが巻回されるように形状が変化される。 【0055】このように、調整手段30により、捩りコイルばね13について、予め余計にコイル部13cを巻回させておくことができる。そして、このように捩りコイルばね13が余計に巻回されていると、支持片11が傾倒するのに、より大きな荷重が必要となる。 【0056】上記のように、調整手段30により、捩りコイルばね13のコイル部13cの巻きが硬くなっている場合は、特に体重の重い乗員が着座する際に好適である。体重の重い乗員が着座している場合には、大きな荷重が車両用シート1及び支持片11にかかっており、支持片11が傾倒し易くなっている。 【0057】よって、上記のように捩りコイルばね13に張力が付与されていると、車両に発生した衝撃,振動または乗員の着座により車両用シート1に荷重がかかったとき、支持片11が過度に作動することなく、底付き感の発生が防止され好適である。 【0058】なお、サスペンションの硬さを上記したのとは逆に調整する場合、すなわち、体重の軽い乗員が着座するので軟らかめにする場合について述べる。この場合は、操作部34を逆向きに回転させることにより、軸部34bに螺合されたアーム部33が、軸部34b上を図3の右側方向に移動し、アーム部33が押し出されるようにして移動する。 【0059】そして、継ぎ手部材32とブラケット31は、車体前方側に引っ張られた状態から、元に戻る方向に移動する。これにより、捩りコイルばね13もコイル部13cの巻きが硬くなっている状態から元の状態に戻る。 【0060】この場合、捩りコイルばね13は張力が解除され、撓み易くなっているので、前側支持片11aが傾倒し易くなり、衝撃があった場合、衝撃に合わせて車両用シート1が上下動し、特に体重の軽い乗員が着座している場合に好適である。 【0061】なお、本例のサスペンション手段10の調整手段30には、乗員の体重に応じて、的確に捩りコイルばね13の張力が調整できるように、体重を表示した表示部36が設けられている。 【0062】表示部36は、図12に示すように、車両用シート1の前側に設けられ、60kg、100kgなどの体重表示目盛が設けられている。そして、この目盛を、アーム部33のステー33cに設けられた突出片33dが指示するように構成されている。 【0063】すなわち、突出片33dは、操作部34が回動されたときに、アーム部33のステー33cとともに操作部34の軸部34b上を移動するが、このとき、捩りコイルばね13に付与される張力に応じて、対応する目盛を指示するように構成されている。 【0064】次に、本例の上下動サスペンション装置Sを構成する緩衝部材40について説明する。緩衝部材40は、ゴムなどの弾性体からなり、図9に示すように、頭部40aと脚部40bとを備えており、頭部40aが下側で且つ車両用シートの傾倒方向を向くようにして、後側支持片11bに配設される。緩衝部材40は、例えば、図示されているような取付金具40cを介して、後側支持片11bに取着される。 【0065】緩衝部材40が設けられていることにより、前側支持片11aおよび後側支持片11bが傾倒したとき、この緩衝部材40が車体側に当たって、車両用シート1と車体とが接触することによる衝撃が吸収される。そして、緩衝部材40はサスペンション手段10を構成する後側支持片11bに直接配設されているので、後側支持片11bの動きに合わせて車両用シートの傾倒方向に移動し、確実に衝撃の緩和が行われる。 【0066】なお、緩衝部材40の弾性力をより高めるために、緩衝部材40の内側に中空部を設けた構成としても良い。また、緩衝部材40として、ゴムの他、ばね部材等他の部材を用いても良い。 【0067】なお、車両用シート1を前後方向にスライド可能な構成としても良い。この場合は、下部フレーム16に図示しない摺動レールを取着し、車体側に取り付けられた摺動レールとの間で摺動可能となるようにする。そして、図1に示すレバー50を操作することにより、スライドおよび停止動作がなされるようにする。 【0068】以上のように構成された本発明の上下動サスペンション装置Sは、車両が凹凸のある路面を走行したり、車両用シート1に乗員が勢いよく着座すること等により、車両用シート1に上下方向の衝撃,振動が発生した場合、前側支持片11aが捩りコイルばね13を撓ませながら傾倒し、さらに捩りコイルばね13の復元力によって起立し、これを繰り返して衝撃,振動を緩和する。 【0069】また、前側支持片11aは連結部材11cを介して後側支持片11bに連結されているので、後側支持片11bは前側支持片11aの動きに合わせて傾倒および起立する。 【0070】さらに、本例の上下動サスペンション装置Sは、ショックアブソーバ20を備えており、このショックアブソーバ20により、車両用シート1に発生した衝撃,振動が減衰される。また、ショックアブソーバ20によりサスペンション手段10による車両用シート1の上下動についても、次第に減衰される。さらにショックアブソーバ20は、後側支持片11bにかかる荷重についても吸収する。 【0071】また、衝撃,振動により、車両用シート1が勢いよく下降した場合でも、本例の上下動サスペンション装置Sは緩衝部材40を備えているので、緩衝部材40が車両用シート1と車体との間に介在し、車両用シート1と車体との衝突を防止するとともに、衝撃を吸収する。 【0072】このようにして、車両に発生した衝撃,振動が緩和される。本例の上下動サスペンション装置Sは、車両用シート1の前側にサスペンション手段10を備え、車両用シートの後側にはショックアブソーバ20及び緩衝部材40を備えており、また、乗員の体重に合わせて最適なサスペンション状態を確保することができるので、車両用シート1に伝達される上下方向の衝撃、振動を効果的に緩和することが可能となる。 【0073】また、本例の上下動サスペンション装置Sでは、衝撃があったとき、支持片11a,11bから捩りコイルばね13までにリンク部材などが介在しておらず、また、作用ポイントがコイル部13cに近い位置になっているので、衝撃を即時に解消することができ、快適な着座感を提供することが可能となる。 【0074】さらに、本例の上下動サスペンション装置Sは、捩りコイルばね13が水平方向に配設されているので、配設空間Kを高さ方向に大きくとる必要がなく、車両用シート1のクッション材3の厚さを十分に確保することが可能となる。 【0075】 【発明の効果】以上のように、本発明の上下動サスペンション装置は、機構部分の高さを低く且つコンパクトにするために、捩りコイルばねを付勢手段として用いている。捩りコイルばねは車両用シートの支持部に設けられたシャフトに配設され、このシャフトには、捩りコイルばねとシャフトとの間の摩擦低減を図るために、摩擦防止ローラ部材が回動可能に配設されている。 【0076】そして、本発明の摩擦防止ローラ部材は、車両に衝撃,振動が発生したり、或いは乗員の着座により車両用シートに荷重がかかり、捩りコイルばねがこの荷重を受けて形状変化したとき、捩りコイルばねとシャフトとの間に介在して回動するように構成されているので、捩りコイルばねとシャフトとの間に発生する摩擦を防止することが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000220066 【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社 【住所又は居所】埼玉県朝霞市栄町3丁目7番27号
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| 【出願日】 |
平成14年2月27日(2002.2.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088580 【弁理士】 【氏名又は名称】秋山 敦 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−252101(P2003−252101A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月10日(2003.9.10) |
| 【出願番号】 |
特願2002−51837(P2002−51837) |
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