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【発明の名称】 フットレスト付き自動車用シート
【発明者】 【氏名】栗本 智行
【住所又は居所】栃木県塩谷郡高根沢町大字太田118−1 テイ・エス テック株式会社技術センター内

【要約】 【課題】シートクッションの通常姿勢時に、また、フットレストとして使用時にも、大人用サイズのシートクッションから主座部と別体に形成した前座部を簡単な機構で安定よく姿勢保持可能に備え付ける。

【解決手段】前座部1aを後方に伸びる左右対の支持アーム10で保持し、その支持アーム10と相対する側板13をシートクッションフレームに取り付け、各支持アーム10の後端寄りで側方に突出する支ピン11a,11bを備えると共に、各支ピン11a,11bをスライド可能に挿通保持する長穴14a,14bを側板13の板面に設け、前座部1aを長穴14a,14bの穴前縁でフットレストとして掛下げ保持し、且つ、長穴の穴後縁で主座部1bと組付け保持可能に備え付ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 大人用サイズのシートクッションを前座部と主座部とに分けて別体に形成し、その前座部をフットレストとして主座部より下位に据付け可能に備え付けるフットレスト付きの自動車用シートにおいて、前座部を後方に伸びる左右対の支持アームで保持し、その支持アームと相対する側板をシートクッションフレームに取り付け、各支持アームの後端寄りで側方に突出する少なくとも二本づつの支ピンを備えると共に、各支ピンをスライド可能に挿通保持する支ピンと同数の長穴を側板の板面に設け、前座部を長穴の穴前縁でフットレストとして掛下げ保持し、且つ、長穴の穴後縁で主座部と組付け保持可能に備え付けたことを特徴とするフットレスト付き自動車用シート。
【請求項2】 穴前部並びに穴後部を中間部より下方に向けて位置する長穴を設けたことを特徴とする請求項1に記載のフットレスト付き自動車用シート。
【請求項3】 支ピンを長穴の穴前縁並びに穴後縁でくわえ込み保持するラッチを側板の板面に取り付けて備え付けたことを特徴とする請求項1または2に記載のフットレスト付き自動車用シート。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大人用サイズのシートクッションを前座部と主座部とに分けて別体に形成し、その前座部をフットレストとして主座部より下位に据付け可能に備え付けるフットレスト付きの自動車用シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、フットレスト付きの自動車用シートとしては、大人用サイズのシートクッションを前座部と主座部とに分けて別体に形成し、シートクッションの下部で前後方向に向かうベースプレートを車体フロアから立付け設置すると共に、前座部並びに主座部をリンクプレートでベースプレートと連結することにより、前座部をフットレストとして主座部より下位に掛下げ可能に備え付けるものが提案されている(特開平8−258598号)。
【0003】そのフットレスト付きの自動車用シートでは、前座部をリンクプレートの端部に挿通する支軸で枢支するだけであると、シートクッションの通常姿勢時にも、着座者が前にズレるよう動くと、前座部も前に倒れよう回転し、また、フットレストとして使用時でもブランコ状に揺動するところから安定性に欠ける。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、シートクッションの通常姿勢時に、また、フットレストとして使用時にも、大人用サイズのシートクッションを主座部と別体に形成した前座部を簡単な機構で安定よく姿勢保持可能に備え付けられるフットレスト付き自動車用シートを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係るフットレスト付き自動車用シートにおいては、大人用サイズのシートクッションを前座部と主座部とに分けて別体に形成し、その前座部をフットレストとして主座部より下位に据付け可能に備え付けるもので、前座部より後方に伸びる左右対の支持アームを前座部と一体に備え、その支持アームと相対する側板をシートクッションフレームに取り付け、各支持アームの後端寄りで側方に突出する少なくとも二本づつの支ピンを備えると共に、各支ピンをスライド可能に挿通保持する支ピンと同数の長穴を側板の板面に設け、前座部を長穴の穴前縁でフットレストとして掛下げ保持し、且つ、長穴の穴後縁で主座部と組付け保持可能に備え付けることにより構成されている。
【0006】本発明の請求項2に係るフットレスト付き自動車用シートにおいては、穴前部並びに穴後部を中間部より下方に向けて位置する長穴を設けることにより構成されている。
【0007】本発明の請求項3に係るフットレスト付き自動車用シートにおいては、支ピンを長穴の穴前縁並びに穴後縁でくわえ込み保持するラッチを側板の板面に取り付けて備え付けることにより構成されている。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、添付を参照して説明すると、図示実施の形態は、図1で示すようにシートクッション1を前寄り下部に備えるスタンド脚部2で車体フロアの下位に立付け設置し、シートバック3を含むシートクッション1の後寄りを車体フロアの高位に据付け設置する自動車シートで、大人用サイズのシートクッション1を前座部1aと主座部1bとに分け、その前座部1aをフットレストとして主座部1bより下位に据え付けられるよう構成されている。
【0009】その前座部1aには、図2で示すようにU字状のパイプ部材を後部側から後方に伸びるよう一体に埋め込むことにより、左右対の支持アーム10(以下、片側のみ図示)が組み付けられている。この各支持アーム10には、支持アーム10の軸線方向で相前後する夫々二本づつの支ピン11a,11bが軸後端寄りに取付け固定されるサイドプレート12より外側方に突出するよう備え付けられている。
【0010】シートクッションフレーム(図示せず)には、側板13が支持アーム10と相対するよう側部に取り付けられている。その側板13には、各支ピン11a,11bを挿通保持する長穴14a,14bが支ピン11a,11bと同数設けられている。この長穴14a,14bに対し、各支ピン11a,11bは穴内に挿通させて軸突端に嵌込み固定する樹脂ワッシャ15a,15b並びにプッシュナット16a,16bで軸止めすることによりスライド可能に保持されている。
【0011】その長穴14a,14bは、図3で示すように穴前部140a,141a並びに穴後部140b,141bが中間部140c,141cより下方に向けて位置する略への字状に折れ曲がるよう間隔を隔てて上下に形成されている。
【0012】その長穴14a,14bでは、下側14bの穴前部141aが上側14aの穴前部140aよりも長く前方に伸び、この両者の相関関係から前座部1aをフットレストとして主座部1より下方に据え付ける角度が設定されている。また、下側14bの穴後部141bが鋭角な曲線の中間部141cより略垂直下方に伸びると共に、上側14aの穴後部140bが大きな曲線の中間部140cから緩やかに下って後方に伸びることから、前座部1aを主座部1bと組付け保持可能に形成されている。
【0013】その長穴14a,14bの穴前部140a並びに穴後部141bには、受け口を穴縁と整合させて支ピン11a,11bをくわえ込み保持するラッチ17a,17bが側板13の板面に取り付けることにより備え付けられている。このラッチ17a,17bのうち、長穴14aの穴前部140aに備えるもの17aは受け口を斜め上向きで後方に向け、長穴141bの穴後部141bに備えるものは受け口を上方に向けて夫々取り付けられている。なお、ラッチは各長穴の穴前部並びに穴後部に備えるようにできる。
【0014】このように構成するフッドレスト付きの自動車用シートでは、シートクッションの通常姿勢時は、図4並びに図5で示すように支ピン11a,11bが長穴14a,14bの穴後部140b,141bに位置することにより、前座部1aが主座部1bと組付け保持されている。その前座部1aは、着座者が前にズレるよう動いても、穴形状の設定による簡単な機構で前にズレ出さないよう主座部1bと確実に組み付けて備え付けられる。
【0015】殊に、図示実施の形態に係る穴形状では、下側14bの穴後部141bが鋭角な曲線の中間部141cより略垂直下方に伸びると共に、上側14aの穴後部140bが大きな曲線の中間部140cから緩やかに下って後方に伸びるよう形成されているため、前座部1aを主座部1bと確実に組付け保持できて通常のシートクッションと同じ着座性が保てる。
【0016】そのシートクッションの通常姿勢から前座部1aをフットレストとして主座部1bより下位に据え付けるには、図6で示すように前座部1aを斜め上方に持ち上げながら前方に引き出すと、支ピン11a,11bが長穴14a,14bの穴後部140b,141bより中間部140c,141cにスライド移動すると共に、図7で示すように中間部140c,141cより穴前部140a,140aまでスライド移動することにより各穴縁で係止されるから、前座部1aをフットレストとして主座部1bより下位に据付け位置できる。
【0017】この自動車用シートの前座部1aは、図8で示すようにジュニアシート4を主座部1bに設置することから、ジュニアシートのフットレストとして備え付けられる。また、大人用でも、図9で示すように足を脹脛で載せることによりオットマン風のフットレストとして備え付けられる。このフットレストとしては、支ピン11a,11bが下側14bの穴前部141aが上側14aの穴前部140aよりも長く前方に伸びる長穴14a,14bの各穴前部140a,140aで係止されるからズレ動かない。
【0018】この穴形状と共に、支ピン11a,11bを長穴14a,14bの穴前部140a並びに穴後部141bに備え付けられているラッチ17a,17bでくわえ込み保持することから、シートクッション1の通常姿勢時に、前座部1aが前にズレ出さず、また、フットレストとしてもズレ動かないよう確実に姿勢決めできるため、安定した着座性が得られる。
【0019】上述した実施の形態では、二本の支ピンを備える場合に基づいて説明したが、これを三本等に増やすことから安定性を更に高めるよう設計変更できる。また、上述した長穴14a,14bの穴前部140a,141aに至る途中の中間部より分岐させて更に下方に向かう別の穴前部を設けることにより前座部1aを大人用の足載せとして使用可能に設計変更できる。この支ピン,側板を含む機構部はサイドカバー18(図1参照)で覆ってシートクッション1の下部に備え付けられる。
【0020】
【発明の効果】以上の如く、本発明の請求項1に係るフットレスト付き自動車用シートに依れば、大人用サイズのシートクッションを主座部と別体に形成した前座部を後方に伸びる左右対の支持アームで保持し、その支持アームと相対する側板をシートクッションフレームに取り付け、各支持アームの後端寄りで側方に突出する少なくとも二本づつの支ピンを備えると共に、各支ピンをスライド可能に挿通保持する支ピンと同数の長穴を側板の板面に設け、前座部を長穴の穴前縁でフットレストとして掛下げ保持し、且つ、長穴の穴後縁で主座部と組付け保持可能に備え付けることにより、シートクッションの通常姿勢時に、また、フットレストとして使用時にも、前座部を穴形状による簡単な機構で安定よく姿勢保持可能に備え付けられる。
【0021】本発明の請求項2に係るフットレスト付き自動車用シートに依れば、穴前部並びに穴後部を中間部より下方に向けて位置する長穴を設けることにより、シートクッションの通常姿勢時に、また、フットレストとして使用時にも、前座部を確実に姿勢保持可能に備え付けられる。
【0022】本発明の請求項3に係るフットレスト付き自動車用シートに依れば、支ピンを長穴の穴前縁並びに穴後縁でくわえ込み保持するラッチを側板の板面に取り付けて備え付けることにより、シートクッションの通常姿勢時に、また、フットレストとして使用時にも、前座部をより確実に姿勢保持可能に備え付けられる。
【出願人】 【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
【住所又は居所】埼玉県朝霞市栄町3丁目7番27号
【出願日】 平成14年2月20日(2002.2.20)
【代理人】 【識別番号】100077702
【弁理士】
【氏名又は名称】竹下 和夫
【公開番号】 特開2003−237450(P2003−237450A)
【公開日】 平成15年8月27日(2003.8.27)
【出願番号】 特願2002−43115(P2002−43115)