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【発明の名称】 車両用シート
【発明者】 【氏名】一色 和久
【住所又は居所】愛知県刈谷市一里山町金山100番地 トヨタ車体株式会社内

【要約】 【課題】シートバックを前倒ししてシートクッションを前方下方に移動したときに生じる後部床面との間の空間を有効に活用できる車両用シートを提供すること。

【解決手段】シートバック30を前倒ししたときにシートバック30がシートクッション20上に折り重ねられ、シートバック30の背面35が後部床面60と略同じ高さになるように設定された車両用シート10と後部床面60との間に形成された空間Kの開口部を覆う蓋体40をシートバック30の背面35に設け、該蓋体40はシートバック30の前倒し状態のときに上下に回動可能で、その回動により空間Kの開口部を開閉可能とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シートバックを前倒しすることにより該シートバックをシートクッション上に折り重ね可能で、該シートバックを前倒しした状態では、シートバックの背面がシートバックの後方に縦壁を介して一段高く形成された車両の後部床面と略同じ高さとなり、かつシートバックおよびシートクッションと前記縦壁との間に上方に開放する空間が形成されるように構成されており、前記シートバックの下端には、前記空間を閉じる蓋体が、前記シートバックを起倒するとき水平状態を維持するように回動可能に設けられている車両用シートにおいて、前記蓋体は、前記シートバックが前倒し状態のとき上下に回動可能で、該回動により前記空間を開閉可能となっていることを特徴とする車両用シート。
【請求項2】 請求項1に記載の車両用シートにおいて、シートバックフレームから延出し、前記シートバックが前倒し状態で前記蓋体が前記空間を閉じているときに、前記蓋体の下面に当接して該蓋体を支持する補強部材が設けられていることを特徴とする車両用シート。
【請求項3】 請求項2に記載の車両用シートにおいて、前記補強部材は、前記シートバックフレームに対し回動可能で、前記空間を開閉するとき該蓋体と別個に回動するように構成されていることを特徴とする車両用シート。
【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車両用シートにおいて、前記空間は、前記シートバックを前倒しするときに取り外すヘッドレストを収納可能であることを特徴とする車両用シート。
【請求項5】 請求項4に記載の車両用シートにおいて、前記空間内に、ヘッドレストを収納したときに該ヘッドレストを支持する支持部材を設けたことを特徴とする車両用シート。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用シートに関し、特にシートバックを前倒しすることによりシートバックをシートクッション上に折り重ね可能で、シートバックを前倒しした状態ではシートバックの背面が車両の後部床面と略同じ高さになるようにした車両用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の後部に乗員室と一体に荷室を設けたRV(リクリエーショナル・ビーヒクル)車が人気を博しており、RV車は使用状況に応じて荷室を広くするために後部座席のシートバックを前倒しして、シートバックの背面と後部床面とが略同じ高さになるように設定されている。そして、シートバックを前倒ししたときにシートバックの背面と後部床面とが略同じ高さになるようにするために、シートバックの前倒しと連動してシートクッションを前方下方に移動させて、その上にシートバックを折り重ねるようにしている。
【0003】その例を図8で説明すると、RV車の室内には、運転席、助手席となる1列目のシート(図略)の後に2列目のシート700があり、その後に3列目のシート800が設けられ、さらに最後部に荷室となる後部床面60が設けられている。後部床面60は、荷箱64と該荷箱64の上部開口部を覆い床面となる床蓋63からなり、荷箱64内への物品の出し入れのときは、該床蓋63を開閉できるようになっている。後部床面60を広く使用する場合は、3列目のシート800のシートバック830の上部に取り付けられているヘッドレスト80を外し(図8の工程■)、シートバック830を回動可能に支持するリクライニング機構あるいは回動機構のロックを解除し(■)、シートバック830を前倒し(■)して、シートバック830の前倒しと連動してシートクッション820を下降しながら前方に移動させて、シートバック830をシートクッション820上に折り重ねてシートバック830の背面835と前記床蓋63の上面が略同じ高さとなるようにする。そして、床蓋63を開いて(■)荷箱64にヘッドレスト80を納め(■)、床蓋63を閉じる(■)という手順で行われる。
【0004】このシートバック830の前倒しによるシートクッション820の下降と前方移動の機構を図7により説明すると、まずシートクッション820は、該シートクッション820の前部の下端を車両床面Fに取り付けられたブラケット8211に下端を回動自在に支持されたリンクアーム8212の上端と回動自在に連結され、シートクッション820の後方に取り付けたL字状のヒンジアーム8213の上部先端がシートバック830の側面に連結軸82139により回動可能に連結されている。シートバック830は、その側面で、車両床面Fに取り付けられている前記ブラケット8211の後端に回動軸82119により回動可能に支持されている(図7の(A))。したがって、シートバック830を前倒しするとシートバック830は回動軸82119を回動中心として前方へ回動する。するとシートクッション820後部のヒンジアーム8213の連結軸82139も回動軸82119を回動中心として前方へ回動し、シートクッション820を前方に押圧することとなる。すると、シートクッション820はリンクアーム8212を押圧して該リンクアーム8212の回動に規制されて前方下方に移動すると同時にシートバック830がシートクッション820上に折り重ねられる(図7の(B))。
【0005】ところで、車両の後部床面60は、床蓋63の上面が前倒しされたシートバック830の背面835と略同じ高さになるように、車両床面Fより縦壁62を介して一段高く形成されている。しかも、この縦壁62と3列目のシート800との間は、シートバック830を起立した状態では干渉しないように縦壁62との間に隙間を設けている。したがって、シートバック830を前倒ししてシートバック830の下端面が縦壁62と対峙したときに、回動軸82119から縦壁62の距離よりも回動軸82119からシートバック830の下端面までの距離が小さい分だけ上方に開口する空間Kが生じる。後部床面60を荷室として広く使用するためにはシートバック830を前倒ししたときにこの空間Kの開口部を閉鎖する必要があるが、従来は、厚めのカーペット材850をシートバック830の背面835と後部床面60との間に取り付けておき、シートバック830を起立させたときにはこのカーペット材850が前記空間K内に折り畳まれるように収納される構造や、図7の2点鎖線で示すように、シートバック830の背面835に、シートバック830を前倒ししたときに水平状態を維持して前記空間Kの開口部を覆う蓋体840を設ける構造等が採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のようなカーペット材850により前記空間Kの開口部を閉じる構造のものでは、カーペット材850が柔らかいため空間Kの開口部を強度を確保して閉鎖することができない。このため、後部床面60をシートバック830の背面835と一体となった荷室として使用する場合に、空間Kの開口部に重量物を置かないなど使用が制限されるとともに、カーペット材850では空間Kの開口部が開閉できないので、空間Kを有効に活用することができず、空間Kが無駄なスペースとなるという問題が生じていた。また、単に空間Kの開口部を蓋体840で覆う構造では、該蓋体840はシートバック830の前倒しのための回動に追従して水平状態を維持して前記空間Kの開口部を埋めて後部床面60を広くするように機能するのみであり、空間Kの開口部を開閉することはできないため、前記空間Kを有効に活用することはできなかった。とくに、2列目と3列目のシートとの間隔の関係で、3列目のシートバックを前倒しするときに、ヘッドレストを取り外す必要がある場合は、その取り外したヘッドレストを後部床面上やその下部の荷箱に収納していたが、後部床面上に置く場合は荷物積載上邪魔となり、荷箱内に収納する場合はヘッドレストが汚れたり他の収納物が収納できなくなったりするという問題がある。
【0007】そこで、本発明は、かかる課題を解決すべく、シートバックを前倒ししてシートクッションを前方下方に移動したときに生じる後部床面との間の空間を有効に活用できる車両用シートを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1に記載の車両用シートは、シートバックを前倒しすることにより該シートバックをシートクッション上に折り重ね可能で、該シートバックを前倒しした状態では、シートバックの背面がシートバックの後方に縦壁を介して一段高く形成された車両の後部床面と略同じ高さとなり、かつシートバックおよびシートクッションと前記縦壁との間に上方に開放する空間が形成されるように構成されており、前記シートバックの下端には、前記空間を閉じる蓋体が、前記シートバックを起倒するとき水平状態を維持するように回動可能に設けられている車両用シートにおいて、前記蓋体が、前記シートバックが前倒し状態のとき上下に回動可能で、該回動により前記空間を開閉可能となっていることを特徴とする。よって、蓋体により前記空間を閉鎖したときに後部床面とシートバックの背面が略同一面となり、さらに蓋体により前記空間を開放したときに、該空間にものを入れることができるようになり、該空間を有効に活用することができる。
【0009】また、本発明に係る請求項2に記載の車両用シートは、シートバックフレームから延出し、前記シートバックが前倒し状態で前記蓋体が前記空間を閉じているときに、前記蓋体の下面に当接して該蓋体を支持する補強部材が設けられていることを特徴とする。よって、前記蓋体が前記空間を閉じているときに、該蓋体に上部から大きな力が掛かっても前記補強部材により補強されるので、蓋体および前記空間への収容物を破損するおそれがない。
【0010】また、本発明に係る請求項3に記載の車両用シートは、前記補強部材が、前記シートバックフレームに対し回動可能で、前記空間を開閉するとき該蓋体と別個に回動するように構成されていることを特徴とする。よって、前記蓋体が前記空間を閉鎖して補強部材を必要とするときに蓋体の下面に当接し、蓋体を開放するときには、補強部材も蓋体と別個に回動できて前記空間を遮ることがないので、前記空間へのものの出し入れが容易にできる。
【0011】本発明に係る請求項4に記載の車両用シートは、前記空間が、前記シートバックを前倒しするときに取り外すヘッドレストを収納可能であることを特徴とする。よって、前記空間にヘッドレストを収納することができるので、従来使用されていないスペースを有効に活用して、他の荷物の積載を助け、かつ、ヘッドレストを汚したりしないで収納することができる。また、シートバックを起立させるときは、ヘッドレストを前記空間から排出しなければならないので、ヘッドレストの使用を失念することがない。
【0012】本発明に係る請求項5に記載の車両用シートは、前記空間内に、ヘッドレストを収納したときに該ヘッドレストを支持する支持部材を設けたことを特徴とする。よって、ヘッドレストを確実に固定でき、走行中の振動などでヘッドレストががたつくことがなく、異音の発生が抑制できる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る車両用シートの一の実施の形態について図面を参照して以下に説明する。本実施の形態の車両用シートは、RV車に設けられたものである。ここで、図1は、シートバックを前倒しした状態の後部荷室を示した斜視図であり、図2は、シートバックを起立させた状態の車両用シートの側面図である。
【0014】(構成)本発明に係る車両用シートの一実施の形態の構成について説明する。なお、本実施の形態の車両用シートは従来の技術で説明した第3列目のシートで説明するが、第3列目のシートに限らず、車両の後部床面と隣り合うシートであれば本発明を適用できる。車両用シート10は、左右に2分割されたシートクッション20とシートバック30と、これらシートクッション20とシートバック30を車両の床面Fに回動可能に支持する支持機構21及びリクライニング機構31等から構成されている。以下の説明では左右に2分割された一方の車両用シート10について説明する。他方の車両用シート10も同様または左右対称である。シートクッション20は、図2、図3に示すように、シートクッション20の前部下面で、シートクッション20の左右の幅と略同一の間隔で車両床面Fに取り付けられたブラケット211に、リンクアーム212を介して回動可能に連結されている。すなわち、リンクアーム212は上端をシートクッション20の前部下面に回動可能に、下端をブラケット211の前部の軸受部2119に回動可能にそれぞれ連結されている。シートクッション20の後端には、下辺を前方に向かって延在してクッションフレームと連結し、後部を上方に向けてL字形としたヒンジアーム213を設けて、該ヒンジアーム213の上端の軸受部2139でシートバック30の下部と回動可能に連結している。
【0015】シートバック30は、その下端で前記ブラケット211の後部に取り付けられたリクライニング機構31により回動可能に支持されている。すなわち、リクライニング機構31の固定子側311がブラケット211の後部に設けた取付部2115にボルト2118、2118により取り付けられ、回動子側312がシートバック30の下端に固定されて、シートバック30はリクライニング機構31の回動中心313を中心として前後方向に回動可能となっている。
【0016】一方、この車両用シート10の後方に位置する後部床面60は、図2、図3に示すように、シートバック30を前倒ししてシートクッション20上に折り重ねたときにシートバック30の背面35と略同じ高さとなるように、車両床面Fより縦壁62を介して一段高く形成されている。そして、この後部床面60は、その下方に荷箱64を埋設し、上面に、図1に示すように、カーペット材を張り付けた厚板合板の床蓋63を設けて、該床蓋63をその前端に設けたヒンジにより開閉可能に、あるいは、ヒンジを設けずに取り外し可能にして、前記荷箱64の上部開口を開閉できるように構成されている。
【0017】さらに、前記シートバック30の背面35の下部には、シートバック30を前倒ししてシートクッション20上に折り重ねたときにシートバック30およびシートクッション20と前記縦壁62との間に形成される上方に開放される空間Kを開閉する蓋体40と、該蓋体40を下面から補強する補強部材50が取り付けられている。すなわち、蓋体40は、シートバック30の左右方向の幅と略同じ大きさの幅を有する厚板材にカーペットを張り付けた蓋本体41と、該蓋本体41の前端をシートバック30の背面下部に回動可能に支持するヒンジ42とから構成されている。蓋本体41をシートバック30の背面下部に回動可能に支持する位置は、図2のシートバック30の起立位置、図3のシートバック30の前倒位置のいずれの位置においても蓋本体41の後端が後部床面60上に重なったときに、蓋本体41が後部床面60の上面と略平行になるように設定することが望ましい。
【0018】つぎに、本実施の形態の車両用シート10では、図3に示すように、シートバック30を前倒しするとシートクッション20が前方へ移動し、シートクッション20の後端と前倒ししたシートバック30の下端面が前述した後部床面60の縦壁62と対峙してその間に上方に開口する空間Kが形成されるため、この空間Kの開口部を前記蓋体40で覆うと、蓋本体41を支持するシートバック30後端と後部床面60前端との間隔が大きいため、蓋本体41上に人が膝をつくような局部的な荷重が掛ると蓋本体41が破損する恐れがある。このような蓋本体41の破損を防止するために、シートバックフレーム(図略)に補強部材50が設けられている。
【0019】補強部材50は、図1、図5に示すように、架橋部51と該架橋部51の両端から延在するアーム部52、52とによりコ字形のアーチ状に形成され、該アーム部52の先端に取り付けられたヒンジ53により、シートバックフレーム下端の鋼管製横部材32の左右に取り付けられたヒンジブラケット55に前記蓋体40と同一方向に回動可能に支持されている。ヒンジブラケット55は、回動軸59を挿通する軸受孔を穿設したヒンジ部551の下端を円弧状に切り欠き、ヒンジ部551の後半部を横部材321と平行にL字状に折り曲げてストッパ面552を形成し、その対称形のものをストッパ面552の板端面で突き合せ状に前記横部材321の所定の位置に取り付けて構成されている。
【0020】補強部材50のヒンジ53は、アーム部52を挟むように断面コ字状に折り曲げて、その両立上部に回動軸59を挿通する軸受孔を穿設したもので、断面コ字状部にアーム部52を挟んで接続されている。そして、このヒンジ53をヒンジブラケット55のヒンジ部551、551間に挿入してこれらの軸受孔の軸心を一致させ回動軸59を挿通することにより、補強部材50をシートバック30に回動可能に支持させる。なお、シートバック30に対する補強部材50の回動は、図示の反時計回りの方向への回動すなわち架橋部51の上方への回動は比較的自由であるが、時計回り方向すなわち架橋部51の下方への回動は、コ字状断面のヒンジ53の底部とヒンジブラケット55のストッパ面552との当接で制限される。
【0021】また、前記空間K内の車両床面F上には、図4に示すように、この空間K内に取り外したヘッドレスト80を収納したときに、該ヘッドレスト80のステー部82を支持する支持部材65を取り付けて、ヘッドレスト80の移動やがたつきを防止している。
【0022】(作用)次に、以上のように構成した本実施の形態の車両用シートの動作について説明する。まず、車両後部の荷室を広くするためにシートバック30からヘッドレスト80を取り外し、シートバック30の図示しないロックを解除してシートバック30を車両前方に前倒しすると、シートバック30はリクライニング機構31の回動軸313を回動中心として図示の反時計方向に回動する。このシートバック30の回動に伴って、該シートバック30とシートクッション20とを連結している軸受部2139も回動軸313を回動中心として反時計方向に回動する。シートクッション20は、軸受部2139の回動によりヒンジアーム213を介してシートクッション20が前方に押圧され、リンクアーム212の上端を前方へ押圧しながらリンクアーム212の下端の軸受部2119を回動中心とするリンクアーム212の反時計方向への回動に規制されつつ下降しながら前方へ移動する。このシートクッション20の下降移動と同時にシートバック30がシートクッション20上に折り重ねられ、シートバック30の背面35が図3に示すように後部床面60と略同じ高さの平面となる。
【0023】また、シートバック30の前倒し動作に伴って、蓋体40のヒンジ42も回動軸313を回動中心として反時計方向に回動し、蓋本体41がその後端を後部床面60に接触しながら前方に移動し、空間Kの開口部を閉鎖する。
【0024】一方、補強部材50は、図6に示すように、シートバック30が起立状態(図6の(A))にあるときは回動軸59が後方に位置するため、架橋部51を下端にしてアーム部52が略垂直の状態に垂れ下がった状態となる。そして、シートバック30の前倒し動作途中では、図6の(B)のように回動軸59が上方に回動するので、コ字形のヒンジ53の下面がヒンジブラケット55のストッパ面552に当接した状態となる。この当接した状態でさらに前倒しされてシートバック30がシートクッション20上に折り重ねられると、架橋部51が蓋本体41の下面に当接して固定される(図6の(C))ため、架橋部51を上方から押圧する力を保持することができる。したがって、蓋体40に上方からの押圧力が掛ってもこの補強部材50により蓋体40の下面を保持するため、蓋体40を破損することがない。
【0025】さらに、蓋体40で閉鎖された前記空間Kの開口部を開放するために、蓋体40をヒンジ42を回動中心として上方に回動すると、補強部材50のみがこの空間Kの開口部に残ることになるが、図6の(C)に示すように、補強部材50を回動軸59を回動中心として上方に回動することができ、補強部材50を上方に回動すると、前記空間Kの開口部を開放して該空間Kに後述するヘッドレスト80等を収納することができる。
【0026】つぎに、上記のように上部が開放された空間K内にヘッドレスト80を収納する場合は、図4に示すように、空間Kの開口部からヘッドレスト80のステー部82を車両床面Fとシートクッション20の間に挿入し、支持部材65に支持させて、枕部81を空間Kに収納することができる。そして、補強部材50と蓋体40を時計方向に回動して前記空間Kの開口部を閉鎖すると、枕部81は補強部材50の架橋部51と蓋本体41の下面とにより抑えられた状態となりがたつかない。
【0027】上記の逆に、空間Kに収納されているヘッドレスト80を取り出す場合は、蓋体40を上方に回動して補強部材50を回動可能とし、補強部材50も上方に回動して空間Kの上方の開口部を開放する。そして、再び蓋体40と補強部材50を下方に回動して空間Kの開口部を閉鎖し、次ぎにシートバック30を起立方向に回動する。するとシートクッション20が上昇させられて、車両用シート10は通常の着座可能な状態に復帰する。その後、シートバック30の上端にヘッドレスト80を取り付けて使用可能な状態となる。
【0028】このように、シートバック30を前倒ししたときにシートバック30がシートクッション20上に折り重ねられ、シートバック30の背面35が後部床面60と略同じ高さになるように設定された車両用シート10と後部床面60との間に形成された空間Kの開口部を覆う蓋体40をシートバック30の背面35に設け、該蓋体40はシートバック30の前倒し状態のときに上下に回動可能で、その回動により空間Kの開口部を開閉可能としたので、後部床面60を含めた荷室を広くすることができ、また前記空間Kをもの入れとして活用することが可能となった。
【0029】なお、本発明は前記実施の形態のものに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、前記実施の形態では、シートバックの回動支持をリクライニング機構としたが、これに限られず、単に回動軸を有するものでも可能である。
【0030】
【発明の効果】本発明は、シートバックを前倒しすることによりシートバックがシートクッション上に折り重ねられ、前倒しした状態では、シートバックの背面がシートバックの後方に縦壁を介して一段高く形成された後部床面と略同じ高さとなり、かつシートバックおよびシートクッションと前記縦壁との間に上方に開放する空間が形成され、前記シートバックの下端に前記空間を閉じる蓋体を回動可能に設けた車両用シートにおいて、前記蓋体は、前記シートバックが前倒し状態のとき上下に回動可能で、該回動により前記空間を開閉可能となるように構成したので、蓋体により前記空間の開口部を閉鎖したときに後部床面とシートバックの背面が略同一面となり、さらに蓋体により前記空間を開放したときに、該空間にものを入れることができ、該空間を有効に活用することが可能となった。
【出願人】 【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
【住所又は居所】愛知県刈谷市一里山町金山100番地
【出願日】 平成14年2月13日(2002.2.13)
【代理人】 【識別番号】100097009
【弁理士】
【氏名又は名称】富澤 孝 (外2名)
【公開番号】 特開2003−237439(P2003−237439A)
【公開日】 平成15年8月27日(2003.8.27)
【出願番号】 特願2002−34781(P2002−34781)