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【発明の名称】 自動車座席用のフットレスト装置
【発明者】 【氏名】石山 正雄
【住所又は居所】神奈川県横須賀市田浦港町無番地 関東自動車工業株式会社内

【要約】 【課題】簡単な切替操作によって脚を乗せるオットマン使用を可能にした自動車座席用のフットレスト装置を提供する。

【解決手段】座部1の前端部に固定された横軸2に左右一対のアーム3の一端を上下方向に旋回可能に取り付け、横軸2にアーム8の旋回位置決め用のギヤ4を固設し、左右アーム8に横軸2と平行にレバー軸5を回転可能に嵌挿し、レバー軸5の両端にギヤ4に係脱してアーム8の旋回位置を位置決めするロックレバー6を固着し、アーム8の他端にレバー軸5と平行に固着した支持軸7にフットレストプレート8の一端を回転可能に軸承し、フットレストプレート8の裏面8bを横軸2に凹部9を介して嵌合しアーム3と平行して直立姿勢で格納し、フットレストプレート8を水平位置に反転旋回してフットレスト使用としアーム3をフットレストプレート8と並行な状態で上方水平位置に旋回してオットマン使用とするようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】座席の座部前端部に固定された横軸の両端に一端が回転可能に取り付けられ上下方向に旋回可能な左右一対のアームと、前記横軸の両端に固設されたアーム旋回位置決め用のギヤと、前記左右のアーム間に渡って前記横軸と並行な軸線で前記アームに回転可能に嵌挿したレバー軸と、このレバー軸の両端に固着され前記ギヤに係脱して前記アームの旋回位置を位置決めするロックレバーと、前記アームの他端間に渡って前記レバー軸と平行な軸線で固着した支持軸に一端が回転可能に軸承されたフットレストプレートとからなり、前記フットレストプレートを前記支持軸中心で略水平姿勢とアームと並行な姿勢に規制するストッパ手段と前記フットレストプレートの裏面に前記横軸とレバー軸に嵌合する凹部とを備えており、フットレストプレートを略水平姿勢に反転してフットレストプレートの裏面側でフットレスト使用としアームと共にフットレストプレートを上方水平位置に旋回してフットレストプレートの表面側でオットマン使用とするようにしたことを特徴とする自動車座席用のフットレスト装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長時間の遠距離走行等で楽な着座姿勢を保持するための自動車座席用のフットレスト装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車で長時間の遠距離走行では着座者の足腰に疲れが生じる。これを防止するためにフットレストを装備した座席が提供されており、これに足を乗せて楽な着座姿勢を保持させるようにしている。従来のフットレスト装置、特に福祉車両に用いられる回転シートにおける一般的なフットレストは図7で示すように、座部1の前端部の下面に固定したブラケット21にフットレストプレート20を回転可能に支持し、これを足乗せとして使用する場合は実線のように略水平方向に位置し、使用しない場合は点線のように座部1の前端部に向けて回転して立てかけた状態で格納するようにした構造や図8で示すよう、座部前端部の下面に固定した円筒部を有するブラケット23にパイプフレーム22を前後方向にスライド可能に嵌挿して、これを足乗せとして使用する場合は点線のように前方に引き出し、使用しない場合は実線のように後方に押し込んで座部1の下方に格納するようにした構造である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、長椅子で脚をクッション上に乗せるオットマンのように着座者の脚を支持することができれば、なお一層楽な着座姿勢をとることができ疲れをさらに減少させることができる。しかしながら、上記従来の何れのフットレスト構造においても、着座者の足を乗せるだけの単一機能のみである。また、このようなフットレスト構造が装備されていない座席では、足乗せのためにクッションブロックを座席前方のフロア上に持ち込んで、これを足や脚乗せにしていることがあるが、使用しない場合には邪魔になる不都合がある。
【0004】本発明の目的は、簡単な切替操作によって脚を乗せるオットマン使用を可能にした自動車座席用のフットレスト装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するための本発明は、請求項1に記載した通り、座席の座部前端部に固定された横軸の両端に一端が回転可能に取り付けられ上下方向に旋回可能な左右一対のアームと、前記横軸の両端に固設されたアーム旋回位置決め用のギヤと、前記左右のアーム間に渡って前記横軸と並行な軸線で前記アームに回転可能に嵌挿したレバー軸と、このレバー軸の両端に固着され前記ギヤに係脱して前記アームの旋回位置を位置決めするロックレバーと、前記アームの他端間に渡って前記レバー軸と平行な軸線で固着した支持軸に一端が回転可能に軸承されたフットレストプレートとからなり、前記フットレストプレートを前記支持軸中心で略水平姿勢とアームと並行な姿勢に規制するストッパ手段と前記フットレストプレートの裏面に前記横軸とレバー軸に嵌合する凹部とを備えており、フットレストプレートを略水平姿勢に反転してフットレストプレートの裏面側でフットレスト使用としアームと共にフットレストプレートを上方水平位置に旋回してフットレストプレートの表面側でオットマン使用とするようにしたことを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本発明の構造を説明する前に、本発明の主要構成部品を図6によって説明する。図3で示しているように座席の座部1の下面に固定される支持部材17に固設されている横軸2、左右一対のアーム3、ギヤ4、レバー軸5、ロックレバー6、支持軸7、フットレストプレート8及びフットレストプレート8のストッパピン14からなり、その他の付属部品としてカバー15、スプリング16、レバー6のストッパピン18等である。
【0007】図1において、1は座席の座部である。この座部1の前端部に横軸2が前記支持部材17を介して固定され、この横軸2の両端に上下方向に旋回とする左右一対のアーム8の一端が回転可能に取り付けられている。また、横軸2の両端には前記アーム8の旋回位置決め用のギヤ4が固設されている。このギヤ4は図4で示すように、横軸2の両先端に楕円形の雄ねじ軸2aを設け、ギヤ4には楕円形の穴4aを設けて前記楕円形の雄ねじ軸2aに嵌合しナット24で締め付けてギヤ4を横軸2に周り止め状態で固設している。
【0008】前記レバー軸5は、前記左右のアーム8間に渡って前記横軸と平行な軸線で前記アーム8に回転可能に嵌挿されている。このレバー軸5の両端には前記ギヤ4に係脱して前記アーム8の旋回位置を位置決めするロックレバー6が固着されている。このロックレバー6は図5で示すように、レバー軸5の両先端に楕円形の軸5aを設け、ロックレバー6には楕円形の穴6aを設けて前記楕円形の軸5aに嵌合しEリング25を楕円形の軸5aに嵌め込んでロックレバー6をレバー軸5に対し周り止め状態で固着している。また、左右何れか一方、若しくは両方でもよいが図例のように左右何れか一方のロックレバー6に把手11を形成している。
【0009】前記のようにレバー軸5はアーム8に回転可能に嵌挿されているから、これに周り止めで固着された一方のロックレバー6をストッパピン18で規制される範囲で回動操作することによりレバー軸5が回転して他方のロックレバー6も同期して回動するものである。前記ロックレバー6はスプリング16により、常にギヤ4への係合方向に付勢されており、ギヤ4への係合によってアーム8の旋回位置を位置決めする。ロックレバー6をスプリング16の付勢力に逆らう方向に回動することによりギヤ4との係合が解脱されアーム8は横軸2を回転中心にして上下方向に自由に旋回可能となる。尚、前記ギヤ4とロックレバー6はアーム3に固着したカバー15で覆っている。
【0010】前記支持軸7は、前記アーム8の他端間に渡って前記レバー軸5と平行な軸線で固着される。この支持軸7にはフットレストプレート8を略水平とアーム3と並行な姿勢に規制して回転するようフットレストプレート8の一端が軸承されされている。前記フットレストプレート8は表面8aと裏面8bとからなり、裏面8bにはフットレストプレート8を前記横軸2に嵌合する凹部9とレバー軸5に嵌合する凹部10とを備えており、前記横軸2に嵌合する凹部9には図3で示すように、フットレストプレート8を横軸2に保持させるために横軸に圧着する突起12a、12bが設けられている。
【0011】前記フットレストプレート8を略水平とアーム3と並行な姿勢に規制する手段は、支持軸7に軸承されフットレストプレート8の一端にストッパピン14を取り付け、アーム8の他端にフットレストプレート8の略水平回転位置とアーム3と並行な回転位置との略90度円弧の案内溝13を設け、この案内溝13に前記ストッパピン14を挿入して案内溝13端で規制するようにしている。
【0012】上記の構造よりなる本発明はフットレストプレート8の表面8a側で足乗せするフットレスト使用とし、フットレストプレート8を反転した裏面8b側で脚乗せするオットマン使用とするものでありその動作を説明する。
【0013】フットレストプレート8の格納状態は図1の実線、図2及び図3の実線で示すように、アーム8を直立姿勢にしてロックレバー6をギヤ4に係合することにより直立姿勢でロックされ、フットレストプレート8はその裏面8bに形成されている凹部9を横軸2に嵌合して直立姿勢のアーム3と並行になって座部1の前面に直立姿勢で格納する。このフットレストプレート8の直立姿勢はストッパピン14が案内溝13の下方の端部に当接することよって規制される。また、フットレストプレート8は凹部9に設けられている突起12a、12bが横軸2に圧着して横軸2に保持される。フットレストプレート8の裏面8bに形成されているもう一つの凹部12bはレバー軸5に嵌合してフットレストプレート8の直立姿勢のときにフットレストプレート8の裏面8bがレバー軸5と干渉して直立姿勢を阻害することから回避している。
【0014】この格納状態からフットレストプレート8を足乗せのフットレストとして使用する場合は、フットレストプレート8を横軸2の嵌合から外し、支持軸7を回転中心として前方に90度旋回させ図1の仮想線で示すように下方位置で裏面8b側を上向きに反転して水平姿勢になり、フットレストプレート8の裏面8b側が足乗せ面となる。
【0015】このフットレストプレート8の水平姿勢位置は前記ストッパピン14が案内溝13の上方の端部に当接することで規制される。フットレストプレート8の水平姿勢位置の高さの調整は、把手11によってロックレバー6をスプリング16の付勢力に抗して回動することによりレバー軸5は回転し、左右のロックレバー6をギヤ4の係合から解脱する。これにより、アーム3は横軸2を中心にして上下方向に自由に旋回動な状態となり、足先等でフットレストプレート8を上げ下げしてアーム3を上下動させ、フットレストプレート8の水平位置の好みの高さでロックレバー6をギヤ4に係合することでアーム3は横軸2に対しロックされフットレストプレート8は好みの高さの水平位置に位置決めされる。
【0016】前記フットレストプレート8に足を乗せているときに自動車の制動や横揺れなどでフットレストプレート8に踏み込みによる大きな荷重が作用しても、この荷重をストッパピン14を介して案内溝13で受け止め、また、アーム3はロックレバー6によりギヤ4を介して横軸2にロックされているため、フットレストプレート8の水平姿勢と高さは保持され安全な状態を確保する。
【0017】フットレストプレート8を脚乗せのオットマン使用する場合は、前記フットレストプレート8の凹部9を横軸2に嵌合してアーム3と並行にした格納状態でロックレバー6をギヤ4の係合から解脱してアーム3を横軸2を中心にして上下方向の旋回を自由状態とし、アーム3を水平姿勢にし、ロックレバー6をギヤ4に係合してアーム3を横軸2にロックすることにより図1及び図3の仮想線で示すように、フットレストプレート8の表面8a側が上向きとなり、これに脚を乗せるオットマン使用に切り替えられる。
【0018】このオットマン使用においても、アーム3はロックレバー6によりギヤ4を介して横軸2にロックされているため、脚を乗せたフットレストプレート8に大きな荷重が作用してもフットレストプレート8の水平姿勢は保持され安全な状態を確保する。また、ギヤ4とロックレバー6はアーム3に固着したカバー15で覆っているため、座部1の前端部に配置されるギヤ4とロックレバー6に乗員の脚や手が直接触れることがなく安全性を有している。
【0019】
【発明の効果】以上のように本発明によると、フットレストプレートを表裏反転する簡単な切替操作と好みの水平位置の調整を可能とした足乗せのフットレスト使用と脚乗せのオットマン使用の両方の機能を奏するため、長時間の遠距離走行で着座者の足腰に疲れを極力発生させない楽な着座姿勢とする利便性を有し、しかも、ロックレバーとギヤによるアームのロック機構及びストッパピンとこれの案内溝機構によりフットレストプレートに大きな荷重が作用しても水平姿勢を保持するため安全性を確保したフットレスト装置を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000157083
【氏名又は名称】関東自動車工業株式会社
【住所又は居所】神奈川県横須賀市田浦港町無番地
【出願日】 平成14年1月21日(2002.1.21)
【代理人】 【識別番号】100090435
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 義雄
【公開番号】 特開2003−212026(P2003−212026A)
【公開日】 平成15年7月30日(2003.7.30)
【出願番号】 特願2002−11040(P2002−11040)