| 【発明の名称】 |
自動車のアームレスト構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】中山 一郎 【住所又は居所】神奈川県高座郡寒川町宮山3316番地 河西工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】上方からの荷重によりアームレスト本体内に設けられた芯材のブリッジが破損して、衝突時アームレスト本体の側方より作用する衝撃荷重が吸収できなくなる。
【解決手段】芯材4の上面板を上下2段の上面板4a,4bで構成することよって平面視L字型の縦壁4cを形成し、縦壁4cのうち長手方向壁部4dが車室内方向に向くとともに短手方向壁部4fが車室後方向に向くように形成されており、短手方向壁部4fに切欠き孔4gを設けて、アームレスト本体1の側方より作用する衝撃に対して短手方向壁部4fを中心として上下2段の上面板4a,4bが座屈することによって衝撃を吸収するように構成した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アームレスト本体を、芯材の表面を表皮で被覆することにより構成した自動車のアームレスト構造であって、前記芯材の上面板を上下2段に成形することによって平面視L字型の縦壁を形成し、該縦壁のうち長手方向壁部が車室内又は外方向に向くとともに短手方向壁部が車室前又は後方向に向くように形成されており、該短手方向壁部に切欠き孔を設けて、前記アームレスト本体の側方より作用する衝撃に対して前記短手方向壁部を中心として前記上下2段の上面板が座屈することによって前記衝撃を吸収するように構成した自動車のアームレスト構造。 【請求項2】 前記長手方向壁部に複数の透孔を設けて、前記アームレスト本体の側方より作用する衝撃に対して、前記上下2段の上面板が互いに座屈することによって前記衝撃を吸収するように構成した請求項1記載の自動車のアームレスト構造。 【請求項3】 互いに隣り合う前記透孔同士の間に形成されるリブ部に薄肉部を形成した請求項2記載の自動車のアームレスト構造。 【請求項4】 前記短手方向壁部に設けた切欠き孔に連続するように、前記長手方向壁部に連通孔を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の自動車のアームレスト構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は自動車のドア内側などに設けられたアームレストに関する。 【0002】 【従来の技術】従来自動車のドア内側などに設けられたアームレストaは、図11に示すように芯材bの表面がウレタンなどの発泡体よりなる軟質層cと、塩化ビニールなどの表皮dにより2重に被覆されており、芯材bには例えば図10に示すものが使用されている。 【0003】芯材bは、上面板eと、この上面板eの一方の側縁より下方へ延出された側板fにより断面がほぼL字形に形成されていて、合成樹脂により上面板eと側板fが一体成形されておリ、上面板eには、アームレストaが側方より衝撃荷重を受けた際、この衝撃荷重を吸収して衝撃より乗員を保護するため、複数の開口部gが開口されている。 【0004】また開口部gは、ほぼ正方形をなす開口部gの対角線方向にX字状のブリッジhを設けた形状で、アームレストaが側方より衝撃荷重を受けると、ブリッジhが破損することにより衝撃を吸収するように構成されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のアームレストaでは、側方からの衝撃荷重に対して衝撃吸収性能を向上させるため、芯材bの開口部gにブリッジhを多数設けておリ、このためアームレストaの使用時、乗員がアームレストaのブリッジh部分に肘などを突くことによって上下方向衝撃が加わった場合に、ブリッジhに荷重が集中してブリッジhが破損することにより、変形してしまうようなことがあった。 【0006】本発明はかかる従来の課題を改善するためになされたもので、上下方向からの衝撃に対しては破損しにくく、かつ側方からの衝撃荷重に対しては、高い衝撃吸収性能を有する芯材を使用した自動車用のアームレストを提供することを目的とするものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、本発明の自動車のアームレスト構造は、アームレスト本体を、芯材の表面を表皮で被覆することにより構成した自動車のアームレスト構造であって、芯材の上面板を上下2段に成形することによって平面視L字型の縦壁を形成し、縦壁のうち長手方向壁部が車室内又は外方向に向くとともに短手方向壁部が車室前又は後方向に向くように形成されており、短手方向壁部に切欠き孔を設けて、アームレスト本体の側方より作用する衝撃に対して短手方向壁部を中心として上下2段の上面板が座屈することによって衝撃を吸収するように構成したものである。 【0008】前記構成により、乗員がアームレスト本体の上面に肘などを突いた際に、芯材に上方向から局部的に大きな荷重が作用しても、縦壁が座屈荷重としてこの荷重を支持するため、大きな局部荷重によってアームレスト自体の変形がしにくくなると共に、上面板に開口部を設ける必要がないので、上面板の耐久性が向上する。 【0009】また車両の衝突などによってアームレスト本体に側方より衝撃荷重が作用すると、短手方向壁部の切欠き孔を中心として上下2段の上面板が座屈することによって、衝撃荷重を吸収するため、衝突時の衝撃より乗員を確実に保護することができる。 【0010】また本発明は、長手方向壁部に複数の透孔を設けて、アームレスト本体の側方より作用する衝撃に対して、上下2段の上面板が互いに座屈することによって前記衝撃を吸収するようにしたものである。 【0011】前記構成により、長手方向壁部における各透孔間にリブ部が形成されることになって、乗員がアームレスト本体の上面に肘などを突いた際に芯材に上方向から局部的に大きな荷重が作用しても、リブ部が座屈荷重としてこの荷重を支持するために、大きな局部荷重によってリブ部が破損することがないと共に、上面板の耐久性が向上することになる。 【0012】また上記構成により、車両の衝突などによってアームレスト本体に側方より衝撃荷重が作用すると、短手方向壁部を中心として上下2段の上面板が座屈することと相俟って、長手方向壁部の透孔間に形成されるリブ部が衝撃荷重によりせん断することによって、長手方向壁部を中心として上下2段の上面板が互いに座屈し、衝撃荷重を吸収することができ、このため、衝突時の衝撃から乗員を保護する性能を向上させることができる。 【0013】また本発明は、互いに隣り合う透孔同士の間に形成されるリブ部に薄肉部を形成したものである。 【0014】前記構成により、車両の衝突などによってアームレスト本体に側方より衝撃荷重が作用すると、薄肉部が座屈することによって長手方向壁を中心として、上下2段の上面板同士が更にせん断を起こしやすくなって、衝突時の衝撃から乗員を保護する性能を向上させることができる。 【0015】また車両の衝突などによってアームレスト本体に側方より衝撃荷重が作用すると、長手方向壁部を中心として、上下2段の上面板同士が更に座屈しやすくなって、衝突時の衝撃から乗員を保護する性能を向上させることができる。 【0016】また本発明は、短手方向壁部に設けた切欠き孔に連続するように、長手方向壁部に連通孔を設けたしたものである。 【0017】前記構成により、車両の衝突などによってアームレスト本体に側方より衝撃荷重が作用すると、短手方向壁部および長手方向壁部を中心として、上下2段の上面板同士が座屈しやすくなって、衝突時の衝撃から乗員を保護する性能を向上させることができる。 【0018】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1ないし図5に示す図面を参照して詳述する。 【0019】図1はアームレストが設けられた自動車のドアトリムを示す斜視図、図2はアームレストの拡大斜視図、図3は図2のA−A断面図、図4はアームレストに使用された芯材の斜視図、図5は図4のB−B線に沿う断面図、図6は図4のC-C断面図である。 【0020】自動車のドア内面に設けられたアームレスト本体1は、ドア(不図示)の内面を覆うドアトリム3の表面側に形成した膨出部3aの後部側に設置すると共にドアの内側パネルに図示しない固着手段で取付けられている。膨出部3aの前部側にパワーウインドスイッチ設置部2が設置されている。 【0021】また、アームレスト本体1は、その前部側にプルハンドル1aが嵌合設置され、後部側にはアームレスト部1bが形成されている。 【0022】更に、アームレスト本体1は図3に示すような合成樹脂により一体成形された芯材4の表面を、ウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの発泡体よりなる軟質層5で被覆し、さらに軟質層5の表面を塩化ビニールなどの表皮6で被覆した構造で、芯材4は上下方向からの荷重に対しては破損しにくく、かつ側方からの衝撃荷重に対しては衝撃吸収性能を向上するため、上下2段の上面板4a、4bに形成することによって平面視よりL字型の縦壁4cが形成されている。 【0023】そして、上面板4a及び4b同士が連続する角部はR形状となっていて、乗員の手等が当接しても、安全に受け止めることができるように構成している。 【0024】縦壁4cは、長手方向壁部4dが車室方向に向くと共に短手方向壁部4fが車室後部に向くように形成されている。 【0025】そして短手方向壁部4fは、その一部または全長に渡って切欠き孔4gが形成されている。切欠き孔4gは、長手方向壁部4dに設けた連通孔4hに連通しており、アームレスト本体1の側方より作用する衝撃に対して短手方向壁部4fを中心として上下2段の上面板4a,4bを座屈させて、衝撃を吸収するように構成している。 【0026】またアームレスト本体1の上方より加わる荷重に対しては、短手方向壁部4fが長手方向壁部4dに比較して短く、アーレスト本体1全体に占める割合がすくないために、切欠き4gを設けたとしても、アームレスト本体1の上下方向の荷重に対して座屈するほど変形することはないが、この変形の程度は切欠き4gの大きさを選択することによって適宜コントロールできる。 【0027】長手方向壁部4dは、間欠的に角形の透孔4iを複数設けて、透孔i間に複数のリブ部4jが形成されており、リブ部jにおける下段の上面板4b側が薄肉部4kとなっていて、やはり、アームレスト本体1の側方より作用する衝撃に対して長手方向壁部4dにおける薄肉部4kを中心として上下2段の上面板4a,4bを座屈させて、衝撃を吸収するように構成している。したがって、吸収すべき側方からの衝撃荷重に応じて各リブ部4jの幅や薄肉部4kの厚さが設定されている。なお、薄肉部4kはリブ部jにおける下段の上面板4b側に形成している場合に限定されるものでなく、たとえばリブ部jの中央部に一条或いは複数条形成しても良い。 【0028】そしてアームレスト本体1の上方より加わる荷重に対しては、各リブ4jが座屈方向(圧縮方向)に荷重を受けることにより、上下方向の荷重に対してリブ4jが破損しにくくなっていると共に、下段の上面板4bの側縁には、下方向にほぼ直角に屈曲された側板4eが連設されている。 【0029】なお各上面板4a、4b間に連設されたリブ4jのせん断荷重及び座屈荷重は、縦壁に開口する透孔4dの大きさを変えてリブ4jの幅を調整することにより、自由に設定することが可能である。 【0030】また上記実施の形態における縦壁4cは、長手方向壁部4dが車室方向に向くと共に短手方向壁部4fが車室後部に向くように形成されているが、これに限定されるものでなく、例えば、長手方向壁部4dが車室外方向に向き、短手方向壁部4fを車室前部に向くように形成してもよい。 【0031】次に前記構成されたアームレストの作用を説明する。 【0032】アームレスト本体1は、予め合成樹脂より成形された芯材4を図示しない金型内にインサートして、軟質層5及び表皮6を所定の形状に一体成形するもので、成形の完了したアームレスト本体1は、ドアの内面を覆うドアトリム3の表面側より固着手段によりドアの内側パネルに取付けられる。 【0033】またドアに取付けられたアームレスト本体1は、プルハンドル1aを取っ手としてドアを開閉することができるが、乗員がアームレスト本体1の上面に肘などを突くなどして、芯材4の上段側の上面板4aに上方より局部的に大きな荷重が作用しても、切欠き4gを設けた短手方向壁部4fが長手方向壁部4dに比較して短くアーレスト本体1全体に占める割合が少ないと共に、上段側の上面板4aと下段側の上面板4b間を連設するリブ4cが座屈方向に座屈荷重を受けるため、これによって上方からの局部的に大きな荷重がアームレスト本体1に作用しても、各上面板4a,4b間で座屈変形することはない。 【0034】一方車両の衝突などによってアームレスト本体1の側方より大きな衝撃荷重が作用した場合、短手方向壁部4fに設けた切欠き孔4gによって各上面板4a,4b間および各上面板4a、4b間を連設するリブ部4jがせん断することによって衝撃荷重を吸収することになる。 【0035】また各リブ部4jは下段の上面板、4bとの間に薄肉部4kが存在することによってせん断方向の荷重に対して破損しやすくなり、このため、アームレスト本体1に側方より作用する衝撃荷重を受けると、下段の上面板4bとリブ部4jcの連結部がせん断され、これによって衝撃荷重が吸収されるため、衝突時の衝撃より乗員を確実に保護することができるようになる。 【0036】図7乃至図9はそれぞれ芯材4の変形例を示す斜視図である。 【0037】図7によれば、下段の上面板4bに、長手方向壁部4dに設けた透孔4iの両側に連続するような溝部mを形成しており、上面板4a,4b間におけるアームレスト本体1の側方より作用する衝撃荷重に対する座屈変形を更にしやすくしている。 【0038】図8に示す芯材4においては、下段側の上面板4bに側板4eにまで延在するコ字状溝4nを設けたもので、上面板4b及び側板4e間においてアームレスト本体1の側方より作用する衝撃荷重に対する座屈変形を起こすように形成したものであり、衝撃荷重の吸収性能を更に向上させる効果が得られる。 【0039】図9に示す芯材4においては、長手方向壁部4dにおけるリブ部4jを形成する透孔4iを円形孔により構成したもので、透孔4iの直径を適宜選択することによって、上記角形の透孔4iと同様な作用効果を奏することができる。 【0040】なお前記実施の形態ではドアトリム3に設けられたアームレストの場合について説明したが、車体に直接取付けて使用するアームレストにも適用できることは勿論である。 【0041】 【発明の効果】本発明は以上詳述したように、乗員がアームレスト本体の上面に肘などを突いた際に、芯材に上方向から局部的に大きな荷重が作用しても、縦壁が座屈荷重としてこの荷重を支持するため、大きな局部荷重によってアームレスト自体の変形がしにくくなると共に、上面板に開口部を設ける必要がないので、上面板の耐久性が向上する。 【0042】また車両の衝突などによってアームレスト本体に側方より衝撃荷重が作用すると、短手方向壁部の切欠き孔を中心として上下2段の上面板が座屈することによって、衝撃荷重を吸収するため、衝突時の衝撃から乗員を保護する性能を向上させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000124454 【氏名又は名称】河西工業株式会社 【住所又は居所】神奈川県高座郡寒川町宮山3316番地
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| 【出願日】 |
平成14年1月24日(2002.1.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083954 【弁理士】 【氏名又は名称】青木 輝夫
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| 【公開番号】 |
特開2003−212025(P2003−212025A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月30日(2003.7.30) |
| 【出願番号】 |
特願2002−15037(P2002−15037) |
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