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【発明の名称】 乗り物用シート
【発明者】 【氏名】丹 健一
【住所又は居所】神奈川県綾瀬市小園771番地 ジョンソン コントロールズ オートモーティブ システムズ株式会社内

【要約】 【課題】乗員の足下の周りの自由度を確保した乗り物用シートを提供する。

【解決手段】平坦状のフロアパネル10及びフロアパネル10の両サイドにそれぞれ配設されてなる立ち壁部材より少なくとも形成されてなるアンダーパネル19のフロアパネル10上にシートユニット1が配されてなる乗り物用シートにおいて、前記フロアパネル10から離間した上側UPで、前記立ち壁部材間に、メンバ13が架橋されてなると共に該メンバ13に前記シートユニット1が固設されてなるものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 平坦状のフロアパネル及び該フロアパネルの両サイドにそれぞれ配設されてなる立ち壁部材より少なくとも形成されてなるアンダーパネルのフロアパネル上にシートユニットが配されてなる乗り物用シートにおいて、前記フロアパネルから離間した上側で、前記立ち壁部材間に、メンバが架橋されてなると共に該メンバに前記シートユニットが固設されてなることを特徴とする乗り物用シート。
【請求項2】 請求項1に記載の乗り物用シートであって、前記フロアパネルの上面と前記メンバの下面との間の上下幅は、AM90%タイルマネキンが履くことが可能な靴の甲の部分が入り得る寸法に少なくとも形成されてなることを特徴とする乗り物用シート。
【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の乗り物用シートであって、前記フロアパネルの前側端部には、前記立ち壁部材間に亘ってクロスメンバが配されてなり、該クロスメンバには前記シートユニットの前側端部が支持されてなり、前記メンバには、前記シートユニットの後側端部が支持されてなることを特徴とする乗り物用シート。
【請求項4】 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の乗り物用シートであって、前記シートユニットは、乗員が着座可能なシートクッションと、乗員が凭れ係り可能なシートバックと、前記シートクッションに支持され且つ着座位置が前後動可能なるスライド装置とより少なくとも構成されてなり、前記メンバには、前記スライド装置の固定レールが支持されてなることを特徴とする乗り物用シート。
【請求項5】 請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の乗り物用シートであって、前記メンバは、中空円柱状をなすことを特徴とする乗り物用シート。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、乗り物用シート、特にその支持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、図3に示すように、従来の乗り物用シートのシートユニット30としては、乗員32が着座可能なシートクッション31と、乗員32が凭れ係り可能なシートバック33と、着座位置が前後動可能なるスライド装置34とより少なくとも構成されてなる。スライド装置34は、固定レール35と、該固定レール35に対して前後にスライド可能な可動レール36とよりなり、固定レール35の前側FRにはブラケット37が、同じく後側RRにはレッグブラケット38がそれぞれ支持されている。前記ブラケット37は、平坦状のフロアパネル39の前側FRの端部に配されてなるクロスメンバ40に、ボルト41により支持されてなる。前記レッグブラケット38は、前記フロアパネル39の上側に、ボルト41により支持されてなる。符号42は、前記シートユニット30の後側RRに配された別のシートユニットで、別の乗員46が着座可能なシートクッション43と、該乗員46が凭れ係り可能なシートバック44とより少なくとも構成されてなり、車体45に保持されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の技術にあっては、前記レッグブラケット38が、前記フロアパネル39に固定されているため、該レッグブラケット38により、乗員46の足下、特に靴46aの周りの自由度が妨げられ、改善が求められている。
【0004】この発明は、このような従来の技術に着目してなされたものであり、乗員の足下の周りの自由度を確保した乗り物用シートを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、平坦状のフロアパネル及び該フロアパネルの両サイドにそれぞれ配設されてなる立ち壁部材より少なくとも形成されてなるアンダーパネルのフロアパネル上にシートユニットが配されてなる乗り物用シートにおいて、前記フロアパネルから離間した上側で、前記立ち壁部材間に、メンバが架橋されてなると共に該メンバに前記シートユニットが固設されてなるものである。
【0006】請求項1に記載の発明によれば、フロアパネルから離間した上側にメンバが配設されてなるので、メンバとフロアパネルとの間が自由に動く空間になり、乗員の足下の周りが自由に動き得る空間とすることができる。そして、このメンバに前記シートユニットが固設されてなるので、シートユニットが確実に保持されることができる。しかも、このメンバは、立ち壁部材間に架橋されてなるので、側面衝突によって側方から荷重が加わってもメンバにより生存空間を確保できることになる。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の乗り物用シートであって、前記フロアパネルの上面と前記メンバの下面との間の上下幅は、AM90%タイルマネキンが履くことが可能な靴の甲の部分が入り得る寸法に少なくとも形成されてなる。
【0008】請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、前記フロアパネルの上面と前記メンバの下面との間の上下幅が、AM90%タイルマネキンが履くことが可能な靴の甲の部分が入り得る寸法に少なくとも形成されてなるので、ほとんどの人の靴の甲の部分の左右方向への自由度が確保できることになり、足下空間の大幅な拡大が得られる。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の乗り物用シートであって、前記フロアパネルの前側端部には、前記立ち壁部材間に亘ってクロスメンバが配されてなり、該クロスメンバには前記シートユニットの前側端部が支持されてなり、前記メンバには、前記シートユニットの後側端部が支持されてなる。
【0010】請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2の効果に加え、シートユニットの前側と後側とが、クロスメンバとメンバとによって支持されてなるにもかかわらず、支持が確実であって、乗員の靴周りの自由度が確保できる。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の乗り物用シートであって、前記シートユニットは、乗員が着座可能なシートクッションと、乗員が凭れ係り可能なシートバックと、前記シートクッションに支持され且つ着座位置が前後動可能なるスライド装置とより少なくとも構成されてなり、前記メンバには、前記スライド装置の固定レールが支持されてなる。
【0012】請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項3の何れか1項の効果に加え、前記メンバには、前記スライド装置の固定レールが支持されてなるので、前記スライド装置の固定レールに対してシートクッションが前後動できる。
【0013】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の乗り物用シートであって、前記メンバは、中空円柱状をなすものである。
【0014】請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項4の何れか1項の効果に加え、側面衝突によって側方から荷重が加わった場合、中空円柱状のメンバが坐屈することで、その衝突エネルギを吸収することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。尚、FRを前側、RRを後側、UPを上側として説明する。
【0016】図1及び図2は、この発明の一実施形態を示すもので、符号1は「乗り物」としての自動車のシートのシートユニットで、乗員2が着座可能なシートクッション3と、乗員2が凭れ係り可能なシートバック4と、前記シートクッション3に支持され且つ着座位置が前後動可能なるスライド装置5とより少なくとも構成されてなる。「少なくとも構成されてなる」とは、この他に、前記シートバック4をシートクッション3に対して前後方向に回転可能なるリクライニング装置や、前記シートバック4の上端部に支持されてなるヘッドレストなど数多くの構成部材が有るからであるが、周知であるので、図示及び説明を省略した。
【0017】前記スライド装置5は、固定レール6と、該固定レール6に対して前後にスライド可能な可動レール7とよりなり、固定レール6の前側FRには、第1ブラケット8が支持されている。前記第1ブラケット8は、平坦状のフロアパネル10の前側FRの端部に配されてなる「クロスメンバ」であるセカンドクロスメンバ11に、ボルト12により支持されてなる。前記固定レール6の後側RRは、後述するメンバ13に溶接支持されてなる第2ブラケット9に、ボルト12により支持されてなる。符号14は、前記シートユニット1の後側RRに配された別のシートユニットで、別の乗員15が着座可能なシートクッション16と、該乗員15が凭れ係り可能なシートバック17とより少なくとも構成されてなり、車体18に保持されている。
【0018】符号19は、アンダーパネルで、該アンダーパネル19は、前記フロアパネル10と、該フロアパネル10の両サイドにそれぞれ配設されてなる「立ち壁部材」であるサイドシル20,20(図1は右側のサイドシルのみ示し、左側のサイドシルは図示を省略したが、左右対称に存在する)と、前記セカンドクロスメンバ11と、前記フロアパネル10の後側RRの端部に配されてなるサードクロスメンバ21とより形成されてなる。
【0019】前記メンバ13は、鉄板製で、一様の中空円柱状に形成されてなると共に前記フロアパネル10から離間した上側UPに位置し、前記サイドシル20,20間に、架橋されてなる。前記したフロアパネル10からの上側UPへの離間量、即ち、前記フロアパネル10の上面と前記メンバ13の下面との間の上下幅22は、AM90%タイルマネキン(JISで規定されたアメリカ合衆国の男性の体格平均の90%が入るものと同じ大きさのマネキン)が履くことが可能な靴の甲の部分15aが入り得る寸法に少なくとも形成されてなる。前記乗員15は、かかるマネキンと同等の大きさのものとして説明している。
【0020】次に、この実施形態に係る作動を説明する。
【0021】前記フロアパネル10から離間した上側UPにメンバ13が配設されてなるので、メンバ13とフロアパネル10との間の上下幅22が自由に動く空間になり、乗員15の足下の周りが自由に動き得る空間とすることができる。そして、このメンバ13に前記シートユニット1が固設されてなるので、シートユニット1が確実に保持されることができる。しかも、このメンバ13は、サイドシル20,20間に架橋されてなるので、側面衝突によって側方から荷重が加わっても、メンバ13により生存空間を確保できることになるばかりか、中空円柱状のメンバ13が坐屈することで、その衝突エネルギを吸収することができる。
【0022】また、前記フロアパネル10の上面と前記メンバ13の下面との間の上下幅22が、AM90%タイルマネキンが履くことが可能な靴の甲の部分15aが入り得る寸法に少なくとも形成されてなるので、ほとんどの人の靴の甲の部分の左右方向への自由度が確保できることになり、足下空間の大幅な拡大が得られる。
【0023】また、前記シートユニット1の前側FRと後側RRとが、セカンドクロスメンバ11とメンバ13とによって支持されてなるにもかかわらず、支持が確実であって、乗員15の靴周りの自由度が確保できる。
【0024】また、前記メンバ13には、第2ブラケット9を介して、前記スライド装置5の固定レール6が支持されてなるので、前記スライド装置5の固定レール6に対して可動レール7を介してシートクッション3が前後動できる。
【0025】前記実施形態では、「立ち壁部材」は、フロアパネル10の両サイドに配されたサイドシル20,20として説明したが、これに限定されるものではなく、一方はサイドシル、他方はトンネルであっても良い。また、双方ともサイドシルとして、その中間でトンネルを貫通させるものでも良い。
【0026】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、フロアパネルから離間した上側にメンバが配設されてなるので、メンバとフロアパネルとの間が自由に動く空間になり、乗員の足下の周りが自由に動き得る空間とすることができる。そして、このメンバに前記シートユニットが固設されてなるので、シートユニットが確実に保持されることができる。しかも、このメンバは、立ち壁部材間に架橋されてなるので、側面衝突によって側方から荷重が加わってもメンバにより生存空間を確保できることになる。
【0027】請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、前記フロアパネルの上面と前記メンバの下面との間の上下幅が、AM90%タイルマネキンが履くことが可能な靴の甲の部分が入り得る寸法に少なくとも形成されてなるので、ほとんどの人の靴の甲の部分の左右方向への自由度が確保できることになり、足下空間の大幅な拡大が得られる。
【0028】請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2の効果に加え、シートユニットの前側と後側とが、クロスメンバとメンバとによって支持されてなるにもかかわらず、支持が確実であって、乗員の靴周りの自由度が確保できる。
【0029】請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項3の何れか1項の効果に加え、前記メンバには、前記スライド装置の固定レールが支持されてなるので、前記スライド装置の固定レールに対してシートクッションが前後動できる。
【0030】請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項4の何れか1項の効果に加え、側面衝突によって側方から荷重が加わった場合、中空円柱状のメンバが坐屈することで、その衝突エネルギを吸収することができる。
【出願人】 【識別番号】000210089
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ オートモーティブ システムズ株式会社
【住所又は居所】神奈川県綾瀬市小園771番地
【出願日】 平成14年1月22日(2002.1.22)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外7名)
【公開番号】 特開2003−212020(P2003−212020A)
【公開日】 平成15年7月30日(2003.7.30)
【出願番号】 特願2002−13077(P2002−13077)