| 【発明の名称】 |
車両用シート |
| 【発明者】 |
【氏名】二宮 峰生 【住所又は居所】愛知県刈谷市一里山町金山100番地 トヨタ車体株式会社内
【氏名】須賀 泰男 【住所又は居所】愛知県刈谷市一里山町金山100番地 トヨタ車体株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】車両用シートを車椅子として使用する際の走行安定性等を向上させる。
【解決手段】本発明の車両用シートは、シートフレーム16を備えるシート本体11と、シートフレーム16に装着されて、左右の前輪22と左右の後輪24とを支持する車輪支持機構30と、車輪支持機構30を折り畳み、あるいは展開させる駆動機構40とを有しており、車輪支持機構30が折り畳まれた状態で前輪22及び後輪24が格納位置に保持され、車輪支持機構30が展開された状態で前輪22及び後輪24が展開位置に保持されて車椅子として使用可能な構成の車両用シートであって、車輪支持機構30が折り畳まれる過程で、前輪22あるいは後輪24のいずれか一方はシート本体11の幅方向内側に移動して格納位置まで戻され、他方はシート本体11の前後方向に移動して格納位置まで戻されることを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シートフレームを備えるシート本体と、前記シートフレームに装着されて、左右の前輪と左右の後輪とを支持する車輪支持機構と、前記車輪支持機構を折り畳み、あるいは展開させる駆動機構とを有しており、前記車輪支持機構が折り畳まれた状態で前輪及び後輪が格納位置に保持され、前記車輪支持機構が展開された状態で前輪及び後輪が展開位置に保持されて車椅子として使用可能な構成の車両用シートであって、前記車輪支持機構が折り畳まれる過程で、前輪あるいは後輪のいずれか一方はシート本体の幅方向内側に移動して格納位置まで戻され、他方は前記シート本体の前後方向に移動して格納位置まで戻されることを特徴とする車両用シート。 【請求項2】 請求項1記載の車両用シートであって、車輪支持機構は、一端に前輪が取付けられ、他端が回動可能な状態でシートフレームに連結されている前輪ステーと、駆動機構の移動部材の動きを前輪ステーに伝達し、その前輪ステーを前記シートフレームに対して回動させて、前輪を格納位置と展開位置との間で移動させる第1動力伝達部材と、一端に後輪が取付けられ、他端が回動可能な状態でシートフレームに連結される後輪ステーと、前記駆動機構の移動部材の動きを後輪ステーに伝達し、その後輪ステーを前記シートフレームに対して回動させて、後輪を格納位置と展開位置との間で移動させる第2動力伝達部材と、を有することを特徴とする車両用シート。 【請求項3】 請求項1、請求項2のいずれかに記載の車両用シートであって、前輪は、車輪支持機構が折り畳まれる過程で、シート本体の幅方向内側に移動して格納位置まで戻されることを特徴とする車両用シート。 【請求項4】 請求項2に記載の車両用シートであって、駆動機構の移動部材は、シート本体に対して前後方向に移動する構成であり、第1動力伝達部材は、運動方向変換レバーと連結レバーとを有しており、前記運動方向変換レバーは、前記移動部材に連結される前後運動部と、その前後運動部の動きに連動して前記シート本体の幅方向に移動する横運動部とを備えており、前記連結レバーは、前記運動方向変換レバーの横運動部と前輪ステーとを連結することを特徴とする車両用シート。 【請求項5】 請求項3又は請求項4のいずれかに記載の車両用シートであって、シートフレームの下面前側に形成された凹部に前輪の少なくとも一部が格納されることを特徴とする車両用シート。 【請求項6】 請求項2〜請求項5のいずれかに記載の車両用シートであって、前輪は回転自在な状態でブラケットに装着されており、前記ブラケットは前輪ステーの軸心回りに回転自在な状態でその前輪ステーに取付けられており、前輪の中心が前輪ステーの軸心からずれた位置に保持されていることを特徴とする車両用シート。 【請求項7】 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の車両用シートであって、駆動機構は、ネジ軸とそのネジ軸に螺合するナットの働きで移動部材を移動させる構成であることを特徴とする車両用シート。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車椅子に兼用できる車両用シートに関する。 【0002】 【従来の技術】車椅子に兼用できる従来の車両用シートが図6(A)に示されている。この車両用シート50は、シートクッション52、シートバック54及びそれらを支持するシートフレーム56からなるシート本体51を備えている。シートフレーム56の下側には左右の前輪62と左右の後輪64とを支持する車輪支持機構(図示されていない)が取付けられており、その車輪支持機構が折り畳み可能に構成されている。車輪支持機構は、前輪62を支持する前輪ステー63と、後輪64を支持する後輪ステー65と、前輪ステー63及び後輪ステー65を起立位置と格納位置との間で前後方向に回動させる駆動機構(図示されていない)とから構成されている。 【0003】図6(A)に示すように、前輪ステー63及び後輪ステー65が起立位置にある状態から車輪支持機構を折り畳む場合には、前記駆動機構で左右の前輪ステー63を後上方に回動させ、左右の後輪ステー65を前上方に回動させる(図6(B)の矢印参照)。このとき、前輪ステー63と後輪ステー65とが干渉しないように、左右の前輪ステー63の間隔は左右の後輪ステー65の間隔よりも十分小さく設定されている。したがって、車輪支持機構が折り畳まれた状態で、左右の前輪62は左右の後輪64の間に格納され、それらの前輪62と後輪64とはシート本体51の下側中央に保持される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した車両用シート50では、前輪ステー63と後輪ステー65とが干渉しないように、左右の前輪ステー63の間隔を左右の後輪ステー65の間隔よりも十分小さく設定しなければならないため、左右の前輪62の間隔(前輪トレッド)が左右の後輪64の間隔(後輪トレッド)よりも必要以上に小さくなる。このため、車両用シート50を車椅子として使用する場合、後部に対して前部のバランスが悪くなり、走行安定性、段差の乗り越え性及び乗り心地性能が低下するという問題がある。本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、左右の前輪の間隔を左右の後輪の間隔に影響されることなく設定可能にすることで、左右の前輪の間隔を極力大きくできるようにし、車両用シートを車椅子として使用する場合の走行安定性等の向上を図ることを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。請求項1の発明は、シートフレームを備えるシート本体と、前記シートフレームに装着されて、左右の前輪と左右の後輪とを支持する車輪支持機構と、前記車輪支持機構を折り畳み、あるいは展開させる駆動機構とを有しており、前記車輪支持機構が折り畳まれた状態で前輪及び後輪が格納位置に保持され、前記車輪支持機構が展開された状態で前輪及び後輪が展開位置に保持されて車椅子として使用可能な構成の車両用シートであって、前記車輪支持機構が折り畳まれる過程で、前輪あるいは後輪のいずれか一方はシート本体の幅方向内側に移動して格納位置まで戻され、他方は前記シート本体の前後方向に移動して格納位置まで戻されることを特徴とする。 【0006】本発明によると、車輪支持機構が折り畳まれる過程で、前輪あるいは後輪のいずれか一方はシート本体の幅方向内側に移動して格納位置まで戻され、他方はシート本体の前後方向に移動して格納位置まで戻される。このため、例えば、車輪支持機構が展開された状態で前輪と後輪とがシート本体の前方から見て重複する位置に配置されていたとしても、その車輪支持機構が折り畳まれる際に前輪と後輪とが干渉することがない。即ち、本発明によれば、左右の前輪の間隔を左右の後輪の間隔に影響されることなく極力大きく設定できるようになる。このため、車両用シートを車椅子として使用する場合の走行安定性等の向上を図ることができる。 【0007】また、請求項2の発明では、車輪支持機構の第1動力伝達部材は、駆動機構の移動部材の動きを前輪ステーに伝達し、その前輪ステーを前記シートフレームに対して回動させて、前輪を格納位置と展開位置との間で移動させる。また、第2動力伝達部材は、駆動機構の移動部材の動きを後輪ステーに伝達し、その後輪ステーを前記シートフレームに対して回動させて、後輪を格納位置と展開位置との間で移動させる。即ち、駆動機構の移動部材の動きが第1動力伝達部材及び第2動力伝達部材を介して前輪ステー及び後輪ステーに伝わる構造のため、前輪の移動動作と後輪の移動動作とが連動するようになる。 【0008】また、請求項3に示すように、車輪支持機構が折り畳まれる過程で、前輪がシート本体の幅方向内側に移動して格納位置まで戻される構成が好ましい。この場合、請求項4に示すように、駆動機構の移動部材をシート本体に対して前後方向に移動させるように構成し、第1動力伝達部材を運動方向変換レバーと連結レバーとから構成し、運動方向変換レバーを前記移動部材に連結される前後運動部と、前後運動部の動きに連動して前記シート本体の幅方向に移動する横運動部とから構成し、前記連結レバーで運動方向変換レバーの横運動部と前輪ステーとを連結するように構成するのが好ましい。 【0009】また、請求項5に示すように、シートフレームの下面前側に形成された凹部に前輪の少なくとも一部が格納されるように構成することで、車輪支持機構を折り畳んだときの下方の張出寸法を小さくできる。また、請求項6に示すように、前輪を回転自在な状態でブラケットに装着し、前記ブラケットを前輪ステーの軸心回りに回転自在な状態でその前輪ステーに取付け、前輪の中心を前輪ステーの軸心からずれた位置に保持することで、車輪支持機構を折り畳むときに前輪を自重で常に同じ姿勢に保持することができる。また、請求項7に示すように、駆動機構にネジ軸とそのネジ軸と螺合するナットを使用するのが好ましい。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、図1〜図5に基づいて本発明の実施形態1に係る車両用シートの説明を行う。本実施形態に係る車両用シートは、車椅子に兼用できる車両用シートであり、図1に車両用シートにおける車輪支持機構の要部斜視図が示されている。また、図2は車輪支持機構の左側部分の平面図、図3は車輪支持機構の正面図、図4は車輪支持機構の側面図である。図5(A)は、車両用シートを車室外に搬出するための室外移動装置の斜視図、図5(B)は、車両用シートの全体斜視図である。なお、車両用シートの幅方向をX方向、前後方向をY方向、高さ方向をZ方向として説明を行う。 【0011】車両用シート10は、図5(B)に示すように、シートクッション12、シートバック14及びそれらを支持するシートフレーム16からなるシート本体11を備えている。さらに、シートフレーム16の下側には左右の前輪22と左右の後輪24とを支持する車輪支持機構30(図1〜図4参照)が取付けられており、その車輪支持機構30が折り畳み可能に構成されている。 【0012】車輪支持機構30は、車両用シート10を車椅子として使用するときに展開され、この状態で前輪22及び後輪24は起立位置(展開位置)に保持される。また、車両用シート10を車室内でシートとして使用するときに車輪支持機構30は折り畳まれ、前輪22及び後輪24は格納位置に保持される。図5(B)は、車輪支持機構30が展開されたときの車両用シート10を表しており、左右の前輪22の間隔(前輪トレッド)と左右の後輪24の間隔(後輪トレッド)とがほぼ等しく設定されている。 【0013】車輪支持機構30は、図1等に示すように、シートフレーム16の下側前部に幅方向(X方向)に固定される横梁31を備えている。横梁31は、長手方向(X方向)に下側開放形の溝31mが形成されるように、断面略「コ」字形に成形されている。横梁31の溝31mの幅寸法は、その溝31m内に後記する前輪ステー32等を格納できる値に設定されている。また、横梁31の長さ寸法はシートフレーム16の幅寸法とほぼ等しい値に設定されている。なお、図1には、右側の前輪22と後輪24等とが省略されている。 【0014】横梁31の長手方向両端部には、前輪ステー32をシート本体11の幅方向(X方向)に回動可能に支持する軸受け孔31jが形成されており、さらにその軸受け孔31jの外側に前輪ステー32の回動範囲を規制するストッパ31sが形成されている。前輪ステー32は、前輪22を支持する円筒状部材であり、その上端にリング状の内フランジ32f(図1参照)が同軸に固定されている。また、前輪ステー32の上端側面には、その前輪ステー32と直角に上部短管32pが固定されており、その上部短管32pの長さ寸法が横梁31の溝31mの幅寸法とほぼ等しい値に設定されている。 【0015】前輪ステー32の上部短管32pは横梁31の溝31mに収納された状態で、その横梁31の軸受け孔31jに合わせられる(図3、図4参照)。この状態で、横梁31の軸受け孔31jから前輪ステー32の上部短管32pに上部連結軸33が通されることで、前輪ステー32はX方向に上下回動可能な状態で横梁31に連結される。前輪ステー32の下部側面には、その前輪ステー32と直角に下部短管32dが固定されており、その下部短管32dに後記する横リンク46と連結される下部連結軸34が挿入されている。 【0016】前輪ステー32の下部には、前輪22を回転自在に支持する前輪ブラケット35が取付けられている。前輪ブラケット35は、前輪22を二股部35mの間で回転自在に支持する構造であり、その二股部35mの上に上部縦軸35jが形成されている。上部縦軸35jは前輪ステー32に下方から挿入される構成で、その上部縦軸35jの上端中央に突起35tが形成されている。そして、突起35tが前輪ステー32の内フランジ32fと嵌合することで、前輪ブラケット35の上部縦軸35jは前輪ステー32と同軸に保持された状態で軸回りに回転自在に保持される。なお、前輪ステー32には上部縦軸35jの抜け止めを図る止め部材(図示されていない)が設けられている。前輪ブラケット35の二股部35mは、図1に示すように、前輪22の回転中心Cが前輪ステー32の軸心から寸法Lだけずれるように、側面形状が略「く」字形に形成されている。 【0017】横梁31の後側面31bには、車輪支持機構30を展開したり、あるいは折り畳むための駆動機構40が取付けられている。駆動機構40は、モータ41と左右一対の減速機42とを備えており、各々の減速機42が例えばビス等により横梁31の後側面31bに固定されている。各々の減速機42には、シート本体11の前後方向(Y方向)に延びるボールネジ43がほぼ水平に連結されており、各々のボールネジ43にナット44が螺合されている。 【0018】モータ41の回転力は左右の減速機42を介して各々のボールネジ43に伝達され、ボールネジ43の回転力がナット44に伝達される。ナット44はネジ作用によりボールネジ43の回転運動を前後方向(Y方向)の往復運動に変換する。即ち、ボールネジ43が本発明のネジ軸に相当する。左右のナット44には連結板44bが固定されており、その連結板44bに後記する鉤形レバー45と前後レバー47とがそれぞれ連結されている。 【0019】ここで、駆動機構40のモータ41の電源にはシートフレーム16の背面に装着されたバッテリー(図示されていない)の電源が使用される。また、車両用シート10にはモータ41の操作スイッチ(図示されていない)が設けられており、その操作スイッチを操作することにより、モータ41を正転/逆転あるいは停止等させることができる。 【0020】鉤形レバー45は、ナット44の前後方向の往復運動を横方向(X方向)の往復運動に変換する運動方向変換レバーであり、前部アーム45bと後部アーム45aとにより略「L」字形に形成されている。鉤形レバー45は、ほぼ水平に保持された状態で、前部アーム45bと後部アーム45aとの境部C1が回転可能な状態でシートフレーム16の下面に取付けられている。即ち、境部C1が鉤形レバー45の回転中心C1となる。後部アーム45aには軸方向に深孔が形成されており(図2参照)、その深孔に先端軸部45sが軸方向にスライド可能な状態で収納されている。そして、その先端軸部45sの先端がナット44の連結板44bに回動可能な状態で連結されている。 【0021】このため、ナット44及び連結板44bがボールネジ43に沿って移動する際に、その連結板44bと鉤形レバー45の回転中心C1との距離が変化しても、距離の変化分が先端軸部45sの軸方向のスライドにより吸収される。鉤形レバー45の前部アーム45bの先端は横リンク46の一端に回動可能な状態で連結されており、その横リンク46の他端が前述のように下部連結軸34を介して前輪ステー32の下部短管32dに回動可能な状態で連結されている。横リンク46の両端部は、その横リンク46のリンク本体46mに対して軸回りに回転可能な状態で接続されている。このため、横リンク46に対して両端側から捩じれ力が加わってもその捩じれ力を吸収可能となる。なお、左右の鉤形レバー45はシートフレーム16の中心線に対して対称の状態でそのシートフレーム16の下面に取付けられている。 【0022】上記構造により、ボールネジ43の回転でナット44及び連結板44bが後退限位置から前進すると、左側の鉤形レバー45は回転中心C1の回りを右回動し、右側の鉤形レバー45は回転中心C1の回りを左回動する(図1の矢印参照)。これによって、各々の鉤形レバー45の前部アーム45bがシート本体11の幅方向内側に移動し、前輪ステー32の下部短管32dが横リンク46によって前部アーム45bの移動方向に引っ張られる。この結果、起立姿勢(展開位置)の左右の前輪ステー32が横梁31の軸受け孔31jを中心に格納位置の方向に上回動する。そして、ナット44等が前進限位置まで移動した段階で、左右の前輪ステー32は横姿勢になり、格納位置に保持される。なお、図1〜図4は、ナット44等が後退限位置にある状態を表している。 【0023】前輪ステー32が格納位置まで上回動した段階で、図3の二点鎖線に示すように、その前輪ステー32は横梁31の溝31m内に収納され、前輪ステー32の上端はストッパ31sに当接する。また、前輪ステー32が上方に回動する過程で、前輪ブラケット35の上部縦軸35jが前輪22の重さで前輪ステー32に対して約90°回動する。これによって、前輪22は前後方向を向いた状態(回転中心軸がX方向に平行な状態)から幅方向を向いた状態(回転中心軸がY方向に平行な状態)に姿勢が変わり、前輪ブラケット35及び前輪22の上部が溝31m内に収納される。即ち、横梁31の溝31mが本発明のシートフレームの凹部に相当する。 【0024】前輪ステー32が格納位置にある状態で、ボールネジ43の回転によりナット44及び連結板44bが前進限位置から後退すると、左側の鉤形レバー45は回転中心C1の回りを左回動し、右側の鉤形レバー45は回転中心C1の回りを右回動する。これによって、各々の鉤形レバー45の前部アーム45bはシートフレーム16の幅方向外側に移動し、その前部アーム45bが横リンク46を介して前輪ステー32の下部短管32dを幅方向外側に押圧する。 【0025】この結果、左右の前輪ステー32は横梁31の軸受け孔31jを中心に格納位置から起立方向(展開位置の方向)に下回動する。そして、ナット44等が後退限位置まで移動した段階で、左右の前輪ステー32は起立姿勢になり、前輪ステー32は展開位置に保持される。即ち、駆動機構40のナット44及び連結板44bが本発明の駆動機構の移動部材に相当し、鉤形レバー45と横リンク46が本発明の第1動力伝達部材に相当する。また、鉤形レバー45の後部アーム45aの先端軸部45sが本発明における運動方向変換レバーの前後運動部に相当し、鉤形レバー45の前部アーム45bの先端が本発明における運動方向変換レバーの横運動部に相当する。さらに、横リンク46が本発明における第1動力伝達部材の連結レバーに相当する。 【0026】車両用シート10のシートフレーム16の後部側面には、図4等に示すように、後輪24を回転可能に支持する後輪ステー38の上端部が連結ピン39によって前後方向(Y方向)に回動可能な状態で取付けられている。この状態で、左右の後輪ステー38は、展開位置にある左右の前輪ステー32とX方向においてほぼ同位置に保持される。後輪ステー38の下部には車輪ブラケット38bが形成されており、その車輪ブラケット38bの外側面にホイールインモータ24mが取付けられている。ホイールインモータ24mは後輪24を回転させるモータであり、後輪24のホイールの内周側に組み込まれている。左右の後輪ステー38は水平な連結棒38cによって互いに連結されており、その連結棒38cの両端近傍に凸板38tが固定されている。 【0027】凸板38tには、ナット44の連結板44bに一端が接続された前後レバー47の他端が回動可能な状態で連結されている。このため、ナット44及び連結板44bがボールネジ43に沿って前進するときには、前後レバー47が凸板38tを介して連結棒38cを引っ張り、その連結棒38cに固定された後輪ステー38は連結ピン39を中心にして前上方に回動する。逆に、ナット44及び連結板44bがボールネジ43に沿って後退するときには、前後レバー47が凸板38tを介して連結棒38cを押圧し、後輪ステー38は連結ピン39を中心にして後下方に回動する。 【0028】後輪ステー38は、ナット44及び連結板44bが後退限位置にあるときに起立姿勢となり、その後輪ステー38及び後輪24は展開位置に保持される。また、ナット44等が前進限位置にあるときに後輪ステー38は横姿勢となり、その後輪ステー38及び後輪24は格納位置に保持される。即ち、前後レバー47及び凸板38t等が本発明の第2動力伝達部材に相当する。 【0029】車両用シート10のシートフレーム16の背面には、車両1の車室内に設置された室外移動装置2(図5(A)参照)の連結部2cと連結される連結受け部(図示されていない)が形成されている。室外移動装置2は、車両用シート10を車室内から車室外、あるいは車室外から車室内に移動させる装置であり、図5(A)に示すように、車両用シート10を昇降させる左右一対の四節リンク機構2rと、車両用シート10及び四節リンク機構2r等を水平回転させる回転機構2tとから構成されている。室外移動装置2は車室内の前後スライド装置4上に設置されており、室外移動装置2を前後スライドさせることで、車室内の車両用シート10の前後位置が調整される。 【0030】ここで、室外移動装置2の連結部2cと車両用シート10の連結受け部とが連結された状態で室外移動装置2の電源コネクタと車両用シート10の電源コネクタとが自動的に接続される。これによって、車両用シート10のバッテリーが車両1のバッテリーによって充電される。 【0031】次に、上記した車両用シート10の取扱いについて簡単に説明する。車室内の車両用シート10を車椅子として使用する場合には、先ず、室外移動装置2を動作させて車両用シート10を車室外の所定位置まで移動させる。次に、操作スイッチにより駆動機構40のモータ41を例えば逆転させて車輪支持機構30を展開させる。即ち、左右のボールネジ43を逆回転させ、左右のナット44及び連結板44bを前進限位置から後退させる。これによって、左右の鉤形レバー45はそれぞれの前部アーム45bを幅方向外側に移動させる方向に水平回動し、それぞれの前部アーム45bが横リンク46を介して前輪ステー32の下部短管32dを幅方向外側に押圧する。 【0032】この結果、前輪ステー32が横梁31の軸受け孔31jを中心に格納位置から起立方向に下回動する。そして、ナット44等が後退限位置まで移動した段階で、前輪ステー32が起立姿勢となり、その前輪ステー32、前輪22等は展開位置に保持される。また、駆動機構40の左右のナット44及び連結板44bが前進限位置から後退することで、左右の前後レバー47が左右の凸板38tを介して連結棒38cを押圧し、後輪ステー38が連結ピン39を中心に格納位置から後下方に回動する。そして、ナット44等が後退限位置まで移動した段階で、後輪ステー38が起立姿勢となり、その後輪ステー38及び後輪24が展開位置に保持される。 【0033】車輪支持機構30が展開した状態で、車両用シート10における前輪トレッドと後輪トレッドとはほぼ等しくなる。次に、再び室外移動装置2が駆動され、車両用シート10が地上に降ろされるとともに、その車両用シート10と室外移動装置2との連結が解除される。この状態で、車両用シート10は車椅子として使用可能になる。 【0034】車椅子状態の車両用シート10を室内に収納する場合には、車両用シート10を後向きで室外移動装置2の前方に配置した状態で、その室外移動装置2を作動させ、室外移動装置2の連結部2cと車両用シート10の背面の連結受け部とを連結させる。さらに、この状態で、車両用シート10を所定位置まで上昇させ、前輪22と後輪24とを地面から離す。次に、操作スイッチにより駆動機構40のモータ41を正転させて車輪支持機構30を折り畳む。 【0035】即ち、左右のボールネジ43を正回転させ、左右のナット44及び連結板44bを後退限位置から前進させる。これによって、左右の鉤形レバー45はそれぞれの前部アーム45bを幅方向内側に移動させる方向に水平回動し、前輪ステー32の下部短管32dが横リンク46を介してそれぞれの前部アーム45bによって幅方向内側に引っ張られる。この結果、展開位置にある左右の前輪ステー32が横梁31の軸受け孔31jを中心に格納位置の方向に上回動する。そして、ナット44等が前進限位置まで移動した段階で、前輪ステー32が横姿勢になり、その前輪ステー32、前輪22等は格納位置に保持される。 【0036】また、駆動機構40の左右のナット44及び連結板44bが後退限位置から前進することで、左右の前後レバー47が左右の凸板38tを介して連結棒38cを引っ張り、後輪ステー38が連結ピン39を中心に展開位置から前上方に回動する。そして、ナット44等が前進限位置まで移動した段階で、後輪ステー38が横姿勢になり、その後輪ステー38及び後輪24が格納位置に保持される。 【0037】このように、車輪支持機構30を折り畳むことにより、前輪ステー32及び後輪ステー38が起立姿勢から横姿勢に変更され、その分だけ車輪支持機構30の下方の張出寸法を小さくすることができる。次に、室外移動装置2を動作させて車両用シート10を車室内の所定位置まで移動させる。この状態で、車両用シート10を車室内でシートとして使用することができる。 【0038】このように、本実施形態に係る車両用シート10によると、車輪支持機構30が折り畳まれる過程で、前輪22あるいは後輪24のいずれか一方はシート本体11の幅方向内側に移動して格納位置まで戻され、他方はシート本体11の前後方向に移動して格納位置まで戻される。このため、車両用シート10を車椅子として使用する際の前輪トレッドと後輪トレッドとがほぼ等しくても、車輪支持機構30が折り畳まれる際に、前輪22と後輪24とが干渉することがない。したがって、前輪トレッドを従来より大きくして、その前輪トレッドと後輪トレッドとをほぼ等しく設定することができる。これによって、シート本体11は前後にバランスが良い状態で4点支持され、車両用シート10を車椅子として使用する際の走行安定性が向上するとともに、段差乗り越え性及び乗り心地性能が向上する。 【0039】また、車輪支持機構30を展開する際、あるいは折り畳む際に前輪22の移動動作と後輪24の移動動作とが連動するため、駆動機構40が1セットで良くなり、経済的である。また、シートフレーム16に固定された横梁31の溝31mに前輪ステー32及び前輪22の上部を格納する構成のため、車輪支持機構30を折り畳んだときの下方の張出寸法を小さくできる。 【0040】なお、本実施形態では、駆動機構40にボールネジ&ナットを使用する例を示したが、ボールネジ&ナットの代わりにチェーン&スプロケットやシリンダ等を使用することも可能である。また、本実施形態では、後輪ステー38の車輪ブラケット38bにホールインモータ24mを取付け、そのホールインモータ24mに後輪24を接続する例を示したが、ホールインモータ24mを省略することも可能である。 【0041】また、本実施形態では、前輪ステー32をシート本体11の幅方向に折り畳み、後輪ステー38をシート本体11の前後方向に折り畳む例を示したが、両者32,38の折り畳み方向を逆にすることも可能である。 【0042】 【発明の効果】本発明によると、左右の前輪の間隔を左右の後輪の間隔に影響されることなく極力大きく設定できるようになるため、その車両用シートを車椅子として使用する際の走行安定性が向上するとともに、段差乗り越え性及び乗り心地性能が向上する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000110321 【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社 【住所又は居所】愛知県刈谷市一里山町金山100番地
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| 【出願日】 |
平成14年1月22日(2002.1.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064344 【弁理士】 【氏名又は名称】岡田 英彦 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−212013(P2003−212013A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月30日(2003.7.30) |
| 【出願番号】 |
特願2002−13280(P2002−13280) |
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