| 【発明の名称】 |
車両用シート装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】小島 道明 【住所又は居所】東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車工業株式会社内
【氏名】久富 進吾 【住所又は居所】東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】比較的簡単な構成により車体側方にシートを跳ね上げることができる車両用シート装置を提供する。
【解決手段】シート1からストラップ26を延出して、ストラップ先端のフック26aを車体右側壁4のアシストグリップ5に係止可能とし、ストラップ16をシート1に内装した巻取り機構20により巻き取って、通常の使用位置のシート1を跳上げ位置まで自動的に跳ね上げる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両用シートを通常使用位置から車両幅方向に跳ね上げた跳上げ位置に格納する車両用シート装置において、上記車両の側方部材又は上記シートの何れか一方から延出し、上記側方部材又は上記シートの他方に係止されるストラップと、上記ストラップを上記延出側又は係止側の何れか一方から自動的に巻き取ると共に、該巻取り動作に連動させて上記シートを上記通常使用位置から上記跳上げ位置まで移動させる巻取り手段と、上記巻取り手段に巻取り動作を指示する巻取り指示部を有するスイッチ手段とを備えたことを特徴とする車両用シート装置。 【請求項2】 上記巻取り手段は、上記シートが上記跳上げ位置にあるときに、上記ストラップを繰り出すと共に、該繰出し動作に連動させて上記シートを上記跳上げ位置から上記通常使用位置まで移動させる繰出し機能を有し、上記スイッチ手段は、上記繰出し動作を指示する繰出し指示部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両用シート装置。 【請求項3】 上記シートには、該シートを車体フロアに対して支持すると共に、該車体フロア部材に固定可能なスタンドが設けられ、上記スイッチ手段の巻取り指示部は、上記車体フロア部材に対する上記スタンドの固定を解除することにより、上記巻取り手段に対して上記ストラップの巻取り動作を指示することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用シート装置。 【請求項4】 上記スタンドは、上記車体フロアに対する固定を解除された状態で、上記シートに対して折り畳み可能に形成されることを特徴とする請求項3に記載の車両用シート装置。 【請求項5】 上記スイッチ手段の繰出し指示部は、上記シートが上記跳上げ位置であり、且つ、上記スタンドの上記折り畳みが解除されたときに、上記巻取り手段に対して上記ストラップの繰出し動作を指示することを特徴とする請求項4に記載の車両用シート装置。 【請求項6】 上記スイッチ手段は、上記側方部材に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用シート装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、シートを通常使用位置から車両幅方向に跳ね上げて格納可能な車両用シート装置に関するものである。 【0002】 【関連する背景技術】この種の車両用シート装置としては、例えば特許第2658700号に記載のものを挙げることができる。当該シート装置は、ヘッドレストの可倒機構、リクライニング機構、前後方向のスライド機構、シートを車体側方に跳ね上げる跳上げ機構、及びシートを通常使用位置に固定するラッチ機構から構成されている。乗員のスイッチ操作によりシートの格納が指示されると、各機構が電動モータにより駆動されて、ヘッドレストの格納、シートバックのリクライニング、ラッチの解除、シートスライドの一連の動作が行われた後、シートが跳ね上げられて車体側方に自動的に格納される。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記した車両用シート装置はシートの跳ね上げのために複雑な機構を要するため、製造工程が煩雑化するという問題があった。しかも、上記跳上げ機構は、シートの一側を中心として跳上げ動作を行うリンク機構として構成されているため、跳上げ時にシートの全重量が跳上げ機構に集中し、その全重量に抗しながらシートを跳ね上げる必要が生じる。よって、過大な荷重に耐え得るために跳上げ機構を十分に強化する必要があり、重量増加及びコスト高騰が避けられない。 【0004】本発明の目的は、比較的簡単な構成により車体側方にシートを跳ね上げることができる車両用シート装置を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1の発明は、車両用シートを通常使用位置から車両幅方向に跳ね上げた跳上げ位置に格納する車両用シート装置において、車両の側方部材又はシートの何れか一方から延出し、側方部材又はシートの他方に係止されるストラップと、ストラップを延出側又は係止側の何れか一方から自動的に巻き取ると共に、巻取り動作に連動させてシートを通常使用位置から跳上げ位置まで移動させる巻取り手段と、巻取り手段に巻取り動作を指示する巻取り指示部を有するスイッチ手段とを備えたものである。 【0006】従って、ストラップがシートから延出される場合には車両の側方部材にストラップが係止され、逆にストラップが側方部材から延出される場合にはシートにストラップが係止される。そして、スイッチ手段の巻取り指示部により巻取り動作が指示されると、それに呼応して巻取り手段により自動的にストラップが巻き取られ、通常使用位置のシートが跳上げ位置まで移動される。 【0007】このように、比較的簡単な構成により乗員の負担となるシートの跳上げ操作が自動化され、シート装置の重量や製造コストが低減される。又、跳上げ中のシートは、一側を支持された状態で、他側をストラップにより車体幅方向に牽引されることになり、シートのほとんどの重量は一側に作用し、ストラップは主にシートの姿勢変更に要する力を負担するだけである。つまり、ストラップにはシート重量が直接的に作用せずに力学的に無理がないことから、ストラップを含めた巻取り手段に作用する力が低減される。 【0008】請求項2の発明は、巻取り手段が、シートが上記跳上げ位置にあるときに、ストラップを繰り出すと共に、繰出し動作に連動させてシートを跳上げ位置から通常使用位置まで移動させる繰出し機能を有し、スイッチ手段が、繰出し動作を指示する繰出し指示部を備えたものである。従って、スイッチ手段の繰出し指示部により繰出し動作が指示されると、巻取り手段により自動的にストラップが繰出されて、跳上げ位置のシートが通常使用位置まで移動される。このようにシートの跳上げ操作のみならず、跳ね上げたシートを通常使用位置に復帰させる操作も自動的に可能となる。 【0009】請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、シートを車体フロアに対して支持すると共に、車体フロア部材に固定可能なスタンドがシートに設けられ、車体フロア部材に対するスタンドの固定を解除することにより、スイッチ手段の巻取り指示部が巻取り手段に対してストラップの巻取り動作を指示するものである。 【0010】従って、乗員により車体フロア部材に対するスタンドの固定が解除されると、それに呼応して巻取り手段によりストラップの巻取り動作が開始される。このように、シートの跳上げのために必要な予備的な操作に連動して巻取り手段を作動させるため、乗員が巻取り指示部の操作を特別に意識して行う必要がなくなる。請求項4の発明は、請求項3の発明において、スタンドが、車体フロアに対する固定を解除された状態で、シートに対して折り畳み可能に形成されるものである。従って、シートが跳上げ位置にあるときにはスタンドが折り畳まれて、乗員の邪魔になることが未然に防止される。 【0011】請求項5の発明は、請求項4の発明において、シートが跳上げ位置であり、且つ、スタンドの折り畳みが解除されたときに、スイッチ手段の繰出し指示部が巻取り手段に対してストラップの繰出し動作を指示するものである。従って、乗員によりスタンドの折り畳みが解除されると、それに呼応して巻取り手段によりストラップの繰出し動作が開始される。このように、跳ね上げたシートを通常使用位置に復帰させるために必要な予備的な操作に連動して巻取り手段を作動させるため、乗員が繰出し指示部の操作を特別に意識して行う必要がなくなる。 【0012】請求項6の発明は、請求項1又は2の発明において、スイッチ手段が側方部材に設けられているものである。従って、乗員はシートの側方に位置するスイッチ手段を操作することで、シートの跳上げ操作や復帰操作を確実に指示可能となり、乗員がスタンドを不用意に操作した場合のシートの誤動作が未然に防止される。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した車両用シート装置の一実施形態を説明する。図1は本実施形態の車両用シート装置が適用された通常使用位置のシートを示す斜視図、図2は同じく通常使用位置からシートバックを倒したシートを示す斜視図、図3は同じく跳上げ位置のシートを示す斜視図である。当該シート1は車両の3列目の右側に設置されたものであり、図中の左方は車両前方を示し、右方は後部ドア2を示している。シート1は車体フロア3上に配設されると共に、シート1の右側に立設する車体右側壁4の上部には、乗員が姿勢を保つために把持するアシストグリップ5が設けられている。 【0014】上記シート1は、運転者が着座するシートクッション6、運転者の背面を支持するシートバック7、頭部を支持するヘッドレスト8から構成されており、シート1の前後位置、シートバック7の角度、ヘッドレスト8の高さ等は運転者の手動操作により調整されるようになっている。上記車体右側壁4にはヒンジ機構9が設けられ、このヒンジ機構9によりシートクッション6の右側が支持されると共に、ヒンジ機構9の回転軸線L1を中心として、シート1全体が図1に示す通常使用位置から図3に示す跳上げ位置まで跳ね上げ可能となっている。 【0015】図3に示すように、シートクッション2の下面には略四角状の凹部10が形成され、この凹部10内には同じく略四角状のスタンド11が軸着されている。このスタンド11は、凹部10内に折り畳まれる折り畳み位置と、凹部10内から略90°の角度で突出する図3に示す突出位置との2位置間で回動し得る。上記シート1の通常使用位置においては、図1に示すように、突出位置に切換えられたスタンド11の先端が車体フロア3上に当接して、このスタンド11によりシートクッション6の左側が支持される。 【0016】図4はスタンドのロック機構のロック時を示す部分拡大断面図、図5は同じくロック機構のロック解除時を示す部分拡大断面図であり、これらの図では、図1のようにシート1を支持すべくスタンド11が突出位置に切換えられて、その先端を車体フロア3に相対向させた状態を示している。スタンド11の先端にはロック機構12が設けられ、このロック機構12は、スタンド11を車体フロア3上のステー13に固定する役割を果たす。 【0017】ロック機構12の概略を説明すると、スタンド11には下方に向けてロックピン14が突設され、このロックピン14は、外周に巻回されたバネ15を撓ませながら、その先端を上記ステー13のロック孔13a内に挿入し得るようになっている。図4に示すロック機構12のロック時には、ロックピン14内に摺動可能に設けられたプランジャ16に押圧されて、ロックピン14の先端外周に複数のボール14aが突出し、これらのボール14aによりロック孔13aからのロックピン14の上方への離脱が規制されて、スタンド11がステー13に固定されている。 【0018】この状態から、乗員の解除操作(例えば、スタンド11の一側に設けた解除スイッチの操作)に連動してレバー16aと共にプランジャ16が引き上げられると、プランジャ16のボール14aに対する押圧が中止されるため、ボール14aがロックピン14内に没入し、図5に示すように、バネ15の付勢力によりステー13のロック孔13aからロックピン14の先端が離脱し、ステー13に対するスタンド11の固定が解除される。 【0019】又、スタンド11の先端にはスタンドスイッチ18が設置され、このスタンドスイッチ18は常時オン状態に保持されると共に、図4のようにロック機構12がロックされると、下方に突出した検出レバー18aをステー13上に当接させてオフされる。又、図6はシートを跳上げ位置に、スタンドを折畳み位置に切換えたときのスタンドスイッチを示す部分拡大断面図であるが、この図に示すようにスタンド11の折畳み位置でも、スタンドスイッチ18は凹部10内の一側に当接してオフされる。 【0020】一方、シートクッション6の左側には巻取り機構20が内装されている。図7はクラッチ部材23が接続位置のときの巻取り機構を示す詳細図、図8は同じくクラッチ部材23が遮断位置のときの巻取り機構を示す詳細図である。巻取り機構20のモータ(減速機内蔵)21の出力軸21aにはモータギア22が固定され、このモータギア22の軸線L2上にはクラッチ部材23が配設されている。クラッチ部材23のモータギア22側はカップ状に凹設され、その内周には、モータギア22と噛合可能な被動ギア23aが形成されている。クラッチ部材23は断接アクチュエータ24の切換レバー24aの回動に応じてモータギア22の軸線L2上で移動し、図7に示す接続位置では被動ギア23aをモータギア22に噛合させ、図8に示す遮断位置ではモータギア22に対する被動ギア23の噛合を解除する。 【0021】クラッチ部材23の反モータギア22側には駆動ギア23bが一体形成され、この駆動ギア23bは、巻取りドラム25の一側に形成されたドラムギア25aと噛合し、上記したクラッチ部材23の移動に関わらず、両ギア23b,25aが常に噛合状態に保持されるようになっている。巻取りドラム25にはストラップ26が巻回され、ストラップ26の先端に設けられたフック26aは、図3に示すように上記アシストグリップ5に係止可能となっている。 【0022】そして、図7に示すクラッチ部材23の接続位置でモータ21が正逆何れかに駆動されると、モータギア22と共にクラッチ部材23が一体で回転されて、その回転が巻取りドラム25に伝達される。その結果、モータ21の回転方向に応じて巻取りドラム25が回転されて、ストラップ26の巻取り又は繰出しが行われる。又、図8に示す遮断位置では、モータ21側からクラッチ部材23及び巻取りドラム25が切り離されることから、巻取りドラム25を空転させながらストラップ26を任意に引出し可能となる。 【0023】巻取りドラム25には渦巻きバネ27が装着され、この渦巻きバネ27により巻取りドラム25は常に巻取り方向に付勢されている。尚、渦巻きバネ27の付勢力は、上記モータ21による巻取りドラム25の回転駆動等を妨げない程度の強さに設定されている。上記ドラムギア25aには回転量センサ28のセンサギア28aが噛合し、この回転量センサ28により巻取りドラム25の回転量nが検出される。又、巻取りドラム25上には巻取り量センサ29が配設され、この巻取り量センサ29により巻取りドラム25上に巻き取られたストラップ26の厚みt(つまり、巻取り量)が検出される。 【0024】一方、図7に示すように、車室内には、図示しない入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM,RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えたECU(電子制御ユニット)31が設置されている。ECU31の入力側には、上記スタンドスイッチ18、回転量センサ28、巻取り量センサ29等の各種センサ類が接続され、出力側には上記モータ21、断接アクチュエータ24等のデバイス類が接続されている。 【0025】ECU31は車両に搭載されたエンジンや変速機の制御を行うと共に、上記3列目のシート1の格納及び展開動作を制御する。ここで、本実施形態では、シート1の格納及び展開動作以外の予備操作、例えばシートバック7やスタンド11の操作等は乗員に委ねられるため、まず、この乗員が行う予備操作の手順を説明する。 【0026】図1に示す通常使用位置のシート1を跳上げ位置に格納するには、図2に示すようにシートバック7を最も後傾させた上で、巻取り機構20のストラップ26を引き出して、先端のフック26aをアシストグリップ5に係止する。このときの巻取り機構20のクラッチ部材23は遮断位置に切換えられているため(ECU31が実行する後述のステップS20の処理)、巻取りドラム25を空転させながらストラップ26が自由に引き出される。次いで、乗員がスタンド11に設けられたロック機構12の解除操作を行うと、ステー13のロック孔13a内からロックピン14の先端が離脱して、ステー13に対するスタンド11の固定が解除され、これに連動して後述のようにECU31によりシート1が跳上げ位置まで自動的に跳ね上げられ、その後に乗員がスタンド11を折畳み位置に切換えると、シート1の格納が完了する。 【0027】又、跳上げ位置のシート1を通常使用位置に展開するには、まず、スタンド11を突出位置に切換える。これに連動して、後述のようにECU31によりシート1が通常使用位置まで自動的に復帰される。この状態では、図5のようにロック機構12はロックされていないため、乗員はシート1を軽く下方に押圧して、ロックピン14の先端をステー13のロック孔13a内に掛止させる。更にストラップ26のフック26aをアシストグリップ5から取り外すと、ストラップ26は渦巻きバネ27の付勢力で巻取りドラム25に巻き取られ、続いてシートバック7を立ち上げると、シート1の展開が完了する。 【0028】一方、ECU31は図9に示すシート制御ルーチンを所定の制御インターバルで実行しており、まず、ステップS2でスタンドスイッチ18がオンか否かを判定し、オフの場合にはNO(否定)の判定を下してルーチンを終了する。上記のようにシート1が通常使用位置(図4)或いは跳上げ位置(図6)にあるときには、スタンドスイッチ18がオフされているため、これらの場合には、その状態が維持されることになる。 【0029】そして、シート1を格納すべく上記フック26aの係止までの予備操作に引き続き、ロック機構12のロック解除が行われると、スタンドスイッチ18がオンされるため、ECU31はステップS2でYES(肯定)の判定を下してステップS4に移行し、巻取り量センサ29により検出されたストラップ26の厚みtが所定値t0未満か否かを判定する。ここで、通常使用位置では、予備操作でのストラップ26の引出しにより、巻取りドラム25上のストラップ26の厚みtは所定値t0未満に減少しているため、ECU31はYESの判定を下してステップS6に移行する。ステップS6では断接アクチュエータ24を駆動して巻取り機構20のクラッチ部材23を接続位置に切換え、続くステップS8でモータ21を巻取り方向に駆動する。巻取りドラム25の回転に伴ってストラップ26が順次巻き取られると、ヒンジ機構9の回転軸線L1を中心としてシート1は次第に跳上げ位置へと跳ね上げられる。 【0030】続くステップS10では、回転量センサ28により検出された巻取りドラム25の回転量n(駆動開始からの回転量)が所定値n0に達したか否かを判定し、NOのときにはステップS8の処理を継続する。所定値n0としては、シート1を通常使用位置から跳上げ位置に切換えるのに要するストラップ26の巻取り量相当値が設定されているため、ステップS10の判定がYESになった時点では、シート1は跳上げ位置に到達し、ECU31は続くステップS12でモータ21を停止させてルーチンを終了し、その後に乗員によりスタンド11が折畳み位置に切換えられ、スタンドスイッチ18は再びオフされる。尚、このときの巻取り機構20のクラッチ部材23は接続位置に保持されているため、モータ21及び減速機の回転抵抗により巻取りドラム25からのストラップ26の繰出しが規制され、シート1は跳上げ位置に保持される。 【0031】一方、シート1を展開すべく予備操作としてスタンド11が突出位置に切換えられると、スタンドスイッチ18がオンされるため、ECU31はステップS2からステップS4に移行する。このときのストラップ26はほぼ全てが巻取りドラム25に巻き取られているため、ストラップ26の厚みtが所定値t0以上であるとしてNOの判定を下し、ステップS14に移行してモータ21を繰出し方向に駆動する。巻取りドラム25の回転に伴ってストラップ26が順次繰り出され、これによりシート1は次第に通常使用位置に復帰する。 【0032】続くステップS16では巻取りドラム25の回転量nが上記所定値n0に達したか否かを判定し、判定がYESになるまでは上記ステップS14の処理を継続し、YESの判定を下すとステップS18でモータ21を停止させる。尚、このシート展開時に要するストラップ26の繰出し量は、上記シート格納時の巻取り量と一致すると見なして、ステップS16では同一の所定値n0を適用しているが、異なる値を用いてもよい。 【0033】その後、ECU31はステップS20に移行して、断接アクチュエータ24により巻取り機構20のクラッチ部材23を遮断位置に切換えて、ルーチンを終了する。よって、再びシート1を格納するための予備操作が行われたときには、巻取りドラム25を空転させながらストラップ26を引出し可能となる。その後、乗員によりロック機構12のロック、ストラップ26のフック26aの取外し、シートバック7の立上げ等が行われる。 【0034】以上のように本実施形態の車両用シート装置では、シート1を格納及び展開する一連の操作の内、シートバック7やスタンド11の操作はそれほど負担にならないことから、予備操作として乗員に委ね、最も乗員の負担となるシート1の跳上げ及び復帰操作のみを自動化している。よって、一般的なシート1に巻取り機構20を付加しただけの簡単な構造により実現でき、例えば特許第2658700号に記載の従来技術と比較すると、乗員の労力を遜色ない程度に軽減した上で、構造の簡略化に伴って重量や製造コストを大幅に低減することができる。 【0035】しかも、格納及び展開中のシート1は、一側をヒンジ機構9により支持されて、他側をストラップ26により車体右側壁4側に牽引されることになり、シート1のほとんどの重量はヒンジ機構9が負担し、ストラップ26は主にシート1の姿勢変更に要する力を負担するだけである。つまり、シート1の全重量に抗しながらシート1を跳ね上げる上記公報に記載の従来技術に比較すると、力学的に無理がないことからストラップ26を含めた巻き上げ機構20に作用する力を低減することができる。又、このようにシート重量の影響を受け難い構造のため、逆に座り心地等の向上を目的としたシート重量の増加等にも対応できるという別の利点も得られる。 【0036】一方、乗員によるロック機構12の解除操作に連動して、ストラップ26の巻き取り動作を開始するようにしたため、乗員はストラップ26の巻取りを指示するためのスイッチ操作を特別に意識して行う必要がなくなり、シート1を跳ね上げる際の乗員の手間を軽減することができる。同様に、乗員によるスタンド11の切換操作に連動して、ストラップ26の繰出し動作を開始するようにしたため、乗員はストラップ26の繰出しを指示するためのスイッチ操作を特別に意識して行う必要がなくなり、シート1を通常使用位置に復帰させる際の乗員の手間を軽減することができる。 【0037】以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、車両の3列目の右側に設置されたシート1用のシート装置として具体化したが、別の位置に設置されたシートに対するシート装置に具体化してもよい。又、上記実施形態では、巻取り機構20をシート1側に設け、その巻き取り機構2から引き出したストラップ26のフック26aを車体右側壁4のアシストグリップ5に係止したが、両者の関係を逆転させて、車体右側壁4側に巻き取り機構20を設けると共に、シート1側にアシストグリップ5に相当する部材を設けてもよい。更に、巻取り機構20を車体右側壁4側に設けて、フック26aを係止した側からストラップ26を巻き取るようにしてもよい。これらの場合でも上記実施形態と同様に、シート1の跳上げ及び復帰操作を自動化できると共に、巻取り機構20に相当する重量の分だけシート1を軽量化でき、該シート1の姿勢変更に要する力を更に軽減することができる。 【0038】更に、上記実施形態では、シート1の跳上げ操作と復帰操作を共に自動化したが、例えば、特に乗員に負担を強いるシート1の跳上げ操作のみを自動化し、通常使用位置への復帰操作については乗員が手動で行うようにしてもよい。一方、上記実施形態では、スタンド11に設けたスタンドスイッチ18を利用して、乗員のスタンド11に対する操作に連動してストラップ26の巻取り及び繰出しを開始したが、例えば車体右側壁4やヒンジ機構9等に、巻取りや繰出しを指示するための専用のスイッチを設けてもよい。このように構成した場合には、乗員がスタンド11を不用意に操作した場合のシート1の誤動作を未然に防止できるという別の利点が得られる。 【0039】又、上記実施形態では、巻取り機構20のクラッチ部材23を断接アクチュエータ24により自動的に切換えたが、乗員が手動で行うようにしてもよい。この場合の乗員は、ストラップ26の引出し時にクラッチ部材23を遮断位置に切換え、それ以外のときには接続位置に保持すればよい。 【0040】 【発明の効果】以上説明したように請求項1,2の発明の車両用シート装置によれば、全体の構造を簡略化して重量軽減や製造コストの低減を達成すると共に、シート重量の影響を受け難い構造とすることができる。請求項3の発明の車両用シート装置によれば、請求項1,2の発明に加えて、シートを跳ね上げる際の乗員の手間を更に軽減することができる。 【0041】請求項4,5の発明の車両用シート装置によれば、請求項3の発明に加えて、シートを通常使用位置に復帰させる際の乗員の手間を更に軽減することができる。請求項6の発明の車両用シート装置によれば、請求項1,2の発明に加えて、シートの誤動作を未然に防止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006286 【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社 【住所又は居所】東京都港区港南二丁目16番4号
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| 【出願日】 |
平成14年1月18日(2002.1.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090022 【弁理士】 【氏名又は名称】長門 侃二 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−212012(P2003−212012A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月30日(2003.7.30) |
| 【出願番号】 |
特願2002−10713(P2002−10713) |
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