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【発明の名称】 自動車用シート装置
【発明者】 【氏名】岡本 一樹
【住所又は居所】東京都新宿区西新宿1丁目7番2号 富士重工業株式会社内

【氏名】飛田 昌孝
【住所又は居所】神奈川県横浜市金沢区福浦3丁目10番地 日本発条株式会社内

【要約】 【課題】テザーストラップによってチャイルドシートが取り付けられるダブルフォールディング可能な自動車用シート装置において、テザーストラップの横ずれや背もたれ部への食い込みを防止する。

【解決手段】背もたれ部10の上端部に設けるダブルフォールディング時の固定用フック51に、チャイルドシート取り付け用のテザーストラップ32が掛けられるように構成し、このフック51にテザーストラップ32のガイド53を一体に設ける。背もたれ部10はフック51に保護されてテザーストラップ32の食い込みが防止され、ガイド53によりテザーストラップ32の横ずれが防止される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 傾動可能で、傾動端部である上端部にフックが設けられた背もたれ部と、前端部を支点として引き起こし可能で、その裏面に前記フックが係合可能な被係合部が設けられた着座部とからなり、前記着座部を引き起こしてその裏面を前記背もたれ部側に向け、次いで背もたれ部を前傾させていくと、前記フックが前記被係合部に係合して、背もたれ部と着座部とが互いに固定し合ったダブルフォールディング状態となる自動車用シート装置において、前記フックは、補助シートを前記背もたれ部に取り付けるためのテザーストラップが掛けられる位置に配置されており、さらにこのフックには、テザーストラップのガイドが一体に設けられていることを特徴とする自動車用シート装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、折り畳み可能で、なおかつチャイルドシート等の補助シートが取り付けられる自動車用シート装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、ワゴンやハッチバック等のタイプの自動車においては、リヤシートを折り畳んでリヤスペースを荷室に変えたり荷室の拡大を図ることができるものが多い。リヤシートの折り畳みパターンは種々提供されているが、着座部を前方に引き起こしてから背もたれ部を前方に倒すダブルフォールディング式が一般的である。この場合、背もたれ部の背面が平らな荷台となる。そして、車種の中には、背もたれ部の上端部に設けたフックを着座部の裏面に設けた係合部に係合させてダブルフォールディング状態を保持するものがある。
【0003】ところで、近年では、幼児等を自動車に乗せる場合にはシートに取り付けたチャイルドシートに乗せることが義務づけられている。チャイルドシートをリヤシートに取り付けるには、例えば、下部を車体フロア等に設けられたロアアンカーと呼ばれるブラケット状のものに固定する一方、上部はテザーストラップを背もたれ部に掛けて固定する形式が挙げられる。テザーストラップは、チャイルドシートの背もたれ部の裏面に固定されており、リヤシートの背もたれ部の上端部に掛けて背もたれ部の背面や車体ボディに固定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記テザーストラップは、滑りが生じて横方向にずれやすく、ずれやすいことによりチャイルドシートを設置しづらいといった問題があった。また、チャイルドシートに幼児等が座ると、テザーストラップが背もたれ部の上端部に食い込んで背もたれ部に変形を来し、ユーザーの不満を招く場合があった。これらの不具合は、背もたれ部にテザーストラップの横ずれを防ぐガイドを設け、さらに、食い込みを防ぐ硬い保護パッドを設けることにより解決されると考えられたが、この対処法では、部品点数や組み立て工程の増加に伴うコストアップを招くことになる。
【0005】よって本発明は、コストアップが抑えられながらテザーストラップの横ずれや背もたれ部への食い込みを防止してチャイルドシートを容易に取り付けることができる自動車用シート装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するためになされた本発明は、傾動可能で、傾動端部である上端部にフックが設けられた背もたれ部と、前端部を支点として引き起こし可能で、その裏面にフックが係合可能な被係合部が設けられた着座部とからなり、着座部を引き起こしてその裏面を背もたれ部側に向け、次いで背もたれ部を前傾させていくと、フックが被係合部に係合して、背もたれ部と着座部とが互いに固定し合ったダブルフォールディング状態となる自動車用シート装置において、フックは、補助シートを背もたれ部に取り付けるためのテザーストラップが掛けられる位置に配置されており、さらにこのフックには、テザーストラップのガイドが一体に設けられていることを特徴としている。
【0007】本発明の自動車用シート装置にチャイルドシートの上部を取り付けるには、チャイルドシートのテザーストラップを背もたれ部のフックに掛け、ガイドを利用して背もたれ部の裏側に引き延ばし、固定端部を所定箇所に固定させる。テザーストラップはガイドによって横方向にずれることなくまっすぐな状態に固定することができ、しかも、背もたれ部はフックで保護されるのでテザーストラップの食い込みが防止される。また、ガイドによってテザーストラップの横ずれが防止されるので、背もたれ部に対するチャイルドシートの位置決めが確実になされ、したがってチャイルドシートを容易に取り付けることが可能となる。さらに、ガイドはフックに一体に設けられているので、部品点数や組み立て工程の増加は起こらず、コストアップが抑えられる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1は一実施形態に係る自動車用シート装置が適用されたリヤシート1の正面図、図2はその側面図である。このリヤシート1は2人掛けであって、乗員の着座姿勢を安定させる形状が左右一対の状態で施された背もたれ部10と着座部20とから構成されている。背もたれ部10および着座部20は、いずれも表皮で覆われた発砲ウレタン等のクッション材が鋼製のフレームで支持されたものである。図1および図2で符号30は、リヤシート1に取り付けられるチャイルドシート(補助シート)である。
【0009】図2に示すように、背もたれ部10は、車体フロアに固定されたヒンジブラケット11を介して前後方向に傾動自在に取り付けられており、通常は、図示せぬ車体ボディによってやや後傾した状態に支持されている。背もたれ部10の上方にはヘッドレスト40が配置されている。このヘッドレスト40は、リヤシート1の後方の図示せぬ車体ボディに、ステー41を介して装着されている。着座部20は、前端下部の支点を介して引き起こし可能に車体フロアに取り付けられている。リヤシート1は、図3に示すように、着座部20を引き起こして立て、次いで背もたれ部10を前傾させて倒すことによりダブルフォールディング状態となり、この状態で背もたれ部10の背面が平らな荷台となる。
【0010】図1に示すように、背もたれ部10の上端部であって左右の着座位置に対応する中央部分には、硬質樹脂からなるフックプレート50が固定されている。図4および図5に示すように、フックプレート50の中央後部には、左右に延びるアーチ状のフック51が形成されており、さらにこのフック51によって、楕円状のフック穴52が形成されている。そして、フックプレート50の両端部には、フック51を挟んで左右一対のガイド53が形成されている。ガイド53は、側壁部53aと、この側壁部53aの上端から内側に屈曲して突出する突片53bとからなるものである。フック51上には、チャイルドシート30を背もたれ部10に取り付けるための後述するテザーストラップ32が掛けられる。ガイド53は、フック51に掛けられたテザーストラップ32の横ずれを防ぐものであり、したがって、ガイド53の寸法は、その機能が可能な寸法であって、しかも、ダブルフォールディング時に着座部20の裏面に干渉しない寸法に設定されている。
【0011】図2に示すように、着座部20の裏面には、後方に延びるロッド(被係合部)21が固定されている。このロッド21は着座部20に対して左右一対の状態で設けられており、図6に示すように、先端には鍔部21aが形成され、この鍔部21aの先端に小突起21bが形成されている。上記ダブルフォールディング状態においては、これらロッド21の小突起21bに、上記フック穴52が嵌め込まれてフック51がロッド21に係合するようになっている。すなわち、着座部20を引き起こすとロッド21は上に向き、次いで背もたれ部10を前方に倒すと、図6に示すように、フック穴52がロッド21の先端の小突起21bに嵌まり込み、フック51が鍔部21aに載った状態となる。これによって、背もたれ部10と着座部20とが互いに固定し合い、ダブルフォールディング状態が保持される。
【0012】図1に示すように、リヤシート1の下方には、チャイルドシート30の下部を固定するためのロアアンカー60A,60Bが、左右の着座位置に対してそれぞれ左右一対の状態で設けられている。外側のロアアンカー60Aは着座部20のフレームに設けられ、内側のロアアンカー60Bは車体フロアに設けられている。図2に示すように、チャイルドシート30の下部には、後方に延びて背もたれ部10と着座部20との間に挿入される左右一対の取り付けステー31が設けられており、これらステー31が、各ロアアンカー60A,60Bに固定されるようになっている。
【0013】図7に示すように、そのチャイルドシート30の上部背面には、帯状のテザーストラップ32の一端が固定されている。このテザーストラップ32は、チャイルドシート30の幅方向の中央から後方に延びるもので、その他端には、固定用のクリップ32aが装着されている。テザーストラップ32は、チャイルドシート30をリヤシート1に固定する際に、背もたれ部10の上端部に掛けられ、クリップ32aが、背もたれ部10の背面に設けられたテザーアンカー12に引っ掛けられる。テザーストラップ32は長さが調整できるようになされており、適当なテンションがかかるように長さが調整される。
【0014】上記のようにテザーストラップ32を装着するには、テザーストラップ32を背もたれ部10のフック51に掛け、ガイド53を利用して背もたれ部10の裏側に引き延ばし、クリップをテザーアンカー12に引っ掛けて固定する。テザーストラップ32はガイド53の側壁部53aによって横方向へのずれが抑えられ、まっすぐな状態に固定することができる。また、ガイド53によってテザーストラップ32の横ずれが抑えられるので、背もたれ部10に対するチャイルドシート30の位置決めが確実になされ、したがってチャイルドシート30を容易に取り付けることが可能となる。また、背もたれ部10はフック51で保護されるので、テザーストラップ32が背もたれ部10の上端部に食い込むことが防止される。さらに、ガイド53はフック51と一体であって1つの部品であるフックプレート50に形成されているので、ガイド53を設けるにあたって部品点数や組み立て工程の増加は起こらず、このため、コストアップが抑えられる。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、背もたれ部の上端部に設けるダブルフォールディング時の固定用フックに、チャイルドシート取り付け用のテザーストラップが掛けられるように構成し、このフックにテザーストラップのガイドを一体に設けたので、コストアップが抑えられながら、テザーストラップの横ずれや背もたれ部への食い込みを防止することができるとともに、チャイルドシートを容易に取り付けることができるといった効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000005348
【氏名又は名称】富士重工業株式会社
【住所又は居所】東京都新宿区西新宿一丁目7番2号
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発条株式会社
【住所又は居所】神奈川県横浜市金沢区福浦3丁目10番地
【出願日】 平成13年12月26日(2001.12.26)
【代理人】 【識別番号】100096884
【弁理士】
【氏名又は名称】末成 幹生
【公開番号】 特開2003−191780(P2003−191780A)
【公開日】 平成15年7月9日(2003.7.9)
【出願番号】 特願2001−394099(P2001−394099)