| 【発明の名称】 |
絶縁軽量曲線引装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤井 保和
【氏名】片山 信一
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| 【要約】 |
【課題】本発明の目的は,循環電流による金具の電食を防止し,トロリ線に対する等価質量の小さい絶縁軽量曲線引装置を提供する。
【解決手段】電車線設備の循環電流に伴う電食による曲線引金具の脱落事故防止,高速度域において曲線引金具の等価質量が大きいことによる離線の増大防止を図るため、本発明の絶縁軽量曲線引装置は,電気鉄道の電車線に用いられるトロリ線をレール鉛直上方の所定位置に支持する金具であって,絶縁線条3と支持金具2とイヤー4からなり,トロリ線5と水平パイプ1間を電気的に絶縁すること,及びトロリ線に作用する等価質量を軽減することを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電気鉄道の電車線に用いられるトロリ線をレール鉛直上方の所定位置に支持する装置であって,支持金具とイヤーの間に絶縁線条を配置することを特徴とする絶縁軽量曲線引装置。 【請求項2】トロリ線に作用する等価質量を軽減し、耐候性に優れる絶縁ロープを用いた請求項1の絶縁軽量曲線引装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は,電気鉄道の変電所からの電力を電気車に送るために,鉄道軌道に沿って設備された電車線において,水平パイプとトロリ線の間に取り付けられ,トロリ線をレール鉛直上方の所定の位置に設備するための絶縁軽量曲線引装置に関する。 【0002】 【従来の技術】電車線の構成要素の一つであるトロリ線は,電気車のパンタグラフが走行しながら接触するようにハンガ等によってレール鉛直上方に水平に設備されている。このトロリ線は,パンタグラフすり板の同一箇所のみが摩耗しないように,レール中心からの左右水平方向の距離である偏位がパンタグラフの走行に伴い変るように設備される必要がある。偏位が所定の値になるようにトロリ線を固定するものとして,曲線引装置がある。 【0003】この曲線引装置は,電車線柱などの電車線支持物に支持されている水平パイプ等に取り付けられ,次の特性が要求されている。 ■トロリ線に作用する風圧荷重などの引張力に耐えうる強度を有する。 ■パンタグラフの走行に伴うトロリ線の上下方向の変位が容易である。 【0004】図2は従来の曲線引金具の構成図である。ここで,1は水平パイプ,2は支持金具,4はイヤー,5はトロリ線,6は振止めアームである。曲線引金具は支持金具2,振止めアーム6,及びイヤー4で構成される。従来の曲線引金具について,図2に基づき説明する。水平パイプ1は電車線柱等の支持物に取り付け支持されている。この水平パイプに支持金具2が固定され,さらにこの水平パイプに振止めアーム6が鉛直平面上で自由な回転ができるように取り付けられている。振止めアームの先端にはイヤー4が接続されており,このイヤーによってトロリ線5は把持される。したがって,動作機能からみると,トロリ線は,引張力に対する水平方向の動きは固定され,鉛直方向の動きは自由となっている。 【0005】前記の曲線引金具によってトロリ線が把持されると,曲線引金具はトロリ線に対して次のように機能する。 ■曲線引金具は,トロリ線に作用する風圧荷重等の水平方向引張力に対して,トロリ線の偏位を所定の値に維持する。 ■曲線引金具は,パンタグラフ通過に対して,トロリ線の上下方向の自由な動きを保障している。 【0006】しかし,従来の曲線引金具には次のような問題があった。 ■曲線引金具の振止めアームが金属製のため,水平パイプとトロリ線が電気的に接続され,支持金具,イヤーを電気化学的に損耗させる電食を引起す循環電流が流れる。 ■列車の高速運転では,トロリ線に取り付けられる金具の質量である等価質量が大きいと過大応力発生等の問題を生じるが,曲線引装置の振止めアームが金具製である限り,引張強さと密度の関係から等価質量の低減に限界がある。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は,前記のような問題点を解決するためになされたもので,循環電流による金具の電食を防止し,トロリ線に対する等価質量が小さい絶縁軽量曲線引装置の提供を目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の請求項1における絶縁軽量曲線引装置は,電気鉄道の電車線に用いられるトロリ線をレール鉛直上方の所定位置に支持する金具であって,絶縁線条と支持金具とイヤーからなり,トロリ線と水平パイプ間を電気的に絶縁することを特徴とする。本発明の請求項2における絶縁軽量曲線引装置は,トロリ線に作用する等価質量を軽減することを特徴とする。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明の絶縁軽量曲線引装置は次のように作用する。 ■本発明の請求項1における絶縁軽量曲線引装置によれば,振止めアームをこれまでの金属製から絶縁線条に変えることにより,水平パイプとトロリ線の電気的絶縁が図れる。 ■本発明の請求項2における絶縁軽量曲線引装置によれば,振止めアームをこれまでの金属製から絶縁線条に変えることにより,曲線引装置の等価質量の軽量化が図れる。 【0010】次に,本発明における絶縁軽量曲線引装置について説明する。図1は,本発明の絶縁軽量曲線引装置の構成図である。ここで,1は水平パイプ,2は支持金具,3は絶縁線条,4はイヤー,5はトロリ線である。 【0011】本発明の請求項1における絶縁軽量曲線引装置の実施例について,図1を用いて説明する。絶縁軽量曲線引装置は支持金具2,絶縁線条3,及びイヤー4で構成される。水平パイプ1は電車線柱等の支持物に取り付け支持されている。この水平パイプに支持金具2が固定され,さらにこの支持金具に絶縁線条3が取り付けられている。絶縁線条はイヤー4の上部でイヤーに固定されており,このイヤーによってトロリ線5は把持される。絶縁線条には,たるんでトロリ線より下方に下がらない程度の張力を作用させる。 【0012】このように構成された絶縁軽量曲線引装置においては,トロリ線は,引張力に対する水平方向の動きは固定され,鉛直方向の動きは自由となっている。さらに,絶縁線条は支持金具とイヤーの間に挿入されているので,絶縁軽量曲線引装置はトロリ線と水平パイプ間を電気的に絶縁することになる。 【0013】前記の絶縁線条は,その質量が金属より小さいため,従来の金属製の振止めアームよりトロリ線に対する等価質量が小さくなっている。 【0014】前記の絶縁線条に、例えば市販されているエースラインVコンポーズ等の絶縁ロープを用いることにより、絶縁軽量曲線引装置は耐候性にも優れたものとなる。 【0015】 【発明の効果】前記の説明からわかるように,本発明の構成をとることにより,水平パイプとトロリ線間の電気的絶縁を図れると同時に,トロリ線に作用する等価質量を低減することができる。これにより,電車線設備の循環電流に伴う電食による曲線引金具の脱落事故防止,高速度域において曲線引金具の等価質量が大きいことによる離線の増大防止を図ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000173784 【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
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| 【出願日】 |
平成14年3月15日(2002.3.15) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−267091(P2003−267091A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月25日(2003.9.25) |
| 【出願番号】 |
特願2002−72333(P2002−72333) |
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