| 【発明の名称】 |
車両とその制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】小宮山 晋 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
【氏名】山口 武蔵 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
【氏名】渡辺 英明 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
【氏名】岩野 浩 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
【氏名】押上 勝憲 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】高い暖機効果を得ることができる車両の制御装置を提供する。
【解決手段】第1蓄電装置1と、第1蓄電装置より蓄電容量の小さい第2蓄電装置2と、第1蓄電装置と第2蓄電装置との間で電力の授受を制御する電力変換装置3と、第1蓄電装置の温度と蓄電状態を検出する手段5、6と、第2蓄電装置の蓄電状態を検出する手段7と、これら検出値に基づき電力変換装置を制御するコントローラ4とを備え、コントローラ4は、第1蓄電装置の温度が所定値以下の場合に第1蓄電装置の暖機が必要かどうかを判定する手段と、第1蓄電装置の暖機が必要であると判定した場合に第1蓄電装置と第2蓄電装置との間で前記電力変換装置によって授受される電力の大きさと向きを決定する目標変換電力演算手段と、目標変換電力に応じて前記電力変換装置を制御する手段からなる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】第1蓄電装置と、第1蓄電装置より蓄電容量の小さい第2蓄電装置と、第1蓄電装置と第2蓄電装置との間で電力の授受を制御する電力変換装置と、第1蓄電装置の温度と蓄電状態を検出する手段と、第2蓄電装置の蓄電状態を検出する手段と、これら検出値に基づき電力変換装置を制御するコントローラとを備え、コントローラは、第1蓄電装置の温度が所定値以下の場合に第1蓄電装置の暖機が必要かどうかを判定する手段と、第1蓄電装置の暖機が必要であると判定した場合に第1蓄電装置と第2蓄電装置との間で前記電力変換装置によって授受される電力の大きさと向きを決定する目標変換電力演算手段と、目標変換電力に応じて前記電力変換装置を制御する手段からなることを特徴とする車両の制御装置。 【請求項2】前記第1蓄電装置の入出力可能電力を演算する手段を有し、前記目標変換電力演算手段は、前記第1蓄電装置を充電する時は目標変換電力の大きさが入力可能電力と等しくなるように、放電する時は目標変換電力の大きさが出力可能電力と等しくなるように目標変換電力を決定する手段であることを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。 【請求項3】駆動源としてのエンジンおよびモータと、第1蓄電装置と、第2蓄電装置と、第1と第2蓄電装置間で電力の授受を制御する電力変換装置と、電力変換装置を制御するコントローラを備え、エンジンもしくはモータで走行する車両において、第1蓄電装置の温度と蓄電状態を検出する手段を備え、前記コントローラは、要求駆動力に応じて目標駆動力を演算する手段と、第1蓄電装置の検出された温度が所定値以下の場合に第1蓄電装置の暖機が必要かどうかを判定する手段と、第1蓄電装置の暖機が必要であると判定した場合に、第1蓄電装置の検出された蓄電状態に応じて、第1蓄電装置の目標充放電電力を決定する手段と、目標駆動力と目標充放電電力に応じて、エンジンの目標出力とモータの目標出力と第1と第2蓄電装置間で前記電力変換装置によって授受される電力の大きさと向きを決定する目標変換電力演算手段と、前記エンジンの目標出力に応じてエンジンの出力を制御する手段と、前記モータの目標出力に応じてモータの出力を制御する手段と、前記電力変換装置によって授受される電力の大きさと向きに応じて、前記電力変換装置を制御する手段とからなることを特徴とする車両。 【請求項4】発電装置と、駆動源としてのモータと、第1蓄電装置と、第2蓄電装置と、第1と第2蓄電装置間で電力の授受を制御する電力変換装置と、電力変換装置を制御するコントローラとを備え、モータで走行する車両において、第1蓄電装置の温度と蓄電状態を検出する手段と、第1蓄電装置の実充放電電力を検出する手段を備え、前記コントローラは、要求駆動力に応じて目標駆動力を演算する手段と、目標駆動力に応じてモータの目標出力を決定する手段と、前記モータの目標出力に応じてモータの出力を制御する手段と、第1蓄電装置の温度が所定値以下の場合に第1蓄電装置の暖機が必要かどうかを判定する手段と、第1蓄電装置の暖機が必要であると判定した場合に、第1蓄電装置の蓄電状態に応じて、第1蓄電装置の目標充放電電力を決定する手段と、目標駆動力と目標充放電電力に応じて発電装置の目標発電電力を演算する手段と、目標発電電力に応じて発電装置を制御する手段と、目標充放電電力と実充放電電力の差に応じて、第1と第2蓄電装置間で前記電力変換装置によって授受される電力の大きさと向きを決定する目標変換電力演算手段と、目標変換電力に基づき前記電力変換装置を制御する手段とからなることを特徴とする車両。 【請求項5】前記コントローラは、前記第1蓄電装置の入出力可能電力を演算する手段を有し、前記目標充放電電力決定手段は、第1蓄電装置を充電する時は目標充放電電力の大きさが入力可能電力と等しくなるように、また放電する時は目標充放電電力の大きさが出力可能電力と等しくなるように決定する手段であることを特徴とする請求項3または4に記載の車両。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両とその制御装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来の制御装置として特開2001−268715号公報に記載の技術がある。 【0003】この従来技術は、バッテリの蓄電状態と目標駆動力に応じて、可能な範囲の大きな電力でバッテリの充放電を積極的に行い、バッテリ内部でのジュール熱による発熱を促進してバッテリの暖機を図るものである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技術においては、以下のような問題点があった。 ■十分な暖機効果を得るためには、極力大きな電力でバッテリの充放電を行うことが望ましく、そのためには充電も放電も共に大きな電力を確保できるバッテリの蓄電状態(以下、SOCという。)の範囲でかつ充電する時は、バッテリの入力可能電力と等しい電力で、放電する時は出力可能電力と等しい電力で充放電を繰り返すことが望ましい。しかし充電(発電)は任意に行えるが、放電はエネルギーを消費する負荷がなくては制御できないため、目標駆動力が出力可能電力と比較して小さい場合には、放電電力を出力可能電力まで上げることが出来ず、十分な暖機効果を得ることはできなかった。 ■また、高い暖機効果を得るためには、充放電の切り替え速度を上げた方が望ましいが、燃料電池のように発電装置自体の応答走度が遅いシステムでは、要求通りに充放電制御を行うことはできないので、高い暖機効果は期待できなかった。 【0005】このような問題点を鑑み、本発明の目的は、暖機効率の高い車両の制御装置を提供することである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、第1蓄電装置の温度と蓄電状態と、第2蓄電装置の蓄電状態を検出し、第1蓄電装置の温度が所定値以下の場合に第1蓄電装置を暖機する必要があるかどうか判定して、第1蓄電装置に対し暖機する必要があると判定した場合に、第1蓄電装置と第2蓄電装置間で前記電力変換装置によってやり取りする目標変換電力の大きさと向きを決定し、この目標変換電力に応じて前記電力変換装置を制御する。 【0007】 【発明の効果】本発明によれば、駆動力が小さい場合でも第1と第2蓄電装置間でエネルギーのやり取りを行うことができ、高いバッテリの暖機効果を得ることが出来る。 【0008】 【発明の実施の形態】図1に本発明の第1蓄電装置1と第2蓄電装置2と第1、第2蓄電装置間で電力の授受を制御する電力変換装置を備えたシステムの構成図を示す。図1の構成図は、リチウムイオンバッテリやニッケル水素バッテリや鉛酸バッテリなどの2次電池からなる第1蓄電装置1と、電気二重層コンデンサなどのキャパシタからなる第2蓄電装置2と、DCDCコンバータからなる電力変換装置3を用いた例である。これら蓄電装置1、2および電力変換装置を制御するためのコントローラ4が設けられ、コントローラ4には、第1蓄電装置1に設置された温度センサ5と蓄電状態を検出するセンサ6から第1蓄電装置1の温度とSOCの両方と、第2蓄電装置2に設置された蓄電状態を検出するセンサ7から第2蓄電装置2のSOCが入力されて、これらに基づき電力変換装置3を制御するが、その制御内容についての詳細は後述する。 【0009】なお、本発明の構成は、第1蓄電装置1と第2蓄電装置2が共に2次電池でもあるいはキャパシタでも、またはそれらを自由に組合わせたものであってもよい。しかし、最も効果が高いのは、第2蓄電装置2の出力特性が第1蓄電装置1の出力特性より優れている場合である。 【0010】第1実施形態では、第2蓄電装置2として第1蓄電装置1としてのバッテリより出力特性が優れたキャパシタを用いている。また、蓄電容量は第1蓄電装置1の容量の方が第2蓄電装置2の容量より大きい。 【0011】なお図1では、蓄電装置を構成するバッテリ、キャパシタ共に、その構成を便宜的に1セルとして示しているが、各複数のセルを直列接続、並列接続して構成したバッテリモジュール、およびキャパシタモジュールを用いても良い。また第1蓄電装置1と第2蓄電装置2の間には電力変換装置3を備えているので、第1蓄電装置の電圧と第2蓄電装置の電圧をそろえる必要はなく、モジュールを構成するセル数などは要求性能に応じて設計してよい。 【0012】図2に図1に示したシステムにおける全体制御フローチャートを示す。この制御はコントローラ4が実施するものである。 【0013】まずステップ1で、図3に示す第1蓄電装置1の暖機判定を行い、ステップ2で暖機判定で設定される暖機フラグが立っているかどうかを判断して暖機の必要性を確認する。暖機フラグが立っていない場合、つまり暖機する必要がない場合はステップ3へ進み、通常制御を行う。暖機フラグが立っている場合、つまり暖機する必要がある場合はステップ4へ進み、効率的に暖機効果を得られるように図4に示す第1蓄電装置1の目標充放電電力tPbを演算する。次にステップ5に進み、ステップ4で演算した第1蓄電装置1の目標充放電電力tPbに従い、電力変換装置4を制御して第1蓄電装置1と第2蓄電装置2との間で電力の授受を行う。最後はステップに進み制御を終了する。なお本制御フローチャートは一定時間(例えば10msec)毎に演算を行うものとする。 【0014】図3、4にコントローラ4が行う第1蓄電装置1の暖機判定と目標充放電電力演算の詳細制御フローチャートを示す。 【0015】図3に示す暖機判定を説明すると、まずステップ11で第1蓄電装置1の温度Tbを検出し、ステップ12で温度Tbが所定値T1より低いかどうかを判定する。温度Tbが所定値T1より低い場合は暖機の必要有りと判断して、ステップ13に進み、暖機フラグfBwarmをセットする。一方、Tbが所定値T1以上の場合は暖機の必要なしと判断してステップ14に進み、暖機フラグfBwarmをクリアする。 【0016】ここで、所定値T1の設定方法について第1蓄電装置1の温度特性を示した図5を用いて説明する。 【0017】図5に示すシステム要求値とは、第1蓄電装置1に対する要求値であり、それがコントローラ4に入力されて、第1蓄電装置1を制御する。具体的にシステム要求値とは、エンジンを始動するのに必要な電力であったり、車両において燃費性能および動力性能を満たすために必要なEV走行やモータアシスト、回生制動などで蓄電装置に要求される最低限の電力である。ところで蓄電装置としてバッテリを用いた場合には、温度が低いほど出力特性が低下するので、ある温度以下ではシステム要求値を満たすことはできない。システム要求値を満足しないとエンジン始動が不可能となったり、EV走行やモータアシスト、回生制動を十分に行えなくなり燃費性能および動力性能が低下することになる。このような状態からシステム性能を回復させるためには、蓄電装置の暖機を行い、いち早く蓄電装置の出力特性を回復させる必要がある。 【0018】そこで所定値T1は、図5に示すように蓄電装置の出力特性が、システム要求値を下回らない温度に設定する。ただし暖機制御ではバッテリの内部抵抗における損失を積極的に発生させるように充放電を行って、同時に燃費の悪化も伴うので、システム要求値は最低限の値とするのがよい。 【0019】また直接的に出力可能電力を測定し、蓄電装置1の出力特性が、システム要求値を下回ったら暖機を行うと判断する方法も考えられるが、この方法では温度により出力特性が悪化している場合と劣化により出力特性が悪化している場合の区別をする必要がある。 【0020】次に図4に示す第1蓄電装置1の目標充放電電力演算について説明する。 【0021】図4の第1蓄電装置1の目標充放電電力演算の詳細制御フローチャートでは、ステップ21で第1蓄電装置1の蓄電状態SOC_1を検出し、ステップ22で第2蓄電装置2の蓄電状態SOC_2を検出する。次にステップ23では第1蓄電装置1の蓄電状態SOC_1と第2蓄電装置2の蓄電状態SOC_2から、暖機制御を行う際の第1蓄電装置の上限SOC(以下、USOCと示す。)と下限SOC(以下、LSOCと示す。)を演算する。 【0022】ここで、具体的なUSOCとLSOCの演算方法を図6を用いて説明する。効果的な蓄電装置の暖機を行うには、極力大きな電力で積極的に蓄電装置としてのバッテリを充放電することが望ましい。そのため暖機制御中はバッテリのSOCを入出力可能電力が共に大きな値となる範囲にしておくのがよい。蓄電装置が1つのシステムでは、その1つの蓄電装置の状態に基づいてUSOC、LSOCを決定することができるが、本発明においては第1蓄電装置1と第2蓄電装置2の両方のSOCを考慮する必要がある。また第1蓄電装置1と第2蓄電装置2との間で電力の授受を行うだけなら両蓄電装置に蓄えられているエネルギーは有限なので、物理的な第1蓄電装置1(バッテリ)のUSOCは第2蓄電装置2(キャパシタ)のエネルギーをすべて第1蓄電装置1に移した場合の第1蓄電装置1のSOCであり(図6に示す第2蓄電装置SOC軸の0%ライン)、逆に物理的なLSOCは第2蓄電装置2にエネルギーを最大限蓄えた状態での第1蓄電装置1のSOCである(図6に示す第2蓄電装置SOC軸の100%ライン)。ステップ23ではこれらの値を第1蓄電装置1のUSOC、LSOCとして設定してもよいが、暖機効果を高めるためにば図6に示しているように、第2蓄電装置2の入出力可能電力が常に第1蓄電装置1の入出力可能電力より大きいことが望ましい。 【0023】そこで第1蓄電装置1の上下限SOCは、図6に示すように第2蓄電装置2の物理的な上下限SOCの範囲内で、第1蓄電装置1の出力可能電力と第2蓄電装置2の入力可能電力が等しくなるところをLSOC、第1蓄電装置1の入力可能電力と第2蓄電装置2の出力可能電力が等しくなるところをUSOCとするのが良い。 【0024】図4の第1蓄電装置充放電電力演算の詳細制御フローチャートの説明に戻ると、ステップ23で第1蓄電装置1の上下限SOCを演算したらステップ24に進み、第1蓄電装置1の蓄電状態SOC_1がLSOCより小さいかどうか判定する。 【0025】SOC_1がLSOCより小さい場合はステップ25に進み、充電制御フラグfCHGをセットする。 【0026】ステップ24でSOC_1がLSOC以上の場合はステップ26に進み、SOC_1がUSOCより大きいかどうか判定する。SOC_1がUSOCより大きい場合はステップ27に進み、充電制御フラグfCHGをクリアする。またステップ24でSOC_1がLSOCより小さいの場合はステップ25に進む。 【0027】ステップ26でSOC_1がUSOC以下の場合はステップ28に進み、充電制御フラグfCHGがクリアされている(fCHG=0)かセットされている(fCHG=1)かをチェックする。 【0028】ステップ28で充電制御フラグfCHGがセットされている場合、およびステップ25においてfCHGをセットした場合にはステップ29に進み、第1蓄電装置1の目標充放電電力tPbに第2蓄電装置2の電力で第1蓄電装置1を充電する充電側の値(負の値)を設定する。ステップ28でfCHGがクリアされている場合、およびステップ27においてfCHGをクリアした場合にはステップ30に進み、第1蓄電装置1の目標充放電電力tPbを第1蓄電装置の電力で第2蓄電装置を充電するための放電側の値(0以上の値)に設定する。 【0029】また、第1蓄電装置1の入出力可能電力を別途求めておき、ステップ29において第1蓄電装置1の目標充放電電力tPbが入力可能電力と等しくなるように設定し、ステップ30においてはtPbが出力可能電力と等しくなるように設定してもよい。 【0030】図2のフローチャートチャートに戻り、ステップ5で目標充放電電力tPbに従い電力変換装置3を制御して第1蓄電装置1の充放電を行う。 【0031】この時の第1蓄電装置1の充放電電力とSOC、および入出力可能電力と温度変化を表したタイムチャートを図7に示す。充放電の切り替えは第1蓄電装置1のSOCがUSOCまたはLSOCに到達した時に切り替わり、充放電電力の大きさは第1蓄電装置1の入出力可能電力と等しくなるように設定されるが、暖機制御によって蓄電装置1の温度が上昇し入出力可能電力は増加するので、充放電電力は次第に大きな値となって暖機効果は急速に高まっていく。一方、暖機のため蓄電装置1の内部ではジュール熱としてエネルギーが消費され、また電力変換装置3では電力変換の際に発生する損失があるので、第1蓄電装置1と第2蓄電装置2に蓄えられたエネルギーの総量は徐々に減少していく。それに伴い上下限SOCも低下していく。 【0032】次に図7を用いて暖機判定における所定値T1の別の設定方法について説明する。図3の暖機判定フローチャートでは第1蓄電装置1の温度Tbが所定値T1以上となったら、バッテリ暖機フラグfBwarmをクリアするが、図7ではこの所定値T1を第1蓄電装置1の出力可能電力がシステム要求値と等しくなる温度として設定している。第1蓄電装置1の出力可能電力はSOCにも左右されるため、実際は図7のように蓄電装置1の温度が所定値になったと同時に出力可能電力がシステム要求値と等しくなるとは限らない。この場合は蓄電装置1のSOCの下限において、出力可能電力がシステム要求値と等しくなるように設定すればよい。 【0033】なお、システム要求値とはエンジンを始動するのに必要な電力であったり、車両において燃費性能および動力性能を満足するために必要なEV走行やモータアシスト、回生制動などで蓄電装置1に要求される最低限の電力である。 【0034】したがって、本実施形態では、第1蓄電装置1の暖機時に第1蓄電装置1と第2蓄電装置2の蓄電状態に応じて第1蓄電装置1と第2蓄電装置2との間で電力のやり取りを行うので、駆動力の小さい場合でも第1蓄電装置1と第2蓄電装置2との間でエネルギーのやり取りを行うことができ、高い第1蓄電装置の暖機効果を得ることができる。 【0035】また、目標変換電力の大きさが第1蓄電装置を充電する時には入力可能電力とい等しくなるように、また放電する時には出力可能電力と等しくなるように決定するので、第1蓄電装置の充放電電力は第1蓄電装置を過充電、過放電しない範囲で常に最大となり、高い暖機効果を得ることができる。 【0036】図8に第2の実施形態としてのシステムの構成図を示す。これは本発明をエンジン(P1)、駆動モータ(P4)のいずれかで走行が可能なパラレル方式の車両に適用した実施形態である。 【0037】車両のパワートレインは、エンジンP1と、エンジンP1に直結され、エンジンP1のパワーを電力に変換するスタータ機能を兼ねた発電モータP2と、エンジン始動時に発電モータP2に電力を供給したり、発電モータP2で発電された電力を蓄えておくための蓄電装置P3と、蓄電装置P3の電力により車両を駆動したり、減速時に車両の運動エネルギーを回生して蓄電装置P3に電力を蓄えることのできる駆動モータP4と、エンジンP1と駆動モータP4の間にありエンジンの出力を駆動系に伝達/遮断できるクラッチP5と、無段変速機(CVT)P6で構成される。 【0038】蓄電装置P3は、図1に示した第1蓄電装置1であるバッテリと第2蓄電装置2であるキャパシタと電力変換装置3であるDCDCコンバータから構成され、発電モータP2と駆動モータP4と直接接続されているのは第1蓄電装置1とする。なお本実施例においても第1蓄電装置1の容量の方が第2蓄電装置2の容量より大きいものとする。 【0039】エンジンP1および駆動モータP4のトルクは、無段変速機P6の入力側(プライマリ)に入力され、出力側(セ力ンダリ)からファイナルギアP7を介してタイヤP8に伝達される。エンジンP1のトルクは統合コントローラP9から出力されるエンジントルク指令値に基づきエンジンコントローラP10がスロットル開度をよってトルクを制御する。なお第1実施形態のコントローラ4は、統合コントローラP9の一部を構成するものである。 【0040】無段変速機P6は、入力側の回転速度が統合コントローラP9から出力される目標入力回転速度指令値と等しくなるように、CVTコントローラP11がプライマリ圧とセ力ンダリ圧を油圧アクチュエータで調整して変速比を制御する。またCVTコントローラP11では無段変速機P6の入力側の回転速度と出力側の回転速度から実変速比を演算して統合コントローラP9へ送る。 【0041】スタータ兼発電モータP2および駆動モータP4は、統合コントローラP9から出力される各トルク指令値に基づきスタータコントローラP12および駆動モータコントローラP13がトルクを制御する。 【0042】クラッチP5は、クラッチコントローラP14により統合コントローラP9から出力されるクラッチ締結指令に基づき締結/開放を行なう。 【0043】バッテリコントローラP15は、蓄電装置P3の第1蓄電装置1と第2蓄電装置2両方の電圧一電流を検出し、それぞれのSOCと入出力可能電力を演算して統合コントローラP9に送る。 【0044】統合コントローラP9にはアクセルペダルの踏み込み位置(APS)を検出するアクセル開度センサP16と車速を検出する車速センサP17の出力信号が入力される。 【0045】図8に示したシステムで統合コントローラP9で行う制御を図9のフローチャートを示す。 【0046】まず、ステップ31でAPSからドライバの要求している目標駆動力を算出し、ステップ32で図3に示す第1蓄電装置1の暖機判定を行い、ステップ33で暖機判定で設定される暖機フラグが立っているかどうかを判断して暖機の必要性を確認する。暖機フラグが立っていない場合、つまり暖機する必要がない場合はステップ35へ進み、通常制御を行う。暖機フラグが立っている場合、つまり暖機する必要がある場合はステップ34へ進み、ステップ34では高い暖機効果を得られるように図10に示す第1蓄電装置1の目標充放電電力tPbを演算する。 【0047】次にステップ36に進み、図11に示すように目標駆動力と目標充放電電力からエンジンP1の目標出力と駆動モータP4の目標出力を演算する。 【0048】エンジン目標出力は、エンジンコントローラP10に送られ、その値に基づきエンジンP1のスロット開度を制御して出力を制御する。駆動モータ目標出力は駆動モータコントローラP13に送られ、駆動モータP4の出力を制御する。 【0049】その後ステップ37で電力変換装置の変換電力を演算し、蓄電装置P3を制御して制御を終了する。 【0050】変換電力は、図1の電力変換装置3において第1蓄電装置1と第2蓄電装置2との間で授受する電力の制御に用いられる。なお本制御フローチャートは一定時間(例えば10msec)毎に演算を行うものとする。 【0051】図10、11に図9の第1蓄電装置1の目標充放電電力演算(ステップ34)とモータ/エンジン出力演算(ステップ36)での詳細制御フローチャートを示す。 【0052】図10の第1蓄電装置1の目標充放電電力演算の詳細制御フローチャートでは、ステップ41で第1蓄電装置1の入出力可能電力Pimx、Pomxを演算し、ステップ42で第1蓄電装置1の蓄電状態SOC_1を検出する。 【0053】次にステップ43で第1蓄電装置1のSOC_1が所定値より小さいかどうかを判定する。この所定値の設定方法は、第1蓄電装置1の出力可能電力が第1の実施形態で説明したシステム要求値を満たすLSOCにする方法などが考えられる。 【0054】ステップ43で第1蓄電装置1のSOC_1が所定値より小さいと判定した場合には、ステップ44に進み、目標充放電電力tPbを充電を行うPimxとする。 【0055】ステップ43で第1蓄電装置1のSOC_1が所定値以上と判定した場合には、ステップ45に進みPimxとPomxの絶対値の大きさを比較する。PimxがPimx以上の場合にはステップ44に進み、目標充放電電力tPbをPimx(充電)とする。 【0056】ステップ45でPomxの方が大きい場合にはステップ46に進む。ステップ46では目標駆動力tPdrvとPimxの絶対値の大きさを比較して、PimxがtPdrv以上の場合にはステップ44に進み、第1蓄電装置の目標充放電電力tPbをPimxとし、tPdrvの方が大きい場合にはステップ47に進み、tPdrvとPomxの小さい方を第1蓄電装置1の目標充放電電力tPbとする(放電制御とする。)。 【0057】このように第1蓄電装置1の目標充放電電力を決定することで、常に第1蓄電装置1の目標充放電電力は、目標駆動力tPdrvと第1蓄電装置1の入力可能電力Pimxの絶対値と出力可能電力Pomxの絶対値の最も大きな値となり、高い暖機効果を得ることができる。 【0058】次に図9のステップ36で行われるモータ/エンジン出力演算の詳細を図11の制御フローチャートで説明する。 【0059】まず、ステップ51でモータP4で消費する電力または回生する電力が、第1蓄電装置1の目標充放電電力tPbと等しくなる様にモータP4で発生する損失Plossをも考慮してモータ出力tPmoを演算する。次にステップ52でエンジン出力がモータ出力tPmoと足し合わせて目標駆動力tPdrvになるようにエンジン出力の暫定値tPen’を演算する。 【0060】その後ステップ53に進み、エンジン出力の暫定値tPen’に変化量制限を設けたものをエンジン出力tPenとする。エンジン出力に変化量を設ける理由は、第1蓄電装置1の充電と放電を切り替える際にエンジン出力を急激に変化させると、モータとの出力架け替えがうまく行かず、その差分が駆動力に影響し運転性を悪化させるためである。 【0061】本発明ではエンジン出力の変化を制限しても、第2蓄電装置2から電力変換装置を介して第1蓄電装置を充放電できるので、第1蓄電装置の充放電電力は目標充放電電力tPbの1通りとなり、暖機効果を犠牲にすることなしに運転性への悪影響を低減することができる。 【0062】なお、図9のステップ37では電力変換装置3の変換電力を図11で制限したエンジン出力分とする。 【0063】したがって、本実施形態においては、第1蓄電装置の暖機時に、目標駆動力と第1蓄電装置1の目標充放電電力に応じてエンジンの目標出力と、モータの目標出力と、第1蓄電装置と第2蓄電装置との電力のやり取りを制御するので、第1蓄電装置の充放電切り替え時に駆動力に影響しない範囲でエンジン出力の変化量を制限しても、この制限により発生する目標充放電電力と第1蓄電装置の充放電電力の差を電力変換装置を介して第2蓄電装置から供給または吸収できるので、第1蓄電装置の充放電電力は目標充放電電力と等しくなって、運転性への影響を抑制しながら同時に高い第1蓄電装置の暖機効果を得ることができる。 【0064】また、第1蓄電装置1の目標充放電電力は、第1蓄電装置の入出力可能電力と等しくなるように決定するので、第1蓄電装置の充放電電力は、第1蓄電装置の過充電、過放電を生じない範囲で常に最大となり、第1蓄電装置の高い暖機効果を得ることができる。 【0065】図12に第3の実施形態の構成図を示す。これは駆動モータ(S2)で走行し、走行に必要な電力を燃料電池(S1)で供給する燃料電池車両に本発明を適用した構成である。パワートレインは燃料電池S1と、燃料電池S1で発電した電力と蓄電装置S5に蓄えられている電力とを制御して駆動される駆動モータS2で構成されている。 【0066】蓄電装置S5は、図1に示した第1蓄電装置1であるバッテリと第2蓄電装置2であるキャパシタと電力変換装置3であるDCDCコンバータから構成され、燃料電池S1と駆動モータP2と直接接続されているのは第1蓄電装置1とする。なお本実施形態においても第1蓄電装置1の容量の方が第2蓄電装置2の容量より大きいものとする。 【0067】駆動モータS2のトルクは、ファイナルギアS3を介してタイヤS4に伝達される。燃料電池S1の発電電力指令値は、統合コントローラS7から出力され、その値に基づき燃料電池コントローラS6により燃料電池S1の発電電力を制御する。バッテリコントローラS8は、蓄電装置S5の第1蓄電装置1と第2蓄電装置2両方の電圧・電流を検出し、それぞれのSOCと入出力可能電力を演算して統合コントローラS7に送る。また駆動モータコントローラS9は統合コントローラS7のモータトルク指令値に基づき駆動モータS2のトルクをベクトル制御する。さらに統合コントローラS9にはアクセルペダルの踏み込み位置(APS)を検出するアクセル開度センサS12と車速を検出する車速センサS13の信号が入力される。 【0068】図13に図12に示したシステムで統合コントローラS7が行う制御を説明するフローチャートを示す。 【0069】まずステップ61で、ドライバの要求している駆動力からモータの出力を演算し、モータ出力は駆動モータコントローラS9に送られ、駆動モータP2の出力を制御する。ステップ62で図3に示す第1蓄電装置1の暖機判定を行い、ステップ63で暖機判定で設定される暖機フラグが立っているかどうかを判断して暖機の必要性を確認する。暖機フラグが立っていない場合、つまり暖機する必要がない場合はステップ65へ進み、通常制御を行う。暖機フラグが立っている場合、つまり暖機する必要がある場合はステップ64へ進み、ステップ64では高い暖機効果を得られるように図10に示す第1蓄電装置1の目標充放電電力tPbを演算する。 【0070】次にステップ66に進み、燃料電池S1の目標発電電力が目標駆動力と充放電電力の和となるように演算する。目標発電電力は図12の燃料電池コントローラS6に送られ、その値に基づき燃料電池S1の発電電力を制御する。その後ステップ67で図14に示す電力変換装置の変換電力を演算し、制御を終了する。 【0071】変換電力は、図1の電力変換装置において第1蓄電装置1と第2蓄電装置2との間で授受する電力の制御に用いられる。なお本制御フローチャートは一定時間(例えば10msec)毎に演算を行うものとする。 【0072】図14にステップ67で行われる電力変換装置での変換電力演算の詳細制御フローチャートを示す。 【0073】図14の電力変換装置変換電力演算の詳細制御フローチャートでは、ステップ71で第1蓄電装置1の実充放電電力rPbを検出する。次にステップ72に進み、第1蓄電装置1の充放電電力tPbと実充放電電力rPbの差に応じて変換電力tPtを決定する。変換電力tPtは図15に示すように燃料電池の応答遅れを補うように決定するので、燃料電池のような応答速度が遅いシステムにおいても、第2蓄電装置2から燃料電池の応答遅れ分を電力変換装置を介して第1蓄電装置1に充放電できるので、第1蓄電装置1の充放電電力はtPb通りとなり、高い暖機効果を得ることが出来る。 【0074】本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内でさまざまな変更がなしうることは明白である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地
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| 【出願日】 |
平成14年5月21日(2002.5.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075513 【弁理士】 【氏名又は名称】後藤 政喜 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−339103(P2003−339103A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月28日(2003.11.28) |
| 【出願番号】 |
特願2002−145806(P2002−145806) |
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