| 【発明の名称】 |
自動車 |
| 【発明者】 |
【氏名】伊良波 平 【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内
【氏名】尾関 竜哉 【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】プラネタリギヤと熱伝達可能に配置されプラネタリギヤを介して駆動軸に動力を出力するモータからの熱を用いてプラネタリギヤを暖機し、プラネタリギヤの駆動効率を向上させて、車両全体のエネルギ効率を向上させる。
【解決手段】シフトポジションが走行可能なポジションであり且つアクセルOFF,ブレーキONの状態にあると共に、車両の走行状態がクリープトルクを出力許可領域にあるとき(S100〜S104)、プラネタリギヤを潤滑する潤滑油の油温Toが所定温度Toref以上であり、且つ、モータに電力供給する二次電池のSOCが所定量Sref以上であるときには、油温Toに応じてモータから出力するクリープトルクTcrを設定する(S112)。クリープトルクTcrは、油温Toが低いほど大きくなるように設定される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 駆動輪に接続された駆動軸に動力を出力可能な電動機を備える自動車であって、前記電動機と熱伝達可能に配置された機械的駆動機構と、該機械的駆動機構に供給される潤滑媒体の温度を検出する温度検出手段と、該検出された温度に基づいて前記電動機から出力すべきクリープトルクを設定するクリープトルク設定手段と、該設定されたクリープトルクが出力されるよう前記電動機を駆動制御する駆動制御手段とを備える自動車。 【請求項2】 請求項1記載の自動車であって、前記クリープトルク設定手段は、前記温度検出手段により検出された潤滑媒体の温度が低いほど大きくなる傾向で前記クリープトルクを設定する手段である自動車。 【請求項3】 請求項1または2記載の自動車であって、前記電動機との間で電力のやりとりが可能な二次電池と該二次電池の残容量を検出する残容量検出手段とを備え、前記クリープトルク設定手段は、前記残容量検出手段により検出された二次電池の残容量が所定量以上のときに、前記温度検出手段により検出された潤滑媒体の温度に基づいて前記クリープトルクを設定する手段である自動車。 【請求項4】 請求項1ないし3いずれか記載の自動車であって、動力を出力可能な内燃機関を備え、前記機械的駆動機構は、前記内燃機関の出力軸と前記電動機の出力軸と前記駆動軸とに接続された3軸を有し、該3軸のうち任意の2軸が独立して回転可能で残余の1軸が該2軸の回転に従属して回転する3軸式動力入出力機構である自動車。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自動車に関し、詳しくは、駆動輪に接続された駆動軸に動力を出力可能な電動機を備える自動車に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の自動車としては、電動機からの動力を駆動軸に出力するものであって電動機からの動力を機械的な駆動により駆動軸に伝達する動力伝達機構などの機械的駆動機構を備えるものや、内燃機関と電動機とからの動力を駆動軸に出力するものであって内燃機関からの動力を電動機や駆動軸に分配して出力したり内燃機関からの動力と電動機からの動力とを統合して駆動軸に出力する動力分配統合機構などの機械的駆動機構を備えるものなどが提案されている。これらの自動車では、電動機からの動力を駆動軸に出力することができるから、電動機への電流供給を調節することで駆動軸に所望のクリープトルクを出力することができる。したがって、車両停車中にブレーキペダルの踏み込み量に応じてクリープトルクを低トルクに抑えることにより、電力消費を少なくしエネルギ効率を向上させることもできる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これらの自動車では、車両全体としての効率が低くなる場合がある。上述の機械的駆動機構は、その温度により駆動効率が異なるから、機械的駆動機構の温度が低いときに通常時と同様のクリープトルクの制御を行なうと、機械的駆動機構の駆動効率が著しく低くなり、車両全体の効率も低くなってしまう。 【0004】本発明の自動車は、こうした問題を解決し、機械的駆動機構を暖気を促進して車両全体のエネルギ効率をより向上させることを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本発明の自動車は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。 【0006】本発明の自動車は、駆動輪に接続された駆動軸に動力を出力可能な電動機を備える自動車であって、前記電動機と熱伝達可能に配置された機械的駆動機構と、該機械的駆動機構に供給される潤滑媒体の温度を検出する温度検出手段と、該検出された温度に基づいて前記電動機から出力すべきクリープトルクを設定するクリープトルク設定手段と、該設定されたクリープトルクが出力されるよう前記電動機を駆動制御する駆動制御手段とを備えることを要旨とする。 【0007】この本発明の自動車では、温度検出手段が、駆動輪に接続された駆動軸に動力を出力可能な電動機と熱伝達可能に配置された機械的駆動機構に供給される潤滑媒体の温度を検出し、この検出された温度に基づいてクリープトルク設定手段が、電動機から出力すべきクリープトルクを設定する。そして、駆動制御手段が、設定されたクリープトルクが出力されるよう電動機を駆動制御する。したがって、潤滑媒体の温度、即ち、潤滑媒体により潤滑される機械的駆動機構の駆動効率を考慮して駆動軸に出力するクリープトルクを制御するから、車両全体のエネルギ効率をより向上させることができる。 【0008】また、本発明の自動車において、前記クリープトルク設定手段は、前記温度検出手段により検出された潤滑媒体の温度が低いほど大きくなる傾向で前記クリープトルクを設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、潤滑媒体の温度が低いときには機械的駆動機構の暖気を促進できるから、機械的駆動機構の駆動効率を向上させて車両全体の効率をより向上させることができる。 【0009】更に、本発明の自動車において、前記電動機との間で電力のやりとりが可能な二次電池と該二次電池の残容量を検出する残容量検出手段とを備え、前記クリープトルク設定手段は、前記残容量検出手段により検出された二次電池の残容量が所定量以上のときに、前記温度検出手段により検出された潤滑媒体の温度に基づいて前記クリープトルクを設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、二次電池の過放電を防止することができる。 【0010】また、本発明の自動車において、動力を出力可能な内燃機関を備え、前記機械的駆動機構は、前記内燃機関の出力軸と前記電動機の出力軸と前記駆動軸とに接続された3軸を有し、該3軸のうち任意の2軸が独立して回転可能で残余の1軸が該2軸の回転に従属して回転する3軸式動力入出力機構であるものとすることもできる。 【0011】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。図1は、本発明の一実施例である自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例の自動車20は、図示するように、実施例の自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト24に接続されたプラネタリギヤ30と、プラネタリギヤ30に接続された発電可能なモータ40と、プラネタリギヤ30に接続されると共にディファレンシャルギヤ64を介して駆動輪66a,66bに接続された無段変速機としてのCVT50と、装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット(以下、ハイブリッドECUという)70とを備えるハイブリッド自動車として構成されている。 【0012】エンジン22は、例えばガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力可能な内燃機関であり、エンジン22のクランクシャフト24には、図示しない補機に供給する電力を発電すると共にエンジン22を始動するスタータモータ26がベルト28を介して接続されている。エンジン22の運転制御、例えば燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などは、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)29により行われている。エンジンECU29は、ハイブリッドECU70と通信しており、ハイブリッドECU70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッドECU70に出力する。 【0013】プラネタリギヤ30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合する第1ピニオンギヤ33とこの第1ピニオンギヤ33およびリングギヤ32に噛合する第2ピニオンギヤ34とを自転かつ公転自在に保持するキャリア35とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア35とを回転要素として差動作用を行なう3軸式の動力入出力機構である。プラネタリギヤ30のサンギヤ31にはエンジン22のクランクシャフト24が、キャリア35にはモータ40の回転軸41がそれぞれ連結されており、サンギヤ31およびキャリア35を介してエンジン22とモータ40との間で出力のやりとりができる。キャリア35はクラッチC1により、リングギヤ32はクラッチC2によりCVT50のインプットシャフト51に接続できるようになっており、クラッチC1およびクラッチC2を接続状態とすることにより、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア35の3つの回転要素による差動を禁止して一体の回転体、即ちエンジン22のクランクシャフト24とモータ40の回転軸41とCVT50のインプットシャフト51とを一体の回転体とする。なお、プラネタリギヤ30には、リングギヤ32をケース39に固定してその回転を禁止するブレーキB1も設けられている。 【0014】モータ40は、例えば発電機として駆動できると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ43を介して二次電池44と電力のやりとり行なう。モータ40は、モータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)49により駆動制御されており、モータECU49には、モータ40を駆動制御するために必要な信号や二次電池44を管理するのに必要な信号、例えばモータ40の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ45からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータ40に印加される相電流,二次電池44の端子間に配置された電圧センサ46からの端子間電圧,二次電池44からの電力ラインに取り付けられた電流センサ47からの充放電電流,二次電池44に取り付けられた温度センサ48からの電池温度などが入力されており、モータECU49からはインバータ43へのスイッチング制御信号などが出力されている。モータECU49では、二次電池44を管理するために電流センサ47により検出された充放電電流の積算値や電圧センサ46により検出された端子間電圧などに基づいて二次電池44の残容量(SOC)を演算している。なお、モータECU49は、ハイブリッドECU70と通信しており、ハイブリッドECU70からの制御信号によってモータ40を駆動制御すると共に必要に応じてモータ40の運転状態や二次電池44の状態に関するデータをハイブリッドECU70に出力する。 【0015】CVT50は、溝幅が変更可能でインプットシャフト51に接続されたプライマリープーリー53と、同じく溝幅が変更可能で駆動軸としてのアウトプットシャフト52に接続されたセカンダリープーリー54と、プライマリープーリー53およびセカンダリープーリー54の溝に架けられたベルト55と、プライマリープーリー53およびセカンダリープーリー54の溝幅を変更する第1アクチュエータ56および第2アクチュエータ57とを備え、第1アクチュエータ56および第2アクチュエータ57によりプライマリープーリー53およびセカンダリープーリー54の溝幅を変更することによりインプットシャフト51の動力を無段変速してアウトプットシャフト52に出力する。CVT50の制御は、CVT用電子制御ユニット(以下、CVTECUという)59により行われている。このCVTECU59には、インプットシャフト51に取り付けられた回転数センサ61からのインプットシャフト51の回転数Niやアウトプットシャフト52に取り付けられた回転数センサ62からのアウトプットシャフト52の回転数Noが入力されており、CVTECU59からは第1アクチュエータ56および第2アクチュエータ57への駆動信号が出力されている。また、CVTECU59は、ハイブリッドECU70と通信しており、ハイブリッドECU70の制御信号によってCVT50の変速比を制御すると共に必要に応じてCVT50の運転状態に関するデータをハイブリッドECU70に出力する。 【0016】オイルポンプ100は、オイルパン102に貯められた潤滑油をプラネタリギヤ30などの機械部分に供給する。 【0017】プラネタリギヤ30とモータ40とCVT50とは、図示しない単一のケースに熱伝達可能に収納されており、オイルポンプ100からの潤滑油により潤滑されると共に冷却されるようにもなっている。 【0018】ハイブリッドECU70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶したROM74と、一時的にデータを記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッドECU70には、オイルパン102に取り付けられた温度センサ104からの油温Toや回転数センサ61からのインプットシャフト51の回転数Ni,回転数センサ62からのアウトプットシャフト52の回転数No,シフトレバー80の操作位置を検出するシフトポジションセンサ81からシフトポジションSP,アクセルペダル82の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ83からアクセルペダルポジションAP、ブレーキペダル84の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ85からのブレーキペダルポジションBP,ブレーキマスタシリンダ86に取り付けられた油圧センサ87からのブレーキ油圧Pb,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。また、ハイブリッドECU70からは、クラッチC1やクラッチC2への駆動信号やブレーキB1への駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。また、ハイブリッドECU70は、前述したように、エンジンECU29やモータECU49,CVTECU59と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU29やモータECU49,CVTECU59と各種制御信号やデータのやりとりを行っている。 【0019】また、図1に示すように、ブレーキペダル84に接続されたブレーキマスターシリンダ86から駆動輪66a,66bの機械ブレーキ94a,94bに至る油圧回路90には、その油圧を調節して機械ブレーキ94a,94bによる制動力を調節する油圧調節装置92が設けられている。なお、機械ブレーキ94a,94bにより駆動輪66a,66bに作用する制動力は、ハイブリッドECU70によりブレーキペダル車速センサ86の踏み込み力と車両の走行状態に基づいて決定され、ハイブリッドECU70から制御信号を入力された油圧調節装置92よって調節される。 【0020】こうして構成された実施例の自動車20では、前進走行時、即ちシフトポジションSPがDレンジやBレンジのときには、クラッチC1を接続状態とすると共にクラッチC2を接続解除状態としてモータ40からの動力だけで走行するモータ走行モードやクラッチC1とクラッチC2とを共に接続状態としてエンジン22の動力に必要に応じてモータ40の動力を付加して走行するエンジンモータ走行モード,クラッチC1を接続解除状態とすると共にクラッチC2を接続状態としてエンジン22からのトルクの反力をモータ40でとることによりトルクを増幅して走行するトルク増幅走行モードを用いて走行する。なお、いすれの走行モードでもブレーキB1は接続解除の状態である。また、後進走行時、即ちシフトポジションSPがRレンジのときには、クラッチC1を接続状態とすると共にクラッチC2を接続解除状態としてモータ40からの動力だけで走行するリバース走行モードにより走行したり、所定駆動力以上の駆動力が要求されたときや二次電池44のSOCが所定量以下となったときにはクラッチC1と共にブレーキB1を接続状態としてエンジン22からの動力を駆動輪66a,66bに伝達する後進時トルク増幅モードにより走行する。こうした各走行モードは、いずれもモータ40が駆動可能な状態であり、モータ40を駆動制御することによりプラネタリギヤ30に動力を入出力することができる。 【0021】次に、実施例の自動車20の動作について説明する。図2は、実施例の自動車20のハイブリッドECU70により実行されるクリープトルク制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、8msec毎)に繰り返し実行される。 【0022】クリープトルク制御ルーチンが実行されると、ハイブリッドECU70のCPU72は、まず、シフトポジションセンサ81により検出されるシフトポジションSPやアクセルペダルポジションセンサ83により検出されるアクセルペダルポジションAP,ブレーキペダルポジションセンサ85により検出されるブレーキペダルポジションBP,油圧センサ87により検出されるブレーキ油圧Bp,車速センサ88により検出される車速V,温度センサ104により検出される油温To,モータECU49により演算されて通信により入力される二次電池44の残容量SOCなどを読み込む処理を実行する(ステップS100)。そして、シフトポジションSPが走行可能なポジション、即ちDレンジ,Bレンジ,Rレンジのいずれかのレンジであるか否か、アクセルペダルポジションAPがアクセルOFFの状態である否か、ブレーキペダルポジションBPがブレーキONの状態であるか否かを判定する(ステップS102)。シフトポジションSPが走行可能なポジションにないと判定されたときやアクセルペダルポジションAPがアクセルONの状態にあると判定されたとき、あるいはブレーキペダルポジションBPがブレーキOFFの状態にあると判定されたときには、クリープトルク制御とは異なる他の制御(ステップS114)であると判定し、本ルーチンを終了する。 【0023】シフトポジションSPが走行可能なポジションであり、アクセルペダルポジションAPがアクセルOFFの状態であり、且つ、ブレーキペダルポジションBPがブレーキONの状態であると判定されたときには、車両の走行状態がクリープトルク出力許可領域にあるか否かを判定する(ステップS104)。ここで、クリープトルク出力許可領域は、クリープトルクを出力する必要がある領域として設定され、例えば、車速VやブレーキペダルポジションBP,ブレーキ油圧Pbなどの走行状態やモータ40の性能、車両の走行特性などにより定めることができる。車両の走行状態がクリープトルク出力許可領域にないと判定されたときには、クリープトルクを出力する必要がないと判断してクリープトルク制御とは異なる他の制御(ステップS114)、例えばモータ40の回生制御によるエネルギ回生制御を行なって本ルーチンを終了する。 【0024】車両の走行状態がクリープトルク出力許可領域内のときには、潤滑油の油温Toが所定温度Toref以上あるが否か(ステップS106)、二次電池44の残容量SOCが所定量Sref以上であるか否か(ステップS108)を判定する。油温Toが所定温度Toref以上ないと判定されたときや、油温Toは所定温度Toref以上あるが残容量SOCが所定量Sref以上ないと判定されたときには、通常のクリープトルク制御を行なって(ステップS110)本ルーチンを終了する。通常のクリープトルク制御は、例えば、ドライバ要求トルクから、車速VやブレーキペダルポジションBP,ブレーキ油圧Pbなどの走行状態に応じて低くなるよう補正したトルクがモータ40から出力されるように運転制御することにより行なわれる。ドライバ要求トルクは、例えば、シフトポジションSPが走行可能なポジションであると共にアクセルペダルポジションAPがアクセルOFFの状態であり、ブレーキペダルポジションBPがブレーキONの状態では、車両停車状態からブレーキペダル84をOFFしたときに車両を低速で走行させるのに必要なトルクとして設定される。 【0025】油温Toが所定温度Toref以上で、且つ、二次電池44の残容量SOCが所定量Sref以上であると判定されたときには、潤滑油の油温Toに応じてクリープトルクTcrを設定すると共に設定されたクリープトルクTcrでモータ40を駆動制御して(ステップS112)本ルーチンを終了する。ここで、油温Toに応じたクリープトルクTcrの設定は、実施例では、油温ToとクリープトルクTcrとの関係を予め実験などにより求めてマップとしてROM74に記憶しておき、油温Toが与えられるとマップから対応するクリープトルクTcrが導出されるものとした。このマップの一例を図3に示す。また、潤滑油の油温Toと潤滑油の粘性との関係を示す図を図4に示す。 【0026】図3のマップでは、油温Toが所定温度Toref以上のときには、油温Toが低くなるほど徐々にクリープトルクTcrが大きくなるように設定されていることがわかる。クリープトルクTcrを大きく設定してモータ40を駆動制御すれば、それだけモータ40における発熱量は大きくなるから、モータ40と熱伝達可能に配置されたプラネタリギヤ30は暖機される。一方、図4に示すように、油温Toが低温になると急激に潤滑油の粘性が高くなるため、潤滑油を供給するオイルポンプ90や潤滑油が供給されるプラネタリギヤ30の駆動抵抗が高くなりその駆動効率は著しく低下してしまう。したがって、潤滑油の油温Toが低温のときには、クリープトルクTcrを大きく設定してプラネタリギヤ30の暖気を促進させて潤滑油の粘性を低くすれば、クリープトルクTcrを大きく設定することによるモータ40の銅損は増加するがプラネタリギヤ30やオイルポンプ90などの駆動効率を大きく向上させることができから、車両全体としてのエネルギ効率を向上させることができる。なお、ステップS108で二次電池44の残容量SOCが所定量Sref以上ないときにプラネタリギヤ30の暖機を行なわないのは、暖機に用いる電力により二次電池44が過放電するのを防止するためである。 【0027】以上説明した実施例の自動車20によれば、潤滑油の油温Toが低いほどモータ40から出力するクリープトルクTcrを高く設定するから、モータ40の発熱によりモータ40と熱伝達可能に配置されたプラネタリギヤ30を暖気することができる。この結果、プラネタリギヤ30内の潤滑油を暖機できるから、プラネタリギヤ30やオイルポンプ90の駆動効率を向上させることができ、車両全体のエネルギ効率をより向上させることができる。しかも、二次電池44の残容量SOCが所定量Sref以上ないときには、プラネタリギヤ30の暖機を行なわないから、二次電池44を過放電させることがない。 【0028】実施例の自動車20では、潤滑油の油温Toが低くなるほど徐々に大きくなるようにクリープトルクTcrを設定するものとしたが、所定の閾値を用いて油温Toが低くなるほどステップ的に大きくなるようにクリープトルクTcrを設定するものとしても構わない。このときのステップ数は、2段階以上あれば何段階あっても構わない。 【0029】実施例の自動車20では、二次電池44の残容量SOCが所定量Sref以上であるときに油温Toに基づいてクリープトルクTcrを設定してモータ40を駆動制御するものとしたが、モータ40から出力されるクリープトルクは比較的小さくその消費電力も少ないから二次電池44の残容量SOCに関係なく油温Toに基づいてクリープトルクTcrを設定してモータ40を駆動制御するものとしても差し支えない。 【0030】実施例の自動車20では、エンジン22からの動力やモータ40からの動力を駆動軸としてのリンクギヤ32の回転軸に出力可能なプラネタリギヤ30がモータ40と熱伝達可能な位置に配置された構成とし、プラネタリギヤ30を潤滑する潤滑油の油温Toに基づいてモータ40のクリープトルクを設定することによりプラネタリギヤ30の暖機するものとしたが、電動機からの動力を駆動軸に伝達可能な機構やその他の機械的な駆動を行なう機構に熱伝達可能に配置されると共に駆動軸に動力を出力可能な電動機を備える構成であれば、如何なる構成としても構わない。 【0031】以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003207 【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社 【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地
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| 【出願日】 |
平成14年5月10日(2002.5.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】110000017 【氏名又は名称】特許業務法人アイテック国際特許事務所
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| 【公開番号】 |
特開2003−333711(P2003−333711A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月21日(2003.11.21) |
| 【出願番号】 |
特願2002−134865(P2002−134865) |
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